インフィニット・ストラトス~紡いだ想い、再び~ 作:サウス零
これにてこの物語を最終回とさせてもらいます
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現状の戦力でシオン達に合流できたのは、セシリア、鈴音、シャルロット、ラウラ、ロボまる
イオン達ラシェーラ組と百合にはアリーナに残ってもらっている。
「さあ、決着をつけようぜ!!」
指さすシオンの先には、束と母胎想観がそこにいた。
だが、その前に一夏と千冬、そして箒が割り込みに入る。
「もう止めろ、束!!」
「そうですよ束さん。一体、何の為にこんな事をするんですか!?」
三人に割り込まれて、次の言葉を遮られたシオンは無論その行動にイラつきを覚える。
「何やってんだ三人ともまだ戦闘中だぞ!!」
「すまない、綾月。今一度だけ姉さんに説得をさせてくれ……」
「それは聞けねぇ、やっても意味がないんだ……。奴は篠ノ之束ではあるが『篠ノ之束』じゃないんだよ……」
「……どういう意味だ?」
シオンの言葉に箒が疑問の声を上げる。一夏と千冬も同じく困惑していた。
「ダメだよ~箒ちゃん。そいつの言葉なんか聞いちゃダメ♪」
返答する前に束が割り込んでくる……箒の前へと……
「こいつはね、この世界を滅ぼしに来た『悪魔』の化身なんだよね~」
何の躊躇もなく、とんでもない爆弾発言を仕掛ける束、一同
「束、それは何の根拠があって言い切れる?」
「あるよ、そこにいる赤いの。あいつはそれと一緒になってISコアを破壊した」
「破壊って、そんな事……」
「ないって言える? 例えばちーちゃん、こいつが学園にある量産機を乗せたら直ぐに壊れたでしょ?」
戸惑う箒に束は高台に立つ演説者のように語りを始める。
「どうしてその事を……いや、今はいい。確かにそれは綾月の技量に訓練用の機体では対応できなかったから…」
「じゃああの赤いのは『何時、誰が、何処で』作られた記録ある?」
「む……」
「記録という意味ではあの男の出生記録も無いんじゃない?」
誰もが疑問に思うだろうとあったモノ…
束の指摘に千冬は言葉を返せない。それもそのはず、入学式より三日前に突如現れた二人目の男性パイロット『綾月将』。
次に意思のあるIS『ロボまる』……そして、『エクスナイト』に『ヴァルキリー』に『ケルベロス』
ISの登場から数年した今年度の入学式から現れた謎たる存在達に疑問を持つものが多くいたが、何故かそれを解明する者がいなかった。
そう、考えることはあっても、それを調べて真実を見つけようとした者は誰一人いなかったのだ……
「それに、今まで自分の正体を頑なに隠してきたのも後ろめたさがあったからだもんね~?」
そういいながら、シオンに対して嫌味を込めた笑顔を見せつけてくる束。
「何が言いたい…?」
「ちょっと調べればすぐにわかるような穴ぼこだらけの人間の情報なんか興味ないけど、箒ちゃんをいじめたから消してあげる♪」
束からとてつもない殺気を感じ取ったシオンは慌ててバックステップで距離を取ると、母胎想観が突撃。
シオンを捕まえて空高く飛び出す。
それだけではない、上空から大量の無人ISとガーディアンの無人機が降下してきたのだ。
近くにいた一夏、千冬、箒はシャボン玉のようなバリア球体に捕縛されてしまい空へと浮かぶ。
「束、お前なにを!?」
「決まってるじゃない~『悪魔退治』だよ♪」
残されたセシリア、鈴音、シャルロット、ラウラ、ロボまるの5人はガーディアンロボ達に周囲を囲まれてしまう
「そ、そんな……まだこんなにいるのですか?」
「もう、残弾がほとんど残ってないよ……」
「逃げ道も無し……万事休すってところね」
「くっ。ここまで来て、この数は…」
「だからと言って、諦めるわけにはいかない!」
ロボまる達に向けてガーディアンロボ達が一斉にミサイルを発射する。
