fate/GO カスタマイズ   作:章介

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少し投稿が遅れてしまいました。私のスマホにまさかのクリストフ伯爵がお出でになられたので育成にラミアを数え切れないほどハンティングしてました。すいません。

では、本編どうぞ!


第12話

 

 

side 禅城

 

 

「ーーーこんな小娘に縋らなければならなかったとか、この国はネズミの国にも劣っていたのね!」

 

 

 

こんにちは、禅城です。今絶賛大ピンチです。

蘇芳からアドバイスという名の死刑宣告を受けてから慌てて行動を起こしたは良いものの、まさか目的地のラ・シャリテでその処刑人達とカチ会うなんてな。街が襲われている事に意識を割き過ぎて、肝心のルーラーの探知能力への警戒を疎かにしたのは失態だった!

けど、まだ万策尽きた訳じゃない。一番警戒心の強いロビンが予め『顔の無い王』で姿を消してくれていたおかげでノーマークだ。此方のハンドサインでいつでも動ける様に待機してくれてる。アレはどうやら探知関係のスキルを無視出来る様だ、凄い便利。

 

「ーーー何とも強欲な女だな。それでは魂は余が戴こう!その高潔さ、その意思!値千金の宝玉にも勝る代物よ!!」

 

「魂等得て何の意味があるのです?例え宝玉程の価値があろうと、私は至宝よりも私を宝以上に輝かせてくれる物の方を選びますわ」

 

 

おっと、連中も折り合いを付けて仕掛けてくるらしいな。眼前に立つのは2騎のサーヴァント。一人はあからさまに貴族、それも相当位の高い人物だと窺わせる威風堂々とした武人。もう一人は、明らかにアレな感じの風貌に、其れでも微かに気品を感じさせる女性。貴族に怪物とくれば、真名の候補は限られてくるが、問題はそこじゃない。

 

先程黒ジャンヌも言っていた、『バーサーク』という単語。ここから察するに、どうやら敵陣営は全員、もしくは多くが狂化のスキルを植え付けられている。敵サーヴァントの能力との兼ね合いにもよるが、数の暴力にサーヴァントの桁違いの性能に狂化が追加されるのは厳しい。もし蘇芳の勧めで2騎の戦力が無ければ絶望的だっただろう。

 

「やれやれ、500年も過去に来たというのに、やる事は化け物退治とは芸が無い。良い加減マンネリは御免なのだが」

 

「ハッ!英霊の仕事なんざ怪物退治とゴミ掃除以外に何があるんだよ。そこらの人間にやれる用事が廻って来る筈もねぇし、ありゃ化け物っつうより悪霊か亡霊の八つ当たりだろ?おめぇもあともうちょい捻くれりゃあ、アレの仲間入り出来たのにな」

 

「これは耳が痛いな。呑気に自分の筋を通した果てに、自分で立てた誓いを破らされて死んだ男の言う事は一味違うな」

 

おうコラ敵の前で喧嘩すんな。明日から三食麻婆食わすぞ。

 

「マズイな。我々の自爆スイッチにマスターの指が掛かったらしい」

 

「・・・そういや、俺たちよりLUC値低そうなあの坊主も来てるんだったな」

 

やれやれ。頼むから最中にまで喧嘩するなよ。

とりあえず作戦は各個撃破。クーは仮面の女の足止め、エミヤとマシュ、それからジャンヌは槍持ちを速やかに仕留める。狂化で技量の落ちた攻撃なら戦巧者のエミヤが相性が良い。でも怪物補正と狂化補正に任せて相打ち狙いで攻撃を当ててきそうだからマシュとジャンヌは際どい攻撃に対して加勢。攻撃で上手く相手の態勢を崩して欲しい。

クーは相手を縫い止めて欲しい。別に倒しても良いし、あの仲なら連携は先ず無いだろうけど、片方を囮に不意打ちされるとマズイから何もさせ無いよう努めてくれ。

ロビンは静観。恐らくここで敵を仕留めるのは不可能だろう。流石に旗色が悪くなれば他の3騎が動く筈だ。此方の戦力がこれだけと思い込んでいる隙を狙って強襲。それを頼りに離脱する。第一目標は当然全員の生還。次に敵戦力の把握。最善は後衛に割り込ませずに首級を上げること。全員、戦闘開始!来るぞ!!

