東方縁伝   作:OFF豚骨

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デカい伏線投下してやるぅ!

ついに来たぜ主人公の脇巫女様の視点だー!
おまけに黒白の魔法使い様も登場!




私は夢を見ていた。なぜそれが夢だと分かるのかというと昔からよく見ていた夢だからだ。

 

私は誰かと手を繋いで歩いている。誰かの顔は暗くて分からない。幼い私はその人にとても懐いていた。

 

「ユメ、今日はお買い物に行こう」

 

私はユメと呼ばれている。夢だからなのか?とかくだらない考えが浮かんだがすぐ消えた。

 

「今日は何を買うの?お姉ちゃん」

 

「今日はね。私とユメのお揃いのリボンを買うのよ」

 

私がお姉ちゃんと呼ぶその人はとても楽しそうに私に話をする。むず痒い。私は先代博麗の巫女に拾われる以前の記憶が無い。これは私の失くした記憶なのだろうか?

 

彼女が立ち止まるとそこには行商人が道端に物を並べて商売していた。私の姉らしき人は長い赤いリボンを取り『おじさん、これを下さい』と行商人に言った。行商人は商品のくだらない逸話やら長々と話す。それを途中で姉が止め、買ってかえる。

 

幼い私はとても不満気に顔を膨らまし、半泣きになっている。我ながら呆れるほどのアホ面だと思う。それに気付いた姉らしき人が服の中からハンカチを出して涙を拭いながらどうしたか聞いてくる。

 

「だって、ユメとお揃いの買うって言ったのに。1つしか買ってない!」

私はそれを言い終えて大声で泣き始めた。昔の私は本当どうしようもなくガキだ。それはきっとあの人が誰よりも優しくしてくれるからだろう。甘えてしまうのをいつまでもやめれないから子供のままなのだ。

 

姉が私を肩車してあやしてくれる。だが私は家に帰り着くまで泣き止まなかった。私にとって姉とのお揃いのリボンはとても大切な事らしい。家に帰っても泣き止まない私に微笑みながら先程の長いリボンとハサミを持って来た。

 

「ユメ泣き止んで、これを半分個にしようと思ってたんだ」

 

私は泣き止み『本当?』と聞く。姉はゆっくり頷きリボンの真ん中を切り、半分を私に渡してきた。

 

「これでユメと私のリボンはお揃い」

 

私はすっかり機嫌が直り『お揃い』と笑顔で姉に言った。

 

「ユメは知ってるかな?リボンのおまじない」

 

私は首を横に振り話の続きを待った。

 

「1つのリボンを2つにして大切な人に渡すとどんなに離れてもずっと絆は繋がったままなんだって」

 

私は『本当?』と目を輝かせていた。所詮迷信の類だろう。もし本当なら私と姉は絆が繋がっている事になる。私には姉の記憶なんてない。だから絆を結んだ相手すら分からない。相手が憶えてても私には分からないのだから私からの絆は切れてるだろう。

 

姉は私の髪をリボンで結んだ後に自分の髪を結んだ。そしてそっと呟くように一言。

 

永縁結(えいえんむす)び。それがこのおまじないの名前」

 

そこで私は起きた。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

「相変わらず鬱陶しい夢ね」

 

私は寝巻きから巫女服に着替え、そして夢の中で出て来たリボンを付ける。私は何故かこのリボン以外を付ける気にはならない。他のリボンに興味が湧かない。だからと言って特別思いいれがある訳でもない。ただここの神社に連れてこられる前から付けていた物だったから付けてるだけ。

 

「はあ、境内の掃除でもして気分を変えよ」

 

私は竹箒で落ち葉をかき集める。一年前くらいに先代が死んでからはここの管理は全て私がしている。面倒くさいが修業とかを殆どしなくて良くなったからその点は良かったといえる。

 