そこに、一筋の閃光がミサイルを撃ち落とす。
上空から現れたのは超大型のプロペラ機がゆっくり降下してきた。
次にプロペラ機のハッチが開いて人影が4体飛び降りて来る。
「そこっ!」
着地した人影の一体がガーディアンロボを撃ち抜く、その正体は、スターライトmkⅢを持った看護婦型のロボポンである。
「何とか間に合ったようね」
「ナースさん!!」
「オレ達もいるぜ!」
飛び出したのは緑色の電池をモデルとしたロボポンが雷撃を放ち、機能停止させた。
次に、黄色いボディスーツを身に着けた女性型ロボポンが双天牙月を2本投げ込み、自身のナックルを敵の頭部を貫く。
さらに白銀の大型ロボポンが両手の拳をロケットパンチの要領で飛び、敵機を薙ぎ払っていくとバリアを展開した。
「タンサンさん、マーシャルさん、プラティナさん!!」
応援に現れたのはロボまると共に戦った『かけがえのない仲間たち』である。
「わりぃ、遅くなった」
「どうして?」
「どうしてもないだろ、これ以上お前だけに無理させねぇよ」
「学園の守りはコジロウ達に任せてきた。」
「それに『ムサシ』もいたから問題ないわ」
「後はココだけ」
「この場はオレ達に任せろ。そしてお前は先に行って決着をつけてこい!」
「はいっ!! トランスコード『ロボマルス』!!!」
タンサンからの発破にロボまるは強く頷いてロボマルスに変身、その場を駆け出した。
そして、視線は置いてきぼりの専用機持ちに向く……
「あんた達のISを出しな! 一度だけ、力を貸すよ!」
「あなた達は一体…?」
「説明している時間がないわ、大丈夫……私達は貴方達をよく知っているから」
ナースとマーシャルから言わるままに自分たちのISを手に持って差し出すと、4体がそれぞれの前に立ち、ISに触れた。
その瞬間、光が溢れだし4人を包み込んだ。その光はIS展開と同じ物。
光が収まり、目を開けたセシリア達は自分の姿に驚いた。
機体のコンディション、残弾、シールドエネルギー全てが回復をしているのである。
「こ、これは!?」
『全機体、オールグリーン。』
ブルーティアーズに『ナース』
「エネルギーが回復している?」
『よっしゃ、成功だね!』
甲龍に『マーシャル』
「武器も完全に戻っているよ!?」
『ふぅ、これなら遠慮はいらないな』
ラファール・リヴァイブ・カスタムⅡに『タンサン』
「それとこころなしか機体能力が向上している……?」
『操縦者とのリンク安定……ウン!』
シュヴァルツェア・レーゲンに『プラティナ』
そう、一時的に専用機がロボまるのと同じように融合進化をしたのだ。
そこからの流れは大きくこちらに傾いた。
ナースのアシストで『ブルーティアーズ』を使用しながらの射撃で更なる高機動戦闘を行うセシリア
タンサンのパワーで『シールド・ピアース』の連射速度が爆発、追加武装の複合シールドのヒット&アウェイを見せるシャルロット
マーシャルのフットワークにより『龍砲』の弾速が増加、収束機能が付き、効果的が攻撃力を手にした鈴音
プラティナの防御技能から『AIC』の機能向上で複数の敵機捕捉、ワイヤーの追尾性、レールカノンの火力が向上、多数に対応可能となったラウラ
彼女たちの猛攻はガーディアンロボ及びISゴーレムタイプを押し返すのだった。
その頃、一人上空へと連れていかれたシオンは母胎想観と対峙している。
だが、母胎想観の高出力ビーム砲撃に少し手を焼いていた。
「詩魔法の援護と強化武装が無ければ、さすがのあなたも余裕が無さそうね?」
「ちぃ、見下されたものだな!」
仕掛けてきたビーム砲にヴィゾフィニルと光学剣『ビームザンバー』の二刀流で受け流しかわしていくシオン
母胎想観の言う通り、今のシオンにバハムート・チェイサーがその場にいない。
先の戦闘で大幅なダメージと受けており、現在補給と修理中である。
百合に預けてあるグリフィードも同じく補給中、一見を見れば母胎想観が優勢であろう…
