ブラッドロード~紅き雪が積もる道~   作:橘田 露草

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ぶらばんわ~(^◇^)
くーさんこと露草です。

4月といえば笹団子ですね~!
違うかもしれないですけど僕の国ではそうなんです!
ちなみに僕はおはぎが好きです(聞いてない
後、キムチがちょっと苦手です(聞いてry

そんな誰も求めてない暴露をしたところで行きましょうか!
「ブラロー」13話スタートです(*^^*)





第13話  終結、そして新たな日々

「ガ、ガルディオス……!?」

 

目の前に現れた異形の生物に誰もが動けずにいた。

 

「あれがガルディオス……」

 

霧雨が呆然と呟いた。

見た目は、豹に近いだろう。

だが、その黒い肌と不気味な触手はあれが普通の生物ではないことを如実に表していた。

 

と、ガルディオスが動いた。

腰が抜けて立てない警官に触手を伸ばす。

 

「ひぃ!?や、やめ……!?」

 

男は悲鳴を上げ逃げようとするが、恐怖で体は全く動かない。

伸ばされた触手は彼をとらえ、鋭い牙のそろった口に運ばれた。

 

ガリゴリッと骨を砕く音が響く。

男の頭部から血が噴き出し、ガルディオスの口元を赤く染めていく。

 

「う、うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

誰かの上げた悲鳴で街はパニックとなった。

そんな彼らにも容赦なく触手は伸びる。

 

「ぼさっとしてんな霧雨!」

 

名前をハッと霧雨が正気に戻る。

目の前には刀を構え、触手を切り裂く壱夜がいた。

 

「いっくん!?」

「いいからさっさとあいつらに命令出せ!早くしないとがんがん死ぬぞ!」

 

パニックになっている人は一般人だけではない。

警官も啓吾が連れていた警備隊も混乱していた。

それを見て霧雨も指示を出す。

 

「深谷くん、警官のみんなと一緒に住民の避難をお願い!」

「は、はい!」

 

霧雨の指示で恭平と警官たちは住民のもとへ走っていく。

これでパニックが緩和されればいいが。

と、霧雨の横を初雪が歩いていった。

 

「歩積くん!?早く逃げないと……」

「大丈夫だよ。それより透葉ちゃんをお願い。」

 

いくら銃を持っているとはいえ、一般人の初雪がここにいるのは危険だ。

だが、初雪はいつもと変わらない笑顔だった。

 

「よろしくね、椎崎さん。」

「あっ、歩積くん!?」

 

手を振ってガルディオスのもとへと歩いていく初雪。

止めなくてはいけないはずの霧雨はなぜか彼なら簡単に倒してしまう気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んあっ!!」

 

伸ばされる触手を切っていく壱夜。

ガルディオスは触手の硬度も変えられるはずだが、やつにはできないようだ。

壱夜はすでにボロボロの服以外面影がない啓吾を冷めた目で見る。

 

「ガルディオス憎しで自分がガルディオスになるってバカかあいつは」

 

その呟きが聞こえたわけではないだろうが、ガルディオスが数本まとめて触手を放つ。

どうやら標的を壱夜1人に変えたらしい。

 

「グルルルルル!」

 

不気味な鳴き声を漏らしながらよだれを垂らすガルディオス。

だが、獣の姿の割りにスピードは遅い。

壱夜は切り払いながら距離を詰める。

 

「おらっ!」

 

一瞬で肉薄し、刀を振る。

だが。

 

「硬ってえな!」

 

振られた刀は硬い皮膚をわずかに切り裂くのみで血一つ出ていない。

それもガルディオスの回復力ですぐふさがってしまう。

仕方なく壱夜は距離をとる。

 

その時、発砲音が響いた。

放たれた銃弾もまた皮膚に弾かれてしまう。

 

「あらら、やっぱり効かないか」

「歩積……」

「やあ、壱夜くん」

 

リボルバーを手に下げたにこにこ笑顔の初雪がいた。

 

「さてと、どうしようか壱夜くん?」

「……お前ガルディオスと戦ったことは?」

「似たような経験なら」

「十分だ」

 

にやりと笑いあい、それぞれの武器を構える。

 

「僕は前、お前は後ろ。いいな?」

 

答えを聞くことなく、壱夜はもう一度前に出る。

それを見送り、初雪は白衣のポケットを探った。

 

