インフィニット・ストラトス~紡いだ想い、再び~   作:サウス零

17 / 22
ご無沙汰してます…
まさかのあのフラグにあの人が手を出します…


EP16 疑惑・解放されしモノ

Other view

 

時は少しさかのぼり、将と百合が打ち上げた謎の飛行物体であるニンジン型の飛行体。

 

いざ到着と言う前に、まさかの軌道変更。沖に飛ばされて波に流れつつようやく浜辺についたら

 

そこは目指していた場所とははるかに離れた浜辺であった。

 

「ふぃーやっと戻れた。それにしてもさっきの奴はよくも邪魔してくれたよね。予定通りならあそこでいっくんと再会のあいさつをしていたのに…むかくつぅ~」

 

パカリと二つに割れた人参メカから女性が出てくる。その姿は西洋のおとぎ話など主人公の女の子が好みそうな

 

白と青のフリル付きのワンピースを着ており、頭にはウサギの耳を模したのメカアンテナが装着されている。

 

「この束さんに対しての狼藉。次に会ったらどうしてやろうか……」

 

そう、彼女が箒の姉にして「インフィニット・ストラトス」の開発者である篠ノ之束である。

 

彼女は妹からの連絡を受け、前もって作成した専用機『紅椿』を持ってきたのだ。

 

『おーおー。荒れてる荒れてるな~』

 

不意に声が響いてくる。しかしこの声が聞こえているのは束本人のみしか聞こえていない。

 

その声は束が幼い頃から聞こえてきた謎の声。

 

その声に導かれて束は「難関な公式を解く」「不可解な文字解析」などと『天才少女』と呼ばれる切欠を作った存在であった。

 

しかし、ISを完成直後には全く音沙汰がなかったのだが、一夏のIS学園入学後からちょくちょく声が聞こえるようになったのだ。

 

束自身は『もう一人の自分』と言うような認識をしている。

 

「また君か…今日は何の用?私はこれから愛する箒ちゃんを探すんだけど…」

 

『まあまあ、一分待ってよ……はい、転送完了!今送ったデータ見てくれる?』

 

「ん…勝手にデータ送るんじゃない……っ!」

 

『ふふん、どう?』

 

「これは生意気凡人の機体データ?」

 

『正確にはコアにいる人格の本来の姿って所、どうせならこれも追加してみない? 妹ちゃんのデビューに?』

 

「いいねいいね、これならいっくんと箒ちゃんが活躍できるうえにあの生意気凡人どもを黙らせれる」

 

『後は、このウィルスデータを送り込めば完璧! どう?』

 

「うんうん、楽しみだな~♪」

 

そんな彼女の楽観的な表情に笑みはない、まさに『憎しみ』を含む笑みであった…

 

 

 

 

 

 

合宿二日目。海水浴を一日堪能した生徒達は午前から夜までかけて、

 

ISの機体各種装備試験運用とそれに伴う稼働データの収集に勤しんでいた。

 

特に専用機をもつ代表候補生は国からの搬入された追加武装が多くある為、テスト運用試験が山ほどあった。

 

場所も学園が管理する専用のビーチであり、四方に切りたった崖が並ぶ。

 

まるで天然のアリーナと行った場所だった。

 

ここから、グループに分かれてそれぞれの指定場所で装備試験を行う

 

専用機は別場所で追加武装のテストを行うが少し様子が違っていた。

 

専用機班に箒がいたのだ。対して将とロボまるの姿はない。

 

「あの~織斑先生。どうして箒が? それに将達がいないのは?」

 

その様子に鈴が代表して千冬に質問する。

 

「綾月達には支給される追加パーツが存在しないから、他の生徒達の班に入れている。そして、篠ノ之は…」

 

「ちーちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

ドドドドドドド!!と砂煙を巻き起こしながら、人影が乱入してくる。

 

その声に千冬は頭を抱え大きくため息をついた。

 

「……束」

 

「やあやあ! 会いたかったよ、ちーちゃん、さあハグハグして二人の愛を確か―――ふべっ!?」

 

千冬に飛び込む束の顔を掴み圧迫した。すなわちそれは「アイアンクロー」である。

 

しかし、その拘束も抜け出して着地した束は、妹の箒にあいさつをするが、持っていた刀の鞘を叩き込まれのはセクハラ発言があったことを記しておく…。

 