だが、シオンには戦う術は残っている。
image BGM 「Across The End」
「シオォォォォォン!!」
最後の手札が駆け付けた。単身飛び込んできたロボマルスに母胎想観がビーム砲を撃つが、
回避してパンチを一撃叩き込み、その反動でシオンの元へと合流した。
「お待たせ!」
「待ってたぜ、相棒!」
「くっ、あの大部隊を突破したというの?……いえ、仲間を犠牲にしたのかしら?」
「残念だけど、今のぼく達には強い仲間もいる……あなたの計算通りにはもうならないよ」
「そう、なら予定通りにあなた達を削除するだけね…」
「試してみるか? やるぞ、ロボまる!!」
「うん!!!」
並び立った二人の手から光が生まれ、ロボまるがシオンへと同化していく。
「ハイパートランスコード!!」
「『カスタまる』!!」
「「with、IS・コネクト!『フルアームド』!!!」」
IS形態に変形したロボマルスの装甲に更なる追加装甲を身にまとうのだが…
『白い右腕部』『真紅の左腕部』『黒い右脚部』『オレンジの左脚部』『赤紫の胸部』『蒼き背部ユニット』
と全く統一感のない姿へと変わった。
「ふん、何をしたかと思えばそんなバラバラな強化武装などで……この私を仕留めれると思っているの!?」
突撃する母胎想観を片手で受け止めたカスタまる、そのパワーはロボマルス以上の数値を示していた。
受け止めたその手で母胎想観の腕部を掴み、一本背負いに繋いで投げ飛ばす。
だが、投げ飛ばされてもサブスラスターで負荷を弱らせて、態勢を整えて、そのままキャノンビームを発射した。
「守護円形、展開」
「なんですって!?」
ファルシオンに装備されている『プラズマリング』を前に掲げてビームを防御吸収を行う姿に母胎想観が驚きの声を上げる
「驚くことないだろ? それに……これ以上、この世界の平穏を潰させてたまるかっ!!」
シオンの咆哮に背部ユニットが展開して何かが飛び出す。
「お前にはもう可及的速やかに撤収してもらう!」
飛び出したのは4基の蒼い砲塔と4機のミサイル……そう、これは…
「いけッ!! 『ブルーティアーズ』!!!」
セシリアの愛機であり、主武装のブルーティアーズが円弧を描き、オールレンジアタックを開始する。
「ミサイルもおまけだ!」
時間差で動き出すミサイルビットも突入して爆風を起こした隙に左腕部にオレンジ色のシールドが展開、さらにパージして現れたのは…
「撃ち抜く!」
シャルロットの切り札であるシールドピアーズの六連射が炸裂。
更なる上空へと打ち上げて、次に取り出したのは大型のレールキャノン。
狙いを定めて、2発、2発、と撃ち飛ばして出力最大の1発が母胎想観を貫いた…。
「ぐっ、そんなもので!!」
母胎想観も負けじと反撃のミサイルを掃射すると、爆風がシオンを包み込む。
そして、ビーム砲がシオンを直撃した。
「グググッ、『アブソーブ・カウンター』!!」
だが、直撃したビームは拡散し、頭部、両腕部、胸部のセンサーユニットに吸い取られるように消えていく。
「受け止めた?ならば、直接攻撃を!」
直接攻撃を仕掛けるにはあまりにも遅すぎた。もう距離も充填もシオン達が先である。
「吼えろ光龍!!『ブレスト・シェロン・バスター』ァァァァァァァ!!!!」
胸部のハッチがスライドしてド級にビーム砲が発射される。その形はまさに光の龍を模どっていた。
解き放った光の龍が大気圏を抜けてやがて消えていく……
そこにいるのは全身から白い湯気を出すカスタまると腹部を完全に貫通した母胎想観の姿があった。
「そ、そんなバカな……?」
「当然だ。ありったけの力を使ったんだからな………それにお前は『一度』俺たちに負けている」
母胎想観のボディに火花が走り、機能が大幅にダウンしてしまい浮遊の維持が出来なくなっていた。
いざ、決着の時だった……
ガポッ!
