インフィニット・ストラトス~紡いだ想い、再び~   作:サウス零

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再び…戦士は戦いの渦へと飛び込む。


EP7 再動・時の旅人

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五月。

あれから数週間がたったがまだ仲直り出来ていない一夏と鈴。

何故かと百合に聞いてみると、自分からは会いに行かず、廊下や学食で会っても露骨に無視と怒ってます状態、

しかも対抗戦で『勝った方が負けた方に何でも一つだけ言うことを聞かせる』との事。

百合は怒りを通り越して呆れていたが……『これって逆にチャンスじゃない?』とも言っていた。

 

 

 

試合当日、第二アリーナでの第一試合。

噂の新入生同士の戦いとあって、アリーナは全席満員。

会場に入れなかった生徒や関係者は、リアルタイムモニターで鑑賞している。

うん、便利だ。

因みに俺とロボまるはモニタールームにいる。

基本的には織斑先生と山田先生がいるのだが、今回は特別だと呼ばれたのだ。

俺以外には百合にセシィとほーちゃんがいた。

「……」

何か威圧を感じたが気にしないように……

そして、バトルスタートのブザーが鳴り響くと一夏と鈴が動く、一夏は唯一の武器『雪片弐型』を展開、鈴も大型の青龍刀を同様に展開、激突した。

物理的な力は鈴が上、しかし一夏も負けじとセシリアから教わったという、三次元躍動旋回クロス・グリッド・ターンで防ぐと鈴は先程の武器をもう一つ展開し仕掛ける。

そして、二本の剣を一つにしてバトンのように振り回す。

また剣の打ち合いが始まるが一夏は防戦一方だ。距離を取ろうした時……。

「甘いッ!!」

パカッと鈴のIS甲龍≪シェンロン≫の肩アーマーがスライドして開く。中心の球体に光が宿った瞬間、何か飛び出し一夏の飛行体制を崩す。

「んふふ、今のはジャブだからね…」

そう言って、また肩アーマーに閃光が宿り、一夏は目に見えない衝撃に殴り飛ばされ、白式のシールドエネルギーが減少した。

 

 

「な、なんだ今の攻撃は…?」

「センサーだと僅かに空気圧に変化が…?」

突然の攻撃に箒は驚きの声、ロボまるは冷静に反応する。

「衝撃砲ですね。」

「衝撃砲?」

「空間自体に圧力を掛けて砲弾を打ち出す武器です。」

「わたくしのブルーティアーズと同じ第三世代兵器ですわね」

 

ふらつきながらも立ち上がる一夏だが、鈴は衝撃砲を追撃をする。

「よくかわすじゃない? この龍砲は砲身も砲弾も目に見えないのが特徴なのに…」

 

「しかも、あの衝撃砲は砲身の射角がほぼ制限なしで撃てるようです」

「つまり、死角が無いと言うことですの?」

「そう言うことになりますね…」

鈴の使用した武器をセシィと山田先生が説明してくれる。

そんな中、体制を整えて直した一夏と鈴は再度、ドッグファイト開始。

「織斑君、何かするつもりですね。」

「射撃武装の無い白式には、圧倒的に不利。打開策があるとすれば……」

「イグニッションブーストだろ。私が教えた」

「イグニッションブースト?」

「一瞬でトップスピードを出し、敵に接近する奇襲攻撃だ。出し所を間違えなければ、

 あいつでも代表候補生と渡り合える。クラス代表戦で綾月達が無意識に使ったのも同じだ」

「あの時の将さんが使ったのが……イグニッションブースト……。」

「別に意識して使ってません、ただ単に高機動戦闘に慣れていただけです」

「慣れていた?」

セシリアが疑問の声をあげるが、今はスルーする。

下手に答えるわけにはいかないからな。

 

「だろうな……。しかし……今のあいつの場合、通用するのは一回だけだ」

 