「ちょっともったいないけど」

 

取り出したものを弾倉に詰める。

 

「これはどうかな?」

 

放たれた弾丸はガルディオスの体に当たる。

その途端。

 

「グガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」

「おっ、当たった」

 

痛みに叫ぶガルディオス。

先程のように弾かれることなく当たったようだ。

銃弾が当たった部分からは血が流れ出し、回復もしていない。

 

初雪が放ったのはただの銃弾ではなく、例の獣化を防ぐ薬を詰めた特製の銃弾だ。

半獣を癒す薬なのでガルディオスにとっては劇薬に等しいだろう。

とはいえ、数はそこまでないため最後まで持つかはわからない。

 

「お前の相手は僕だって言ってるだろ!」

 

初雪を敵と認識したガルディオスは触手を放つがその触手はすべて切り払われてしまう。

初雪が銃弾を撃ち込み、壱夜が触手を払う。

世界の脅威であるはずのガルディオスを初雪と壱夜は圧倒していた。

 

そして何発目かの銃弾を放った途端、ガルディオスは倒れた。

体中から血を流し、辺りにはちぎれた触手が転がっている。

 

「ふぅ……やったか?」

「それフラグだよ、壱夜くん」

 

倒れたガルディオスに近付く2人。

さすがのガルディオスもすでに動けないようだった。

 

「さてと……」

 

最後の薬弾を詰め、銃をガルディオスの頭部に向ける。

ガルディオスは怯えたように初雪を見る。

その顔はどこか啓吾の面影があった。

 

「ごめんね」

 

頭部への一発。

その弾丸は黒木啓吾、そしてガルディオスの生命を止めた。

 

今度こそ終結だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事件の翌日。

音越町では警備局の局員や警官が事件の調査をしていた。

数年振りのガルディオスという割には死亡者はわずか3人だけだった。

事件はたちまち全国に広がり、新聞の一面を飾った。

犯人は政界にも通ずる大企業の息子とあり、顔写真どころか名前すら公開されることはなかったが、それでも事件の目撃者がネットにアップした写真で黒木啓吾の名は世界に広がっていくことになった。

 

ガルディオスになったことで黒木啓吾は人とはみなされなくなり、当然、死神事件の追及もされることもなくなった。

死神事件の概要は、捕まった小暮慶太ら死神の一味から明らかとなった。

そもそも半獣の存在が大嫌いだった啓吾は、ホームレスだった半獣を惨殺したのを機に次々と半獣を殺すようになった。

もう裁かれることはないが、彼の悪事はしばらく人々の間で騒がれるだろう。

関係ない彼の父親たちが背負う被害を考えると同情せざるを得ない。

 

落ち着きを取り戻した街中を壱夜と霧雨は歩いていた。

 

「でも死神事件も解決したし、これで透葉ちゃんも安全だね~」

 

霧雨が珍しくあくびをしながらそう言う。

昨晩は事件の後始末でほとんど徹夜だったのだ。

 

「まあな」

「これなら透葉ちゃん帰らなくてもいいのに」

「僕はうるさいやつがいなくなって清々するな。これでようやく元の生活に戻れる」

「いい加減働こうよ……」

 

そんな話をしていると、目的地の駅に着いた。

 

「椎崎さま!神薙さま!」

 

2人に気づいた鈴音が手を振る。

今日もいつもと同じ小さなメイド服姿だ。

その横には透葉と珠がいる。

 

「あれ?初雪くんは?」

「初雪さまは今日早く出かけられました」

「時間までには来るみたいですけどね!」

 

珠の答えに少しだけ怒ったような鈴音。

今日は透葉が帰る日なのに、鈴音に一言もなく勝手に出かけてしまったのだ。

 

「なんだよ。それなら僕ももう少しゆっくりくればよかったな」

「もう、いっくん!」

 

そんな2人を透葉は眺めていた。

初雪の友達らしいとても優しい人たちだった。

壱夜は透葉の兄の敵をとってくれたし、霧雨も尽力してくれた。

この2人がいなかったら透葉は犯人すら見つけられなかっただろう。

 

隣の少女たちも見る。

数日だけの滞在だったが、透葉にとてもよくしてくれた。

珠の料理はとてもおいしかった。

鈴音とはせっかく仲良くなったから離れるのはすごく寂しい。

 