その音はあまりにも呆気ない形だった。
突如、上空から降ってきた黒いゲル状のモノが母胎想観を覆い隠してしまう
それから即座にゲル状は球体となり、人型を模り、姿を変えていく。
「あのゲル状のは!!」
「決着を付けに来たぞ、ファルシオン・エデンシス…」
聞こえた声で姿がはっきりと形を形成してく、その姿は三つ首のモンスター『ヒュドラ』である。
「ファング・ケルベルト、今ごろ出てきたか!!」
「この母胎想観とやらの力は俺がいただく……貴殿にとっても邪魔であろう?」
「ちっ、ここまで高みの見物をしていたか…」
「ふっ、戦略と言ってもらおうか……『奴との共同戦線』はもう衛星衝撃砲を無くなった今、無意味だからな」
「そうか、衛星衝撃砲を操っていたのはお前だったんだな!?」
「その通り、コアは先に仕留めてくれた銀色の機体を使ったまで…全てはこの戦いをするためにな!!!」
一方、最も高い場所で見物していた束はケルベルトの裏切りに不機嫌な表情でキーパッドを操作している。
「あの犬っころ……束さんの計画全部狂わせやがって……やけに素直に従ったわけだよ」
モニターウインドウで戦闘の状況を見ていた一夏、箒、千冬の三人はただただ観ているしか出来ない。
「まっ、いいか。この世界で出来る事無くなっちゃったし、このアバターボディを手に入れるのが目的だったし♪」
「アバターボディ? どういう意味だ束!?」
「ん?そんなに知りたいならネタバレしちゃうよ、確かに束さんはあの悪魔の言う通り私は『本人』じゃないよ♪」
「「「!!!!」」」
「実は前の世界でアバターボディを取り上げられちゃってね。別のステージに行くためにはアバターが必要でさ、困ってたんだけど」
束の説明、いや束ではない何かが淡々と面白おかしく説明していく。
自分が困っていた時に不意に現れた存在が自分の力でやって欲しいことがあると頼まれた。
その内容が『篠ノ之束』という人物を『天災』へと育成してほしいとの依頼である。
「まさか……あいつにISの知識を教えたのは……?」
「そう、この僕! でも、天才である事は本物だね。ちょっとこっちの機械工学をチラつかせただけでISコアを作ったんだから♪」
「だが、あいつは数百名以上が捕獲しようとしたが全て返り討ちにしてきたはずだ……」
「たとえ『天才』でも『赤ん坊』じゃあ何もできないでしょ?」
「なっ!?」
「そう、この子が生まれた時に『インターディメンド』ってのを施してあったのさ、まあやったのは僕じゃなく、依頼してきた奴だけどね」
その言葉に千冬は固まってしまう、今こいつは何と言った?