 

「「「「『了解!!』」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絶叫せよ!!!」

 

「疾ッーーー!」

 

ランサーとエミヤ、互いの獲物がぶつかり合い火花を散らす。人ならざる豪腕から扱き出される幾槍もの刺突を双剣を持っていなし、払い、受け流す。確かにランサーらしき怪異の暴力は脅威的だ。マシュのように受けて凌ぐ使い手ならば碌に身動きも取れずに振り回され、盾より先にそれを担ぐ腕を駄目にされた事だろう。

けど、エミヤは殊更格上相手の戦闘に関して経験豊富であり、力で劣る手合いにどう凌ぎ合えば良いかは身体に染み込ませてある。相手の猛攻を裁く所か、隙を見て反撃をする余裕すらある。

だが、眼前に居る怪物はその利を持ってしても厄介極まりない。注目すべきはその耐久性、エミヤの反撃に対して怯むどころか一番攻撃されたくないタイミングーーー既に深く踏み込んでおり、此方の攻撃は必中だが向こうの攻撃もまた躱しきれ無い状況ーーーで槍を推し進めてくる。自爆以外の何物でも無い行動にエミヤも対応が遅れる。

はっきり言って正気を疑う行動だ。確かにあのタイミングなら確実に一撃を喰らわせられるが、エミヤクラスの使い手にその隙は致命的だ。どれだけ必殺足り得てもその前に急所を貫かれる。

 

「なるほど。これが聖杯を取るための戦いと、聖杯を奪うための戦いの差異か。無尽蔵の魔力を相手取るのは骨が折れる」

 

しかし、その不可能を可能にしているのがランサーのスキル『戦闘続行』と聖杯だ。あのスキルにより霊格を完全に破壊でもしない限り致命傷でも消滅せず、そのタイムラグの間に聖杯からの膨大な魔力供給によって強引に傷を塞いでしまう。何とも凶悪な組み合わせだ。唯の英霊ならこうはいかない。正しく怪物の特性を活かした戦術だ。

 

迫り来るランサーの凶槍。エミヤの一閃が先に首に届いたというのに微塵も乱れることなく振るわれる一撃は当に必殺。しかしエミヤは不敵な笑みを少しも揺らさない。まだ短い付き合いだが、彼女達に寄せる信頼は決して小さくはない。

 

「させません!!」

「そこです!!」

 

マシュが低姿勢から抉りこむ様に全身のバネを使って盾を突撃させる。人間の態勢を維持する上で重要な腰を斜め後ろから衝撃で無理矢理崩しに掛かる。流石の凶戦士も態勢が乱れ、その隙を逃さずジャンヌが追撃する。旗を棍の如く振るい足元を払う。唯でさえ乱れていた重心により、ジャンヌの筋力でも派手に崩れ落ちるランサー。勿論この絶好の好機をのがすエミヤじゃない。既に手元の双剣を手放し、愛用の弓に切り替え、必中を狙える準備を整えている。

 

「喰らいつけ!赤原猟犬(フルンディング)!!」

 

うわ、エゲツない。絶対避けられない態勢の相手に更に念を入れて追尾型の矢を打ち込んだ。更に宝具の一撃であり、仮に気合いで多少逸らしたとしても十分霊格を破壊出来る一発だ。後ろにいた敵サーヴァントが色めき立つがもう手遅れだ。全員が一秒先の戦果を待ち侘びる中ーーー

 

「ーーッ!?何だと!!」

 

ーーー 一発の黒い光弾により、その未来は打ち砕かれた。妙に背後の戦闘音が小さいと思っていたが、どうやらもう一騎のサーヴァントは自分の使い魔の屍兵を展開しただけで碌に戦闘もせず、ランサーをダシに戦闘を俯瞰していたようだ。しかも妨害を悟られないよう俺達の視界から外れる位置から仕掛けてくる念の入れようだ。短絡的で好戦的かと思いきや、かなり狡猾な性格のようだ。クーなら相性的にも問題ないと油断した俺のミスだ!

