東方縁伝   作:OFF豚骨

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来週は少し用事があるので投稿しません。
読者の皆様ごめんなさい。



平凡な日常

「えっと、この術式がこうだからこれを応用するには・・・」

 

私は頭を掻きながら魔道書とにらめっこしている。何故こんなことをしているかと言うと、先日の異変でパチュリーを介抱したからそのお礼に魔道書を読む許可と貸し出しの許可をもらったからだ。今は紅魔館でパチュリーの横で頑張って勉強してるんだが・・・

 

「あー分かんねぇ!」

 

「でしょうね」

 

「なんで分かんないんだよ」

 

「だって貴女が読んでるそれ、この図書館でもかなり解読が難しい本の部類に入るもの。しかもそれを自分の魔法に応用する為にアレンジしてればほとんどの魔法使いが出来ない」

 

「お前は出来ないのか?」

 

「出来るわよ」

 

「なんでだよ!ほとんどの魔法使いが出来ないんじゃないのかよ!」

 

「一応ここにある本の8割は解読してるし100年近くも本を読んでれば出来るようになるわ」

 

100年も読みふけるほど暇じゃないと言いたいところだ。私の横でずっとクールに魔道書を読みやがって。ん?あの魔道書絵が付いてないか?

 

「ん?それは解説用に絵でも付いてるのか?」

 

「これは漫画と言って普通の娯楽本よ。今私が読んでる名探偵コナンなんか面白いと思うけど読みたいかしら?」

 

「どういう内容なんだ?」

 

「推理漫画なんだけど犯人の動機が軽すぎたり物理的に不可能なトリックを使ったりするから犯人の特定が難しいのよ。でも最近になってようやく犯人になりそうな人を絞れるようになって来たからそろそろ予想が当たるかしらね」

 

「聞いておいて悪いけど興味湧かないぜ」

 

「そう」

 

そこで私とパチュリーの会話が途切れお互いに本を読みふける。

 

「ん〜、そうか!ここはこの術式に変えてっと、そうなるとこっちが打ち消されるな。となると次はここの術式が消えないように弄らないとな」

 

パチュリーが言う通りかなり難解な魔道書だが徐々に分かり始めた。もしもこれが師匠なら一瞬で理解するんだろうなぁ。いや、そもそも魔道書を読むなんてことしないか。あの人の魔法は全部オリジナルだから術式も他の魔法使いとかなり異色だしな。

 

「そう言えば貴女の住む森に魔法使いがもう一人いるらしいと噂で聞いたのだけれど本当?」

 

魔法使い?居たかそんなの?て言うか何で部屋からほとんど出ないコイツがそんな噂を聞けるんだよ。

 

「咲夜に聞いたのよ」

 

「あーなるほど、って完全に今のは読まれたな」

 

「まあ部屋から出ないから不思議に思わない方がおかしいし、それで居るの?魔法使い」

 

「私は会った事ないな。あの森の中を探索なんてした事ないしな」

 

「あら意外、貴女なら森を全て把握するまで調べそうな気がするけど」

 

「最初はやろうか悩んだけど霊夢より強くなろうと必死だったから調べる余裕なんて生まれなかったんだよ。そうこうしてるうちに調べる気無くしたんだよな」

 

「訂正文が一つあるんじゃないかしら?」

 

「どこかおかしかったか?」

 

「強くなろうと()()()()()じゃなくて、()()()()()でしょう?」

 

「ちぇ、うるせぇ」

 

「私は貴女があの巫女に劣るとは思ってない。むしろ互角かそれ以上になれる可能性があると思ってる」

 

「お世辞言ってもやれるもんはないぞ」

 

「お世辞じゃない。貴女と博麗霊夢の違いは、才能の開花が遅いか早いかだけよ」

 

才能の開花が遅いか早いかだけか・・・

そう言えば昔師匠にも才能の話言われたっけな。

 

『下手だねぇ、でもあんたは伸びる。あんたは天才にはなれないけど天才を超える努力の才能がある。挫けず拗ねず諦めず、そうすりゃいつかはデッカい才能の花咲かせるさね』

 

良し!と一言出して頬を両手で叩く。

 

「ありがとなパチュリー。お陰で気合いが入ったわ。先ずは咲夜を倒す。そんで縁も倒す。最後に霊夢を倒してドヤ顔してやるぜ!」

 

「急にどうしたかは知らないけど図書館で騒がない程度に頑張ってくれると助かるわ」

 

「おう!」

 

「魔理沙あそぼー」

 

気合いを入れ直して魔道書に向き合おうとしたらフランが私と魔道書の間から顔を出して邪魔してくる。

 

「あとでな」

 

「い・や」

 

「これが読み終わったらな」

 

「いつ終わるの?今でしょ!」

 

「いや終わらんし、てか何なんだそれ」

 

「んー、縁お姉ちゃんに教えてもらったの。いつやるの?今でしょ!って、いつやるのの部分は言いやすいように変えて良いって言ってたから実践してみた」

 

