fate/GO カスタマイズ   作:章介

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初投稿です。よろしくお願いします。


第1話

聖杯戦争

7人のサーヴァントが聖杯を求めて互いにあらゆる手段を用いて殺し合い聖杯を降臨させる魔術儀式。

聖杯には別段興味がない。というよりもどの記録を詠んでもマトモに使われた試しがない。まあその気になれば人類史を崩壊させる様な品だ。抑止が動かないはずがない。使わせて貰えないという意味では成る程、確かに人の手には余るものなのだろう。

だが、サーヴァントーーー英霊については話は別だ。彼等は個人に一騎当千、いやさ宝具によっては一国すら容易に堕とし得る力を与える。また、彼等そのものも人の輪から生み出されたためか外部から直接干渉された記録が非常に少ない。しかも令呪という首輪付きだ。力を欲している連中からはとても扱いやすい存在だ。

私にとって幸運なことに、その力を得る手段が身近に、しかも比較的容易に噛める位置に存在する。

その名は人理継続保障機関・カルデア。何をトチ狂ったかは知らんが、未来の安全保障だなどというものを追求する組織とのこと。馬鹿馬鹿しい。アトラス稀代の天才錬金術師の末路を考えればその行いが何処に向かうかは想像着くだろうに。案の定突然「2016年人類の滅亡」が証明され、安全保障どころか寧ろ滅びに向かわせたのではないかと突き上げられているそうだ。窮した連中は過去への干渉という禁じ手に出た。それだけでは飽き足らず、天秤の守り手たる英霊まで巻き込んだようだ。

守護英霊召喚システム・フェイト。私がこんな下らない茶番劇に付き合う最大要因。彼等との邂逅の時まで、精々薄い猫の皮を被り、尻尾を振るとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーさて。

所長殿の下らない演説を終えて退出する。大胆にも遅刻をやらかし、尚且つ悪びれる感情がないのか、居眠りまでするとは変わった候補者も居たものだ。まあ、これから会いに行く人物の機嫌を著しく損ねてくれたのだから、私には迷惑以外の何物でもないのだが。

 

「失礼、オルガマリー所長」

 

先程の件を引きずってか未だ肩を怒らせて歩く女性に後ろから声を掛ける

 

「・・・何かしら。この大一番の前だっていうのに私を呼び止めるなんて、問題児はもう一人いたの?」

 

失礼な、私はあそこまでハッスルしてないし、時間の無駄を感じているのはお互い様だ。

 

「大変申し訳ありません。しかし、この世紀の大一番にどうしても所長にお願いの儀がありまして・・・」

 

途端に此方へ向き直り口を開く所長。

 

「・・・話してみなさい。内容によっては考えてあげる。ただし、つまらないことなら相応の報いを受けてもらいます」

 

・・ちょろい。碌に付き合いもない女だが、実に分かりやすい思考回路をしている。彼女は極度に頼られること、評価されることに飢えている。その方面で攻めれば実に話が早い。

 

「ありがとうございます。実はお願いというのが、レイシフトを第一陣と第二陣に分けて頂きたいと思いまして」

 

「どういう意味かしら。我々カルデアの作り上げたシステムが欠陥品だとでも?」

 

おっと。これで逆鱗に触れるか。想像以上に余裕のない人だな。

 

「滅相もありません。しかし今回の試みは何もかもが手探り。加えてその行いも人知を超えたもの。であればあらゆる事態を想定して限られた人材を万一に備えて分散すべきかと思いまして」

 

なんて言ってはみたが、これが通るとは欠片も思っていない

 

「・・・悪いけど事態は切迫しているの。貴方の言う限られた人材とやらを遊ばせておく余裕も、出し惜しみしている暇もないの。臆病風に吹かれたのなら今すぐここから去りなさい」

 

やはりな。そもそもぽっと出の半部外者の意見で左右されてたら世話ないしな。それに此方の本命はこれからだ。

 

「では、せめて保険として一人残して下さい」

 

「しつこいわね。でも、一人位なら別に構わないわ。丁度良い数合わせ君も居たことだし」

 

待った待った、やっぱり馬鹿か、こいつ

 

「お待ちを。万一の保険に一般人を置いてもどうにもなりますまい。なので、私を残らせて下さい」

 

そういうと所長はあからさまに侮蔑の笑みを向けてきた。うっとうしい。

 

「やっぱり臆病風に吹かれたんじゃない。そんなのが残っても保険になるのかしら?」

 

「・・少なくとも48番より13番の方がマシかと」

 

さて、どうなるかな?

 

「良いわ。そこまで言うなら二人残してあげる。その代わり何事もなければ今回の貴方達のレイシフトは禁止します」

 

「構いません。その時は人類史に残る偉業を指を咥えて見ていることとします」

 

私の返しに満足したのか、振り返ることなく所長は去っていった。私の方も大満足だ。まさかここまで都合の良い展開に運べるとは。

この数分は我ながら人に見せられない笑みを浮かべていただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いざ運命の瞬間。カルデア内の誰もが固唾を飲んで世紀の一瞬を見守る中、当然私もその輪の中にいるーーー筈もなく、全ての視線が一箇所に集まるこの瞬間、私はとある場所に来ていた。

 

「ふむ。召喚触媒がない、か。当たり前だがな。しかし現地で召喚とは正気とは思えんな。歴史が狂う程の異常事態に裸一貫で挑むとは。ともかく、霊脈と装置があることだし、問題ないな」

 

そう、私が居るのは守護英霊召喚システム・フェイトが設置された部屋。

 

「ーーー告げるーーー」

 

さあ、ここから私の計画がはじまる。

 




ここまで読んでいただきありがとうございました。
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