そう……篠ノ之束は出会ったときからもう『天才』で『天災』へとなっていたのだ……
「こうして、篠ノ之束はすくすく成長して『天災』と呼ばれる科学者となりましたとさ、めでたしめでたし。」
「ふざけるな!!!」
千冬の怒りが爆発、束に殴り込みをかけるがその場から動けない。
「やれやれ、これだから不器っちょ姉キャラはうっとおしい……」
「姉さん…?」
「あいつの夢は純粋だった……ただ……ただ宇宙を飛んでみたいって言っていたんだ……」
「……だから何?」
千冬のありったけの言葉に冷たく答える束、目の前にいる親友はもう存在していなかった。
「そんな夢でISを作ったのはいいけど、何の計画も立てずに学会の会場に乗り込んで発表したら、相手にされないのは当然だよ」
そう言いながら、束は歩き出し海の上に立つ、否。浮き上がる。
「じゃあ……白騎士事件ってのは?」
「そこからはネタバレ禁止! じゃあ束さんはここで消えま~す。箒ちゃん、ちーちゃん、いっくん。生きてたらまた会おうね♪ バイビ~♪」
束は霧に包まれて消えていく、それと同時に千冬の束縛とバリアが解除された。
「姉さん……貴女はいったい?」
「箒……」
呆然としている箒に一夏は何も言葉が出てこなかった……。
「一夏さん!!」
そこにセシリア、鈴音、シャルロット、ラウラが合流する。
「よかった。みんな無事だったか!!」
「織斑先生、お怪我はありませんか?」
「ああ、目に見える怪我はしていない。お前達、状況はどうなっている?」
「はい、大量の無人機は僕達専用機持ちが8割撃破、残りはアリーナ周辺で将の妹さんを始めとした人が防衛中」
「後は将とロボまるが敵のリーダー機との戦闘中です」
「そうか……ならば、お前達、まだ戦えるか?」
千冬の問いに箒と一夏を除く4人は頷く。
「織斑、篠ノ之…二人はどうする?」
「……俺は行くよ、今出来る事に全力で尽くす。具体的にどうするかなんて答えはないけど…」
「私も一夏と同じです。今はあの敵の暴挙を止めるのが先です、姉さんの事は後でゆっくりと考えます!」
「分かった……全機出撃、敵対機を撃退し、これ以上の学園破壊を食い止めよ!」
「織斑先生は?」
「私はこのままアリーナの応援に行く、おそらくこの一戦で終わるだろう…みんな、絶対に無事に戻ってこい、いいな!!」
≪了解!!!≫
ISを装着した一夏達はシオンとロボまるが戦っているポイントへと向かうのだった
ところ戻って、シオンとケルベルトの決戦は互角の戦況であるが、母胎想観で使った武器は再チャージの為に、
ヴィゾフィニルでの剣戟戦となっていた。
しかし、ヒュドラの頭部が分離してビットのように飛び舞い、苦戦を強いられている。
「ロボまる、ISウェポンの再充填。あと何秒!?」
《あと300秒!》
「先ほどのコンボ攻撃を仕掛ける気だな? ヒュドラヘッドの追加だ!!」
ケルベルトの両肩の頭部が分離、その姿は空飛ぶ蛇のように動いて突入する。
突入したヒュドラヘッドに嚙みつかれるシオン、振りほどこうにも機体の動きが若干鈍く感じてしまう
「ヒュドラヘッドに噛みつかれた対象からエネルギーをドレインする機能がある。例え強力な武器があろうとも、肝心なエネルギーが無ければ使いようがあるまい!」
レーザークローを叩き込み、シオン達を追い込むケルベルトにシオンは考える。
(くっ、詩魔法の援護ブーストがあれば一気に決めれるが、イオン達は歌える状況じゃない……アーシェス・ビットもエネルギーを吸われて強制終了、『零落白夜』と『豪華絢爛』も起動させようにもエネルギーが足りない…)
まさに万事休す、ケルベルトのエネルギー吸収能力でかなり不利となっていた。
こちらにものアブソーバーがあるがあればビーム砲撃に対して反応する。
それを知っているのか、ケルベルトは接近戦や実弾武器でしか攻撃していない。
それだけではない、母胎想観と合体した影響で強力な多重層バリアが展開されていた。
破るには先の連撃のような強い攻撃を使わなければ貫通できない。
「ぐっ!?」
大量のミサイルランチャーが喰らってしまい、派手に飛ばされてしまい落下した。
