ブラッドロード~紅き雪が積もる道~   作:橘田 露草

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ぶらばんわ~!(^◇^)
くーさんこと露草です。

意外と筆が進み、早くも2話です。
なかなかUAが伸びないこの感じがかなり久しぶりだったり(笑)
目指すは、ランキングに載ること!ってわけでゆっくりとかつちょこちょこと更新していきます。

では、「ブラロー」2話、どうぞ!(*^^*)



第2話   落とし人

夕方の街を歩く初雪(はつゆき)鈴音(すずね)は商店街を抜け、家に向かっていた。

2階建てのそれなりに大きい家で家というよりは屋敷だろう。

土地の問題で、中心部からは少し離れている。

 

初雪の家は、元々初雪の父である歩積聡(ほづみ さとし)が親子3人で暮らすために建てた家だった。

最も、初雪の母は初雪を生んですぐ病死し、それで忙しくなった父親も5年前に亡くなったため、家族で過ごしたのはほんの数日だけだった。

今では、初雪と鈴音、そしてもう1人で暮らしている。

 

家が見えてきた頃、気が付いたのは初雪だった。

 

「あれ?家の前に何か落ちて……ってあれは!?」

 

それを認識した途端、初雪は走り出す。

そして、落ちていたもの――――否、倒れている少女を抱き上げる。

 

12歳ぐらいだろう。

泥とほこりで輝きを失った黒髪に、ボロボロの服は彼女のこれまでの苦労を表していた。

そして、黒髪に隠れた2つの獣耳。

明らかに半獣(ハーフガルディオス)だった。

 

初雪は閉じられていた目を開く。

獣化の象徴となる深紅の浸食は、すでに少女の黒い瞳の半分以上を染めていた。

このままでは数時間と待たずに獣化してしまう。

 

「鈴ちゃん!この子をウチに運び込むから手伝って!」

「は、はい!」

 

小柄な彼では少女を運ぶのは無理だった。

鈴音に手伝ってもらいようやく家に入れる。

玄関を開けると奥から1人の女性が出てきた。

 

「お帰りなさい、初雪さ……どうされたのですか?」

 

彼女の名前は、(たま)

鈴音の母親で彼女もまた半獣だった。

 

珠は少女を見て笑顔から真剣な顔になる。

そして、髪に隠れた耳に気づき初雪をはっと見つめた。

 

「獣化がもう50%を超えているからここで治療する!珠さんは怪我の手当の用意!鈴ちゃんはベッドと着替えを頼む!」

「かしこまりました。」

「はい!」

 

初雪の指示で駆け出す2人。

それを確認し、初雪は少女に向き直る。

少女を助けられなければ今の指示も意味がないのだ。

 

「ごめんね。」

 

少女のボロボロの服を破り、上半身を裸にする。

少女の平らな胸が露わになるが、それに照れている場合ではない。

これだけ侵食が進んでいては 口からだけでは間に合わないのだ。

 

「んっ。」

 

少女に小さな唇に口付ける。

舌を絡め、右手を少女の胸に当て力を込める。

15分ほど口と心臓から力を流すと、少女がわずかに身じろぎした。

キスをやめ、瞳を確認すると侵食が1割以下になっていた。

とりあえずこれで獣化することはない。

 

「ふぅ……。」

 

久し振りに長く力を使い、さすがに疲れた。

と、少女のむき出しの胸に気づき慌てて着ていた上着をかける。

 

「初雪様、客室と手当の用意ができました。彼女は……?」

 

と、ちょうどいいタイミングで珠が来る。

こんな時でも落ち着いているあたり、彼女は大したものだ。

 

「とりあえずは大丈夫だよ。悪いけど運んでもらっていい?」

 

力を使いすぎて立つのもしんどい。

彼女は半獣なので人間より筋力がある。

少女1人なら余裕だろう。

 

「承知しました。素性もわかりませんし、念のため鍵をかけておきましょうか?」

「ん、大丈夫。盗まれたら困るものもないし。あっ、でも起きた時のためにたまに見に行ってあげて。」

「承知しました。鈴と私で交代で確認しておきます。」

「よろしく。」

 

やっと落ち着いてきたので、初雪はふらふらと立ち上がる。

手を出そうとした珠を大丈夫と手で制す。

 

「部屋休んでるから、あの子が起きたら呼んで。」

「承知しました。ゆっくりとお休みください。」

 

