インフィニット・ストラトス~紡いだ想い、再び~ 作:サウス零
そしてサージュシリーズ・ファンのみなさん『待たせたな』
えっ?待ってないって……
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時は6月末の最終日曜日にて、俺は学園の外に出てある駅前広場に立っていた。
無論、人を待っている…誰かって?
「お、お待たせ…」
我らが「イオンちゃん」もとい…結城寧さんである。
わざわざIS学園とは遠い駅での広場で待ち合わせているのはいろいろと理由があった
まず第一に、寧の存在を学園から悟らせないようにする事。
特に織斑千冬には最大限の警戒を立てている。
あの人の勘の鋭さはハンパじゃない、不用意に近場で行動すれば他の生徒達からの情報でも勘付く可能性が否めない。
それに対抗するための百合からの秘策はアトリエゲートの接続先を別の場所に切り替える事。
学園外の場所に寧をそこから外に導き、俺は本来の寮部屋に待機したうえで学園から出るという流れとなった
そして、それが成功して今こうして合流するのであった。
第二に…と言うより、これが一番の理由だ。
鈴、シャルロット、ラウラとイベントに伴ったトラブル続きに数週間も彼女とかわしていないことに気付けていなかった。
それを知らずにアトリエへ入ると…百合とロボまるがなぜかキッチンスペースに隠れて何やら相談している。
「お~い、百合にロボまるも何でそんな所にかく…ぐはっ!?」
声をかけた瞬間、一気に口を押えられ、スペースの奥に担ぎ込まれてしまった。
「将兄ぃ、今行ったらすごく危険よ!」
「危険ってなんだよ!?」
「とりあえず、ゆっくりと向こうを見てよ!」
二人の言うとおりにこっそりと視線の先を見ると…
「…………………」
寧が一人、黙々とはんだごて片手に作業をしている
「寧がいるだけじゃないか、なんでそんなにコソコソしてるんだ二人とも……」
「そ、それは……」
「しばらくするとわかるよ…」
なにやら心が物凄く痛いといった顔の二人。一体何があったんだ?
しばらくしてそれは直ぐに理解できた。
「きょうも~ひとりでさぎょうちゅう~
だれもまったくこないから~
しんくうか~んがまたふえる~
だれもつかわないしんくうか~ん……
ひとりさみしくつくるよ~しんくうか~ん……」
もの凄い寂しい自作の歌を歌っていた……
「実はあれで10個目だよ」
「じゅっこめ!!!???」
そう、アトリエには俺どころか百合とロボまるも揃いも揃って顔を出していなかったことが判明した。
「ねえ……そろそろ出てきてもいいんだよ?」
「「「ヒィ!!!???」」」
「ドアが開いた音が聞こえてたし、やだな…いたなら声かけてもいいのに……ねえ?」
ゆっくりとこちらを向いて笑顔で迎える寧だが、彼女の背後に浮かぶ黒いオーラが怖い、怖すぎる……
「やばいよ、やばいよ、これ爆弾、爆弾だよこれ!?」
「NO!?どーしよ!? どーしよ、なあロボまるどーしよ!? 俺どうすればいい!?」
「わわわわわわ!わかった!わかったからユリさんもショウも落ち着いて!?」
「そ、そだ。謝る。まず謝る! レッツDOGEZA!!」
「よっしゃ、それだ!」
一斉に前に出ると…
「「「申し訳ありませんでしたっぁぁぁぁぁ!!!!」」」
すかさずのスライディングDOGEZAをする俺と百合。
ロボまるも後に続いている……
「……」
しかし、顔を俯かせているので寧の表情が解らない
プッ……
不意に聞こえた噴きだした声に顔を上げると寧が笑いをこらえていた。
「……もう……ッッ…そんなに慌てられたら……っっく、もう怒れないじゃない……っっ」
とまあ、彼女からのお説教はナシとなり許しを得たが最後に……
「でも、淋しかったのは本当なんだからね…」
そんな切ない表情が一番心が堪えた一言になった。
そして、そのお詫びと言っては変であるが、ロボまると同じロボポンであるコジロウ用の真空管パーツの制作する為に
一緒に材料調達に行こうと誘ったのだが………
あれ?これってよく考えたらデートのお誘いになるのか?
