フランちゃんの出番は紅魔郷辺りまで無いかも。
スペルカードルールどうすっかなぁ。弾幕ごっこを文字に出来る自信が無いです。
戦場の真ん中にスキマで移動した私は、いけ好かない吸血鬼と共闘していた。
「ふぅ、吸血鬼の再生力は厄介ね」
「太陽でも出せれば一瞬で灰になるんだがな。私も一瞬で死ぬがな」
いけ好かない吸血鬼はジョークを言ったつもりらしい。笑えないほど寒い。しかし太陽か・・・、出せない事も無いが、出してこの吸血鬼まで殺したらあの館の連中も殺さないといけなくなりそうなのよねぇ。
「ん?どうした胡散臭い妖怪。ジョークが伝わらなかったか?」
いけ好かない吸血鬼がそのまま笑えないジョークの笑う部分を説明しようとして来たので止める。
「チッ、ジョークの分からん奴め。これが縁なら笑っていた」
「ありえないわね」
縁なら優しさで微笑みくらいはしてくれるだろうが、こんな寒いジョークじゃ笑わない。
話ながらも私は戦場にいる吸血鬼達を得意の結界術やスキマから色んなガラクタを飛ばして倒していく。
いけ好かない吸血鬼も手加減せずに仲間の吸血鬼を殲滅しているようだ。
「同胞よ!私の欲望の為に死んでくれ!!」
何とも身勝手な言い分だが、欲望に正直なのは妖怪らしくて良い。縁はやらないけど。
「天狗の本隊も頑張ってるみたいだし、そろそろ終わらせますわ」
私はそう言うと吸血鬼の弱点の1つである流水をスキマから溢れ出させる。
「いけ好かない吸血鬼ごと幻想郷から出て行きなさい!!」
私はいけ好かない吸血鬼とその周りに集まった吸血鬼達を全て流水で流すつもりでそちらに流水を流した。
「な!?この胡散臭いスキマ妖怪め!そちらがその気ならこっちにも考えがあるぞ!!」
「ごめんなさい。貴女の近くに敵が固まっていたから一掃しようとしたのだけれど、私としたことが貴女も吸血鬼だって忘れてましたわ」
チッ、上手く流水を避けて抜け出したか。幽々子の所に奉公に出すならいざ知らず、こんな変態吸血鬼に仕えさせたら1日で縁が汚されてしまう。そうなる前に事故死させて消さないと。
私が考え込んでると吸血鬼は妖力で槍を創りだした。
「おっと、手が滑ってしまったぁぁぁぁ!!」
吸血鬼はそう言いながら私に思いっきり槍を投げて来た。私は後ろに何人か敵が居るのを確認し、スキマを開け、私の後ろの敵に槍をぶつけた。
「あら?吸血鬼は味方も分からないのかしら?」
「ふっ、避けると信じて投げたのさ。スキマ妖怪」
こちらに殺気を込めた視線を送っているくせによく言う。しかし今ので私達の周りの吸血鬼達は片付けられた。
「あとは天狗に任せても大丈夫そうね。そろそろお互いの為にも話し合いをしましょうか?」
そんな気は毛ほども無い。これはさっきの3回戦目をやろうと言う意味だ。
「奇遇だな。私もお前とはキチンと話をつけなければと思っていた」
吸血鬼は正しく意味を理解し妖力を強める。私も妖力を高め、吸血鬼と対峙する。
「勝った方が縁の主よ!」
「勝った方が縁の主だ!」
紅い満月の夜に盛大な従者の奪い合いが始まった。
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吸血鬼異変から数日後。
「縁、行きたくなかったらそう言って良いのよ?」
紫は私に不安そうな顔で言ってくる。
「いえ、大丈夫ですから。今後の事を考えると、館の方達と仲良くしておいた方が良いと思いますし」
私は約束通り紅魔館のメイドとして紅魔館に向かおうとしていたのだが、準備中に紫が『今日は良いんじゃない?』とか『今日は天気が良いから吸血鬼のお世話はあの館のメイド1人で充分よ』とか言って私を足止めしようとしてくる。
「別にそこまで心配しなくても八雲の式として恥じる事はしませんよ」
絶対にとは言わないけどな!