だが、突如モニターウインドウが浮かび上がり、とある場所に向かうように誘導される。
その先はIS学園の一番遠いアリーナ、生徒達のいるアリーナとは別の場所。
着地して出迎えたのはやはりのメンバーだった。
「将、無事だったか!」
「そっちもな!」
互いのマニュピレータで突き合う一夏とシオン
「奴が来るぞ!」
ラウラが言った瞬間、大型の怪物がアリーナ内部に入ってくる。
「くそっ、バリアを撃ち抜くにもエネルギーが……」
だが、その瞬間……
Sing a Song 『プラネット・クレイドル』
アリーナのスピーカーから、メロディが流れる。
そして、ピットゲートの前に立つのは……
キャスティ
カノイール
ネィアフラスク
イオナサル
そして……
「最後の詩は……私よ!!」
サレナ
今、5人の歌姫がここに揃った……
「詩はやらせん!!」
ケルベルトがミサイルを一斉に放つが……
その前に何かが飛来して、全てのミサイルを破壊された。
「ここから先は通行禁止だぜ!! ショウ、ここは俺が守り抜く。奴はお前達で決めてくれ!!」
グリフィード・ガルーダに乗ったデルタが強化されたバトルスーツと可変トンファーで迎撃する。
その姿にシオンは笑みが浮かべる。勝利への手札が最大級の切り札となった。
「箒、俺の左腕部を持って豪華絢爛だ!」
「えっ!?急に何を?」
「急げ。これで全部終わらせれる!!」
「わ、わかった!!」
急かされた箒はシオンの左腕部に手を乗せて、念を込めてみる。
「豪華絢爛・華の道!!」
シオンの左腕部に桃色の光が宿り、拡散していく……その影響で全ての機体のエネルギーが回復した。
「ふえっ!? また回復しちゃった!?」
「箒さんのワンオフ・アビリティーを将さんが発動させたのですか?」
「俺の時より、全然違う回復量だ」
「もう、あんた達何でもアリね……」
「これがまさに『ヒーロー・逆転の熱血展開』……確かに体の中から熱く燃える感覚がある」
また驚くシャルロットにセシリアと一夏は呆然としており、鈴音は呆れ顔。
ラウラは誰かに教えてもらった知識を思い出したのか、興奮気味である。
「行くぜみんな、これが最後の攻撃だ。全員で終わらせるぞ!!!」
≪おうっ!≫
掛け声と共に歌もサビの部分に入り、突撃していく一同。
最初にシオンと共に前に出てくるのはセシリア…
「やれるなセシリア?」
「お任せくださいな♪」
二人の周りにブルーティアーズが展開、並び立つ
「お行きなさい、ブルーティアーズ!!」
「二番煎じじゃないぜ、これが本命の『ブルーティアーズ・ツインワルツ』!!」
8基のブルーティアーズが飛び舞い、レーザービームがケルベルトの全身を浴びさせる。
それに続き、シオンはビームソードでの三連斬りとセシリアもインターセプトで続いて斬り込み。
「後はこれだ!」
「くらいなさい!!」
そして、とどめのミサイルビットとスターライトの連射を叩き込んだ。
「ぐっ!?こんなものでは……」
ケルベルトの反撃でレールキャノンが火を噴くが、シャルロットのガーデン・カーテンによって遮られる。
「頑固な盾は僕も持っているよ! 将、次は僕とだよ!」
「おう!」
それぞれの手にはマシンガンとアサルトカノンの二丁持ちで渦巻きのように回りながら発射、動きを止めて突入するシャルロットにケルベルトが迎え撃つ
しかし、軌道をそらして上へと舞いあがる。その隙間からシオンのシールドピアーズを叩き込み打ち上げる。
その先には回り込んでいたシャルロットが待ち構えており、彼女もシールドピアーズを構え叩き込み、マシンガンで動きを止めて下降させた。
落下していくケルベルトにシオンのヴィゾフィニルでの一閃により、また打ちあがる。
「全弾、一斉射撃!!!」
「いっけぇぇぇぇぇ!!!」
ラビット・スイッチによるスキルで二人の腕部周辺に搭載火器が全て展開されて同時発射された。
「これで終わると思うなよ!!」
ここに来て、ヒュドラの形状が大きく変化していく。
ケルベルト本体がヒュドラに取り込まれていき、その姿はまさに蛇竜へと変貌ぶりを見せる。