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「ズバリ、デートでしょう!!」
「ユリさん、誰に言っているんです?」
将と寧が歩いている場所から少し離れた場所で百合とロボまるが隠れながら追いかけていた。
「あの~そろそろやめませんか?」
「いいえ、本当にあの二人がラブなのかを見極めるのが妹の使命なのよ!!」
「本命はそれだったりして…」
「何か言った?」
「何も言ってませ~ん……あれ、あそこにいるのって」
ロボまるが誰かを見つける。そこにいたのは……
「ねえ……」
「なんですの……?」
「あれって……手ぇ握ってない?」
「握ってますわねぇ……」
鈴とセシリアである。そして、二人が見ている先には一夏とシャルロットが手を繋いで歩いていたのだ。
二人の様子を見ていた鈴とセシリアの様子がおかしい、瞳の中の光が消えている感じがある。
「ふーん。見間違いでもなく白昼夢でもない…やっぱりそっか……よしコ「バシュン!!」ヘプッ!?」
「リ・ン・ちゃ~ん! 公共の場で何物騒なことしようとしてるの……危ない人に見られるでしょ…」
「だからってしゃもじを飛ばすんじゃないわよ百合!」
「部分展開してリンちゃんには言われたくない!!」
鈴が機体の部分展開で何かしようとする前に百合がすかさずしゃもじを投下、見事に鈴の後頭部に命中させた
言い合っている中、ロボまるが慌てて止めに入る。
「百合さん、それにロボまるさんも?」
「どうもこんにちわ、セシリアさん」
「はい、こんちにわ。お買い物ですか?」
「まあ……そんな所です」
「……そういえば将さんとは一緒じゃないんですの?」
「今日はお互いに別行動なんです」
ロボットである自分が街中に来る理由がほとんど無いに等しい為か不思議がられるがロボまる故にそれ以上は利かれることがなかった
さらにそこへ……
「ほう~楽しそうだな」
四人が振り返るとそこには先月トラブルの中心となった少女、ラウラがそこにいた。
「なっ!?あ、あんた何時の間に!!」
「そう警戒するな。今はお前たちと事を争うつもりはない」
「そんなこと言っても信じられませんわ!?」
「まあまあ、二人ともここは公共の場所です。代表候補生のあなた達が騒いだら他の人に迷惑をかけますよ」
「うむ、『戦友』ロボまるの言うとおりだ。事おこしては代表候補生の評判を落とすつもりか?」
「「ううっ」」
ラウラの言い分に文句を言うとしたがまさかのロボまるからの援護に黙るしかない鈴とセシリア
「では、私はここで失礼する」
「ちょ、ちょっとどこに行くつもり!?」
「決まっている。一夏を追いかけて、私も交ざる。それだけだ」
慌てて止めに入るがストレートな答えに鈴とセシリアは怯んでしまう…
「ま、待ちなさいよ、未知数の敵と戦うには情報収集が先決、でしょ?」
「ふむ、一理あるが…どうするんだ?」
「ここは共同で追跡の上、ふたりの関係をしっかりと見極めるべきですわ」
「なるほど…では共同戦と行こう」
かくして、鈴とセシリアとラウラによる『一夏・シャルロット追跡隊』が設立された。
「じゃあ、私達はこれで……」
「ダメよ、アンタ達も協力しなさい!!」
「ええ!なんで!?」
「百合さん、ロボまるさん。どうかわたくし達にお力を……」
「そう言われても、返答に困りますよ!?」
「お前のサーチレーダーなら一夏を追いかけやすくなる。戦友よ私からも頼む!」
「ラウラさんまで!?」
助っ人メンバーに百合とロボまるが参入!