しかし今日の紫は少しおかしい。八雲家は失敗して、お仕置きされて学ばせる方針だから基本的に命令された時以外は放任主義なはずなのだが、今日は過保護過ぎる。
「そう、貴女の意思を尊重するけど何かあったらすぐに私に言うのよ。良いわね?」
紫が私を真っ直ぐ見つめてくる。何か娘を嫁に出す親みたいだな。フランちゃんの事を藍から聞いたからこんなに不安なのだろう多分。
「分かりました。朝には帰って来ますから、それでは行ってきます!」
私はレミリアや紅魔館の面々と交友関係を結べる嬉しさで、鼻歌を歌いながら移動用スキマに入る。怖かったけどフランちゃんとも仲良くなれるといいなぁ。
移動用スキマを通ると紅魔館の門の前に出た。
「あ、この間はどうも!門番の紅 美鈴です。これからよろしくお願いしますね」
「八雲 縁と申します。こちらこそよろしくお願いしますね」
包帯を腹に巻いためーりんが出迎えてくれた。この間の異変で射命丸にボコられたらしい。射命丸は次の日にはケロッとした表情で、本業?の新聞作りの為に取材活動をしている。
「お腹大丈夫ですか?」
私はこの話題を振るか迷ったがめーりんの明るい表情を見て聞いてみる事にした。
「あはは、咲夜ちゃ・・さんのおかげで命には別条無いそうです」
「それは良かったです」
うん。やっぱりめーりんは敵じゃなければ普通に良い人の様だ。
「今門を開けるので、開けたら館の入り口まで行って下さい。そこで咲夜さんがお待ちしてるはずなので」
私はめーりんに分かったと告げ、門を開けてもらい中に入る。門の中に入るとこの間の血とか魔法とかでぐちゃぐちゃになった場所が綺麗にされてて驚いた。恐らく咲夜さんの仕事だろう。庭の整備から血の処理まで完璧である。流石完全で瀟洒なメイドだ。私も見習おう。
館の中に入る扉を開くと言われた通りに咲夜さんが待ってた。
「いらっしゃい。ここでは一応貴女の上司だから、色々教えるわ」
「あ、はい。よろしくお願いします!」
私は深々と頭を下げ顔を上げる。うっ、咲夜さんの表情に変化が無い。クールなのは知ってたけど、実際話してみるとかなり取っ付きにくい。
「じゃあ先ずは服ね。更衣室に案内するわ」
そう言って歩き出す咲夜さんの後ろをついて行く。歩いていて気付いたのだが、メイドが1人も居ない。妖精雇ってないのかな?気になるし聞いてみることにする。
「ここには他のメイドの方は居ないんですか?」
「異変の時に殆どが逃げ出して残りも私以外お嬢様が解雇したのよ」
「大変じゃないですか?1人でこんなに広いお屋敷の事をやるなんて」
逃げ出したのはレミリアやフランちゃんが怖かったからだろう。気持ちは分かる。私も初めて会った時に抗えないほどの恐怖を感じたし。そんなことよりいくら時を止めれるからと言っても限度があるだろう。咲夜さんはスペック高くても人間なのだから過労死とか普通にありえそうだ。
「時を止めれば問題無いわ。それに今日から貴女も働いてくれるのだから少しは楽になるわよね?」
地味に威圧感のある言葉に胃が痛む。わ、私はメイドなんてしたこと無いから足引っ張りそうなのに、遠回しに楽にさせろ発言されたら下手なこと出来ないじゃないですかー、やだー。
質疑応答の様な気まずい会話をしながら歩いていると、目的地に着いたのか咲夜さんは扉を開けた。
「他の使用人達が居なくなったからここには余ってるメイド服が腐る程ある」
部屋の中に入るとそこには服のサイズが表記されたクローゼットが沢山あり、姿見も10枚ほどあった。私は自分のサイズと同じ表記のクローゼットを開き中のメイド服を取る。
「これを着れば良いんですね?」
私がそう尋ねると咲夜さんは首を横に振り『貴女が着るのはこれ』と言って、わたしが持つメイド服と同じサイズのミニスカのメイド服を渡してきた。
「すみません。ミニスカートより私はロングスカートの方が良いんですけど・・・」
咲夜さんは何を思って私にミニスカを渡して来たんだ?自分だけミニスカなのにアイツだけロングなんて許せねぇ的な?いや無いな。
「これしか認めないわ。絶対」
「ならせめてもう少し丈の長めのミニスカを・・」
「ダメ」
「絶対?」
「絶対」
く、くそ!メイド長がパワハラするなんて聞いてないぞ!!
