くーさんこと露草です。
いよいよ、くーさん前人未踏の4話です。
大体5回目ぐらいなので、正確には前人五回踏となります(笑)
一気にすごさが半減しましたね~(*^^*)
そういえばちょっと思ったんですけど、この小説全然ブラッド的な展開ないですよね~と根本的なこと考えてみたり(笑)
まあ、だからと言って別に変えるつもりもないですけど(ゝω・)
では、ブラロー4話どうぞっ!(^ω^)
透葉を拾った翌日の朝。
初雪たちはいつもと変わらない朝を迎えていた。
ただ一つ違うのは。
「はい、ハンバーグですよ。グラタンももうすぐできますから。」
「ふぁん。ふぁりふぁと。」
初雪の目の前でどんどん皿を空けていく少女だろう。
「ごくん。……ハツどうかした?」
ずっと見ていたからか首を傾げて初雪に聞く。
初雪はごまかすように笑った。
「ん、何でもない。食費が大変だなぁと思って。」
「うっ。……ごめん。」
「あはは、気にしないで。これでも研究者の中じゃそれなりにもらってる方だから。」
申し訳ないような顔をしていた透葉だったが、目の前にグラタンが置かれるとすぐに目を輝かせた。
それに苦笑しながら、初雪は昨夜のことを思い出していた。
「わたしの正体は
透葉の告白に初雪はむしろ納得したような顔をする。
何となく違和感があったのだ。
「……それを言う意味がわかるよね?」
初雪はすばやく引き出しにから銃を取り出し、彼女に照準を向けた。
6発の銃弾を装填したリボルバー。
彼が鈴音たちを引き取るようになってから持ち歩くようになった護身用の銃だ。
透葉は一瞬驚いたような顔をする。
「ガルディオスを発見した場合、即座に討滅する。まあ、これは軍の方の決まりだけど。」
少女に照準を合わせたまま彼は言う。
その表情はいつもの柔和な顔とは違い、真剣な目だ。
「答えて。どうしてここに現れた?」
透葉は臆するわけでもなく、素直な目で初雪を見つめた。
そして口を開く。
「わたしは兄さんを見つけるためにここに来た。」
そして、透葉はこれまでのことを話した。
透葉は森の奥深くにある家で生まれた。
父親は生まれる直前に亡くなり、母親の実家である『姫乃』で育てられた。
だが、母親は生まれてきた透葉を見て愕然とした。
小さな獣耳、そして短い触手があったからだ。
透葉の父であり、母親にとっての夫であった彼は半獣だった。
両親とも半獣ならともかく、片方が半獣から獣が生まれてくる確率は100万分の1だ。
それを知った途端彼女は、生まれたばかりの赤子を祖母に預け家を出てしまったのだった。
幸いなことに透葉の祖母は透葉が獣であることを知っても態度を変えることはなかった。
近隣に民家がないことも幸運だった。
祖母の教育は厳しかったが、暖かい生活に徐々に両親のいない寂しさも薄れていった。
多少無表情な部分があるとはいえ、透葉は頭はよく難しい本も好んでいた。
祖母が若い頃狩りで使っていたという、針の投げ方も教えてもらったが、運動神経はあまりよくないのかなかなか上達しなかった。
そんな生活を続けたある日のことだった。
祖母が亡くなったのだ。
健康にも気を使い、怪我もしていなかった祖母は老衰という人間ならば避けられない理由で亡くなった。
寂しい気持ちももちろんあったが、不思議とそれほどではなかった。
それだけ祖母との日々は、楽しく心を暖めるものだったのだ。
祖母の葬儀も終え、これからどうしようかと考えてながら遺品を片付けていた時、1通の手紙を見つけた。
透葉は首を傾げた。
手紙はまだ新しそうだが、ここ最近で手紙が届いた記憶がない。
気になり裏を見てみると、差出人には『
彼女の兄の名前だった。
透葉はとても驚いた。