よって、将&寧の追跡は諦めざるおえない百合なのであった
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何か、百合とロボまるが悲鳴を上げたような感じがしたような……
「どうしたの?」
「いや、なんでもない。そろそろ目的の場所につくぞ」
「へぇ~……!!」
そう言って到着した場所を見てかなり驚く寧。
それもそうだろう、着いた場所はあの時の仮想世界そのものなのだから。
最初に見つけた光景に俺も驚いた。かつて彼女がイオンだった時に行った仮想の世界である電気街が現実に存在していたのだから
もしかしてだが、他の仮想空間もこの世界に関係しているのだろうか?
「将……ここって、似てるよね?あの仮想世界に……」
「ああ…俺も驚いた」
「もしかしたら、あの時に見つけたレアパーツもあったり!?」
「あるかもな…」
「わぁ……」
もう瞳がキラッキラッに輝かせている。久々に見たなこの子のハイテンション状態…
「早く早く!!」
「おう、今行く」
手を思いっきり振りながら俺を呼ぶ寧。ちょっと目立っていたが彼女の笑顔を見れるのだから気にする必要はない。
それから、数時間。
俺と寧は電気街を見回りつつ、例のパーツ作りの材料を探していく、
とりあえずの分は確保できたが大半は寧の見つけた掘り出し物ばかりを買うことになった。
買い物もひと段落済ませ、今俺達は喫茶店にきて一息ついている。
「その…ごめんね。ほとんど買ってもらって……」
無我夢中で電子パーツを探してはアレコレと買ってしまい、かなりの荷物ができてしまう。
無論寧が持つ資金も底を尽きかけていたのは言うまでもない……
「気にすることないさ、それに寧の利き目がいいからそんなに出費も範囲内だ。それに念願のパーツが手に入ったんだろ?」
「う、うん…仮想空間で見つけたのがみんなあったからつい全部…」
頬を赤く染めて紅茶のスプーンでガムシロップを溶かしている寧、微笑ましいことだ。
話は来週に迫った臨海学校の話題になる。
「やべ、もうじき学園で校外授業で海に行くから…水着買わないと」
「海に行くんだ……そっか、もう夏の季節だもんね」
「泳ぎは相変わらずか?」
「ううぅ~私が泳ぎ苦手なのわかってるのに聞かないでよ~」
「ははは、わりぃわりぃ……にしても海って聞くと思い出すな」
「そうだね、私達がデートと言うべきかはわからないけど、最初に行ったのが海だもんね…」
そう、俺が端末として彼女と話していた時に最初に使った仮想空間が浜辺でも仮想デートをしたことを思い出す、
それにその場所でちょっと特別な事もあった。
「うしっ、決めた。寧、一緒に行こうぜ、海!」
「ええっ!?」
「そうだな…バハムートで現地に向かって、アトリエのゲートを繋げれば、寧もそこに行くことが出来る」
「でも、いいのかな。私部外者だし」
「いいのいいの、俺がその場にいなくても誰も気付きやしないって、大丈夫、いざとなれば百合とロボまるに助けてもらう」
「本当かな……でも、うん。私もあなたと海に行きたいな」
「決まりだな…」
「うん、決まりだね…」
互いに笑顔を浮かばせて、次のデートの約束をする俺達は紅茶を飲んでアトリエに戻るのであった…
アトリエに戻ると何故かグッタリとした百合とロボまるの姿があった。
「どうしんだ?グッタリしてよ?」
「聞かないで……」
「ロボまるもどうしたの?」
「同じく、聞かないでください……」
そのままダンマリとなった二人に俺と寧は首をかしげるしかなかった。
いよいよ、来月は三日間かけての臨海学校……
何も起こらなければいいのだが……
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二泊三日の臨海学校。
眩しい太陽と青い海に白い砂浜と夏のひと時を楽しむ生徒達。
しかし、それは次の戦いに向けた嵐の前の静けさだった。
次回「EP15 合宿・海に着けば虹色リボン」
「海……それは乙女の心を弾けさせる魅力な場所。それは誰もがパッションになれる場所でもある」
「何を言い出すの…?」