くーさんこと露草です。
今回は「紅茶」と同時投稿です。
調子いい時はこうやって2、3個一気に投稿できるんですけどね~(笑)
さて、問題は前書きに書くことが全く思いつかないという(^^;
では、「ブラロー」6話どうぞ!(^◇^)
朝食を食べた後、歩積の屋敷から電車で1時間弱の街を
初雪は白衣を羽織ったいつもの姿、透葉は黒いワンピースにニット帽を被っていた。
耳を隠すため、鈴音の予備の帽子を借りたのだ。
「ここから歩いて20分ぐらいかな?バス乗る?」
「ん、大丈夫。歩く方が慣れてる。」
乗り物が苦手なのか疲れた顔をしていた透葉に聞くが、大丈夫と返された。
無理しているようでもないし、本人が大丈夫ならそれに従おう。
「ハツの大学ってどんなところ?」
「えっと、理系のすごいところみたいだけど、僕も知らないんだよね。」
2人は初雪の大学に向かっていた。
初雪の大学はかなりの有名大学で、入学試験も研究結果をまとめたレポートという優秀な学生しか入れないところだ。
大学に保存されている研究資料もかなり貴重なもので、学生の中で最優秀の数人のみ読むことを許されている。
最も、その資料にも目新しい情報は特になく、既に初雪が大学に通う目的は失われているのだが。
勝手にやめると珠に怒られるので仕方なく通っている。
「透葉ちゃんはどうする?折角だし授業聞いてく?」
「ん。どうせ聞いてもわからない。」
透葉の答えに苦笑する初雪。
やがて大学に到着した。
初雪と同じく白衣を着た人もいる。
すれ違う人は、透葉を珍しそうに見ていた。
「適当にうろちょろしてていいよ。ケータイと財布は持ってる?」
「ん。」
透葉はポケットから2つ折りのケータイを取り出した。
これも鈴音から借りたものだ。
財布は祖母からもらったものだそうで、祖母の残したお金がそのまま入っていた。
「じゃあ、ひと眠り……じゃなくて授業行ってくるよ。」
「ん、行ってらっしゃい。」
小さく手を振る透葉に手を振り返し、初雪はエレベーターに乗る。
言葉通り、授業中はずっと大爆睡していた。
授業と言う名の二度寝を終え、透葉に連絡すると、食堂にいると返事があった。
食堂に行くと、隅の席に透葉の姿が見えた。
なぜか机いっぱいにお菓子を広げ、口をもぐもぐさせている。
初雪に気づいたのか小さく手を振る。
「……ごくん。おつかれ。」
「ども。随分たくさんお菓子あるね。」
「もらった。食べる?」
「ありがと。お堅い大学だから滅多に子供なんて来ないからね。もう帰れるけどどうする?」
「ん。帰る。」
両手で残ったお菓子を抱える。
さすがに持てなさそうなので、初雪も受け取る。
これだけで夕食になりそうだなと少し思った。
また電車に乗り、地元の駅に着く。
家まで歩く頃には、大量のお菓子はすでに透葉の胃袋に消えていた。
2人は暗くなり始めた道を歩く。
田舎道ともあって人はいない。
「……何の用かな?」
「え?」
急に立ち止まりそう言った初雪。
そして後ろを振り返る。
「こんな田舎道でそんな人数いたらバレたいって言ってるようなもんだよ。」
その言葉を聞いて人影が出てくる。
影は5つ。
「っと、随分不気味な格好をしてるね。」
その影は黒いマントを頭から被り、仮面をつけていた。
初雪は背中に透葉を隠す。
「……歩積初雪だな?」
「そうだけど、君たちは?」
一番後ろにいた影がそう言う。
男の声だ。
初雪は涼しげな顔をしたまま、影と話す。
「もしかして……”死神”かな?」
その言葉で影たちは腰から剣を抜いた。
どう考えても楽しく会話するつもりはなさそうだ。
「走るよ、透葉ちゃん!」
透葉の手をつかんで走り出す。
透葉はまだ状況を飲み込んではいないようだが、初雪に従ってくれた。
初雪が走り出すと、影も追ってきた。
どうやら初雪たちを逃がすつもりはないらしい。
「ごめん透葉ちゃん!」
「に、にゃ!?」
素早く透葉を背中に背負うとまた走り出す。
素早い動きについていけず、透葉は猫みたいな声を出した。
と、銃弾が初雪の頬を掠めた。
どうやら飛び道具も持っているようだ。
「透葉ちゃんちょっと失礼!」
「ふぁ!?」
走りながら初雪は腰のホルスターからリボルバー銃を取り出す。
その時、初雪の手が透葉の足に触れたため、変な声を出してしまう。
そして。
「くらえ!」
振り向きざま、銃を撃つ。
当たらなかったようだが、予期せぬ反撃に影たちの動きが止まる。
その隙を見て初雪は走り出した。
「は、ハツ。それモデルガンじゃ……。」
「ん?ああ、あれ嘘。」
こんな時でも柔和な顔を崩さない。
騙されたことを怒りたいが、さすがに透葉にそんな余裕はない。
段々、彼らが追い付いてきた。
「ハツ、まずい!」
「だいっじょーぶ!」
初雪は振り向かず、2発撃つ。
「ぐっ!?」
くぐもった声が後ろから聞こえる。
どうやら当たったようだ。
チラッと振り向くと、右腕を押さえたリーダー格が座り込んでいた。
他の仲間は初雪を追うべきか迷っているようだ。
そのまま10分走ると、初雪は止まった。
透葉も下ろす。
もう影の姿も気配もしなかった。
「ふぅ、疲れた。」
「ハツありがとう。」
「どーいたしまして。」
落ち着いたため、2人にも笑顔が戻る。
いつの間にかおとぼけ街のすぐ近くまで来ていた。
「さてと、これ通報した方がいいかな?」
「……ねぇハツ?」
「ん?」
呟きながら考えていると、透葉に話しかけられた。
「さっきあの人たちのこと”死神”と呼んだよね?」
「あ~うん。家に帰ってからね。」
説明して欲しいという顔で初雪を見る透葉。
別に説明するのはいいのだが、初雪も新聞以上のことは知らなかったのだ。
おとぼけ街を抜け、屋敷に着く。
と、玄関の前に鈴音がいるのに気が付いた。
「鈴ちゃん?何してるの?」
「あっ、初雪さま!透葉さん!」
初雪と透葉の姿を確認し、近寄ってくる鈴音。
なぜかその表情は焦った顔をしていた。
「あの、お客様が来てます……。」
「客?誰?」
「そのですね……。」
なぜか口ごもる鈴音。
と、扉が開いた。
「あっ、やっぱり!」
そして1人の少女が出てくる。
後ろには無理やり手を引かれた少年がいる。
その2人を見て初雪は目を見開く。
「久しぶり~、歩積くん!」
「もしかして、椎崎さんに壱夜くん!?」
幼なじみの久々の再会だった。
次のはまだ書いてないので明日投稿できるかは微妙です(笑)