たまに妖怪の視線を感じる事があるが、悪さをする気は無いようだし放置してる。私が正式に巫女として認められるのは後2年くらいか。14の誕生日を迎えたら私も晴れて博麗(はくれい)の巫女になるらしい。らしいと言うのは先代が言っていたから儀式をしたりしなきゃいけなかったりとかがあったら私には分からないので博麗の巫女(仮)のままだ。

 

先代に教わったのは戦い方と術、神社の手入れの仕方、後は博麗の巫女の心構えと宗教的な学問だったな。

 

教わった中でも博麗の巫女の心構えが一番楽だった。能力があるからその感情を浮かせれば良いだけだし。

 

私の空を飛ぶ程度の能力は空を飛ぶだけではなく色んなモノから浮くという拡大解釈で使える。感情、攻撃、距離、他にも色々とあるが挙げだしたらきりが無いので考えるのを止めておく。

 

「おーい霊夢(れいむ)ー!」

 

あいつか・・・

私は箒に乗って飛んでくる奴を無視して掃除に勤しむ。

 

「無視すんなよ。折角私が来たんだから盛大に持てなそうぜ?」

 

「嫌よ、大体何しに来たのよ魔理沙(まりさ)

 

どうせまたくだらない話だろう。いつもそうだ。魔理沙は天狗の様にそこら辺を飛び回り面白いネタを仕入れては私に話し、自分の考察や意見を述べてくる。

 

「実は今日かなりの特大なネタを仕入れたんだよ!これを見てくれ」

 

そう言って天狗の新聞を私に渡してきた。そこにはあの方の従者を密着取材などと書かれている。だが書かれてる内容は面白可笑しくその従者とやらをおちょくっている。

 

「別にいつもの天狗の新聞って感じだけど?」

 

私が魔理沙を訝しげに見ると魔理沙は『そこじゃないぜ。写真見ろ。写真』と言ってきたので見る。そこにはミニスカートの変わった洋服を恥ずかしそうに着る私よりも背の高い少女が写っていた。

 

「あー、これは完全に男ウケを狙いに記事を書いたのね。写真撮られた子は可哀想だけど、それだけじゃない?」

 

それを聞いた魔理沙が溜め息を吐き私の持つ新聞に指を指す。

 

「よく見ろよ!この人お前に少し顔が似てないか?それにお前と同じリボンしてるぜ」

 

言われてみれば確かにそうだが、顔くらい似ている人もいるだろうしリボンだって同じのをたまたま持っていただけかもしれない。先程の夢を思い出し、私は一瞬だけ夢の姉を想像するが直ぐに首を横に振り、想像を消しさる。

 

「気のせいよ」

 

「そうかなぁ?私にはお前の姉ちゃんって言われても信じるくらいに顔が似てると思うけどな」

 

胸に何か強い衝撃が走る。この感覚はなんだろう?ダメだ思い出してはいけない。私の中の何かがそう叫んでる。私は能力を使ってその感覚から浮く。大丈夫、何も感じない。博麗の巫女は動じたりしない。一呼吸置いてから魔理沙の言葉に反論する。

 

「世の中には7人は同じ顔の人がいるのよ。きっとそのうちの1人ね」

 

「じゃあリボンは?」

 

「そこら辺で買ったのがたまたま似てたんじゃない?」

 

魔理沙は『うーん』と唸りながら考え始めた。そして少し置いてから『まっいいか』と言って勝手に縁側から居間に入ろうとする。

 

「何勝手に人の家に上がろうとしてんのよ」

 

魔理沙は『ああ、悪い。お邪魔します』と言ってまた上がろうとする。この屁理屈魔女め。

 

「魔理沙には分からないようだからはっきり言ってあげる。私は上がるなと言っているの」

 

「私とお前の中だろ?茶でも出しといてやるからキリの良いところで掃除止めろよー」

 

「まったく」

 

