東方縁伝   作:OFF豚骨

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そろそろ吸血鬼異変終わらしてほのぼのした話に移りたいです。
あと2〜3話ほどで異変終わらせよう。(確定ではない)

ここから平均5000文字を目指して頑張ります。
読み応えある小説ってどう書けばいいんだってばよ?

何かアドバイスなどありましたら遠慮なく言ってくれると嬉しいです。
あとはこのキャラにもうちょっと目立って欲しい的なものでも構いません。流れ的に問題無ければ目立たせます。


血に飢えた地下の狂気

暗い暗い地下深くにある分厚い扉。

そこを開けば私の部屋へたどり着く。だがお姉様とパチェ以外は決して来ない。

 

他はすぐに壊せるからだろう。自らの妹も制御出来ない愚かな姉は私を地下に押し込めた。

 

閉じ込められた当初は抜け出そうと努力したが、その度にお姉様とパチェに捕まえられ、また戻される。

そんな事を何度も繰り返し、抜け出す事を止めた。

ご飯は持って来てくれるし、本などもパチェが持って来てくれる。

 

だが圧倒的に足りてない物がある。

 

血だ。

 

私は退屈よりも孤独よりも血が足りない事の方がつらい。

こんな所では誰も来ない。血を飲みたい。首筋から啜りたい。

 

今日は紅魔館がやけに騒がしい。地上の方からバタバタと音が聞こえる。

お姉様の妖気が紅魔館から離れていく。

どこかへ出掛けるのだろうか?

お姉様が出掛けてもパチェが居るなら、地下からは出れないだろう。

 

そんな事を考えているとこちらに近づいてくる足音が聞こえてきた。

 

「ここだ。あの吸血鬼がここだけは入るなと言っていた。きっと宝があるに違いない。逃げる前に盗むんだ。手伝いな!」

 

「こ、こんな事バレたら私達殺されてしまいますよ!?」

 

「バレる前に逃げるんだよ!それとも何かい、あんたはここのメイドとして一生終えたいのかい?あんな化け物の奴隷として。あたしゃゴメンだよ!」

 

「私も嫌ですけど、でもここ鍵が付いてるんじゃ・・」

 

私の部屋の扉の前まで来たのだろう声がかなり近い。

ここには来るなとお姉様に言われてるはずなのに来ちゃうなんて・・・

 

悪い子にはお仕置きが必要だよね?

 

私は扉の鍵を魔法で開ける。

 

「ん?どうやら鍵が開いてるみたいだね。運がいいのか、それとも先に誰かに取られたかだね」

 

「わ、私は外見張ってますね!」

 

「誰も来やしないだろうけど、頼んだよ」

 

「は、はい」

 

扉がゆっくりと開かれる。私は扉の真上に飛んで隠れる。

 

「子供部屋?もしかしてあの吸血鬼がガキの頃に使ってた場所か?」

 

入って来たのは恰幅(かっぷく)のいいおばさん。私は彼女が部屋の真ん中まで行くのを待つ。

 

「あの吸血鬼が恥ずかしいから入るな、なんて言いそうにないしねぇ・・・とりあえずタンスから調べようかね」

 

そう言いながらタンスの方に向かうため、部屋の真ん中を通る。その瞬間私は彼女に飛び掛かり、押し倒す。

 

「いらっしゃい、そしてさようなら、悪い子にはお仕置きよ?」

 

彼女が叫び出す前に首を手で貫き、喋れなくする。

 

そして首筋にガブリと噛み付き血を啜る。

不味い・・・年をとっていたからだろうか?