「VTシステムで変化させたか?!」
「我が国の物か………ならば、忌まわしき存在はここで薙ぎ払わせてもらう!!」
掲げた両手で動きを封じるラウラ、特殊兵装『AIC』による束縛。
自身の目に埋め込まれたウォーダン・オージェとロボポン『プラティナ』の力により強力な能力へと発展。
そこへ背部に搭載しているワイヤーブレードを射出、ケルベルトを雁字搦めにしてさらに束縛力を上げた。
「こんのぉぉぉぉー!!」
ワイヤを掴んでジャイアントスイングの要領で振り回すラウラの後方からシオンが大型レールキャノン構える。
「今だ!!」
「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ワイヤーブレードを切り離してシオンが狙い撃つ、ラウラも続けて右肩のレールカノンを発射する。
「次はあたしよ!!」
鈴音が飛び出し、双天牙月の連結して投擲する。
刺さった双天牙月を抜き払い、連続斬りを叩き込んでいく。
その後に別の大剣が突き刺さり、大剣の柄頭にもう一つの大剣がつながって、双天牙月と同じ両剣となり。連撃を加えていくと…
「喰らいなさい!!」
追加パッケージでの強化型の衝撃砲とブレストシェロンバスターが龍の咆哮の如く炸裂したのだった。
これにより、ようやく外部の多重層バリアを全て破壊することに成功。後は本体のみを残すだけである。
「ナメルナァァァァ!!!」
しかし、ケルベルトが猛烈な高エネルギービーム砲を解き放った。
それにより、シオンが前に出てアブソーブ・カウンターの自動発動で受け止めるが出力が向こうが上な為に吸収が追い付かない。
「守護…法手!!」
自身の防御能力で上乗せをしていくが、徐々に火花が大きくなっていき……
ドッカァァァァァン!!!!
爆発を起こした。
その状況に誰もが焦りの色を見せたが、吹き荒れる爆風の煙の中からシオンは飛び出す、追加装甲は全て大破直前である。
「一夏、箒、これで仕上げにするぞ!!」
「おう!」
「わかった!」
一夏は『雪片弐式』、箒は『雨月』と『空裂』を構えてシオンの両サイドを抜けて突入。
「豪華絢爛……零落白夜……」
シオンの右腕部の白いパーツがスライドして、巨大な光の白刃を作る。その勢いで右腕を除く強化装甲が全て剥がれ落ちた。
突入した一夏と箒のクロスコンビネーション攻撃でケルベルトの武器を破壊、一回、二回、三回と斬り込み離脱すると…
「これで、終わりだぁァァァァァァァ!!!!」
「グゴォォォォォォォォォォォ!!」
全力全開の唐竹割でケルベルトを真っ二つに両断……
ドッカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!
先の爆発を超える大爆発が空に光を走らせた…
image BGM 「LOVE&JOY」
決戦からの夜明け……学園のアリーナへと帰還したシオン。
機体も肉体も疲労困憊状態となり、ロボまるとの融合を解除した瞬間、そのまま倒れ込んでしまい動けなくなってしまう
慌てて駆け寄るイオンが呼びかけると辛うじてという形ではあるが大丈夫だと答える。
これにより、学園の生徒がみな勝利を喜びを分かち合う。
ようやく、ここIS学園に朝日を迎えた……
それから、季節は夏。
世間は何事も起きなかったかのような毎日を送っている。
世界を騒がせた篠ノ之束が起こした事件には誰も覚えてはいない…
それは、綾月百合ことサレナ・アルテミスの奏でた詩魔法の効果により、
母胎想観に取り込まれた人々を開放されると同時に記憶を取り除いたのである。
本来、この世界に交わる事のない母胎想観の存在を目撃したのはひと時の時間であった為
その部分を無くしたことにより、世間では何もなく日の出を迎えたのだ。
唯一、あるとするのであれば…
この日は学園に夏休み前の登校日。
IS学園の正面ゲートにて、将、百合、ロボまるが出ていく所に、一夏達、専用機持ちが見送りに来る。
将達はこの日まで全く姿を見せなかったので慌てて駆け付けた。
「本当に出て行ってしまうんだな?」
「覚醒したロボポン達を惑星ラシェーラに移住させたりして、結局顔を出すのはこの日になってしまった」