別にここにいるのが嫌になったわけではない。

むしろ、ずっとここにいたい。

でもそれは許されないことなのだ。

 

「あっ、来ました!」

 

鈴音が手を振る。

その先には、いつものよれよれの白衣を着た小柄な少年がいた。

 

「初雪さま遅いですよ!」

「ごめんごめん準備に時間かかっちゃった」

 

謝りながら透葉のもとにやってくる。

 

「遅れてごめんね透葉ちゃん。椎崎さんと壱夜くんもお疲れさま。」

「ん、大丈夫」

 

そして、一番感謝しなきゃいけないのはこの少年だ。

自分が半獣だと知っても何も言わず助けてくれた。

彼がいなかったらずっと1人ぼっちだっただろう。

思えばずっと一緒にいたような気がする。

優しくて、とても暖かい男の子。

そして、透葉にある気持ちを教えてくれた男の子だった。

 

「透葉ちゃん荷物はそれだけ?」

「うん」

 

透葉の荷物は腰に下げた袋だけ。

服すら持たず着の身着のままでやってきた自分に今更ながら苦笑してしまう。

今度旅行することがあったらせめて服ぐらいは持っていこうと思う。

 

「そっか」

 

にっこりと笑顔で答える初雪。

いつの間にか壱夜たちは離れて見守ってくれていた。

そんな優しい人たちにクスッと笑ってしまう。

 

「ねぇ、ハツ」

「ん?何?」

「もしも、わたしがあんな風に……あの人みたいに化け物になっちゃったらどうする?」

 

それは昨日からずっと考えていたことだった。

あの時、初雪は躊躇いなく啓吾を撃った。

 

きっと初雪は自分を殺すだろう。

もしも自分が初雪に銃を向けられたら。

それを考えるだけで悲しくなってしまう。

でもそれが正しいのだ。

 

「その時は……守るよ」

「守る?」

 

しかし、初雪の答えは透葉の考えとは全く違った。

 

「うん、守る。透葉ちゃんを傷つけようとする人たちから全力で君を守る。」

 

その答えに思わず涙が出てしまう。

そして本音も出てしまう。

 

「ハツ……」

「ん?」

「わたし帰りたくない……。ずっとハツと……イチと霧雨と鈴音と珠と一緒にいたい。」

「透葉ちゃん」

 

ぎゅっと初雪が抱きしめるそして。

 

「んっ。」

 

触れるだけの軽いキスをした。

透葉は驚いた顔で初雪を見る。

初雪はにっこりと笑う。

 

「もしもの前に、僕は絶対に透葉ちゃんを暴走させたりしない。だからそういうところも含めて僕は君を守るよ」

「……ハツ」

「ええと、それじゃダメかな?」

「ハツ!」

 

もう堪えきれなった。

初雪に手を回し全力で抱きしめる。

 

「ありがとう……。ハツ大好き」

「そりゃどーも」

 

困ったように笑う初雪。

そんな2人を微笑ましそうに、ちょっとだけ嫉妬を込めて見る鈴音。

 

「……でも、あげませんから」

 

隣でそれを聞いていた母親は娘の成長を感じ、クスリと笑った。

 

「ハッピーエンドおめでとーってか」

「あはは、よかったんじゃない?」

 

やれやれといった顔で見る壱夜とにこにこ顔の霧雨。

そんな中、抱き合う2人に珠が近付く。

 

「さて、そろそろ帰りましょうか。初雪さまの作った料理も冷めてしまいますよ」

「料理……?あっ、だから遅れてきたんですか!」

 

料理と聞いて音がなる透葉のおなか。

恥ずかしそうに少しだけ顔を赤くする。

 

「帰ろっか透葉ちゃん」

「……うん」

 

 

ぎゅっと握られた手と手。

透葉は口の中でもう一度呟いた。

 

「……大好き」




というわけで第一部完!というわけです、はい(*^^*)
物語はまだまだ続きますっていうか次は幕間を一本挟みます。

一応話はできてるので近日中に投稿します。
「紅茶」、「ゆるっと」も月曜日までには……
締め切り待ってくだせぇ、お代官様!(謎の世界観


ではっ!じゅわ!受話器!(最近のギャグ
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