彼女を抱え客室に歩いていく珠。

それを確認し、彼も2階の自室に歩こうとする。

と、玄関に何かを落ちているのを見つけた。

 

「針?」

 

落ちていたのは針が入った袋だった。

裁縫に使うようなものではなく鍼灸に使われるような長い針だ。

恐る恐る取り出してみると、先端がわずかに濡れていた。

おそらく何かしらの毒だろう。

 

「何者だろう、あの子……。」

 

初雪は小さく呟き、客室の方を見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……うみゅ。」

 

歩積邸の客室。

目を覚ました少女――――姫乃透葉(ひめの とうは)が最初に見たのは見慣れない天井だった。

 

「ここは……。」

 

 

1人には十分すぎる部屋に机やソファなのど調度品が置かれている。

彼女が寝ているベッドも温かくとても柔らかい。

透葉は自分が真新しいパジャマを着ているのに気づいた。

どれも透葉の12年の人生では見たことがないものばかりだ。

 

と、部屋の扉が開いた。

透葉はわずかに警戒する。

中に入ってきたのは、メイド服になぜか不釣り合いのニット帽を被った少女だった。

 

「あっ、目を覚ましたんですね。」

 

タオルと洗面器を持った少女は笑顔で近寄ってくる。

だが、透葉は警戒心をさらに強める。

笑顔で近づいてきて、半獣を殺した者も少なくないのだ。

 

透葉の警戒に気が付いたのか、少女はにっこりと笑ってニット帽を外した。

そこには、透葉と同じ獣耳があった。

 

「大丈夫です、鈴音も半獣ですよ。」

 

その笑顔に警戒心が薄れる。

半獣なら彼女は味方だ。

 

「ここは……?」

「ここは歩積初雪さまのお屋敷ですよ。」

「歩積……?」

「安心してください。初雪さまは半獣に理解がある方ですから。」

 

鈴音と名乗った少女は歩積という人のことを色々と話す。

そこからは彼に対する絶対的な信用が感じられた。

だが、透葉にはにわかには信じられなかった。

半獣を見下さない人間などいるのだろうか。

 

「あっ、初雪さまを呼んでこないと。ちょっと待っててくださいね。」

 

鈴音は小さく礼をして部屋を出ていく。

鈴音は歩積を信用しているようだが、透葉にはやはり信用ができない。

あたりを探すが、持っていた袋が見当たらない。

それに今の状態では満足に動けそうもなかった。

 

と、扉の前で話し声が聞こえた。

歩積を呼んできた鈴音が帰ってきたのだろう。

わずかに男の声が聞こえる。

 

そして扉が開いた。

警戒した透葉が見たのは、よれよれの白衣を着た男だった。

男というよりは、少年に近い。

透葉とも10センチと変わらないだろう。

 

「えっと、調子はどう?」

 

歩積は柔和な笑顔を浮かべてそう言った。

その様子に、透葉は毒気が抜かれた。

 

彼は絶対に自分を傷つけない。

会って一瞬で彼女はそうわかった。

理屈ではない、ただ透葉の本能がそれを理解したのだ。

 

 

「ねぇ、鈴ちゃん。僕めっちゃ警戒されてない?」

 

困ったように笑う歩積。

研究者と聞いていたが、その様子は普通の少年のようにしか見えなかった。

 

「あはは……。えっと、この人が初雪さまです。あなたを治してくれた方です。」

 

彼女の紹介で、透葉ははっとなった。

そうだった、自分は獣化が進みすでに意識もほとんどなくなっていたのだ。

慌てて部屋の壁に張られた鏡を見る。

その瞳には、よく見なければ見えないほどのわずかな赤みしかなかった。

 

「あなたは一体……。」

 

少女が彼に話しかけたその瞬間。

ぐぅぅぅぅぅぅ、と地底から聞こえてきそうな音が響く。

透葉に鈴音と歩積の視線が集まる。

 

「……とりあえずご飯にしようか。」

 

透葉はちぎれるのではないかと思うほど首を縦に振った。




活動報告の方にキャラプロを書こうと思います。
話の進捗状況に応じて加えていこうかなぁと思ったり思わなかったり(笑)
そんな感じです(←どんな感じだ)

では、次回もよろっ!です(≧ω≦)
感想・評価お待ちしています。
高・低評価どっちも嬉しいですよ~♪
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