くーさんこと露草です。
一週間に2話が目標なのですが、一週間経っちゃいました(^^;
いやはやシリーズものは難しい(笑)
まあ、そんな感じでのんびりやりましょうか(*^^*)
では、「ブラロー」8話どうぞ!(≧ω≦)
「じゃあ、また何かあったら連絡するから。」
「了解。椎崎さんも神薙くんも気を付けて帰ってね。神薙くんはまた明日。」
「……おう。」
深夜。
泊まっていけばという
2人はタクシーを拾うため駅の方へ歩いていた。
「ったくお前のせいで僕の予定が狂っちまった。」
「もう、どうせ飲みに行くか、寝てるかでしょ?お礼もするんだからいいじゃん!」
「つーか、お礼ならあのガキからももらっていいだろ。」
「12歳にお金をたかったら流石に引くよ~。16歳の私にたかるのもどうかと思うけど。」
「うるせー。」
そんな談笑しながら夜の道を歩く2人。
商店街や飲み屋街とは反対だからか、暗くはないものの人気は感じない。
「透葉ちゃんだけどさ、お兄さんってことは。」
「ああ、そいつも
「……だよねぇ~。」
霧雨の言葉を引き継いで壱夜がそう言う。
それを聞いて霧雨はため息をつく。
彼女の前では絶対に口にできない話だ。
ガルディオスを生んだ母親はガルディオスしか生めないのか――――それは誰にもわからないのだ。
答えは単純、2人目を生む前に国により殺されたからだ。
過去にガルディオスを生んだ母親は、母子すぐに処刑された。
それだけでなく、母親の夫や両親親戚、さらには直接の血の繋がりがないはずの夫の両親親戚まで処刑されることとなったのだ。
これらはすべて外国のケースであるが、やり過ぎだという声よりもガルディオスなら死んで当然という考えが主流なところに人間の恐ろしさを感じる。
日本ではガルディオスを生んだ母という前例がない。
だが、ガルディオスに対する軍の態度を見る限り、処刑は免れないだろう。
ガルディオスが現れてから、国を守る最後の柱となった軍の力は強くなった。
数十年は現れていないものの、彼らにへそを曲げられては日本は全滅まで一直線だ。
実際問題、透葉がガルディオスであることを知りながら見逃した霧雨と壱夜の立場も危ういのだ。
一般人の壱夜はともかく、軍に所属する霧雨は軍法会議にかけられること間違いない。
とはいえ、立場に興味のない壱夜と霧雨はそんなことは気にならないのだが。
「それにしても、歩積くん元気そうでよかったね~。」
「ああ、そうだな。」
にこにこして言う霧雨に壱夜はそう返す。
と、不意ににやりと笑った。
「よかったな。
そう壱夜が言った途端、隣を歩いていた霧雨が固まった。
3秒後、コホンと咳をした後、何事もないように歩き出す。
「あっはっは、いっくんは何を言って……。」
「小5の頃、ラブレターを手に持って1時間以上靴箱をうろちょろしてたくせにか。」
「ってなんで知ってるの!?」
「勇気を出して入れようとしたら、どっさりラブレターが出てきたんだよな。」
「わーわー!」
壱夜の暴露を慌てて止める霧雨。
いつもの仕返しとばかりに壱夜は続ける。
「ところで、あの大量のラブレターはどうしたんだ?」
「全部切り刻んで処分して私のだけ……って何を言わせるの!?」
「おま……意外と怖いやつだったんだな。」
知られざる幼なじみの黒い面を見てドン引きする壱夜。
霧雨の言い訳を聞き流しながら頭の中で考える。
(死神が狙っていたのは、姫乃なのか歩積なのか……。いずれにしよ、やつならまた狙うだろうな。)
次の日の朝。
初雪と透葉と壱夜は、街をぶらぶらしていた。
初雪と透葉が並んで前を歩き、後ろから壱夜が欠伸をしながらついてくる。
初雪と壱夜はいつもの白衣とコート、透葉は鈴音から借りたワンピースを着ている。
死神や透葉の兄探しがあるにも関わらず3人がのんびりしているのか。
話は昨夜に遡る。
「明日は透葉ちゃんと一緒に観光でもして来なよ~。」
真面目な話を終えた後。
霧雨がそう言った。
「観光?」
「うん。透葉ちゃんの件は私の方でやるから明日は透葉ちゃんのために使ってあげてよ。」
急に呼ばれ驚く透葉にニコッと笑う。
先ほどの話し合いを経て、透葉の兄探しは霧雨の方でやることになった。
一般人の初雪と違い、霧雨は国家警備局においてある資料が見れる。
ならば私がやると、立候補したのだ。
「いいじゃねぇか。行って来いよ。」
すでにブランデーを半分空けた壱夜がそう言う。
霧雨はそんな壱夜の方を向き。
「あ、勿論いっくんもだよ。」
「はぁ!?」
霧雨の言葉に思いっきり嫌そうな顔をする壱夜。
今日は遠出もしたし、明日はのんびりする気満々だった。