鈴の衝撃砲が炸裂するのも、一夏は回避していく。

そして、一瞬の隙が見えた一夏はブーストを発動、一気に鈴に接近したときだった。

 

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アリーナの天井から高出力なビームがバリアを貫通し大爆発が起きた。

観戦していた生徒達に困惑の色が浮かぶ。

「何?何が起きましたの?」

「一夏!」

「システム破損、何かがアリーナの遮断シールドを貫通してきたみたいです!」

「試合中止! 織斑、凰、直ちに退避しろ!!」

千冬が通信マイクで声を入れるとアリーナの観戦席にシャッターが閉ざされる。

「な、なんだ何が起こっているんだ?」

「一夏、試合は中止よ!すぐピットに戻って」

鈴からの通信と同時に白式のセンサーから警告のアラームが表示される。

「所属不明のIS?ロックされている? あいつに俺はロックされているのか!」

「一夏、早くピットに!」

「お前はどうするんだよ…?」

「アタシが時間を稼ぐからその間に逃げなさいよ」

「逃げるって、女を置いてそんなこと出来るか!」

「バカッ!!アンタの方が弱いんだからしょうがないでしょ!」「っ……」

顔をしかめる一夏に一息つく。

 

「別にあたしも最後までやり合うつもりはないわよ……こんな異常事態、すぐに学園の生徒達がやって来て事態のしゅ……」

 

二人の話に割り込むかのように、爆炎の煙の中から高出力ビームが飛ぶ。

「危ぶね!!」

一夏が咄嗟に鈴を抱えて回避成功する。モニターに先程のビームの情報が表示された。

 

「ビーム兵器かよ、しかもセシリアのISより出力が上だ…… 」

「!?……ちょっとバカ離しなさいよ!」

「お、おい暴れるな」

「うるさい、うるさい、うるさ~い!」

「待て、殴るな!?」

 

自分の状態に焦る鈴、俗に言う『お姫様だっこ』なのだから……。

そんな中、警告のアラームが鳴る。

 

「……来るぞ!」

「えっ!」

再びビームが二人を襲うが上昇して距離を取る。

燃え盛る炎からようやく黒い影が姿を見せるのはISである。そして、もう一体の影が現れる……。

それは、まるで三つ首の狼ケルベロスの姿を冠した全身武装のIS、だがサイズは一夏達より小さいのだった。

「ココがIS学園って場所か…」

 

「な、お前何者だ!!」

 

「俺の名はファング・ケルベルト、貴殿がこの世界で唯一のIS使いの男、織斑一夏か?」

「だとすれば何だよ、お前の目的はなんだ!」

 

「俺の目的は只一つ、調律者の影を討つのみ!」

「調律者…って、なによ?」

「いずれ判る時が訪れる。貴殿達の相手はこいつのようだがな……」

ケルベルトがその場から下がると先程の黒いISが歩み寄る。

所戻って、アリーナのモニタールームでは真耶が懸命に一夏と鈴に呼びかけるがこの場に残り避難と教師の応援の時間を稼ぐと言い通信を切ってしまう。

「あれは……!?」

 

百合が不意に呟いたと同時にモニタールームを飛び出す、将もついていくとたどり着いたのはアリーナのピットであった。

「百合、あいつもそうなのか?」

「うん……あれは『エデングラスパー』の『アーマノイド・ファイター』に間違いないよ」

以前の鈴と一夏の喧騒で出来なかったが、二人には大きな使命を持ち合わせていた。

将、そして、百合。自分達はこの世界の人間では無いと……

いまここにいる世界はISと言う機械が存在する一つの時の歴史である事。

それは様々な歴史が刻まれた世界が存在している。

だが世界に大きな異変が起きた。

エデングラスパーと呼ばれる組織があらゆる世界駆け回り暗躍を繰り返しているのだ。

しかし、その組織に対抗できる存在がいた。

調律騎士――

純粋な力ならば神をも凌駕する調律者の鎧を持つ戦士……

さらに、組織と同じく世界を渡り歩く時の旅人なのだ。

だが、エデングラスパーの首領との死闘で、この世界に迷い込んだらしい。

 