「意味不明なこと教えてんだな。まああいつらしいけど」

 

あいつ今頃どうしてんだろ?聞いた話じゃ八雲紫の友達の家に奉公に出されてるとか、マイペースで周りに迷惑かけてなきゃ良いけどな。

 

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「ちょっと縁何してるの!?」

 

「ん?あー、庭の手入れだけど?庭木が生い茂ってたから剪定(せんてい)してた」

 

「全部の庭木が葉っぱ一つ無い丸裸にされてるんだけど・・・」

 

「私が庭師として出来る道は二つ、全て刈るか、全て残すかだ!」

 

「偉そうに言うことじゃないし中間を作ってよ!」

「でも下手に中途半端にすると失敗するでしょ?」

 

「失敗されるより取り返しのつかないほど刈り取られてる方が問題なんだけど」

 

「大丈夫大丈夫、幽々子様には刈り取る許可はもらってるから」

 

それを聞くと妖夢は一目散に屋敷の中に入り大声で幽々子の名前を呼ぶ。いや〜庭師って大変だなぁ。

 

取り敢えず次の仕事に移るかなっと。

私は軽く服に付いた葉っぱを払い西行妖の方を見た。

 

「あれの桜が咲くのかぁ、綺麗そうだなぁ」

 

「そうでしょ?」

 

私が声がした方へ振り向くと幽々子が立っていた。

 

「あれ?妖夢がそっちへ行ったんじゃ・・」

 

「話はすぐ終わったから今晩のごはんのおかずを買いに行かせたのよ〜」

 

「なるほど」

 

「それより綺麗な桜見てみたいと思わないかしら〜?」

 

「まあ気にはなりますね」

 

それに予定では春雪異変の時に見れるから余計にこの桜が気になる。

 

「この桜は決して咲かないの、それが冥界にあるからなのか、誰かのせいなのかは分からないけど今まで私は咲いた所を見たこと無いの」

 

「妖怪だから咲く周期が普通の桜と違うとかですかね?」

 

「さあ?ただ言えるのはこの桜が咲いたら私の大事な思い出を思い出せそうってことかしら〜」

 

「思い出?」

 

「そう、私は亡霊になってからの記憶しかないから正確には分からないけど、この木を見ると懐かしさと同時に咲かせなきゃって気持ちになるの。だからこの木に桜が咲いたら何か思い出すんじゃないかと思って・・・」

 

記憶は無くても心や身体が憶えてるって事なんだろうか?でもこの桜が咲くって事は封印が解けて幽々子の亡骸が出てくるはず、そんな事になれば幽々子はもう亡霊ではいられない。きっと成仏してしまうだろう。それに西行妖が咲いたら紫でもヤバかったはずだ。私の東方の知識を今こそフル回転して危なげなく異変観戦出来るようにしなきゃ。

 

「でも西行妖はとても危険な妖怪です。花を咲かせるのは幻想郷の賢者である紫様が許さないかと」

 

「そうね〜。縁ちゃんも確か記憶が無いのよね?」

 

「はい、式になる前の記憶は何も思い出せません」

 

「じゃあもしも記憶が取り戻せそうな事があったらどうする?」

 

記憶が取り戻せそうならか、今の生活は楽しいし満足してる。でも紫に教えてもらった私の過去だけで納得出来るだろうか?

 

目の前に記憶が戻るきっかけになりそうな物があったら、もしかしたら私の両親が生きてるかもしれないし戻って損は無いとか思うだろうな。例え悲惨な記憶も戻ったとしてもそれ含めて私だし。となると答えは簡単に出てくるな。

 

「記憶を取り戻そうとしますかね。別に必死に記憶を取り戻そうとするわけじゃなくて戻れば良いなぁくらいの感覚で」

 

「私が言いたい事は理解出来たかしら〜?」

 

「はい、でも危険を冒してまでやることですかね?」

 

「この桜を咲かせなきゃって気持ちになるって事はきっと私にとって大切な記憶なんじゃないかしら〜?良くも悪くも」

 

「開けてみないと分からないパンドラの箱ってヤツですね」

 

「そうそう。もしも私が異変を起こすと言ったら縁ちゃんはどうするかしら?」

 

「私は」

 

「ただいま帰りましたー!縁荷物運ぶの手伝って!」

 

「あっ」

 

「ふふふ、こんな話よりごはんの方が大切ね。縁ちゃん手伝ってあげて」

 

私は軽くお辞儀をして妖夢の元へ走る。

 

「うわすごい荷物の量・・・これ1人で運んだの?」

 

「当然でしょ!縁を連れて行こうと思ってたけど幽々子様が1人で行けって言うから1人で行って来たの。いつもの量に縁が食べる分も入ってるから割と大変なんだからね?」

 

「へへぇ〜妖夢の姐さんには頭が上がりやせんぜ!」

 

「ふざける暇があったらさっさと台所に運ぶ!」

 

「りょーかい」

 

