東方縁伝   作:OFF豚骨

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ちょっと長いかな?
イケめーりんを意識し過ぎて文字数が予定より多くなってしまった。


紅き昇龍

「いててて、流石上級妖怪ですね。でもお嬢様の為にも負けません!」

 

私は門の前から大きく吹き飛ばされ、林の開けた場所にいた。

 

「しかし正面から向かっても勝てそうにないですね。少し隠れて不意を突いてみますか」

 

気を操る程度の能力を使って敵の場所を正確に探る。

 

どうやら1人こちらに向かって来ているようだ。都合がいいからここで戦おう。

 

何も警戒していないらしい。恐らく天狗と呼ばれる妖怪の少女が、開けた場所の真ん中まで来て止まった。

 

「隠れてないで出てきたらどうですか?」

 

バレてたのか、まぁ元より不意打ちや暗殺なんかの隠密行動は私より咲夜ちゃんの方が得意ですからね。

仕方ない、ここは一気に懐に飛び込んで仕留めるしかない。

 

 

「でぇぇぇい!!」

 

私は気合いを入れるために叫びながら飛び出し、そのまま跳び蹴りを放つ。

 

「ふぁ〜、失礼、欠伸が出てしまいました」

 

 

馬鹿にされた。昔からそうだ。私は下級妖怪として産まれ、修業して中級妖怪になっても、幾度となくそういった態度を取る妖怪達を見て来た。

 

こんな奴に絶対負けたくない!

 

天狗の持つ葉団扇からまたさっきの風が吹きつけてくる。

跳び蹴りを放っていた為、そのまま吹き飛ばされる。

 

「クソ、やるな。でも本番はここからだ!」

 

どうやらあの葉団扇で風を操るらしい。

ならば後ろに回り込めば接近出来るはず!

 

敵に向かって全力で走る。

 

「学習能力無いんですかねぇ。所詮は中級妖怪って事ですか?」

 

「うるさい!私の武術は上級妖怪すら倒す!!」

 

必ずだ、上級妖怪を超えてみせる!私は目指すべき道が、運命があるのだ。

 

こんな所で立ち止まる訳にはいかない。努力で上級妖怪を超えれると証明するんだ!

 

来た、またあの葉団扇を扇ごうとしている。

 

私はそれを扇がれる瞬間に横に飛んで、そのまま後ろに回りこむ。

 

「し、しまった!?」

 

良し!この攻撃で天狗を黙らせる。

拳に力を込めた瞬間。

 

「なーんちゃって」

 

嘲笑うような笑みでこちらに顔だけ振り向くと、背中の羽を羽ばたかせた。

そして先程より強力な風が私を襲う。

 

小石がバチバチと身体に当たる。地面に身体を擦り、木の枝が肉に食い込む。

お嬢様に拾ってもらった恩と私の信念の為に、絶対負けない。

立て!私の身体、まだ限界じゃないだろう?

 

「ぐっ、クソ、私は負けない!負ける訳にはいかないんだぁぁぁぁ!!」

 

呆れたような、蔑むような顔で天狗はこちらを見て呟いた。

 

「はぁ、面倒くさい」

 

また風が吹き荒れる。今度はまるで竜巻のように激しい風だった。

 

折れた木が腹部を貫く、大きな石が私の骨を砕く、地面に身体がめり込みながら風に引きづられ、服ごと身体を抉り取る。

 

天狗が何か喋っているが聞こえない。

 

「か・・・はぁ・・・ごふ・」

 

口から血が溢れ出す。立たなきゃ、まだ私は死んでない、立たなきゃいけない。

 

「わ・・だし・・・わ・・ごふ・ま・・・だ」

 

私は、私はまだ戦えるんだ!息がある!動け!動いてよ私の身体!!

 

「ぐっ・・・お・・さ・・ま」

 

お嬢様の為にも立たなきゃいけないのに、身体から力が抜けてく、感覚が無くなっていく・・

 

あぁ、月が見える、紅い紅いお嬢様の瞳のような紅い満月。

私が届くと信じて突き進んできた姿が、今は遠く感じる。

 

あの幼い背中に届かない。

もう眠い、寝てしまおうか・・・

 

 

 

「貴女は強くなりたいの?」

 

これは、夢か?