「お前には本当に色々と助けてもらえたのに…」
「わたくしもお世話になりましたわ……」
「もう、学園に戻る気はないんだね?」
「おいおい、俺達はもう退学した身だぜ? それに…」
「姉さんの行方か?」
「ああ……あのバカウサギは俺達が責任を持って連れ戻す、その準備の為にこの世界とはひとまずのお別れだ」
「よろしく頼む……」
「皆さん、本当にありがとうございました。」
「こちらこそ、世話になったぞ同志よ」
「マーシャル達によろしくって言っておいてね」
「はい!」
「リンちゃんも『いざこざの件』何とかしなさいよ、しばらくは助けてあげれないんだから♪」
「ちょっ!今はその話関係ないでしょ!! あんたも元気でいなさいよ百合……」
「それについては『大丈夫だ。問題ない』だよ♪」
「あんたね。最後まであんたらしいわ……」
「ところで、千冬姉に会っていかないのか?」
一夏から聞きたくない名前を聞いて将は思いっきりしかめっ面をする。
「やだよ、俺、あの人大っ嫌いだから!」
「そこまで言うのか…?」
「うん、無理。あいつとは『犬猿の仲』もしくは『龍虎の仲』と言い切ってやる!」
どす黒いオーラが浮かんで見えたか、一同は空笑いを浮かべるのであった。
「そろそろ時間だ…… ここからはお前達が繋げる番だ。しっかりやれよ」
そう言いながら、将はロボまると共にバハムート・チェイサーに乗り込み、
百合はグリフィード・ガルーダに乗り込んだ。
二機の飛行体が浮び上がり空を駆け抜ける。
その姿を一夏達は最後まで見届けるのであった……
しばらくしてのゲートポイントに到着した将達はそこに待っているであろう寧と合流する。
すると、そこにいたのは寧だけではなく、簪も一緒にいた。
「見送りに来てくれたのか?」
「うん……ここが最後のポイントだって教えてもらったから……」
「そうか……」
「あの、将」
「ん?」
「これでサヨナラなんて言わないよね? 将がいなくなったら、みんな忘れるなんて嘘だよね?」
何故、彼女がそんな情報を知っているのだろうか、辺りを見渡すと……目をそらした奴がいた。
百合である……
「簪、これは世界を回る俺達には必要な事なんだ…時間修復によって俺たちと接触した時間は自動的に削除される」
「でも、でも、それじゃあずっと戦ってきた将達が!!」
「それが俺の進む道だ……」
「えっ?」
「これは俺自身が考えて決めた道なんだ。たとえ、この世界が俺達を忘れても……覚えてくれている友がいる。君みたいにね」
「あ……」
「それにまだ俺には『天災ウサギ』の奪還するミッションがこの世界に残してあるから、すぐに戻ってくる」
「また……会える?」
「ああ……ちょっとだけ待っててくれ」
そう言いながら、簪の頭を撫でる将、
簪もそのぬくもりを感じるかのように目を紡いでいる。
それから、簪に見送られてゲートをくぐり抜き、惑星ラシェールに到着した。
「ところでさ……」
「ん?」
ふと、将の横を歩く寧が一言。
「簪ちゃんとはとても仲良しさんだよね?」
「へ?」
「まあ、自然と頭ナデナデをできちゃうくらいだしね?」
ニシシッと悪い笑みを浮かばせて話す百合
「詳しく説明して欲しいな~?」
寧の手が急に力強く腕を掴まれてしまう、ほんのり黒いオーラが浮かび上がっている気がした。
「せ、説明も何もお前らが考えているような展開は全くもって無い! 第一、俺にはもうとっくに……うっ!?」
自分の失言に将は思いっきり冷や汗をかきだす……
「『俺はもう』?」
「『とっくに』?」
「に……に……」
「「に?」」
「『逃げるがWIN』!!!」
「あっ、逃げたぁ!!」
「行くよ、寧ねえ。これはお仕置きをしないと…ね♪」
「うん、嘘ついたら『リンクウレツザン』だよ!!」
「どわっ、それはマジで勘弁!!!」
猛スピードで逃げ出す将を百合と寧が追いかける。
「何だか、懐かしい気持ちになった気がするな……」
そんな様子を取り残されたロボまるは一人……
「ちょっと、ぼくの事を忘れないでよ~!」
慌てて、三人を追いかけるのであった。
END