東方縁伝   作:OFF豚骨

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門を3人が通ったあとの射命丸視点です。

ご指摘頂いたので平均文字数2000を目指して頑張ります。

今の私にそこまで書けるか不安だが頑張ってみよう。

射命丸が大分ワルになってます。もうやめろってレベルでワルです。清く正しい射命丸が好きな方は見てはいけない。後悔するぞ!


悪態天狗と熱血門番

「3人共行きましたね」

 

私は呟くように言うと、林の方に吹き飛ばした妖怪を探すために林に入る。

 

「まぁ門番くらいなら余裕かな?中級妖怪みたいだったし」

 

私は欠伸をしながら先程の妖怪の妖力を感じる方へ歩いていく。

 

館の中には恐らく侵攻して来た吸血鬼という妖怪達の親玉が居るだろう。吸血鬼とはここに来るまでに何度か戦ったが鬼よりは弱いので私や大天狗様でもそこそこ力を出せば倒せる。

 

だが親玉となれば話が別だ。全力で戦わなきゃいけなくなる可能性がある。

 

天狗は底を見せたらお終いだ。自分より強い妖怪に此方の方が強いと見せれなくなる。

そうなると天狗という種族全体が舐められることになる。

 

私達が強者である為に天狗は強いと思わせなければならない。

実際の天狗は上級妖怪レベルが50〜80人くらいしか居ない。

さらにそこから吸血鬼達を超える力を持つ者は半分くらいだ。

 

簡単に纏めると、本気を出した天狗は負けてはいけない。ということだ。

 

私はあくまで雑魚狩り、本命は全て八雲の御三方に丸投げである。

 

「しかし縁さんには悪い事をしましたね〜」

 

あの中の妖気は並の妖怪では勝てそうにない。

彼女のような半人半妖なら尚更だ。

 

きっと恐怖で足が竦んでいるだろう。

 

私は彼女を気に入っていた。

妖怪に成りきれず、でも人でもない。

感情に正直な瞳や態度などは、私が子供の頃を思い出す。

 

だがそれだけだ。

少し気に入っていた者に情けをかけるほど優しくはない。それが天狗なのだ。

 

色々と考えてるうちに少し開けた場所に出た。

 

「隠れてないで出てきたらどうですか?」

 

さっきから近くの木の後ろから殺気が出ている。

 

「でぇぇぇい!!」

 

バレたためか、一気にこちらに走ってきて跳び蹴りを仕掛けてくる。

 

「ふぁ〜、失礼、欠伸が出てしまいました」

 

私は葉団扇で風を起こし、また吹き飛ばす。

 

「クソ、やるな。でも本番はここからだ!」

 

私に向かって性懲りもなく走ってくる。

 

あー、熱血系かぁ、私こういう奴が一番嫌いなのよね〜。

自分が強者であると、成れると、信じてる。雑魚に良くある傾向だ。

 

「学習能力無いんですかねぇ。所詮は中級妖怪って事ですか?」

 

「うるさい!私の武術は上級妖怪すら倒す!!」

 

はいはい、よくある熱血漢の台詞ありがとうございました。

 

突進してくる彼女に葉団扇をまた扇ぐ。

 

「何度も同じ手は通用しない!」

 

そういうと風が届く前に私の後ろに回り込んだ。

 

「し、しまった!?」

 

その言葉を聞いて勝利を確信したかの様にニヤリと妖怪が笑う。

 

「なーんちゃって」

 

私は羽を羽ばたかせ、風を生み出す。

そしてまた妖怪が吹き飛ぶ。今度はかなり強い風を起こしたのでかなりのダメージを負ってるはず。

 

「ぐっ、クソ、私は負けない!負ける訳にはいかないんだぁぁぁぁ!!」

 

また走ってくる。血塗れの身体を無理矢理起こして、アイツ頭イッてんじゃないの?

 

「はぁ、面倒くさい」

 

私はさらに強力な風を生み出し周りの木も巻き込んで妖怪を吹き飛ばす。

 

折れた木が刺さり、大きな石が身体に何度もぶつかる。

彼女は既に瀕死だ。これで終わりだろう。

 

「お互いここでのんびり高みの見物と洒落込みませんかねぇ?」

 

私は別段殺す気は無いので放置でいいと思ってる。

 

「か・・・はぁ・・・ごふ・」

 

「喋れないみたいですね。その血の流れ様からして、運が良ければ生き残るくらいでしょうか?まぁ死んでも知ったこっちゃないので助けませんが」

 

「わ・・だし・・・わ・・ごふ・ま・・・だ」

 

動けない身体を無理矢理動かそうと足掻いている。目障りだ。

 

「戦えませんし勝てませんよ?貴女は弱い。それこそそこら辺にいる雑多な妖怪共となんら変わりない」

 

そう、それが妖怪の現実なのだ。生まれで全てが決まり、自分に見合った生を全うする。

 

天狗の中で一目置かれている私でさえ鬼という種族には勝てなかった。種族や生まれによる才能には抗えないのよ。決してね。

 

「ぐっ・・・お・・さ・・ま」

 

もう呼吸すらまともに出来てるか怪しい状態になってる。

 

それなのに天にある月に手を伸ばし必死に掴もうとする。愚かしい。そんなことをしても天も月も願いは叶えてはくれない。

 

「私もいい加減キレそうですよ!そんな事をしても何一つ勝てる見込みも無い!馬鹿にも程がある!!」

 

私が彼女の前まで行き、怒鳴ると、彼女は力尽きたのか手が地面に落ち、瞼を閉じて息を止めた。

 

「最後まで往生際の悪い妖怪だったわ。全く」

 

私が立ち去ろうとした瞬間、後ろから物凄い生命に満ちた気配を感じた。

 

振り返るとそこにはボロボロになりながら、目の焦点さえ合ってない彼女が立っていた。

 

「どうやら死にたいらしいわね」

 

私は葉団扇で風を起こそうとしたが葉団扇を持つ右手を掴まれそのまま腹に拳を叩き込まれた。

 

「がっ・・・うぇ」

 

ビシャビシャと音を立てながら私の口から胃液と共に吐瀉物(としゃぶつ)を吐き出した。

 

「クソ、ふざけんじゃないわよ!雑魚妖怪が!!」

 

私は思わず本気の蹴りを相手の腹に決めてしまった。

 

「あーあ、雑魚相手に本気で蹴っちゃった・・」

 

私の天狗としての矜持を少し汚された。

 

「過ぎたことは仕方ない、とりあえず門番はもう流石に戦えないでしょうし、御役御免ってことで妖怪の山に帰りますかね」

 

私は翼を羽ばたかせ空に舞い上がった。

少しムカついていたので吸血鬼を蹴散らして帰ることにした。

 




2146文字、何とか2000越えした(汗)

次はめーりん視点だよ。
めーりんの熱い思考が今解き放たれる!
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