「・・・・着替えるので出ていってもらえますか?」
私は恥辱に耐える様に手元を震わせながら咲夜さんに伝える。咲夜さんは『早めに着替え終わらせてちょうだい』と言って出て行ってくれた。
うー、ミニスカとか前世でも履かなかったぞ!私は諦めて履く事にした。
うー、下がいつもよりスースーする。次からはタイツを持って来よう。紫に頼めばそれくらいくれるはずだ。
ガチャリと扉を開け咲夜さんに着替え終わった事を伝え、次の目的地に向かう。
恥ずかしくて俯きながら咲夜さんに付いていくと次の目的地に着いたらしい。『先ずは食事の用意をするわよ』と言って扉を開け中に入る。
そこは店でも開くのかと言いたくなるほど立派な調理場だった。業務用の冷蔵庫とか初めて見たかも。
「今日の料理は貴女に任せるわ。何を作るのも自由よ。ただしお嬢様に出す分は自分の血を入れること」
そういうと咲夜さんは消えてしまった。恐らく別の仕事をしに行ったのだろう。
「作れって言われても日本食しか作れないんだけどなぁ」
私は愚痴をこぼしながら冷蔵庫を見る。ジャガイモ、ニンジン、豚肉、玉ねぎ、などのカレーを作れそうな具材があるが、
「ルーが無い」
その代わり色んなスパイスが沢山あった。カレーと言えば、ターメリックとかだよね?
だが不安なので手は出さない。醤油が無いから肉じゃがも無理そうだしどうしようかな?
私は悩んだ末に野菜炒めを作ることにした。
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「咲夜、縁はどんな感じ?」
「まだなんとも、ただお嬢様の言われた通りに私と同じメイド服を渡したところかなり恥ずかしがってました」
「うふふ、可愛らしいわね。早くみたいわ」
八雲の式として奉仕に来るのは気に入らんが、徐々に心を私の元に寄せればいい。
今はまだ両天秤。だがいずれ傾けてみせようじゃないか。他人のモノほど手に入れた時の味は格別なのだから。
「当分は八雲と仲良しごっこだな。時が来たらまた異変を起こす。縁には言うなよ咲夜」
「はい。その時の為に私ももっと瀟洒に磨きをかけておきますわ」
流石咲夜だ。私の満月は伊達じゃない。だが満月だけでは夜は
私と妹が闇、咲夜は満月、パチェや美鈴が星。これだけでも充分見映えの良い夜の完成だ。そこに縁が加わればどうなるか・・・、ふふ、見ものだな。
「そろそろ調理場に戻ってみますわ。では失礼します」
そう言って咲夜は消えた。縁も立派なメイドに成れるか楽しみだな。
「さて、縁のミニスカート姿を舐める様に見てやるか」
どう反応するだろうか?自分の仕える相手から
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とりあえず野菜炒めが完成したが、ご飯ないから代わりにフランスパン切って皿に盛り付ける。こんなもんか?
