東方縁伝   作:OFF豚骨

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咲夜さん視点

何か前話の縁軽すぎたかな?藍がやられて怒ったのに、レミリアの従者に成ろうとするのに違和感を感じる作者です。色々不安ばかりが募ります。



完全で不器用な従者

「こちらは咲夜を先鋒に出そう」

 

そうお嬢様に言われたので私はテラスから飛び降り、庭の真ん中辺りまで行く。

 

「私が出よう」

 

狐の妖怪が一歩前に出てきた。

 

「藍?まだ話し合いは済んでないのよ?」

 

「私か縁を出すというのは確定しているなら、縁が戦わずに済む方法を取った方が効率がいいです。時間的にも」

 

確かにそうだ。

だが私はどんな敵にも負けない自信がある。

何故なら時を操る程度の能力を持っているからだ。私には時を止めることも出来るし、空間の広ささえ自由自在に変えられる。

 

この力を持ってしても勝てない者が居るとしたら、それは私に殺せない理由がある者だけだろう。

お嬢様や妹様、パチュリー様、美鈴は・・・・別に何とも思わないわね。

 

「藍!人間だからと舐めないように!」

 

大きな声で黒髪の半妖が狐の妖怪に激励を送る。

 

その激励に対して少し微笑みながら振り返って、またこちらに向かってくる。

何処となく美鈴に笑い方が似ている気がした。

 

「対戦相手は決まったようだな。なら勝負の合図は私が取ろう」

 

お嬢様が私達の間に入り合図を出す為に手を上げる。

 

そして一呼吸おいて、手が振り下ろされる。

 

「始め!」

 

私は吸血鬼レミリア・スカーレットのメイド、完全で瀟洒な従者なのだ。

故に先ずは挨拶をする事にした。

スカートの裾を少し持ち上げ名乗る。

 

「私の名は十六夜 咲夜貴女の命を刈り取る者ですわ」

 

すると相手もそれに倣って挨拶をしてくる。

 

「私の名は八雲 藍。人間になど負けはしない」

 

そして挨拶が終わり、私は時を止める。

 

目の前には戦闘態勢に入った妖がいる。

 

私は彼女をナイフで切り刻む。

血はまだ出ない。止まった時の中では私が干渉した部分以外変化しない。

 

「半妖以外は殺すのだから回復出来ない程刻まなくちゃいけないわね」

 

腹に深くナイフを突き刺しそのままナイフを横にして切り裂く。

 

あともう少し。不意にお嬢様が興味を抱いた半妖を見る。

とても不安そうな顔をしてた。大妖怪が人間に負けるなんて普通は無いでしょうに。

 

何故か狐の妖怪の微笑みが頭に浮かんだ。それと同時に美鈴の笑顔も。

 

「わざわざ殺さなくても・・瀕死にするだけでいいわよね?」

 

あの半妖に絶望を与えるなら徐々に死んだ方がいい。自分の無力を嘆きながら崩れてくれるだろう。だからこれは言い訳じゃない。

 

私は時を動かした。

 

「藍!?」「藍!?」

 

「藍!返事をなさい!藍!」

 

彼女の仲間の悲痛な叫びが聞こえる。私には関係無い。ただお嬢様の命令を実行しただけ。

 

非情に徹しなければ吸血鬼の従者なんて出来ない。

 

「勝負ありだな。勝者、十六夜 咲夜!」

 

テラスに戻る。するとパチュリー様が私に声を掛けてくる。

 

「咲夜、さっきから美鈴の妖気が消えかかっているのは気付いてるかしら?」

 

「気付いております」

 

私は気付いていた。林の方に吹き飛んだ美鈴の妖気が今は殆ど感じられない程に弱い。

だが命令が無い以上行くわけにはいかない。

 

「貴女は強情ね。この魔法薬を持って美鈴の所へ行きなさい。それを使えば死にはしないから」

 

パチュリー様は水色の液体が入った試験管を私に渡してきた。

 

「ですが今は戦闘中で」

 

「レミィには私から言っておくわ。それに紅魔館の門番が居なくなると雑魚の相手も私達がしなきゃいけなくなるの。分かるわね?」

 

確かにその通りだ。これは紅魔館の為、お嬢様の為なのだ。

 

「分かりました。行って参ります」

 

それだけ言うと私は時を止めて美鈴の所へ走り出す。

時止めの制限時間を越えたので時間が動き出す。

 

また止める。動く、止める、動くを繰り返して美鈴のいる場所へたどり着く。

 

ボロボロだった。さっきの狐妖怪の比じゃない程に。

腹部には大きな穴があり、顔は何かにぶつかった様に砕け変形していた。腕は引きずられたのか肉が抉れ骨が見えてる。

 

「酷い・・・、て、手当てしなきゃ」

 

私はパチュリー様からもらった魔法薬を美鈴の腹部や腕、顔などのダメージが酷そうな部分にかけていった。

 

焼けるような音ともに徐々にではあるが再生し始めた。

 

「あとは浅い傷は自前の塗り薬と包帯でどうにかするしかないわね」

 

「ん、んあ、咲夜ちゃん?」

 

私が手当てしていると美鈴が起きた。まだ妖力があまり戻ってないが目を覚ます程度には回復したようだ。

 

「私はもう子供じゃないの、咲夜ちゃんなんてやめなさい」

 

「あはは、すみません。でも私からすればお嬢様より少し背が高い可愛らしい女の子ですから」

 

「全く、冗談が言えるくらいには回復したみたいね」

 

美鈴は血塗れの顔で笑いながら私の頭を撫でてくる。

これが一番嫌いだ。私はもう何でもこなせる完全で瀟洒なメイドなのだ。

 

お嬢様からも自分に相応しい従者だと褒めてもらってる。

いつまでもこの館に来た当初のように扱う美鈴が気に入らない。

 

「撫でるのやめなさい。怒るわよ?」

 

「あはは、ごめんなさい」

 

謝りながら目を閉じる美鈴。疲れたのか寝息を立てて心地良さそうに寝てる。

 

空を見上げるとお嬢様がどこかに飛んでいくのが見えた。

勝負がついたにしては早過ぎる。

何か状況が変わったのだろうか?だが今は死なないように門番の手当てを続けることにした。

 




咲夜さんはクーデレなのです。
めーりんの優しさや家族のような温かさは、紅魔館に拾われる前の咲夜さんからしたらとてもむず痒いもののようです。

紅き昇龍からめーりんが主人公のような立ち位置に居ないか?縁の存在感はレミリアや紫によって保たれてるとしか思えない。
これめーりんを主人公にした小説投稿してた方が人気出たんじゃ・・・
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