 

そして…

 

 

「じゃじゃーん! これぞ箒ちゃん専用こと『紅椿』! 全スペックが現行ISを上回る束さんお手製のISだよ~!」

 

 

束が呼び出して空から降ってきた金属の塊の中から出現したのは真紅の装甲に身を包んだ最新鋭にして最高性能の機体だった。

 

そして、箒が搭乗してフィッテングとパーソナライズが行われる中、束の一方通行な会話に箒は最低限の返事しかしない、

 

そんな様子に気にも留めず束はデジタル投影されたキーボードにコマンドを入力していった。

 

 

「さてっと、フィッテング終了~ 超速いね、さすが私♪」

 

 

キーボードが消えて、紅椿の起動準備が始まる中、一夏の白式のデータを展開する。

 

男である自分がなぜ機体を動かせたのか疑問と問いかけた一夏に対して束もわからないと答えると、

 

同時に白式は束が作成したと発言する。

 

正確には未完成品に終わったベース機に彼女が引き取って起動するように改造した機体らしい。

 

他にも何やら機密事項な内容をしゃべろうとした束に千冬の鉄拳で止められてしまうのだった。

 

それから数分後、紅椿の起動が完了するとテスト飛行に移った。

 

空へと飛翔した紅椿の推進力に誰もが驚く、それを見た束は機嫌よく次のプランを箒に提示する。

 

右の刀『雨月』は打突に合わせてエネルギー波の放出、左の刀『空裂』は斬撃に対してエネルギー刃が展開放出する。

 

と、接近戦を基本とした万能機である事を説明した。

 

テスト稼働と称して、束はミサイルポッドを粒子展開して箒に撃ちだす、それにたいして箒は空裂を持ち、振り込んだ斬撃が閃光を放ち、ミサイルを同時に撃破した。

 

 

「やれる……この紅椿なら……」

 

「すげぇ……」

 

爆煙が収まっていく中、真紅のISと箒が威風堂々と言った感じで着地する。

 

 

「さてと次は……ちーちゃん、あいつはどこ?」

 

「あいつ?あいつとは誰の事だ?」

 

「あいつはアイツだよ、あの赤いISと生意気凡人のことだよ!」

 

いきなりのアイツと言われて、困惑する千冬だが、赤いISと言われれば一人しかいない…

 

「綾月のことか…? だがあいつらに何の用があるんだ?」

 

「今すぐソイツここに連れてきて! 紅椿のテストバトルの相手してもらうから」

 

「テストの相手なら他にもいるだろ、何故あいつにこだわる?」

 

「ちーちゃんだって、アイツ気に入らないでしょ?」

 

「どういうことだ?」

 

「気にならない? 事ある時に姿を消しているアイツに対して何の疑問も持ってないの?」

 

束の指摘通り、将は先の事件にていつも姿を消している問題点がある。

 

具体的に何をしたかと言うとただ『逃げた』だけ、これに対して罰則を与えるには不十分なのだ。

 

「代わりに出てきたエクス・ナイトとヴァルキリー、こいつらだってちーちゃんにとって敵なのかもわかってないのに?」

 

「それは……」

 

「束さんの見解だとこの二つの存在は大いに関係してるね、どう?正体を暴きたくない?」

 

「……」

 

千冬はその悪魔のささやきの様な束の誘いに乗ることにした…それがこれから起こる戦いの天秤を大きく揺らす事態になるのを知らずに……

 

 

 

main view

 

俺とロボまるはクラスに交じって機体の稼働実験を見学していると、

 

一夏に呼ばれて、向かった先には専用機メンバーが勢揃いで待っていた。

 

さらには見かけないフリルワンピースを身に纏ってウサミミを付けている女性が不敵な笑みで俺に話しかけてきた。

 

「やっと会えたね生意気凡人。昨日はよくも束さんの邪魔をしてくれたな!」

 

「昨日? 邪魔? 何の話だ?」

 

いきなり覚えのない話に困惑する俺、そこに一夏が昨日の俺と百合がぶっ飛ばした謎の飛行体の正体であることを教えてくれた。

 

「ああっ、あの飛行体はニンジンだったんだ…。ダサいな」

 

「むっきー! お前、束さんにケンカ売りたいんだな!!」

 