昔から強引で屁理屈で身勝手な奴だ。だがこの底抜けに明るい魔理沙は親に勘当されて、今は魔法の森で一人暮らしをしている。意外と苦労してるのだがその苦労を微塵も感じさせないのは素直に評価出来る。

 

そうこう考えてるうちに落ち葉を集め終わった。私は魔理沙に頼み火を付けてもらい、集めた落ち葉を燃やす。その間に魔理沙が淹れてくれたお茶を飲む。

 

「ふぅ、仕事の後のお茶は美味しいわぁ」

 

「ババくさいな」

 

私は魔理沙を睨む。魔理沙は『すまん』と片手で謝って来た。謝るくらいなら最初からやるなと言いたいがどうせ言ったら『じゃあさっきのすまんは前言撤回だな』とか言い出しそうなので言わない。

 

私は腐れ縁の友人と午後を過ごす事にした。

 

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私は夢を見ていた。私は誰かの手を握っている。それが大切な誰かだと言うことだけは分かる。『私がこの娘を守らなきゃ』そんな気持ちだけが強く浮かぶ。

 

私はその娘を抱きしめる。強く、強く、何かから守ろうと必死に。

何かが私に触れる。その瞬間目が覚めた。

 

「何か悪い夢を見た気がする」

 

私は洗面台に行き顔を洗う。後ろから人の気配がし振り返ると紫が居た。

 

「今朝は随分と顔色がわるいわね?」

 

「ちょっと悪夢にうなされまして」

 

紫がどんな夢か聞いてきたので説明してあげた。すると少し眉間に皺を寄せて『そう』とだけ言って居間の方へ行ってしまった。

 

なんだったんだろう?夢占い的な何かとかかな?まさか不吉な事が起こるんじゃ!?私は今日1日周り注意して過ごす事にした。

 

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あの娘が思い出し掛けてる。あまり良くない事だ。過去の記憶など忘れて今を生きればいいのに、それが出来ないほど2人は強く繋がっているのだろうか?

 

先代はもう死んだからこの事を相談出来る相手は幽々子くらいしか居ないが、深く説明してないから事の重大さが分かるまい。とりあえず記憶の経過を見て、記憶が戻りそうならまた記憶の境界を弄ろう。

それが彼女の為だ。

 

色々考え込んでいると藍が話しかけて来た。

 

「何を考え込んでるんですか?」

 

私は藍に対して『ちょっとね』とだけ言って突き放す。この話は藍には重過ぎるだろう。最悪の場合は縁を殺さなければいけなくなる。藍にはその覚悟が出来ないだろう。橙に対してもそうだが基本的に藍は甘い、自分の身内を殺すなんて真似は出来ない性格だ。

 

私は縁をここに連れ込み、式にした時から決めていた。もしもこの娘が完全に記憶を取り戻した時は、たとえどんなに愛情感じていても殺すと。

 

「紫様怖い顔してどうしたんですか?」

 

縁が居間に入ってきて私の顔を見たのだろう。指摘されたので『ちょっと難解な問題にぶつかっただけよ』と言っておいた。まだ大丈夫。いつまでかは分からないけど今は・・・ね。

 

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私は箒に乗って夜空を飛んでいた。霊夢には適当に返事したがあいつの顔が一瞬だけ苦しそうになってたのを見逃す私じゃないぜ。

 

私はお茶を飲んだ後すぐに幻想郷中を飛び回りあの記事に載ってた人物を探した。だが結局情報は何も分からなかった。あの記事を書いた射命丸とか言う天狗はそこら辺に歩いてた美人に声を掛けただけだとほざきやがる。

 

分からない事があると知りたくなるのが魔理沙さんだぜ!この謎はいつか絶対解き明かしてみせる。じっちゃんの名にかけて!

 

 




今回も少なめです。
フラグがビンビンし過ぎてるなぁ。ちょっとやり過ぎちゃったかな?

明日から週一投稿に変わります。休みが土日なのでその辺りに更新していく予定です
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