「出来たかしら?」
私の背後からいきなり声を掛けられたのでビクッとなり振り向いた。
「なんだ咲夜さんか。驚かさないで下さいよ」
咲夜さんは腕組みをして壁にもたれ掛かっていた。
「別に驚かしてないわよ。それより出来たの?」
はい、と返事をしつつ私の後ろの料理を見せた。それなりに豪華に作ったつもりだ。サラダとかも作ったし、フランスパンに合いそうなハムもパンの横に添えている。
「貧相ね。思ってたよりマシだけど」
な、なんだとー!?八雲家だと結構豪華な方だぞ!そもそもフランスパンを主食に持って来るなんてかなり贅沢だよ。
「お嬢様からはどういう料理でも出せと言われてるから作り直しはしないけど、今後は他の仕事に回した方が良さそうね」
咲夜さんに悪意は無いんだろうけどそんなにズバズバ正直に言われるとショックだ。
「落ち込む暇なんてないわよ。これを食堂に運ぶから付いてらっしゃい」
「はい」
大丈夫、食べれば美味いって言ってくれるはずだ。そうなれば見方も変わるはず!
咲夜さんが大きな扉の前で止まるとノックをした後に扉を開け、入っていく。私もそれに続く。
長過ぎるテーブルには奥にレミリア、左にパチュリー、右にめーりんが座っていた。
テーブルに食事を並べる。パチュリーは溜め息を吐き、めーりんは何故か肩に力を入れて固まっている。レミリアだけ微かに微笑みを見せていた。
「咲夜、縁、席に着きなさい」
私と咲夜さんは同時に返事をし座る。レミリアがグラスを持ち、それに続くようにみんなグラスを持つ。
「縁との出会い、そして幻想郷への移住に乾杯!」
「乾杯!!」
私はみんなよりワンテンポ遅れて返事をした。意外と歓迎ムードで嬉しかったりする。私は自分の料理を食べ、中々の出来に満足する。
他の人達の反応が気になるので食べるのを一旦止めて周りを見る。
「不味いわね」
咲夜さんが無表情で言う。そんな馬鹿な!?
「これおいし」
「不味いわよね?美鈴」
何かを言おうとして咲夜さんに睨まれるめーりん。さっきから咲夜さんは何なんだよ・・・
「はあ、こんな事しても縁を怒らせるだけよ。縁の料理とても美味しいわ」
パチュリーが私に向かって微笑みながら感想を述べてくる。や、優しい!今まで紫もやしなんて愛称で呼んでてごめんよぉ〜。心の中でだけど。
「もう、パチェ作戦と違う事しないでよ!折角の私の好感度上げが・・・」
作戦?何の話をしてるんだレミリアは。
「れみ、お嬢様は私に何をしようとしたのでしょうか?」
「ちょっとしたサプライズよ。私以外が貴女の料理を批判した後に私が食べた瞬間に本当は美味しかったってやろうとしたの」
「あれ?最後はお嬢様だけが縁さんの料理を褒め」
「美鈴!!!」
咲夜さんが全力でめーりんの言葉を止めに行った。めーりんと咲夜さんって仲良いんだなぁ。しかし格好良さだけでなく茶目っ気もあるのか。やっぱりカリスマは一味違うね!
「皆さん、サプライズありがとうございます。これからもよろしくお願いしますね!」
私は紅魔館の面々に笑顔を向けお礼を言った。
その後ミニスカート姿の私をレミリアが凄い見てきて恥ずかしかった。
異変解決後は予定通りほのぼの回が入ります。
紅魔館のお仕事とか、八雲の式として修業とか、白玉楼に遊びに行ったりとかを予定しております。
因みに縁と妖夢は友達です。主の都合で何度か白玉楼にお邪魔するうちに仲良くなったのです。