紅魔館のお話だー!
このお話ディ・モールトベネ!!
今日はメイドのお仕事の日である。相変わらずミニスカは嫌だが黒タイツ履いて誤魔化す。寒さは前よりましだが恥ずかしさは前と変わらない。
今はパチュリーに呼ばれて図書館のお仕事を小悪魔と一緒にしている。小悪魔とはここで働くようになって会ったが割と良い娘で安心した。たまに抱きついて来るのだけはやめて欲しいが。しかも毎回レミリアが居る前で抱きついて来るのでレミリアにふざけるなと怒られる。私のせいじゃないけど小悪魔っていう名前だし、種族も小悪魔だし、そのくらいは我慢することにした。
「ちょっといいかしら?」
パチュリーに呼ばれたので本の整理を一旦止めて向かう。私がパチュリーの所に来ると実験をするから手伝って欲しいと言って来た。まあ私に出来ることなら何でもやるさ。パチュリーの頼みだしね。
私は紅魔館のメンバーの中で一番パチュリーと仲が良い。というのもメイド初日の件と、紅魔館の中でも唯一の常識人だから言いたい事も理解できるし、無理な事は言わないし、正直上司にするならこういう人が良いなと思う。レミリアは優しいしカリスマ溢れてるが時々私に対してだけ接し方がおかしい。この前も私の血入りの食事を出したら『ディ・モールトベネ』とか言っていたし。その言葉を聞いたパチュリーが『モールトベネ、が正しいイタリア語の言い回しよ』と食事をしながら呟いていた。流石動かない大図書館、博識であると思ったのは良い思い出だ。その時のレミリアの表情は固まっていたのを憶えている。
「とりあえず外に出ましょうか。ここでは部屋が汚れるし」
そう言うとパチュリーと私は小悪魔に本の整理を任して表へ出た。
「それで何をするんですか?」
「貴女は前私と戦った時みたいに能力を発動していてちょうだい」
私は『わかりました』と返事をしパチュリーから距離を取る。パチュリーは魔方陣を出し色んな攻撃をしてきた。だが全て無効化し無駄に終わった。少し息を切らせ『今度のは当たると思うから避ける準備をしておきなさい』と言われ、私は言葉通り避ける為に体制を低くして構える。
魔方陣が現れ地面に転がる石が何個か浮く。その石がこちらに向かって飛んでくる。宣言通り無効化の範囲に入ってもそのまま石が向かってくる。小さいけど数が多いな。仕方ないあれを使おう。
「八卦掌、回天!」
私は妖力を放出しながら回転する事で飛んできた石を全て弾いた。ふっ、決まった・・・
「痛っ!」
全部弾いたと思っていたが一個見逃していたらしい、額に直撃して痛い。
「はあ・・・はあ・・ありがとう。とりあえず実験は成功ね」
「いたた、これは何の実験なんですか?」
パチュリーは息を整えたあと私の質問に答えてくれた。その説明を簡単に纏めると私の無効化をすり抜けるにはどうすれば良いかを調べたかったらしい。結論から言うと遠距離から物質を飛ばす魔法は効くらしい。箒に乗って突っ込まれたらやられるというのが分かった。とりあえず黒白の魔法使いと戦わないようにしよう。紅魔郷がいつ起きるか分からないけど起きたらメイドとして戦わないといけないかもしれないし。
それにしてもスペルカードルールとかっていつ出来るんだろう?一応スペル考えたんだよねぇ。庭符『その弾幕消えるよ・・・』とか、美符『破滅への
「何をそんなに考え込んでるのかしら?」
「あ、いえ、新技の開発をと思いまして」
「ふふ、貴女も研究熱心ね」
私は『そんな事ないですよ』と返事をしながら手を横に振る。私はただ自分の好きな事について考えてただけだし。何かパチュリーが謙遜しなくていいとか言って来たが謙遜じゃないんだよ。少し恥ずかしかったので先に図書館に戻ると言ってその場を後にした。
図書館に着くと小悪魔が抱きついてきた。
「縁さ〜ん、私今とっても縁成分足りてないんですぅ。分けて下さ〜い」
抱きついてスリスリしてきた。懐かれるのは別に良いけど動きづらいんだよなぁ。しかも予想通り図書館にレミリアが居るし。
