異世界に召喚って…… 作:カボチャ!!
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薄暗い洞窟で、少女が一人。
砂遊びか、木の棒で地面に何かを描いている。
「―――ふんふっふふーん♪」
楽しそうな鼻唄が、洞窟内にこだましている。
洞窟の壁に掛けられている
「うん、描けた。上出来じゃない?♪」
◆
趣味は無く、他人に無関心。
外出を極力しないのは、何かに巻き込まれたり、自身の生活に変化が起こるのを嫌がっていた。
だからこの後、日常が壊される等、想像もしていなかった。
雨斗は、十三歳の中学生である。
色素の薄い茶髪が目を隠し、愛用の大きめのパーカーのせいで、根暗な印象を他人に与えている。
そのせいか分からないが、雨斗には友達がいない。学校の先生ですら、彼に近寄らず遠巻きで見 ている。
だが、彼が気にしているという事は、全くといって無かった。
彼にとって、独りは大歓迎である。
遊びに誘われることもないし、無駄に気を使う必要もない。
ただその日を漂う。
……幸せなどいらない。
自分はただ生きてさえいればいい。
―――それが俺の罰だから。
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「――――て、世と世を繋げなさい!」
薄桜の唇から、鈴とした声が紡がれる。
円形の紋章が発光し、浮かび上がっていく。
膝だちをし、慎ましい胸の位置で両手を握っている。
その姿はまるで、神に祈りを捧げる聖女。
やがて、光は止み―――銀色の玉が宙残った。
「我の求める者を映し出しなさいっ!」
銀色の玉は突如、波打つように歪みだすと――。
銀色の液体と化し、地面に拡がる。
「―――さて、何処にいるのかな」
少女の視線は、地面に釘付けである。
そこにあるのは銀色の鏡。
やがて、鏡に一つの景色が映し出された。
「―――見付けた♪」
◆
その日、雪が降っていた。
白い世界の中、彼は静かに手を合わせる。
お墓参りである。
刻まれている名前は、桜井
雨斗の六歳上の姉である。
二年前、十七歳という若さで、亡くなった。
遺書を遺し、毒も傷も何もなくただ眠っているかの様に死んでいた。
遺書にはただ一言『暫く生きろ!』それだけ。
―――陽菜姉、俺はいつまで生きればいい。
問い掛けるが返事はない。
それでも雨斗はひたすら、お墓の前で手を合わせ続ける。
―――…………。
………………………………。
…………カァ~カァ~。
カラスの鳴き声が、耳に入る。
どれだけ時間がたったのだろう、既に空は紅く染まっていた。
―――帰るか。
姉に「また来るよ」とつげ、踵をかえそうと振り返った瞬間―――。
バシュッッ――!
「えっ……?」
雨斗の首が空中に投げ出された。
比喩でもなんでもない。
物理的に胴体と首が、切り離されたのだ。
一瞬の衝撃だけで、激痛も何もなく夜音の意識は首とともに堕ちていく。
墜ちる刹那―――
『―――見付けた♪』
聞き覚えのある、懐かしい声が聴こえた気がした。