 

「これはいらないや。壊しちゃお」

 

私はおばさんの目を手の平に乗せ潰す。

その瞬間おばさんの身体が弾け飛び、そこら中に肉片と血がぶち撒ける。

 

「な、なんですが今の音!?」

 

もう1人が部屋の中を覗いてきた。

良かった。こっちは若い。とっても美味しそう・・・

 

「ひっ」

 

声にならない悲鳴を上げて逃げようとする彼女。

私は彼女を直ぐに捕まえた。

 

「た、助けてくださ・・い。お、おね、お願いします」

 

怯えきった表情が私の妖怪としての心を(くすぐ)る。

 

「そうだなぁ、じゃあ服全部脱いで、後ろ向いてレミリアの糞ガキー!って言って」

 

彼女は怯えながらも言った通りに服を脱ぎ始めた。

私は助けるつもりなんてない。だってしたら助けるなんて言ってないし。

 

私はニヤニヤしながら彼女を見ていると彼女は服を脱ぎ終わりゆっくり後ろを向いた。

 

「れ、レミリアの糞ガキ・・・」

 

「小さい、もっと大きな声で!死にたくないならもっと真剣にやらなきゃ殺すよ」

 

「ご、ごめんなさい!れ、レミリアの糞ガキー!!」

 

さっきと違って大きな声で彼女は叫んだ。これで少しはお姉様に対する鬱憤(うっぷん)が晴らせたかな。

 

「良く出来ました!」

 

私はそう言って満面の笑み浮かべる。

 

「それじゃあ逃してもら」

 

「えるとでも思った?おやすみなさーい♪」

 

私は彼女の心臓を抉り、殺した。そしてまた血を啜る。

うん!今度のは美味しい。

 

だがまだ足りない、パチェは居るだろうけど久しぶりに外に出てみるか。

 

私は地上への階段をゆっくり登り始めた。手に付いた血を滴らせながら・・・

 

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

私は藍の手当てに集中していた。流石藍と言うべきか傷が思ってたよりも治りが早い。

 

「そこの、縁だったかしら?この魔法薬を使うといいわ」

 

そう言ってパチュリーは水色の液体が入った試験管を渡してきた。

 

「これは?」

 

「うちの門番がよく怪我するから作ったの。あとはレミィが妹の相手でボロボロになった時とかね。安全性と効果は保証するわ」

 

「ありがとうございます」

 

私は軽く頭を下げお礼を言うと試験管に入った薬を藍に飲ませた。

 

「・・・・言い忘れてたわね。それ、傷口に掛けるのが正しい使用法よ」

 

「え!?」

 

「ごふ・・不味い、何だこれは?」

 

しまった。液体だから飲み薬かと思っていた。てか先に言ってよ!

 

「藍ごめんなさい!」

 

「謝らなくていい、これはこれで効いてるようだ」

 

藍は珍しく私の頭を撫でてくれた。うー、ホントごめんよ藍。

 

「なるほど、飲んでも内側から治るのね。後で記録しておきましょう」

 

横で黙々と傷口見てるパチュリー。この研究熱心な紫もやし殴りたい。

しかし紫とレミリアが納得してくれたようで良かった。

これで何の問題も無く異変解決に向かいそうだ。

 

「ん?魔法使い、さっきからやたら大きな妖気を感じるんだが・・・」

 

「どうやらフランが外に出たようね。こんな時に出て来るなんて最悪だわ」

 

あのキュートなフランちゃんに会えるのかぁ。でもレミリアみたいに怖過ぎて近寄り難いのはやだなぁ。

 

まぁ怖くてもレミリアは好きだけどさ。

 

「フランとは何者なんだ?」

 

藍が聞くとパチュリーは少し困った様に答えた。

 

「ここの当主であるレミリアの妹なんだけど・・・色々問題があるから地下に閉じ込めてたのよ。最近では外に出ようとしなくなってたから油断したわ」

 

なるほど〜、多分気が狂ってる的な感じのフランちゃんなんだなぁ。逃げるか。

 

「藍、逃げましょう今すぐに!」

 

藍の手を取ろうとしたら藍が大丈夫だろうと言って来た。

 

「一応我々は当主と同盟関係にある。油断は出来ないがいきなり襲われはしないだろう」

 

そんな事ないよ!狂気入ってるフランちゃんはマジヤバ1000%なんだからね!

