東方縁伝   作:OFF豚骨

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縁視点。

区切りの良いところが分からず2800文字もあります。
これはさすがに長過ぎるよなぁ。
平均2000文字が平均3000文字になりそうで怖い今日この頃。
追記:投稿して早速ですがサブタイ変更しました。元は「修業の成果」、変更後「新たな縁」


新たな縁

「こちらは咲夜を先鋒に出そう」

 

そうレミリアが言うと咲夜さんはテラスから飛び降りて来た。

 

さて、こちらはどうするのか。

 

「紫様、どうしますか?」

 

私は紫に誰が行くか聞いてみる。

とりあえず咲夜さん相手なら私か藍だろう。紫はどうもレミリアに対して物凄くイラついてるみたいだし。

扇子で口元を隠しながら唇を噛んでるのがいい証拠だ。

 

あのクセは私が本気で怒られた時によくしていたから間違いないだろう。

 

「私が出よう」

 

そういうと藍が私達の前に出る。

 

「藍?まだ話し合いは済んでないのよ?」

 

「私か縁を出すというのは確定しているなら、縁が戦わずに済む方法を取った方が効率がいいです。時間的にも」

 

紫は少し考えたあと、任せるわ、と言って引き下がった。

 

「私達は藍の邪魔になるから門の前まで下がりましょ、縁」

 

「はい」

 

返事をして紫と一緒に下がる。

その後藍に一言大きな声で伝える。

 

「藍!人間だからと舐めないように!」

 

藍はこちらに軽く振り向くと普段は見せない微笑みを浮かべていた。

 

「対戦相手は決まったようだな。なら勝負の合図は私が取ろう」

 

そう言いながらレミリアが2人の間に行き、手を高く上げる。

 

私が戦うわけでもないのに緊張する。

 

一瞬の緊張感の中、レミリアの腕が振り下ろされる。

 

「始め!」

 

咲夜さんがスカートを持ち上げ挨拶を始めた。

 

「私の名は十六夜(いざよい) 咲夜(さくや)貴女の命を刈り取る者ですわ」

 

「私の名は八雲 藍。人間になど負けはしない」

 

互いに挨拶を終えた瞬間、戦いが始まった。

 

と思ったら終わっていた。

 

目の前にはズタズタに引き裂かれた藍が倒れていた。

 

「藍!?」「藍!?」

 

私と紫は同時に叫んでいた。

藍が負けるなんて、いくら時を止めることが出来る相手だからってこんな簡単に負けるはずがない。

 

「藍!返事をなさい!藍!」

 

紫は藍に駆け寄り傷の手当てを始める。

 

「勝負ありだな。勝者、十六夜 咲夜!」

 

咲夜さん、いや咲夜は何事もなかったように二階のテラスに戻る。

 

こんな傷、藍じゃなければ即死だった。誰も死なないようにするのがこの試合をする意味じゃなかったの?

 

なんでこんな酷いことするんだよ!

 

倒すだけなら、動けないようにするだけで充分だろ。

 

藍の腹から少し臓物が見えている。

 

そんな中、時は待ってくれないようにレミリアは次の対戦相手を出す。

 

「次はパチェ、行ってらっしゃい」

 

そう呼ばれた紫もやしことパチュリーがテラスから降りてくる。

 

藍の治療はもう少しかかりそうだ。私は一歩前に出て宣言する。

 

「貴女の攻撃は私には届かない。藍の仇を取らせてもらう」

 

紫が少し不安そうな顔で私を見てるが、大丈夫だ。私は負けない。藍と修業した一カ月を見せつけてやる。

 

「半妖のクセに随分と大口を叩くわね」

 

パチュリーは挑発に気にせず手に持っている本を開く。

 

「レミィには悪いけど貴女には少し調教が必要なようね」

 

レミリアがこちらを見てニヤリと笑い手を上げる。

 

「始め!」

 

その合図とともに私はゆっくりとパチュリーに向かって歩き出す。

 

地を歩く程度の能力の範囲を広める。私は藍との修業でさらにコントロール出来るようになった、己の能力を発動する。

 

今の私には物理、もしくは咲夜の様な空間支配系の技や能力しか効かない。

私から半径1m以内の能力や力は失われる。

 

「ただ歩いて近づくだけなんて、私を馬鹿にしてるのかしら?何にしても攻撃はさせてもらうわ」

 

パチュリーが本から手を離す、すると本はパチュリーの目の前で浮かび、パラパラとページが捲れる。

 

捲れるのが止まりパチュリーの横から魔法陣が二つ現れる

 