『この世界が絶望的な危機に瀕した時に世界が調律者を呼び出され世界の修復を行う事』

 

それが二人の使命である。

 

「この世界での目的は何なんだ?」

「わかんない。けど、ISが関わっている可能性は確実みたいね。」

「なら、当人に聞いてみるか!いくぞ百合。」

「ガッテン!」

将は懐からサモン・ガントレットを取り出し、カードチップを装填した。

対して、百合は純白に塗られた小さな片手剣のキーホルダーを握ると剣が等身大になっていた。

 

「サモンコード、フェイタル!!!」

正面に突き出し左腕から淡い水色の壁が出来上がり、腕を引くと将を包み込み、閃光と共に消え去った。

 

「トランスマイグレーション、ワルキューレ!!!」

空に掲げた剣から光の粒子が舞い降り、翼を型どって百合に覆い被ると同時に閃光が走り、羽根がこぼれ落ちる。

 

現れたのはISとは全く異なる存在。

トリコロールの色彩に包まれた調律騎士……

そして、緑ラインが羽根の模様を描く白い鎧、手には西洋の剣を持つ戦乙女であった。

 

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織斑一夏

 「くっ……!」

一撃必殺の間合い。けれど、俺の斬撃はことごとくかわされてしまう。

「一夏っ、馬鹿!ちゃんと狙いなさいよ!これで四度目じゃない!」

「狙ってるっつーの!!」

普通ならかわせるはずのない速度と角度で攻撃をしているが、敵ISは全身に付けたスラスターの出力が尋常ではないのだ。

零距離から離脱に一秒とかからない。しかも、どれほど鈴が注意を引いても俺の突撃には必ず反応して回避行動を優先する。

そして、さっきからケルベルトとか言う男は全くこちらに攻撃を仕掛けてこない。

俺と将以外に男がISを……と思ったが、あいつのISは似ても似つかない……

そもそもあれもISなのかさえわからん始末。

シールドエネルギー残量が60を切った。バリアー無効化攻撃を出せるのも良くて後一回だろう。

「一夏っ、離脱!」

「お、おうっ!」

鈴の声で敵の攻撃を避けたが反撃を難しい。

敵の回避行動後、長い腕をぶんぶん振り回して接近。まるでコマのような反撃が無茶苦茶なのだ。

さらにその状態からのビーム砲撃まで行うのだから手に負えない。

回転時の砲撃が通常砲撃の射程が半分であるのはせめての幸いだった。

 

「かたや、代表候補生に唯一の男性操縦士。だが所詮、戦いを知らない15の子どもだな……」

ずっと、黙りだったケルベルトがオープン・チャネルで話し出した。

「なら、一ついいこと教えよう、そのISは無人機だ。あまりにも無駄のない行動に気がつかないか?」

確かに、どこかの機械じみていたとは感じたが、何故あっさりとバラすんだ?

「確かに、違和感はあった。だが、何故あっさりと話す?それを聞かれば、あんたの不利になるはずだ!」

「不利?違うな、そもそも俺はあんなガラクタとは何の関係がない、貴殿達が撃墜しようがしまいが知ったことではない」

「ふざけるんじゃないわよ、さっきからアンタは何にもしてないじゃない!!」

「必要ないからだ。貴殿達の相手はそのガラクタで十分だからな」

「言ったわね!!」鈴が焦れたように衝撃砲を展開。砲撃するが……

「そんなもの……」

振りかざした腕が衝撃を掴む。

「なっ!?」

そんなバカな……!!

