ガンダムビルドファイターズ〜fighter To LINK〜 作:勘張 明倫
高谷side
模型店での騒動から丸一日たった。
昼休みになり俺は食堂で昼飯を食べていた。
が、俺の頭の中には昨日の言葉がちらついていた。
《私と一緒に、ガンプラバトルをやりませんか!?》
高「(もう一度俺に誰かとガンプラバトルをやれ・・・か。
あの人も無茶を言ってくれる。
俺はもうガンプラバトルなんてできない・・・いや、
しちゃいけないんだ。
あんな思いはもうごめんだからな。)」
摩「あの子の誘い、断っちゃうんだ。」
高「あぁ、
俺はもうガンプラバトルなんて・・・って!
なんでお前がここにいるんだ。」
摩「いやー、
食堂でさえボッチ飯してる君のために僕が君と昼食を取ってあげてるんだよ。
感謝してほしいね。
はたから見れば僕らはリア充だよ。」
高「勘弁してくれ。
あとお前カレー臭凄いから。」
摩「酷いな君。
仮にも僕は女性だよ?
女性に臭いとか普通言わないよ。
・・・で、本当に断る気なの?
彼女の誘い。
悪く無いとは思うけどね・・・君の過去に向き合うためにもさ。」
高「ふん、
今更向き合って何が変わるんだ。
そんなことしてもあいつらにした失態は消えないんだ。
・・・あの視線の嫌悪感も、拭やしない。」
摩耶「・・・そっか。
相変わらず素晴らしいほどのヘタレだね君は。
まぁ君がやらなくても、僕はやるつもりだよ。
・・・僕はあまり強要はしないタイプだけど、
勇気を出して君を誘った彼女のことば、無下にしないようにね。
君の過去はきっと君が強くいれば拭えるから、僕はそう信じてる。」
摩耶花がカレーを食べ終え、
去り際に俺にそう言って食堂を発った。
高「・・・偉そうに。
だけど・・・無下になんかしてない。
俺も出来るならば・・・俺は・・・」
去っていく摩耶花を見ながら俺はそう呟いていた。
同時刻、同学校2ー3クラス
茄宮side
茄「はぁ・・・またやっちゃった・・・
明らかにガンプラバトルが嫌いそうだったのに誘っちゃった。
あー、ダメな私。」
私は自分のクラスで自己嫌悪になりながら弁当を食べていた。
昨日、商店街にある模型店で私は子供を助けるために無謀な行為に走った。
あの2人がやってこなかったら・・・間に入らなかったら私は今頃どうなっていたかわからない。
そしてバトルの時にあの2人を見たときに確信したのだ、
この人達なら・・・私の力になり、目標と約束を果たせると。
だからバトルのあとで誘ってみたのだが・・・
高《あんた、バトルの時の俺の台詞を聞いてなかったのか?
俺は他人とチームを組んでバトルなんかしない。
ましてや今日あったあんた全国目指す?
笑えない冗談はそこまでにしてくれ。
俺はガンプラバトルなんてもうやめたんだ。》
・・・と、強烈な拒絶を食らったのだ。
そこで私は我に帰り、そして今までの自己嫌悪に繋がるのである。
と、
私の背後から突然誰かの手が私の胸を支えて持ち上げた。
茄「ひゃう!?
ちょっと、フウカでしょ!?
いきなり何を」
橘「・・・ナス、元気無いから元気の残高を胸に聞いた。
それに、胸触るの、もういつものこと。」
茄「普通に言葉で聞いてよ!
もう・・・変な声出たじゃない。」
橘「・・・・・・本当に何があったの?
なんか今日・・・らしくない。」
茄「あ、あはは・・・やっぱりわかる?
実は・・・」
私はこのクラスで唯一の友達、橘フウカに昨日あった出来事。
そして私が勧誘して盛大に断られたことを話した。
橘「なるほ、理解した。
要するにナスは初めて振られたからそれで落ち込んでるんだよね?」
茄「全然理解してないし!
てか、振られたんじゃ・・・ない、よね?」
橘「・・・でも、その男の人はガンプラバトルなんてしないって言ってるのに、
子供を助けるときはやってたんだよね?」
茄「うん。
1人で突っ込んで援護なんかいらないって言ってたかな。
チームが一般的な今時ではかなり珍しい人だよね。」
橘「ふーん・・・多分それ、ガンプラバトル自体じゃなくてガンプラバトルで何か嫌なことがあってそれが原因でしなくなってるだけだと思うな。」
茄「嫌なこと?