「売ってねーよ……コソコソ逃亡生活してる割にはそんな派手な装飾する意味あるのかってな……ただの目立ちたがりと一緒だ」

 

「ふん、お前なんかに私のセンスを理解してもらう必要なんかない、それよりも、お前には箒ちゃんとテストバトルしてもらう」

 

「テストバトル?」

 

「そう、箒ちゃんも専用機に乗るんだけど。もっと経験が必要なの、だから一回バビッと戦って経験積ませないとね~」

 

「つまり…俺を生け贄にしようと言う魂胆か?」

 

「さあ、どうかな? 本気で戦わないと、赤いISがどうなっても知らないよ~」

 

見え見えの挑発、彼女の狙いが見えない以上。こちらから動く必要があるようだ…。

 

「いいだろう、そのケンカ……俺が買った!」

 

 

 

 

 

そして、俺の前には新型機を纏った箒と対峙している。

 

「よう、箒。念願の専用機に乗れた感想は?」

 

「……」

 

皮肉交じりの問いかけに箒は黙っている。両手には刀二つを握りしめたままだ。

 

「ずっと、気になっていた事があった…」

 

いや、ポツリポツリと呟くように答える箒

 

「お前は以前にこう言っていたな『全てのISを戦う為の道具としての存在価値を破壊する』と」

 

「ああ…言ったね」

 

「お前は何のためにISを使う?」

 

「ん?」

 

「ISに憎しみを感じているのならば、なぜお前はISに乗り、ここにいるんだ!?」

 

「別にIS自体に憎しみなんてないさ、だって俺にはISが壊れようが無くなろうが関係ないんだから……」

 

「なっ!?」

 

「あのバカ兎は誤ったモノを作りだした……そして、この世界の女達はその力を誤った使い方をした。それが気に入らない…俺が何のためにここいる理由をそんなに知りたいか?」

 

「ああ…」

 

バカ正直な質問にこれまたバカ正直に肯定する箒に俺は僅かながら笑いがこみ上がったが、すぐに抑える……そして

 

「知りたければ、俺達を落としてみな! その新型の性能とお前の刀でな!!!」

 

「ちっ!」

 

ブースターを展開、一気に箒に突進して右のストレートを叩き込むが、箒が咄嗟に刀二つをクロスして受け止める。

 

「受け止めたからって安心するのは早いぜ!!」

 

アームパーツが展開して大口径の砲塔が姿を見せると同時に爆炎が箒に炸裂。

 

俺達の十八番技『ファイア・ナックル』だ。

 

「くっ!?」

 

僅かに後退して直撃は避け、後方に下がる箒。

 

シールドエネルギーはかなり削れたがまだ健在だった。

 

なるほど、それが新型機の恩賜ってやつかな……?

 

《機動性はぼくたちのより、上……どうする?》

 

「……ライフル、マシンキャノンのセット、あのバカの傲慢を叩き潰す!」

 

《了解!》

 

アームの武装をライフルとマシンキャノンに切り替えて、まずマシンキャノンを発射する。

 

それに対して箒は『空裂』の斬撃波で迎撃すると、スピードを上げこちらに接近してくる。

 

「今度はこちらの番だ!!」

 

『雨月』を攻撃に加えて、二刀流の連撃を叩き込んでくる。

 

ブースターを噴かせながら大きく楕円を描くように飛び、ライフルで接近戦を防ぐ。

 

新型機の恩賜ゆえか、ライフルの直撃コースは刀で弾き飛ばし、接近を許すがどうやら先に動けたのは俺達のようだ。

 

ガシンッと刀2本を受け止める俺に何とか振りほどこうとする箒にこの技を仕掛ける。

 

「箒、悪いがお前の機体はここでお休みにしてもらう!!」

 

「なんだと!?」

 

《ファイアとアクアを合わせて…》

 

 

「《スチーム・ナックル!!》」

 

 

俺達のまわりに高熱の蒸気が浮かび、刀を通して箒の機体内部にダメージを叩き込む。

 

いくら頑丈な装甲を持っていても、中身は精密機械の密集地だ。ただではすまないだろう…

 

手放した刀は粒子変換で消えると箒の機体は一気に鈍くなった。

 

 

「なっ!?紅椿が!!」

 

 

「これで終わりだぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

構えた左腕に竜の闘気を宿らせて、それを打ち込む瞬間だった……

 

 

ピッキィィィィィン!!