とはいえ、魔力その物は大して強力ではないのか、狙いを逸らされ、威力を僅かに減衰されこそしたが、ランサーに強力な一撃を喰らわせられた。あれなら暫く動けないだろう。

尤も、倒せたのと重傷を与えられたのでは此方のモチベーションに大きく違ってくるが。

 

「あら、悪魔(ドラクル)と謳われた吸血鬼(バケモノ)がこんな小娘達に遅れを取るとは、もしや恩情をおかけになったのかしら」

 

「・・・ドラクル、か。成る程、道理で手強い訳だ。かの串刺し公が御相手だったか」

 

やはり、候補には上がっていたが最悪だな。ドラキュラーーーかつて小説家ブラムストーカーが狼男をモデルに生み出し時代性によりいつの間にか狼男を上回ってしまった、想像が現実を塗り替えてしまった事例の最たる存在。そして人々により染み付いた吸血鬼というイメージが本来の姿たらしめる信仰を捻じ曲げられた男。それはルーマニアの救国の英雄、ヴラド3世を置いて他に居ない。

さて。となるともう一騎の方は恐らく・・・。

 

「・・・不愉快だ。よもや衆目に余の真名を晒すとはな。流石は鼠に逃げられ破滅したチェイテの血の伯爵夫人、いやさカーミラよ。後先を考える能力は未だ得られなんだらしい」

 

やはりか。血の伯爵夫人エリザベート・バートリ、何十人と罪のない少女の血を湯水の如く浴びたと言われる稀代の悪女。あの後ろに引きずる鉄の処女から割と丸分かりだが。

しかし彼女に関しては魔術関係の逸話は無かった筈だから、あの魔術擬きは恐らく『無辜の怪物』としての面を強調されたことによって身に付けたものか。道理でヴラド3世程のプレッシャーはない訳だ。

彼女の力は串刺し公の武勇と異なり、実際には存在しない虚飾の力だ。どれだけ知名度補正や怪物補正が有っても本物には劣る。さらにアサシンというクラス補正からも直接戦闘は得意とは言えないだろう。まあ拷問による犠牲者の苦痛を、余すことなく味わうために磨かれた観察眼に折角の好機を潰されて置いて言えたことじゃないが。

 

「・・・正直、油断していました。そして私の落ち度です。血を啜るなどという目先の目的の為に貴方達が手心を加える可能性を考慮するべきでした。アサシンが予想外に冷静でいてくれたお陰で優秀な手駒を失う所でした。もはや僅かなミスも許されません。目下最大級の目の上のタンコブが健在である以上、これ以上の戦力低下は望ましくありません」

 

・・・やばい。向こうが本気になったらしい。ていうか蘇芳サーン。あなたどんだけ派手に暴れてるのー?この人達の警戒心を無駄に上げないで。せめて上げるなら後始末をこっちに投げないで!?

 

などと若干現実逃避しながらロビンに撤退の合図を送ろうとしたところ、突如戦場に突き刺さった一輪のガラスの薔薇。・・・へ?薔薇?ガラスの?この時代にこんなふざけた代物作れませんよね?てことはまさか・・・。

 

「ーーー優雅ではありません。この街の在り様も、その戦い方も、思想も主義も、あとついでに先程この窮地を教えて下さった殿方の顔色と魂のイケメン力もよろしくないわ!!」

 

この窮地(脱出手段は確保してある)に駆け付けた新たな人物は、混迷した状況に光を指してくれる導き手か、それとも事態をより面倒にして頭を抱えさせてくれるトラブルメーカー(回避手段不明)なのだろうか?

 

 

 

 




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