砲身も砲弾も見えないあの武器を避けるどころか、砲弾を鷲掴みにしている。

「こんな砲撃で俺に挑むか……この身の程知らずがァァァァ!!!」

受け止めた衝撃砲を投げ込まれ、鈴に向けて飛ぶ。

「きゃ!」

衝撃砲のダメージはシールドエネルギーで押さえるが、その拍子に弾き飛ばされてしまった。

さらにはあの無人IS以上の威力を持つビームが襲う。

 

 

「鈴…!!」

叫ぶも虚しくビームが鈴に直撃、爆音が響き、煙があふれる。

よくも……よくも……鈴を!!

「うおぉぉっ!!」

「待ちなさい!」

けど…俺が飛び込む前に誰かが立ちはだかる。

それは真っ白な鎧に包まれた女の人だった……。

「何で止める!!あいつは鈴を……!!」

「落ち着きなさい。あの女の子なら、無事よ」

と、指差した方向に煙が晴れて姿を見せたのは鈴だった。

 

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「あれっ……痛くない………えっ?」

目を開けた鈴が見たのは一人の影、トリコロールに包まれた鎧に背中のX型スラスターが目立ち、掲げた左腕には光を放つリングが浮かんでいる。

先程の攻撃はこのリングが防いでくれたのだ。

「大丈夫か?」

 

頭部に宿る二つの瞳が点滅しながら、機械音声で話しかけてくる。

「う、うん……大丈夫」

「そうか、それはなにより……」

「鈴――!!」

そこに一夏と白い鎧戦士が駆け寄る。

「大丈夫だったか?」

「あ、ううん。アタシは大丈夫よ」

一夏が心配そうな顔で訪ねるのに見入ったのか鈴の頬に赤が染まる。

「奴は俺達が引き受ける……君達はあのISを頼む、奴の言う通り、あのISは無人だ遠慮は要らない全力で仕留めろ」

「お前は一体何者なんだよ…?」

立ち上がり、歩く男に一夏は尋ねる。

 

「俺はシオン、『ファルシオン・エデンシス』……時の旅人だ!!」

 

時の旅人が再び旅を始める瞬間だった。

 

 

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セシリア・オルコット

 

閉鎖されたアリーナに現れた謎のISと……

ISではない何か纏う謎の男……

他の生徒達を避難させる為に一夏さん達が残り戦っている。

わたくしも何とかしないと…と織斑先生にISの使用許可をお願いしましたが、見せられたブック型の端末の画面に表示されたアリーナのステータスチェックでした。

「遮断シールドがレベル4に設定…? しかも、ステージに通じる扉が全てロックされて――あのISの仕業ですの!?」

「そのようだ。これでは避難することも救援に向かうこともできないな。」

冷静におっしゃってますが、手の方をよく見ると苛立ちを抑えきれないとばかりに画面を叩いてます。

「ならばと緊急事態として政府に助勢を――」

「やっている。現在も三年の精鋭がシステムクラックを実行中だ。遮断シールドを解除できれば、すぐに部隊を突入させる」

言葉を続けながら、先生の眉が動く。ううっ、これ以上は危険ですわね……。

「はぁぁ……。結局、待っていることしかできないのですね…」

「何、どちらにしてもお前は突入隊に入れないから安心しろ」

「な、なぜですか!?」

「お前のISの装備は一対多向きだ。多対一ではむしろ邪魔になる」

「そんなことはありませんわ! このわたくしが邪魔だなどと――」

「では連携訓練はしたか? その時のお前の役割は? ビットをどのように使う? 味方の構成は? 敵はどのレベルを想定してある? 連続稼働時間――」

「わ、わかりました! もう結構です!」

「ふん。わかればいい」

放っておいたら、それこそ一時間でも続きそうな指導ですわ、これにはわたくしも『降参』するしかありません。

「はぁ……。言い返せない自分が悔しいですわ……」

どっと疲れた気分で深いため息をついて辺りを見るとふと気付きました。

「あら?箒さんはどちらへ…しかも、将さんと百合さんも……えっ!?」

ドアの前に将さんのISである『ロボまる』さんが何か操作をしています。

将さんから『意思』のあるISと紹介されたときは驚きましたが紳士な性格でわたくしも恐縮してしまいそうな真面目な方ですの

試合前に将さんから一緒にほしいと頼まれていたのです。

わたくしが驚いていたのは自動ドアが開き、ロボまるさんが飛び出したのですから……

「ちょっと、どちらにいきますの!?」

慌ててわたくしは追いかける事にしました。

 