「お嬢様、いらしてたんですか」
「・・・・・・れろ」
「はい?」
「今すぐ離れろ!!」
物凄い妖気と殺気を当てられた。怖くてチビりそうになってしまった。相変わらず怖い。怯えた小悪魔が離れてどこかに行ってしまった。
「すみませんお嬢様。すぐ業務に戻ります」
私はそそくさと本の整理を済ませると次の仕事に向かった。
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私は怒っている。あのクソ小悪魔のせいで私の大切な時間を大切なモノを汚された。許す気はない。
「小悪魔出て来い!殺してやるぞ!パチェはどこだ!小悪魔を出せぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「叫ばなくても聞こえてるわよ」
パチェが廊下の扉から入って来た。どうやら珍しく表に出ていたらしい。普段はここでカビでも生えるのではないかと思うほど入り浸っているくせに。まぁそんな事はどうでもいい。
「パチェ、小悪魔を出せ!」
「あの娘も貴女と同じで悪魔なの、だから悪戯したくなるのよ。特に他人のモノならね」
「そんなの
パチェは怒る私に対して勝手にどうぞと言うように片手で手を振り本を読みだす。
絶対に捕まえるぞクソ小悪魔め。私の縁にいやらしい手付きで触りまくるだけでは満足せず、私の前で見せ付け、縁の私に対する好感度を下げようとするとは絶対に許せん!
私は小悪魔の妖気を探り追い始める。厨房か・・・
厨房に着き扉を開け放つ。
「覚悟しろ、殺してやるぞ!」
「すみません。何かお気に触る事があったのなら謝りますのでお許しください」
目の前には小悪魔ではなく縁が居た。縁が震えながら私に許しを乞う。何とも愛おしい姿・・じゃなくて!違うんだ縁、お前は悪くないんだ。全ては小悪魔が私を
「いや、その、」
言葉が出ない。こんな時に謝る事が出来ない。吸血鬼の誇りを捨てれない。く、クソ!
「失礼します!」
縁は私の横を走り抜けて行ってしまった。違うんだよ縁。私はお前に怒っている訳では無いんだよ・・・
「小悪魔・・・絶対殺す」
私はまた小悪魔の妖気を探る。次は庭か。
「いい加減しろ貴様!」
「すみませんお嬢様。失礼します!」
また縁だと!?あんな弱小種族に私が弄ばれるだと?ふざけるな!不本意だが全力を出そう。今度は私の能力を使って確実に縁が居ない状況で小悪魔を見つける運命を引き寄せる。
ここか・・・
ガチャリと図書館の扉を開けると小悪魔が居た。小悪魔は私を見るとビクッとし、パチェの後ろに隠れる。
「もう逃げられんぞ?」
「逃げる?私は今まで普通に仕事をしてただけですよぅ。逃げるなんて人聞きの悪い」
「白々しい嘘を吐くな!私の怒りを全て、今、お前にぶつけるぞ」
「お嬢様は私を殺す事は出来ません。それが運命なのですから」
ニヤニヤといやらしい笑みを見せるクソ小悪魔がこの私に向かって運命などと口走る。腹を立たせるのが上手なゴミめ!たっぷり苦しめてから殺してやる。
その時後ろから声がかかる。
「お嬢様、パチュリー様、そして小悪魔さんもご飯ですよ」
後ろを振り返るとそこには・・・縁だと!?バカな!私は確かに運命を引き寄せたはず、記憶を
「またか!またこんな奴にしてやられたのか!!」
「お嬢様・・今日は何が悪いのか自分では本当に分からないのですがすみません。不手際があるならあるとそう
縁が頭を下げる。お前は下げなくて良いんだ。下げるべきなのは目の前の小悪魔なんだよ。そんな事を考えているとパチェが私の横を通り過ぎ、縁の肩を軽く叩きながら『レミィは今日少し気が立ってるだけよ。貴女に対して怒ってる訳じゃないから気にしなくていいわ』と言って慰める。ナイスと言いたいがまたパチェの好感度が上がってしまった。小悪魔さえ居なければ私の縁を虜にする計画はとっくの昔に完遂されていたはずなのに。
「お嬢様、食事に行きましょう。今日は咲夜さんの料理だから美味しいですよ」