昔の私とお嬢様がそこにいた。

 

腕試しに西洋の上級妖怪を倒そうと森に入った時の事だ。

私は吸血鬼という種族に喧嘩を売り全身の骨を折られボロボロの状態で倒れていた。

 

「我ら吸血鬼に挑もうなど思い上がりも甚だしい!」

 

「人間の生み出した武術を使うなど妖怪としての誇りもない恥知らずよ」

 

「殺してしまおう」

 

ああ、私の命はここで終わるのか。

 

「待て、それは私が預かろう」

 

幼くも凛々しい声が響いた。

それを聞いた吸血鬼達は皆言い訳がましい台詞を吐きつつ消え去った。

 

「さてと、私はレミリア・スカーレットよ。貴女は?」

 

「美鈴だ」

 

レミリアと名乗った少女はまるで新しい玩具を見つけたように笑いながら問い掛けてくる。

 

「何故勝てもしない上級妖怪に挑んだのかしら?」

 

「努力次第で下級妖怪も上級妖怪に勝てると証明する為だ」

 

「それは何の為に必要なのかしら?」

 

「強者が弱者を(しいた)げる運命を覆す為、強者が弱者を守る世界を作る為、それを為すのに私は力が必要なんだ!」

 

少女に語り過ぎたか。いや、どうせコイツも羽を見るに吸血鬼なのだ。馬鹿にして嘲笑うに決まってる。

 

「貴女は強くなりたいの?」

 

真面目な顔で私に問い掛ける。

 

「成りたい!誰よりも、何よりも!!」

 

「私は運命を操れる。貴女にその運命を引き寄せてあげることが出来る。ただしその願いに真っ直ぐ突き進むことをやめれば引き寄せた運命が貴女を殺す。それでも望むのなら私に仕えなさい」

 

私は初めてだった。こんな風に真面目に私の夢の道を考えてくれることが、それが私の嫌う上級妖怪なのも驚きだった。

 

私はいつの間にか目の前の少女に頭を下げ、主従の契約を結んだ。

 

それより数日後。

 

 

「私より強くなるなら美鈴という名前だけでは締まらないわね」

 

「そうですか?」

 

「ええ、貴女は今度から紅 美鈴と名乗りなさい。私の名前を東洋の漢字にした一文字よ。これで最強の妖怪の主である私の偉大さがいつまでも残るわ」

 

「あははは、最強ですか。遠そうですねぇ」

 

「安心なさい、運命は私が手繰り寄せる、貴女はただ、真っ直ぐ願い続け、進み続ければいいのよ」

 

真っ直ぐ、進む。

 

「貴女はいずれ紅い龍となって私を乗せて天にすら届く昇龍になるの。これは命令よ」

 

紅い龍、天に届く昇龍。

 

私は、こんな所で、終わる訳にはいかない!!

 

意識が朦朧(もうろう)とする。だがこの意識を手放さない。

 

ゆっくりと立ち上がる。

視界がぼやけて真っ赤だ。

だが目の前に敵がいることだけはハッキリ分かる。

 

ただ、真っ直ぐ、願いを込めて、拳を打ち込む。

 

感触があった。確実にダメージが入った。そう思った瞬間全身に物凄い衝撃が走り身体が吹っ飛ぶ感覚した。

 

ああ、負けたか。でもお嬢様。夢に一歩だけ近づけたような、そんな気がします。

 

私はこの気持ちを噛み締めながら意識を手放した。




おぜうのカリスマによって目覚めためーりんの戦闘力はそこら辺の上級妖怪と互角に渡り合える程度には上がってました。
まぁ火事場の馬鹿力みたいなものなので普段は中級妖怪と呼ばれる程度の力しかありません。

自分が出ていない話にもそのカリスマを振りまくおぜう!そこに痺れる憧れるぅ!!
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