 

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『外部の応援はあてにならず、ここは俺達だけで戦うしかない……』

「そうみたいだね。」

不意に聞こえてきた声にセシリアは驚く、将の声が聞こえたからだ。

「将さん…ですのよね?」

『ああ、俺だ。』

「今どちらに!? それにどうなっていますの?」

 

『説明は後だ。セシィ、君に頼みたい事がある。この状況を打破するには、君の協力が必要だ』

「何をすれば、いいですか?」

『このまま、ロボまると一緒にピットへ向かってくれ、ナビはこいつがしてくれる』

「分かりましたわ、すぐに参ります!」

スピードを上げるロボまると共にセシリアはピットへ向かうのだった。

ピットに到着して入り口に入るセシリアとロボまるだが、ゲートが展開しており外に出られる状態だった。

 

「一夏ぁっ!!」

 

なんと、箒がピットの外に出ていたのだ。

「男なら……男なら、そのくらいの敵に勝てなくてなんとする!」

箒の行動は、敵ISを引き付けるには十分な内容だった。

「セシリアさん、突入しますよ!」

「でも、遮断シールドはどうなさいますの!?」

「通り道はボクが作ります。急いで!!」

「はい!」

 

箒の声は一夏と鈴音にも聞こえた。

 

救援にやって来たシオンと名乗る男からの言葉に従い、一夏はある策を実行しようかとした矢先である。

視線の先には敵ISが腕部についた砲口を向いているのがひどくゆっくり見えた。

 

「鈴、やれ!」

「わ、わかったわよ!」

 

両腕を下げ、肩を押し出すような格好で衝撃砲を構える鈴。

最大出力砲撃の為、補佐用の力場展開翼が後部に広がる。

その射線上に一夏は躍り出る。

「ちょ、ちょっと馬鹿! 何してんのよ!? どきなさいよ!」

「いいから撃て!」

「ああもう……! どうなっても知らないわよ!」

 

最大出力の衝撃砲が一夏の背中に当たると瞬間加速イグニッションブーストを起動させる。

衝撃砲からのエネルギーで右手の雪片弐型からビーム刃が形成展開。

 

零落白夜の発動が確認された――

 

(俺は…千冬姉を、箒を、鈴を、関わる人全てを――守る!)

必殺の一撃は、敵ISに炸裂、右腕を切り落とした。

しかし、左腕での反撃を受けてしまう、

さらにビーム砲撃も加えるつもりだろう。

「「一夏っ!!」」

箒と鈴の叫びを聞く一夏はふっと笑みを浮かべてこう言う…

「……狙いは?」

『完璧ですわ!』

一夏の通信から答える声、その刹那に客席からブルーティアーズの四機同時狙撃が敵ISを打ち抜く。

そう、遮断シールドは今の一撃で破壊した。

観客席にはブルーティアーズとロボまるがそこにいた。

「セシリア!ロボまる!?」

「アンタ達、いつの間に!?」

「決めろっ…セシリア!ロボまる!!」

『了解ですわ!』

『ナパーム・ナックル!!』

 

スターライトmkⅢとブルー・ティアーズの連続射撃にロボまるのナパーム・ナックルの火炎弾が炸裂

 

敵ISは大きな爆発を起こし上に落下した。

 

 

 