私は怒りを一旦鎮める。そして縁の料理も美味しいと一言褒めておく。その言葉を聞いて縁は軽く笑いながら礼を言って来た。縁の恐怖に怯える顔も愛おしいが笑顔が一番だと最近気付いた。この紅魔館で楽しく過ごしてもらえれば今はいい。いずれ私のモノになるまでその笑顔は私以外の者にも向けることを許そう。
私達は食堂へと歩を進める。
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地下深く、私は今日も孤独でいる。最近この前の半妖がメイドとして入って来たらしい。パチェがお姉様のお気に入りだと言ってたな。殺す?いや、それでは復讐は足りないな。
お姉様を絶望させ、尚且つあの半妖と狐にも復讐したい。なら奪ってみるか。あの半妖を心から服従させた上でお姉様と狐の前で
私は1人納得して近くに置いてあるぬいぐるみを握り潰す。
「次はちゃんと壊してあげなきゃね」
私は暗い地下室の中で狂ったように笑い続ける。
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私は業務が終了し帰る。今日は散々な目に遭ったなぁ。小悪魔が今日はヤケにスリスリ率高かったし、レミリアはめちゃくちゃ不機嫌だし、良い事と言えばパチュリーが私を気遣ってくれた事だろうか。あとレミリアに料理を褒められた。
吸血鬼は夜に行動するから夜に仕事してるけど、帰りが朝なのは慣れないな。私は『うーん』と言いながら背伸びをしてからスキマに入る。
スキマは帰る時に紅魔館の門の所に出るようにしてもらっている。やっぱり門を出ると終わったって気持ちになるのでここに設置してくれるのは気分的に助かる。
私が屋敷に帰ると、ちょうど藍が起きて来たところだった。
「ん、縁か。おかえり」
「ただいまです」
私は軽く挨拶を済ませ自分の部屋に行こうとしたら藍が声を掛けてきた。
「どうだ?紅魔館の仕事は」
「楽しいです。お嬢様は優しいし、咲夜さんは色々仕事を教えてくれるし、パチュリー様には気を遣ってもらってるし、美鈴さんには庭の花の名前とか教えてもらってるし、小悪魔さんは人懐っこくて可愛いですし、とても良い仕事場ですよ」
私は心からメイドを楽しんでる。ミニスカは嫌だけどそれ以外は毎日新鮮で楽しい。私の言葉を聞いて、藍は少し寂しそうにこちらを見て来た。
「お前が楽しいのなら良いさ、何なら私が紫様に言って向こうに住めるように」
「藍、怒りますよ?」
私はこの家の住人だ。紫が私を勝手に攫って来て、勝手に式にした。だがそれでもここに住み始めて10年くらいになる。想い出もあれば紫や藍に対しても家族と思っている。そんな風に思っているのにこの家を捨ててどこかに住むなんて考えられない。
「すまない。最近お前と話す機会が減ったからかな?らしくない事を言った」
藍・・・・
「たまには一緒に寝ませんか?昔みたいに」
私は幼い頃、藍と良く一緒に寝ていた。紫とも寝る事はあったが藍の方が圧倒的に多かった。理由は藍の尻尾が寝心地が良くて好きだったから。
「いや、私は今起きたばっかりだし、それに紫様の朝食の準備をしなければ・・」
藍は急な提案に否定的な言葉を発しているが、顔は満更でもない様子。私は少し押してみる事にした。
「たまには紫様に料理を作らせれば良いんですよ。私達の有り難みを分からせる為にも。だからね?」
藍は少し考え、困った様に微笑みながら『仕方ないな。少しだけだぞ』と言いながら了承してくれた。
私の部屋で布団を引き、身体を密着させる様に寝る。藍の尻尾は相変わらず心地よい。今、この瞬間だけ藍は私専用の抱き枕だ。私は心地よさに身を任せて眠りについた。
紅魔館では日夜レミリアと小悪魔による縁争奪戦が繰り広げられています。そしていつも最終的においしいのは関係ないパチュリーなのです。
藍は縁と修業する時間が減り寂しい模様。でも縁が望むなら紅魔館に移住しても良いと思うほど縁の事を想っています。