 

「私も縁に賛成よ。フランは客人だろうが身内だろうが関係なく殺しにかかって来るわ」

 

流石パチュリー、フランちゃんの事をよく知っている。

 

「ふむ、私もこの傷じゃあまともに戦えんしな。だがそんな危険人物を幻想郷に野放しにするのも恐ろしい」

 

うっ、確かに。

もし私達が逃げてもパチュリーなら大丈夫かもしれないが、先程の戦いで体調を崩してるし100%勝てる保証がない。

 

「逃げないと言うなら案があるのだけど、縁の能力を使えばどうにかならないかしら?私の時みたいに攻撃を全て無効化すればその間に私が魔法で捕らえる」

 

「残念ながら無理ですね。私の能力は自分を対象とする能力を任意に無効化する他には相手の妖力、魔力、霊力、神力などの幻想的な力を無効化するくらいですから、吸血鬼の元々の身体能力で圧倒されて殺されます。因みに対象を取らない能力でも能力者に触れていれば無効化出来ます。能力のコントロールも最近出来てきたので1mくらいの範囲の攻撃は無効化出来ます」

 

 

「なるほどね。魔法使いのような者に対しては相性が良い能力ね」

 

とりあえず私が出来る事と言ったら、フランの能力や物理以外の攻撃の囮になるくらいしか出来ない。

 

「咲夜が居れば簡単な問題なんだけど、まぁ居ない者の事を言っても仕方がないわね」

 

パチュリーは溜め息を吐くと藍に先程と同じ魔法薬をぶっ掛けた。

 

「戦うにしろ、逃げるにしろ、回復しておかないとね。手負いの狐に期待はしてないけど」

 

パチュリーは意地悪く笑った。

 

「ふっ、汚名は勝利で返上してみせよう」

 

藍やる気だ。なら私も頑張らねば!ここは一発名言でも吐いてみますか!

 

「妖怪としての能力の差が、戦力の徹底的差ではない事を教えてやる!」

 

「いい事言うじゃない。それじゃあ縁に先頭に立ってもらって私達は援護に回りましょう」

 

「えっ!?」

 

私?無理だよぉ、だって身体能力なんて人間よりはマシってレベルだし、一カ月の修業で体得した必殺技は多分効かないし。

 

「ちょっとした冗談よ。正確には前でフランの注意を引いて。その間に私が流水による結界を発動するから」

 

「囮作戦か。なら私は縁がフランとやらに捕まらない様に援護に回ろう」

 

藍は作戦を理解して立ち上がった。

 

「頭の回転が速くて助かるわ」

 

まだ少し怖いけど、私には藍がついてる。大丈夫、藍なら何とかしてくれる。

 

気合いを入れる為に頬を叩く。

 

「先ずはフランの能力について説明するわ」

 

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

久しぶりの地上。誰も居ない。

いつもならとっくの昔に咲夜というメイドやパチェが来てもいいのに。

 

居ないのならこのまま外に出るか・・・

そう思い庭に出るとパチェと見知らぬ2人の妖怪がいた。

恐らくお姉様の客人だろう。アイツが困る顔が見れるかもしれないし殺しておくか。

 

「やっほーパチェ、お客様が来てたんだね」

 

私は客人に怪しまれぬ様に幼さい少女の様な演技をする。

 

「大人しく地下に戻りなさい。今ならその手に付いた血の事は不問にするわ」

 

パチェは顰めっ面で私に地下に戻る様に言ってくる。誰がそんな命令聞くもんか。

 

「うふふ、ダメよパチェ。私はまだお客様に挨拶してないもの」

 

私は客人に手を振る様に軽く上げ、そして能力を使おうとした瞬間。黒髪の少女が消えた。

 

「千鳥!!」

 

いつの間にか私の懐に黒髪の少女が来てた。そして恐らく技の名前なのだろう、それを叫びながら私の腹部に電気を纏ったような手を突き出してきた。

 

「今のはびっくりしたよ。惜しかったね」

 

私は彼女の手首を掴み当たる直前で止めていた。

「掛かりましたね。貴女の能力の前に私の能力を見てもらいます!!」

 

彼女が自信有り気に言うと、急に私の中から妖力と魔力、そして私の中のありとあらゆるものを破壊する程度の能力が無くなるのを感じた。

 

「何をしたの?」

 

私は少女の手首に圧力をかけていく。

 

「ぐっ、簡単な事ですよ。私の能力で貴女の力と能力を無効化しただけです」

 

なるほど、大方パチェに私の能力を教えられてそれを無効化してから戦う作戦なのか。

 

「なら、貴女を壊せば済む話だよね?」

 

私はさらに手首を握る手に力を込める。

 

「ぐっ、あぁ・・」

 

必死に逃げようと足掻いているが力は人間と同程度のようで、逃げられないでいる。

 

「狐火!」

 

「ぐあぁぁぁぁぁ!!あ、熱い、何この火!?」

 

私に襲い掛かる炎は黒髪の少女には燃え移らず、私だけを燃やす。

クソ、妖力さえ使えれば一瞬で消せるのに!