一方、一夏達の奮戦する中、こちらでも熱い戦いが始まっていた。

「でやッ!!」

シオンの構える大型剣『ヴィゾフィニル』。

ケルベルトは自分腕部に内蔵するビーム爪『パルスレーザークロー』が激突、閃光が走る。

弾かれあうことなく叩きあうのは互いにパワーは互角である事を物語っていた。

「そこっ!」

そこへビーム砲撃が飛び込む、シオンは咄嗟にビームモードに展開して斬り流しながら背中のスラスターで軌道を反らし射線から外れる。

 

ビーム砲撃を仕掛けたのは純白の戦乙女『サレナ・アルテミス』 手に持つライフル『アストレアント』を可変させ、剣を抜く。

「やァァァッ!!」

シオンと入れ替わりサレナの斬り上げからの三連斬が炸裂、バックステップで後退した。

「まさか戦乙女もこの世界にいたとは……なっ!」

両肩に狼の頭部を型どったシールドが形成されてそこから火炎弾が放たれた。

しかし、火炎の玉は二つの光輪に遮られ、光輪はシオンの両腕に収まる。

「ふっ、我々の予想以上に力を回復していたのは驚いたな……しかも、ナビゲートしながらの戦闘……なるほど、戦乙女の参戦はそのフォローと言うわけか」

「そう言うこと。それに、あの無人機はじきに落ち、あとはあんた一人となる」

「ふっ、確かに今日は分が悪いようだな」

「逃がすとおもっているのか?」

「なら、全力で逃してもらおう……」

ケルベルトの火炎弾の乱発がアリーナに煙を立たせる。

その上から何が飛び出し、壁を駆け登り穴の空いた部分から脱出したのだった。

煙を払いケルベルトの逃げ去った穴を見上げるシオン、サレナも合流する。

「逃がしたか……」

「相手は可変能力持ちね、多分今回は偵察でしょうね」

「だろうな、だがハンデはこちらも同じ、一夏達の所へ行くぞ!」

「OK!」

急いで一夏達の所へ向かう二人、ちょうどその時はブルーティアーズの一斉射撃を決めたところであった。

 

 

敵無人機撃破した一夏達はホッと一息入れていた。

『ギリギリのタイミングでしたわ……』

『セシリア、助かったよ。ロボまるもありがとな』

『いえいえ』

『全くわたくし達がいたから良かったものの! 誰もいなければどうするつもりでしたの?』

『信じていた。セシリア達なら来てくれるってな……』

『え……あ そうですの…』

一夏からのプライベートチャネルにセシリアは照れてしまう。

「ふう。何にしてもこれで終わ――」

 

[――敵ISの再起動を確認! 警告! ロックされてます!――]

 

「!?」

片方だけ残っていた左腕。

それを最大出力の為に変形させたISが一夏を狙う、すぐさまに雪片弐型を構える。

しかし、ビームは発射されることはなかった。

敵ISの砲身に剣が一本突き刺さっている。さらに黒いチェーンに先端にはハサミのような突起物が剣を掴み、外れる。

 

そして、大きな円弧を描き、切り裂き、何かが突入してさらにもう一撃、敵ISは 完全に破壊された。

そこから現れたのはシオンとサレナの二人である。

だが、一夏達には近づかすにこちらを見ているだけだ。

 

『……全員無事だな?』

『あぁ、おかげで助かったぜ……』

『そうか……』

そう言って、シオンとサレナは手持ちのライフルを構える。

「……!!」

 

銃口は一夏達とは全く無関係の方向へとビームが飛ぶ。

彼らが壊しているのはアリーナのカメラである。

学園の部隊が突入に気付き、入れ替える用に二人は遮断シールドの穴へ向かい立ち去るのだった。

『なッ!?……待ってくれ!!』

一夏の声はシオンには全く届かなかった。

 

場所は学園の地下五十メートル。そこは特別な権限《レベル4》を持つ関係者しか入れない場所であった。

機能停止した機体《IS》が運び込まれ、解析を始める。

それから二時間、千冬は何度もアリーナの戦闘映像を繰り返し見ている。

 