そっか!ならそれを聞き出して」
橘「まって、それだと多分余計に心を閉ざしちゃう。
それだと話しかけることも難しくなるかも。」
茄「じ、じゃあどうすればいいのよ〜・・・
私はただ、あの2人とガンプラバトル部を設立したいだけなのに・・・」
私がフウカの話を聞いて頭を抱えた様子を見てられなかったのか。
フウカがため息の後私に言った。
橘「・・・ナスのその気持ちを伝えられればいいんだよ、要するに。
私にいい考えがある。
ナスにも協力をしてほしい、放課後空いてる?」
茄「え?
う、うん。
空いてるけど。」
橘「じゃあ・・・ゴニョゴニョ、ゴニョゴニョ、ゴニョゴニョリン。
・・・ってことをするから、
あとはナスがお願い。」
茄「え、え!?
いや、でも私じゃそれは」
橘「ナスの気持ちを伝えるため。
頑張って。」
私がフウカのアイデアを聞いて驚くとフウカは冷静にそう言ってグーサインを出した。
私は戸惑いながらもそれを受け入れ、 弁当をかきこんだ。
放課後、同学校校内。
高谷side
高「んーー・・・!!
やっと授業が終わった。
なんか無駄にあっという間に感じたな。」
放課後となり、
俺は教科書などを鞄にしまっていく。
高「今日は帰ったら・・・ゲームでもするか。
・・・ん?」
荷物整理をしていた俺だったが、
そこであることに気づいた。
財布が見当たらないのだ。
どこを探しても見当たらない、カバンに入れていたはずなのに・・・
高「(泥棒?
だとしてもクラスメートの誰かしか考えられないが・・・
おそらく盗まれた時間は)」
摩「高谷!!
まだいたんだね!」
俺が考察を始めたその時、いつの間にか教室を出ていた摩耶花が女性の教師を連れて慌てて教室に入ってきた。
高「どうした摩耶花。
そんなに慌てて、悪いが今俺は財布を探すのに忙しいんだ。」
摩「その財布のことだと思うんだ!
ほらこれ見て!
君の下駄箱に入っていたんだ。」
摩耶花はそう言って俺にとある紙を見せた。
その紙には、
『高谷継心、
あなたの大切なものを預かりました。
返して欲しければこの学校三階の西空き教室へ来てください。
尚、見捨てて帰った場合は翌朝恥ずかしい写真を入れて机の上に放置します。』
と書かれていた。
高「・・・なんだこりゃ。
これで脅しのつもりかよ。
飛んだ間抜けな犯人だことだ」
摩「でも、乗るしかなくないかい?
君の財布には・・・あの写真があったはずだ。
過去の君の写真が・・・
スメラギ先生、
この手紙に書いてる三階の西空き教室ってどこですか?」
摩耶花が慌てているのか連れてきた女性の教師に尋ねるとスメラギ先生は少し考えて答えた。
ス「たしか、ここからなら上がった後で一番奥の教室のことだわ。
私が案内するわ。」
高「・・・やられっぱなしは気がすまねぇ。
財布を盗んだやつ、絶対にぶちのめす。」
そう言って歩き出したスメラギ先生を追いかけていく摩耶花の後を、
俺はそうつぶやいて後をおった。
そして俺達は指定された教室に到着した。
俺達が扉を開けるとそこにはなぜかラウル・クルーゼのマスクをつけた女子生徒が、
ガンプラバトルシステムの奥に立っていた。
?「・・・まってた。」
高「・・・なんだその仮面。
なんでクルーゼの仮面なんかつけてんだよ。」
?「私の正体は、トップシークレット。
そしてあなたの欲しがってる財布はこれだよね。」
仮面の女は俺の財布を取り出して俺にそう言った。
高「まさにそれだよ。
さてと、穏便に返してくれるかな。
先生がいる手前あまり乱暴な真似はできないんだ。」
俺がそう言うとどこかに手招きをする。
手招きされた先には昨日模型店であった茄宮さんがいた。
?「・・・財布を返して欲しかったら、彼女と戦う。
彼女に勝つことができたら返してあげる。」
高「なんで彼女と戦う必要がある。
ただ返してもらえればそれで」
茄「・・・戦いましょう、高谷さん。
話してもわからないことは。」
高「・・・はぁ。
わかったわかった。
戦えばいいんだろ?
だが俺は今ガンプラを持って・・・あ。」
ガンプラは持っていないと言おうとした俺はある事を思い出してカバンの中をあさる。
すると、
袋にはいったガンダムmark2があった。
高「・・・忘れてた。
こいつ昨日買ってたな。
なら、こいつで俺は行く。」
茄「はい。
私も自分のを持ってきましたから。
・・・本気で勝負です、高谷さん。」
茄宮さんの顔つきが本気のものにかわる。
俺もガンダムmark2を持って彼女とのバトルを行うことになった。
高「・・・ところで、なんでこんな空き教室にバトルシステムが?」
?「・・・それはまた後でおしえる。」