くだらないおふざけを挟みつつ食材を台所を持って行く。妖夢は台所ですぐに料理の準備に取り掛かる。この無駄の無い私達のコンビネーションはそんじょそこらの奴らには真似出来ない程に完成されてるのだ!と思いたい。

 

先程までの真面目な思考が嘘のように飛んだがこれでいいのかもしれない。深く考え過ぎるのは良くないしそれになるようになるしかないしね。やっぱり持つべき物は友達だ。妖夢のおかげで私は思考がクリアになった。

 

「愛してるぜ妖夢」

 

「な、なに急に気持ち悪い事言ってんの!?」

 

「まあ気にしたら負けだよ妖夢。取り敢えずさっさと料理終わらそ」

 

「確かにそうだけど」

 

「妖夢〜、縁ちゃ〜ん、ごはんまだ〜?」

 

「もう少しですから待ってて下さい!」

 

幽々子の催促コールが始まったので調理速度を速める。しかし紫様みたいに修業させられたりしないから楽だなぁここ。やるのは妖夢の手合わせの相手くらいだし。修業がないって素晴らしい!

 

「良し完成。縁そっちのお料理から持ってって」

 

「言われなくてももう手に取ってるよ」

 

「流石ね」

 

こうやって大量の料理を運ぶと紅魔館の事を思い出す。そういえばアレはどうなったんだろ?咲夜さん喜んでくれてるかな?

 

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大広間での食事を終え、みんなで美味しかった食事の余韻を楽しんでいるところに私は咲夜にプレゼントを渡そうとしていた。

 

「咲夜、これ私からのプレゼントよ」

 

「ありがとうございますパチュリー様。開けてみてもよろしいでしょうか?」

 

「ええ」

 

咲夜は箱を開けて中身を取り出す。手には博麗霊夢が所持していた陰陽玉を模した星マークの付いた玉を握っていた。

 

「これは・・・」

 

「霊夢の陰陽玉を参考に自動追尾型の魔法具を作ってみたの。貴女に合わせて作ったから他の者には扱えないけどまあその分手足の様に使いやすいとは思うわ」

 

「ありがとうございます。ん?この紙は?」

 

「ああそれ、自動追尾型魔法具じゃあまりにも名前が長いし覚えにくいと思って縁に宴会の時に名前を考えてもらったの。私もまだ見てないからどういう名前になるか楽しみね」

 

「早く紙を開いてみろ咲夜。縁の決めた名前が私も気になる」

 

「お姉ちゃんならきっと良い名前にしてくれてるよ〜♪」

 

「縁さんなら咲夜さんにぴったりの名前をつけてくれてますよ」

 

「ふざけた名前かもしれないとか誰も思わないんですかねぇ」

 

各々言いたい事を言うなか、咲夜は紙を広げた。

 

「こ、これ本当に縁が考えたんですか?」

 

「ええ、間違いなく私が箱に詰めるとき一緒に詰めたからそのはずだけど」

 

「見せて見せて〜」

 

フランがそう言いながら咲夜の持っていた紙を奪い取り紙を見た。

 

「・・・マジカル★さくやちゃんスター」

 

ああ、縁を信じ過ぎた私が馬鹿だった。

 

「それ今から別の名前を」

 

「カッコイイ!!」

 

声がした方を全員がぽかんとした表情で見た。

 

「良いじゃないか咲夜!こんなにセンスを感じさせる名前を思いつくとは流石私の縁と言うべきか」

 

「えっ、いや、はあ」

 

そう言えばレミィのネーミングセンスも絶望的だったのを忘れていた。これが本気で考えた名前なのかふざけて考えた名前かはもう意味を成さなくなった。主のレミィがこれをカッコイイと言った時点で咲夜には拒否権が無くなってしまったからだ。

 

「いや〜流石縁さんですね。メイド長にこんな素敵な名前のマジックアイテムをプレゼントされるなんて、気分は良いですかぁ?マジカル★さくやちゃん」

 

その煽りに耐え切れず小悪魔が針千本のようにナイフが刺さりまくっている。

 

「お姉ちゃんのセンスがお姉様と一緒なのはちょっと引いたけどそれでも私はお姉ちゃん好きだもん」

 

フランはフランで自分の世界に浸ってるし。

 

「いや〜縁さんが関わると賑やかになって楽しいですね〜」

 

美鈴は相変わらずのマイペースっぷりね。

 

「はあ、本当にあの娘が関わると騒がしくて本もゆっくり読めないわ」

 

私は1人テラスに出て月の無い新月の夜空を眺めながら縁の事を思い大広間が静かになるのを待つのだった。




ゆっくりやると宣言しておきながら異変やるぞやるぞムードになってしまった。魔理沙さんは王道主人公臭が漂うな。霊夢のような天才系も嫌いじゃないけど王道はやっぱりしっくりくる。

そして幽々子は妖々夢の重要キャラなので扱いずらいよ。妖夢とセットじゃないと胃もたれしちゃう。

マジカル★さくやちゃんスターこれ以上言う事はない。
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