私は熱さに耐え切れず少女を離してしまった。

 

「縁、下がりなさい!!」

 

パチェの声が聞こえ、その瞬間火が消え、代わりに私は流水の結界に囲まれてた。

 

「また、戻されるの・・、まだ血が足りない。足りないのよパチェ!!」

 

私は結界の外に居るパチェに吐き出すように叫んだ。

 

「血はちゃんと食事に混ぜてるでしょう?」

 

「あんな物じゃ足りない!!もっと!もっと血を寄越せ!!」

 

「貴女は吸血鬼としての本能が強過ぎる。もう少し理性を持ちなさい」

 

地下深くにぶち込んどいて理性だと?ふざけるな!

私は理性があった。しかしそれを捨てさせたのは私を恐れた家族だ。能力のコントロールが出来てない幼い頃にお母様を殺し、そのすぐ後に地下に放り込まれたんだぞ?

 

私は母を殺した罪悪感に(さいな)まれ、地下深くでずっと懺悔してたんだ。

なのに父親が私を殺そうとして来たんだ。過ぎた力は危険だと、お前はこの世に要らぬ存在だと、その瞬間から私には理性なんて無かったさ!

 

本能のままに生きる。その方が楽だ。

 

「私は吸血鬼だ。理性などいらない」

 

「はあ、少し眠りなさい。いつもみたいに、冷静になって考えるの。レミィが何故貴女を未だに側に置くか、何故自分を生かすのか」

 

「また催眠魔法で眠らせるのね」

 

パチェめ、何が冷静になって考えろ・・・だ。

い・・ま・・・みてろ・・・世界に・・・復讐・・や・・る

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

私はフランを眠らせ結界を解いた。

 

「眠ったようね。縁、藍、今回はありがとう」

 

縁はフランに掴まれていた左手を見せ、あの薬ないですか?と聞いてくきたが、生憎頻繁に使う物ではない為手持ちを切らせたというと、痛みに堪えながら帰りたいと漏らしていた。

 

「意外と呆気ないものだな」

 

藍はフランを見下ろしながら呟いていた。

 

「縁の能力があったからよ。もしも無効化せずに戦っていたら死人が出る可能性だってあったわ」

 

普段なら咲夜が時を止めて弱らせその間に私が魔法を唱えるというパターンかレミィが囮になるというパターンの二つだ。

それ以外で成功した試しがない。以前美鈴が囮になった時は美鈴が瀕死になってようやくフランを抑えることに成功した。それを考えると今回は多少傷を負った者が居るものの、良い結果だったと言える。

 

「藍、フランを運ぶのを手伝ってくれるかしら?」

 

「傷も大分癒えたしな。それくらいなら良いだろう」

 

「あ、私も行きます」

 

「縁は止めておきなさい。今後働くならまだ見るべきじゃない」

 

私がそう言うと少し残念そうに門の側で藍を待つと言っていた。

 

藍にフランを抱いてもらって私は地下の部屋へ案内する。

 

「縁への気遣い感謝する」

 

藍が頭を下げてきたので私は気にしないように言う。

 

「あの娘はレミィのお気に入りみたいだから。この館の暗い部分は見ない方が良い」

 

さて、部屋の片付けと死体の処理をしなきゃね。

 

あとはレミィがさっさと事を終わらせれば済むんだけど。

 

私は溜め息とともに作業に取り掛かった。




5507文字いったどー!これは前みたいに3話投稿は無理そう。
これからは1日1話くらいと思って欲しいです。
前の約3倍くらいの量の文字数か。シャ、シャアか!?
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