自分に兄がいることは知っていたが、祖母に手紙を出していたなんて聞いてなかった。
急いで手紙を開けてみる。
手紙に書かれていたのは、自分の安否や祖母と妹が元気かということなど大したことではなかった。
それより気になったのは兄の現在地と思われる住所だった。
自分を捨てた母親と兄に対し、透葉は別段怒りも悲しみも感じなかった。
彼らに対してそう感じるにはあまりにも思い出が少な過ぎたのだ。
兄に会ってみよう。
不意にそう思い立った少女はすぐに支度を済ませ家を出た。
もしかしたら、祖母を亡くして失った繋がりを無意識に求めていたのかもしれなかった。
透葉の告白を受け、初雪は小さく息を吐く。
すでに銃はおろしている。
手にはさっきの話で出てきた手紙がある。
「……それがこの街に来た理由?」
少女は小さく頷く。
「住所は途中までしか書かれていなかったからこの辺をうろうろしてた。そしたら。」
「獣の暴走が始まってしまったというわけか。」
また少女は頷いた。
「確認だけど、向こうにいた頃暴走はしなかったの?」
彼女は少し考えて答える。
「おばあちゃんが薬をくれてそれを飲んでいた。」
「薬?」
「うん。多分ハツの力と同じ暴走を抑える薬。」
「……獣化を抑える秘伝の薬か。そのおばあさんが作っていたのか。」
初雪は引き出しから1つのピルケースを取り出す。
「この薬見てくれる?」
受け取った透葉は不思議そうな顔をした後、手の上の丸薬を見る。
そして驚愕した。
「これ……!?」
「市内に出回っていた秘伝の薬をまねて僕が作った丸薬。ついでに僕の最大収入源。」
東京の方へ出かけた時に秘伝の薬を手に入れたのだ。
たった1粒で軽く海外旅行ができる高級品だ。
それをまねて作ったのは初雪の薬だった。
初雪の治療の力と科学の知識を合わせて作った物。
精度は少し落ちるものの効果は十分だ。
値段も100分の1に抑えてある。
最も、それを学会で発表する気もないし、その薬をどこに流しているのかも秘密なのだが。
「すごい……。」
「すごくないよ。君のおばあさんの薬に比べたら子供の創作レベルだ。」
なんてことないようにそう言う初雪。
「……どうする?」
「ん?」
まっすぐ彼を見ながら透葉が口を開いた。
「わたしのこと。処分する?」
「……?ああ、この銃のこと?」
初雪は横に置いた銃を手にとる。
そして、透葉に投げた。
慌てて透葉はキャッチする。
「それモデルガンだから。」
「も、モデルガン……?」
「当たり前だよ。銃なんて持ってるわけないでしょ。」
にこにこと笑う初雪に恨めしい目を向ける透葉。
さっきまで本気で死ぬかもしれないと思ったのだ。
「さてと、聞く限り、その手紙以外情報はないみたいだけどどうするの?」
「うっ。」
何も言い返せず顔を伏せる透葉。
彼女自身虱潰しでは無理なことはわかっているのだ。
「どうする?」
にこにこと笑う初雪。
その顔は何か言葉を待っているようだった。
「……手伝って欲しい。」
透葉は小さくそう言った。
実際問題、これだけ獣に理解がある人も珍しいのだ。
頼れる人がいない以上このチャンスを逃すわけにはいかない。
「いいよー。明日から動き始めよっか。」
一も二もなくそう答える初雪。
「ありがとう……。」
「気にしないの。ほらもう遅いから寝なさい。」
すでに時刻は1時を回っている。
透葉は「お休み」と小さく言って部屋を出て行った。
透葉が部屋を出た後、初雪はテーブルに置いた新聞とペットボトルの水を手に取った。
水を一口あおり、新聞を見る。
一番見出しにでかでかと書かれた記事。
「……死神、か。気を付けないとね。」
そう小さく呟いた。
2日に一遍投稿はどれくらい続くでしょうね~(笑)