 

「んなっ!?」

《んなっ!?》

 

突然、体の全神経が鈍くなった。何度か手足を動かそうとしても、全く動かない。

 

それどころか声も出ない、まるで金縛りにあったような感覚だった。

 

 

「動きが…くっ、雨月も空裂も再装備できない……こ、これは?」

 

 

箒が何かモニターを見ている。先の2つの刀とは異なる大きな太刀が出現した。

 

「先の話にはなかった武装だが……これでどうだぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

両手で握りしめ、1回転して放たれた斬撃波が俺の頭部に直撃した。

 

 

 

 

 

 

 

が……

 

かなりの衝撃があったはずなのに

 

《って、あれ?》

 

「ダメージがない?……おわっ!?」

 

なんともなかった。しかも拘束されていた感覚も解放されている。

 

そこからだった。

 

山田先生からの緊急事態の連絡が入り、戦いは中断された……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んふふ、注入成功だね♪」

 

 

 

 

 

 

そして、誰かの声が聞こえたが、その言葉を聞き取ることは出来なかった。

 

 

 

 

 

「では、現状を説明する」

 

旅館の宴会用大座敷に専用機持ちと教員全員が集まっていた。

 

本来、宴会など集団で集まる場所にて暗い室内に様々な機器が並び、空中投影ディスプレイが展開されている。

 

まるでアリーナの管制室の再現だ。

 

説明された内容と言うのは、外国で試験稼働中であったISが暴走してこちらに向かう飛び込んできたという話。

 

時間してあと50分でくるようだ。

 

学園のお偉いさんからこの暴走ISを撃破しろとの指令が入ったが……

 

「教員は学園の訓練機を使用して空域及び海域の封鎖を行う、よって、本作戦の要である迎撃は専用機持ちに担当してもらう」

 

な、なんだと……!

 

何でだよ、こういう時の教師部隊だろ!?

 

何子どもに押し付けているんだよ!?

 

ふざけるな!!

 

 

俺がそう心で叫んでいる中、作戦会議は進めていく。

 

セシィが相手のスペックデータを要求し、モニターに浮かぶ。

 

機密漏洩のさいに監視が付くと注意事項を言われたがそんなの見ても理解できないし、覚えられるものじゃない。

 

そして、作戦の真なる要を請け負うのは一夏だった。

 

専用機の中で最も攻撃力がある機体はバリア無効化攻撃である『零落白夜』を持つ白式なのだから…

 

「織斑、これは訓練じゃない。実戦だ。もし覚悟がないのなら、無理強いはしない…」

 

なんだよ、その言い方は!?

 

そんなふうに言ったら一夏(こいつ)は…

 

「やります。俺がやってみせます!!」

 

正義感の強い一夏(お人好し)はそう返事するのは予想できるだろう!!

 

「待てよ…」

 

「…なんだ?」

 

「俺は降りるぜ、そんな作戦に出る義務はない」

 

「「「「「えっ!?」」」」

 

みんなが驚く、何故と聞きたいのはこちらだ…

 

「今の状況からして、俺のポジションは無さそうだからな……それに強制はしないんだろ?」

 

「それはそうだが……」

 

「機密情報の事なら安心しろ、説明聞いてないし全く覚えていないからな…そんなやつ実戦に出られるのは困るだろ?」

 

「わかった……ただし、待機場所は私が使っている教員室だ。いいな?」

 

「了解だ。じゃあな諸君健闘を祈ってるぜ……」《ロボまるは残ってみんなのアシストを…何かあれば連絡してくれ》

 

《わかった。ショウ達も気を付けて…》

 

俺はそのまま部屋を退室した。一夏達が何か言いたげだが俺は睨みを利かせて何も言わせなかった……

 

そして、教員室などには行かずに直ぐ様にアトリエに向かった俺を百合が迎えた。

 

「将にい……」

 

「百合、例の最終調整をする。奴らが動く!」

 

「うん!」

 

この時、あの死線の戦いの始まりとなる……

 

 

Next…

 

 




作戦が始まり、出撃する一夏と箒。

しかし、まさかの展開で一夏は重傷を負う…

その知らせを聞いた者達が出撃する……

だが、そこには隠された罠が用意されていた

次回「EP17 暴走・真の姿」

「お前……何やっているんだよ!!!?」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。