fate/GO カスタマイズ   作:章介

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第10話 第1章 邪竜百年戦争

 

side 禅城

 

「・・・・・・前途多難、ですね」

 

うん、全くだね。戦力増やしたは良いけど、不安材料まで増えてるなんて笑えないよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでマシュと二人で遠い目をしているかというと、我が素晴らしい陣営の人間関係がとんでもなく悪い、ということだ。

 

気持ちを新たにレイシフトを行い、やって来たのは百年戦争期のフランス。見渡す限り一面の緑なんて実に絵になる風景、と言いたかったが深々と残る戦渦の爪痕が痛ましい。なんて言っていたら爪痕どころか絶賛戦渦拡大中の様子。今の時期だと戦争は一時的とはいえ、停止している筈とロマンは言っていた。

 

ならこれは後天的に歪められた事象であることが濃厚。早速調査だ、と意気込んだは良いけど、敗色濃厚な兵士さん達に敵だと思われて襲われるわ、明らかにこの時代から外れた怪物達までいるときたからさあ大変。

 

まあでも、この位なら問題じゃない。その程度のトラブルなんてとっくに覚悟していた。じゃあ何が問題かというと最初に言った人間関係だ。

 

何を馬鹿やっているのか、今絶賛戦闘中だって時に思いっきり喧嘩してやがります。どいつもこいつも良い大人なのにね。それどころか、エミヤが前線で兵士さんの攻撃を捌いていたらクーが諸共に呪いぶち込もうとするし、怪物相手にクーがルーンぶつけようとしたら、丁度詠唱が終わって発動ってタイミングでエミヤが剣の雨で魔術ごと敵を吹き飛ばした。『おっとすまない、あんまり君がのんびりしているものだからよかれと思って蹴散らしてしまったよ』なんてドヤ顔で言うものだから加速度的に雰囲気が悪くなる。

 

ただこの二人、主義信条で反りが合わないだけで、相性そのものはそう悪くないんじゃないかな?だってどれだけいがみ合っていても、僕への防御とマシュへのフォローに関してだけは完璧にこなしている。普通本当に相性が悪いなら足の引っ張り合いになりそうなのに、どちらもお互い何処までやれて何処が間に合わないかを把握して合わせて動けてる。これで二人がもっと大人の対応をしてくれたら良いんだけどな。

 

「大将、そいつはちょっと厳しいんじゃねぇの?ありゃてめえのこ理屈押し通してなんかやり遂げて、ついでにそれのせいでくたばった連中だ。折り合いなんて概念ハナからなさそうだぜ」

 

こらこら、君もトラブルメーカーその3なんだよ。この時代の兵士さん達囮にスナイプしたり、周りの迷惑アウトオブ眼中で『破壊工作』スキル使いまくるから二人を何度もキレさせてるでしょ?

 

「だってそーでしょ。人理定礎って致命的にやらかさなきゃ後で上手いこと書き直してくれて無かったことになるんでしょ?なら限られた手札は有効活用ってもんでしょ。そら正義や誇りで敵がくたばりゃ結構だが、俺は使えるもんで仕留めるリアリストなんすよ」

 

・・・話を聞いているとやっぱりロビンは弓騎士じゃなくて狩人なんだな、て思う。基本狩りでは不意打ちや撒き餌は戦術や手段ですらなく、迷彩や消音などのような『当たり前の所作』だ。ここら辺の意識の違いが、矜持に背かないのが前提の騎士や、邪道外道を弾劾する正義の味方との軋轢になるね。どうにかなんないかな。

 

それはともかく、エミヤやクーは兎も角、ロビンまでこんなに精力的に動いてくれてるのは意外だね。何かやる事はキッチリ仕上げるけど、それ以上は面倒って印象だったから。世界の為、未来の為ならなんのそのってキャラじゃないし。

 

「ま、確かにそーなんすけどね。正直顔も知らない誰かさんの為にまで熱くなんてなれねぇし、俺は所詮村一つ守るので精一杯な優男だし?