火と水が混ざり、物凄い勢いで私に向かってくる。

そしてそれが私に届く前に消える。

 

「な、何をしたの!?」

 

パチュリーは驚愕の表情を見せると、焦ったように次々と魔法を撃ってくる。

 

「これもだめ。これも、効かない!何なの!?」

 

私はここで絶対的力の差を、八雲の矜持を見せ付ける為にフリーザ様の台詞を借りる。

 

「随分無駄な努力をするんですね・・・そんなことが私に通用するわけがないでしょう!」

 

その言葉を放った瞬間、パチュリーは浮かんでる本を取り右手を上げた。

 

「私の負けよ。これ以上は貴女の言う通り無駄だわ。それに、ゴホ・・ゴホ・・、喘息も始まったし勝てる見込みが完全に無くなった」

 

「勝者、えーと、貴女の名前は何かしら?」

 

「八雲 縁」

 

それだけ伝えると、何故か満足したようにレミリアは宣言する。

 

「勝者、八雲 縁!」

 

宣言が終わり、次はいよいよ大将戦だ。

すると何を思ったのかレミリアが私達の元へやってくる。

 

「お前達に、いや、お前に提案がある」

 

レミリアは私の方を見ながら言った。

何だろう?

 

「どうかな、私の下で働いてみる気はないか?」

 

私がレミリアの所で働く?魅力的な相談だがしかしそれは紫が許さないだろう。

 

「縁は私の式なの。貴女にあげる気は無いわ」

 

ほらね。当然の反応だよ、紫は独占欲が強いのだ。

 

「お前には聞いてない!これは私と縁の問題なんだ!もし、私のもとに来るのであれば幻想郷から即撤退し、お前達にも手は出さないと誓おう。どうだ?悪い話じゃないだろう縁?」

 

確かに悪い話じゃない。私はレミリアに仕えたい気持ちがある。

だがそれと同じくらい紫や藍と離れたく無い。

 

普段は2人に内心悪態ついてるけど、数年間お世話になった恩もあるし、何より幻想郷から撤退したら他の東方キャラに会えなくなるのがイタイ。

 

最近では紫に白玉楼に連れてってもらったりしたし、このままいけば幻想郷の有名人と沢山お近づきになれる。だからこの条件はのめない。

 

のむなら、

 

「貴女たちがこの幻想郷に住んで下さい。そうしてくれたら私は貴女の所で働きます」

 

それを聞いた2人はぽかーんとしている。

 

「つまり縁は、私の下から離れたいのかしら?」

 

「いえ、これまで通り仕えます」

 

「それでは私の方はどうする気だ!?」

 

「働きますよ?この館のメイドをすれば良いのでしょうか?」

 

要は2人とも手にする形を取ればいいのだ。

 

バイトだって掛け持ちがあるなら従者の掛け持ちだってOKでしょ?

 

そんなやり取りをしているとボロボロの藍と喘息で具合が悪そうなパチュリーが話に加わる。

 

「良いんじゃない?幻想郷に来て、人間のメイドも殆ど逃げ出したし、咲夜1人に家事をやらせるよりはマシだと思うけど?」

 

「紫様、馬鹿にしては良く考えてると思いますよ?」

 

2人は私の意図を汲み取ってくれたようだ。

 

「私は八雲として生きたいです。でもそこの吸血鬼のお嬢様にも惹かれています。なので2人に仕えます」

 

はあ、と紫は溜め息を吐き、レミリアにどうする?と尋ねる。

 

「まぁ私は構わない」

 

紫はレミリアに向かって言った。

 

「とりあえず他の吸血鬼の殲滅に協力してくれるかしら?こちらへの移住の話はそれからよ」

 

「では直ぐ片付けなくてはな」

 

そう言うとレミリアは天狗の如き速さで飛んで行った。

 

「私も行ってくるわ。縁は藍の手当てをお願い」

 

「分かりました」

 

紫はスキマを開き、中に入って行った。

 




咲夜さんとパチュリーの戦いがあっさり決まったのはめーりんに全てを注いでしまったせい。
あれ以上の熱い試合展開を考えつかなかったのと、咲夜vs縁の予定を変更した為にかなりあっさり決まりました。
本来は縁が咲夜を圧倒、その後パチュリーの魔法により上手く攻撃を受け流され、藍が惜しくも敗北って流れでした。
変えた理由は咲夜のような空間を支配するような能力に対して無効化すると、物理以外食らわなくなるのでパチュリーに変えました。
もちろん触れれば咲夜の能力も無効化は出来るのですが、投げナイフだし触るわけないんだよなぁ
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