「…………」

暗い室内で、ディスプレイの光に照らされた千冬の顔はひどく冷たく見える。

「織斑先生?」

ディスプレイに割り込みでウィンドウが開く。

ドアの前あるカメラに写るはブック型の端末を持った真耶であった。

「どうぞ」

許可をもらってドアが開き、真耶はいつもより幾分きびきびとした動作で入る。

「あのISの解析結果が出ましたよ」

「ああ。どうだった?」

「はい。あれは――無人機です」

世界中で開発の進むISの中でまだ完成されていない技術、遠隔操作と独立稼働。

今回、現れた謎のISに組み込まれている。

その事実は学園関係者全員に箝口令が敷かれるほどだった。

「どのような方法で動いたかは不明です。機能中枢が完全に破壊されて修復は皆無ですね……」

「コアはどうだった?」

「……それが、登録されていないコアでした」

「そうか」

やはりな、と続ける。どこか確信じみた発言する千冬に、真耶は怪訝そうな顔をする。

「何か心当たりがあるんですか?」

「いや、ない。今はまだ――な……次の報告を」

「は、はい!無人機と一緒に現れた謎の機体と織斑君達を助けた二機ですが……あれは、ISではありません。調べるにもアリーナのカメラは全て破壊されてしまい詳しい調査は……」

「専用機持ちの目撃のみということか……まあ、あれだけ念密にカメラを壊していったのだからな、そちらは後に回しておこう」

「はい……」

そう言って千冬はまたディスプレイの映像に視線を戻す。

その顔は教師ではなく伝説の操縦者の瞳だった。

 

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数日後の休日、俺はある場所へやってきていた。

 

「アトリエ…こっちにもゲートが繋がっていたのか?」

 

「ええ、アーマーのメンテするにはこれ以上にない場所でしょ?」

 

その場所とは、俺がファルシオンとしての戦いを始めた時に授かった

 

『アトリエ』と呼称する異空間に繋がった専用のメンテナンスルームである。

 

アーマーのメンテ、改修でき寝食をできる設備が揃っている。

 

「それから、ロボまるの不調の問題なんだけど……どうも電子回路に問題あるみたい…」

 

アトリエのモニターにロボまるの解析図を見せる百合。

 

そこにはロボまるのデータがいくつもの数字が、モニターを埋めていた。

 

「あった…このパーツがかなり老朽化していたせいでパワー出力が上がったり下がったり波が大きくなった原因ね」

 

「これ……真空管か?」

 

「見た目はね……でもロボまる用に改造されたハンドメイドの真空管よ…」

 

「百合は作れるのか?」

 

「ううん…設計図の内容が私の知らない言語なの……」

 

「知らない言語って……ん?この文字は……」

 

見せてもらった設計図を見ると、ふと見覚えのある文字があった。

 

思い出すのは……ある異世界の星と命を巡る人々の闘い

 

 

 

ガチャ……

 

 

「ん?」

 

アトリエの奥に物音が聞こえて顔を上げる俺。

 

いや待て、このアトリエにいるのは俺と百合だけ……

 

入口とは別のドアから開いて誰かが入って来る。

 

 

「……あ、あの~」

 

 

 

「へ?」

 

「…………ッ!!」

 

俺はこれ以上にないくらい動揺してしまった。

 

入ってきたのは百合と同い年ぐらいの少女、百合と同じようにストレートのロングヘアスタイル…

 

「イオン……いや、寧…?」

 

そう、あの少女が俺の前に立っていたのだから…

 

 

Next…

 

 

 

 




7次元という枠を越えたまさかの再会

時に同じく新たに現れた三人目の男性操縦者

果たして、この運命が導く先には何が待っているのだろうか?

次回「EP8 以心伝心・Boy Meets Girl」

今、運命の絆が再び光り輝く…

「あなたが…あなたでアーシェスなの?」



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