「なんで僕がついていかなきゃいけないんだよ。歩積と姫乃で行ってくりゃいいだろ。」
「用心棒だよ~。歩積くんと透葉ちゃんを守る。当たり前でしょ?」
ぽよんと揺らし大きな胸を張る霧雨。
「コイツ銃持ってるだろ。」
「念のためだよ。まだ死神のことも片付いてないんだから。」
東京にいると思われた死神が
警戒はやり過ぎなくらいでちょうどいいだろう。
「……まあ、言いたいことはわかるけどさ。」
ため息をついて無言の肯定をする。
「というわけだけど、歩積くんと透葉ちゃんはいい?」
「僕は構わないけど。」
透葉の方を向くと、彼女も頷きを返す。
「よし決まりっ!楽しんできてね!」
そして、現在。
商店街をのんびりと歩いている。
初雪にはいつもの見慣れた街だが、ずっと森で暮らしていた透葉には新鮮なようだ。
平日とはいえ、商店街はそこそこにぎわっている。
「おっ、初雪!可愛い子連れてんじゃねぇか!」
肉屋のおじさんに話しかけられる。
歩積家の食事を担う珠もよく利用している店だ。
「でしょ?僕の彼女です。」
「相変わらずモテモテだな。じゃあ、俺に珠ちゃんくれあいた!?」
「馬鹿言ってんじゃないよ、アンタ!初雪よかったらコロッケ持っていくかい?」
初雪の冗談のせいで奥さんに叩かれてしまったおじさんに手を合わせ、コロッケをもらう。
コロッケ片手にぶらぶらしていると、初雪たちに気づいた商店街の人たちが話しかけてくる。
「初雪大学はどうだい?」
「クーラー効いててよく寝れますよー。」
「初雪くん今度うちの双子の勉強見てくれない?」
「4年生になったんですよね?勿論構いませんよ。」
「初雪また違う子ナンパしたのか?鈴音がまた機嫌が悪くなるぜ?」
「いや、なんで鈴ちゃんが機嫌が悪くなるんですか?」
話しかけられ色々もらい、いつの間にか両手いっぱいになってしまう。
透葉は最初の肉屋でもらったコロッケを口にする。
「……おいしい。」
「よかった。」
「ハツってみんなに人気なんだね。」
「こんなナリだからね。子供扱いされているんだよ。」
そう笑う初雪だが、透葉はそれだけじゃないと思う。
まだ会って3日だが、初雪の優しさと温かさはよくわかる。
「ん?どうかした?」
透葉にじっと見つめられ、首を傾げる壱夜。
「ハツは優しいね。」
「あはは、どうも。」
そして、透葉は後ろを歩く壱夜の方を向く。
「イチも優しいね。」
「あ?いきなりなんだ……ってイチって僕のことかよ?」
急に変なあだ名で呼ばれ、思わず聞き返す。
「うん。壱夜だからイチ。」
「却下だやめろ姫乃。」
なれ合いは好かない。
だが、透葉も諦めない。
「透葉。」
「あ?」
「姫乃じゃなくて透葉。」
名前で呼ぶように言う透葉。
その様子を初雪は楽しそうに見ている。
「いや姫乃……」
「透葉。」
「……透葉。やめろ。」
「わかった、イチ。」
根負けして名前で呼ぶも結局、イチ呼びは直さなかった。
「いいね、それ。僕も壱夜くんって呼ぼうかな。」
「……もういい、好きにしろ。」
そんな話をしていると、のどが渇いたので近くの喫茶店に入る。
入ってすぐ初雪のスマホが鳴る。
「ん、大学からだ。ごめんちょっと出てくる。」
電話に出るため、店を出る初雪。
透葉はすでに席に座り、大量のケーキやパフェを注文している。
それを見て壱夜も店を出る。
店を出てすぐ、電話を終えたらしい初雪がいた。
「ん?壱夜くんどうかした?」
壱夜に笑いかける初雪だが、壱夜の顔を見て真剣になる。
「歩積。お前は透葉の兄のことどう思う?」
「ガルディオスなのかってこと?」
打てば響くというか、初雪は話がなんのことかすぐに察す。
さすがに小声で話す。
「さすがにそれはわからないよ。でも一つだけわかる。」
そして、その言葉を口にする。
「死神は透葉ちゃんの兄さんのことを知っている軍の関係者。」
「……なぜそう言い切れる?」
「わざわざ透葉ちゃん1人のためにこの街に来ないでしょ。それに彼女は少し前まで森にいたんだし。」
壱夜も頷く。
初雪と考えと同じだ。
「透葉ちゃんのことを知っているということは、戸籍とかの資料が見れる立場。ガルディオス関連なら国家警備局が一番怪しいけど。」
「だな。」
死神がだれかはわからない。
だが、透葉を狙っているのは確実。
「透葉ちゃんは絶対守るよ。」
「……ったくメンドくさいな。」
いつもの笑顔に真剣さを見せる初雪とため息をつきながらもここを去ることはない壱夜。
喫茶店の中には、大量のお菓子をバクバクと食べる透葉。
そんな少女を見て2人の少年は、心の中で強く決意を固めた。
僕、12時間後には追試があるんですけどね~(^^;
なので、追試が終わる木曜日まではさすがに更新はしません(笑)