けど、人間はもうつまんねぇから消えろ、みたいな理屈はちょいと我慢ならなくてな。『旦那』の生き様全否定されてるみたいで反吐が出そうなんだわ。

・・・あと、俺が夜も寝ないで昼寝して、必死こいて働いてんの誰の所為だと思ってんのさ?」

 

・・・・・へ?どゆこと?

 

「あのなぁ、おたくはこの時代の住人じゃねぇでしょ!腕が捥げようが、毒でくたばろうが、修正力は何にもしてくれねぇの。そんでもって、おたくが殺られりゃあ俺たちも世界とサヨナラ、人理直せる奴も他にいないし、皆揃って御陀仏なワケ。後でやり直しがきく奴らとどっちを優先するかなんて言うまでもねぇだろ」

 

 

・・・・・・・・ハァ。何でうちの男サーヴァントは捻くれた奴の集まりなんだろ。男のツンデレ×3とかショウジキナイワー。

 

 

「「「誰がツンデレだ!!!?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーあれ?意外と問題なくね?

 

『キリツグ君、いきなりどうしたんだい?現実逃避したくなるのはわかるけど、蘇芳君は既に精力的に動いているみたいだ。頭が痛いだろうけど、何とか彼等を纏めて状況を把握して欲しい』

 

簡単に言わないでよ、ロマン。あいつらをキャッキャウフフさせるのは万能の願望器でも無理だと思うんだ。

まあそれは兎も角、颯爽と別行動に移った蘇芳に迷惑掛ける訳にもいかないしさっさと進みますか。あの人適当に暴れて現地勢力に恩を利子つけて押し売ってくるそうだ。兵士さん達、うん、まぁ、頑張れ。僕らの動きを目立ちにくくするためとか言ってたけど、あれ絶対他に何か企んでるわ。

 

・・・なんて呑気に構えていたら、最近見た某ヒロインのそっくりさんとそこはかとなくする嫌な予感、そして荒ぶる兵士さん達と遭遇した。救いは無いんですかね。

 

「センパイ、やっと人理定礎復元のヒントを得られましたね!」

 

うん。君も本当にブレないね、マシュ。僕も君を見習って前向きに考えなきゃね。パーティとしてはこのレイシフトがデビュー戦なんだし、信頼や絆はこれから作っていくものなんだ。きっと一月もすれば『あぁ、こんな馬鹿な事やってたなぁ』なんて笑いあえる時代が・・・

 

「おいコラ弓兵!!効率だの状況判断だの無駄に無駄口叩いときながら女の助太刀は我先にってのはどういう了見だ!」

 

「誤解を招く言い方はやめたまえ!彼女がサーヴァントなのは我々なら一目で分かるだろうが!彼女は間違いなくこの状況の重要人物、味方に引き入れようとするのは当然だろう。

大体、真っ先に動いたのは私ではなくそちらの緑茶だ!というか貴様、諸共に毒をばら撒くのは止めろ!後で話が拗れる!!」

 

「ちょっ!?おたくらの馬鹿馬鹿しいやり取りに俺を巻き込まんでくれません!?

あっちの嬢ちゃんも兵士さん方も味方になるって誰が決めたんだよ。そんなら解毒剤を餌にした方がよっぽどスマートに事がすすむってなもんだ」

 

「あ゛!?敵かどうかもわかんねぇ奴に不意打ちカマした挙句に脅迫だぁ?んなふざけた真似誰がーーー」

 

「はあ?おたく頭大丈夫か?凡ミスすら許されねぇ状況で、んなことーーー」

 

 

・・・笑える時代が、来るの・・かな・・・?

 

 

はあ、もう疲れた。今夜の晩御飯は蘇芳のマーボ「「「すいませんでしたああぁぁ!!!」」」・・・あれ?




ここまでご覧いただきありがとうございました。
ロビンまで麻婆嫌がったのは、ムーンセルでうっかり口にしてしまったことと、召喚されたあとがっつり洗礼をうけたせいです(笑)
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