次はなるべく早く登校したいと思います。
それではどうぞ!
「ふう、ここまでくれば十分だな。ここなら迎撃するのに適してるし。それじゃあ各自休憩に、それと二人一組で見張りに入ってほしい。後、キャスタークラスの人は感知のみで良いから簡易結界を作ってくれ」
「あら、そんな些事私一人で十分よ。三流の魔術を見せられても不快だし」
「・・・まあ、神代の英霊様と比べられてもね。僕の本業はあくまで音楽家だしね」
はい、こんにちは、禅城です。今日だけでかなりの出来事が起きました。
あの後、辛くも黒ジャンヌたちから逃れることができたが、追撃として一気のサーヴァントが迫っていた。その真名はマルタ、聖女マルタとして名高い、ドラゴンバスター(笑)だ。さすがに聖女と呼ばれるだけあり、狂化に抗い、人理の焼却に抵抗してくれた。最も、結局全力で戦うことになったんだけどね。どうして昔の人って試練に託けて人を死ぬ気で戦わせるのかな。
それはともかく、彼女は最後にとても重要な情報を提供してくれた。それはこの時代に竜殺しのサーヴァントが召喚されていること、そして敵に狙い撃ちにされ、満身創痍である、ということ。
黒ジャンヌは通称「竜の魔女」だ。ならば彼女の切り札は、翼竜などではなく、本物の竜種、もしくはそれに類するものだと考えられる。なるほど、マルタが竜殺しの生存にすべてが懸っている、といったのもうなずける。・・・まあ、あの細身の魔術師ならそんなの知るか、の一言で何とかしそうだけど。
その後、幸い竜殺しの英霊―――ジークフリートと合流することができた。しかし、彼は強力な呪いに侵されており、現存勢力ではどうすることもできなかった。ジャンヌが言うには、あと一人聖人がいれば完全に祓うことができる、とのこと。それでも彼は、俺たちのわずかな浄化と治癒で立ち上がってくれた。マシュとジャンヌの宝具でも成す術がなかった邪竜を宝具の一振りで撤退させて見せた。
そのあとは全速力で撤退、その途中でメディアとも合流、現在に至る。え?オペラ?メディアが瞬殺しましたけど何か?
滅ぼされた村を触媒に結界と使い魔擬きのグールを作成したようだが、メディアに結界とのつながりそのもの上書きされ、主導権を奪われたようだ。かなりの量の魔力と生気を用意して待ち構えていたようだが、自身を滅ぼされるために使われるとは皮肉だな。
決してオペラが弱かったわけではない。そもそもこっちの戦力がわかってて短期で挑んできたことから、時間稼ぎが目的だろう。もしメディアとあっていなければ相当時間がかかっただろう。しかし相性が悪すぎた。相手はキャスター寄りのアサシンだったのと、神代に名高い魔術師と近代の怪人では地力に差がありすぎた。
「マスター。あまり離れないようにしてくれ。キャスターの結界といえど、一級の気配遮断能力で迫られたならば万が一もある。君の消失は我々全員の敗北だと自覚したまえ」
相変わらず小言を言いながらあらわれるエミヤ。でもいつもと違ってこちらを窺うような表情だ。強行軍続きだったから、心配かけたかな?それよりも・・・。
「父さんだと思ってた人が実はオカンだった件にt『スパンッ!』い~~~ッ!?」
「何度も言わせるな。私は借り物の理想に奔走した愚か者のなれの果てであって、半端に正義を目指して尻に敷かれている男とは別人だ。後、だれがオカンだ。行儀の悪い物言いはやめたまえ」
・・・どっから出した、そのハリセン。投影?そんな馬鹿馬鹿しいものに?封印指定待ったなしの業使ったの?ていうか突っ込むとこ其処かよ。
「いたたた。そんな冷たいこと言わないでよ。俺嬉しかったんだよ?最後に会ったのなんて2年も前だし。お互い中々予定が合わなかったし、どっかの誰かさんがうっかりやらかすし」
「それは・・ご愁傷様としか言えんな」
「うん、ありがとう。それでさ、もし俺が失敗したら、このまま二度と二人に会えなくなるって思ったら、急に怖くなった。冬木に行った時は正直其処まで頭回らなかったんだけど、帰ってきてからはそれが頭から離れなくて」
「・・・・」
本当にあの時は手の震えが止まらなかった。今まで協会の依頼とか受けたこともあるし、それなりの修羅場も経験あるけど、もう会えなくなるなんて覚悟は一度もしてこなかった。何とかあの時心が折れなかったのは、俺を信じてついてきてくれたマシュ、後ろから支えてくれたロマンや所長、そして同じ状況でも揺れることなく前に進み続けた蘇芳が近くにいてくれたからだ。
「だからエミヤと会えてすごく嬉しかったんだ。父さんとは一度も隣で戦えなかったから。母さんには『あんたにはまだ早い』って言われ続けてたからさ」
「・・・ふっ、そんな殊勝な対面だったかね?確か君は五体投地していたと記憶しているが」
あ、珍しい。こんなに気安く笑っているの初めて見た。でも懐かしいな。見た目はもちろんだけど、いろいろ違う二人なのに、二人ともとても安心する。
「うるさいな、仕方ないだろ。いきなり知ってる父さんと真逆の方向に突っ走ってる人に会ったから混乱したんだよ。エミヤだって立場が逆ならきっとああなるよ」
「ふむ(切継の真逆か、
和服→コート
人畜無害→キャリコ片手に爆破スイッチオン
正義のヒーロー→暗殺、毒殺、旅客機を標的ごとボン)ブフォッ!?
た、確かに冷静ではいられないな」
うん、そうだろう、そうだろう。誰想像したか知らないけど見慣れてる人の豹変って結構な精神攻撃だよな。
「それはともかく、高々14,5年で夫婦生活がおしまいとかさすがにかわいそうだし、俺も禅城に行かされて長いから、家族交流が全然し足りないんだ。だからサーヴァントのみんなを過労死させてでも世界を救って見せるから、頼りにしてるぜ、エミヤ」
「そうか、ではせいぜい期待にこたえることにしよう、これからもよろしく頼む、キリツグ。しかしなるべく早くしてくれよ?あの御嬢さんの性格だ、
どちらともなく握手を交わす。昔のアルバム見せてもらったけど、よくここまで巨大化したよな。すごく力強い大きな手、俺もこうなれるかな?
「―――やれやれ、無粋な連中だ。マスター、敵襲だ。どうやら何の策も講じることなく正面から向ってくるつもりのようだ。すでにロビンとメディアが先手を打っているはずだ。万全の態勢で迎え撃てる」
エミヤの知らせに踵を返してみんなの所へ向かう。これからは一層気が抜けない。もしメディアと合流できてなかったら、きっとオペラから連戦になっていたはずだ。そしたらどんな犠牲が出たかわからない。俺の最優先の務めは戦力を失うことなく敵を撃退し、決戦をも乗り越えることだ。やることも考えることも盛りだくさんにある。
はは、
Side 蘇芳
「―――む?」
「気づいたかねマスター?ここら一体にうろついていた気配が消えた。そして、」
「ああ、向こうのサーヴァントの気配が増大した。れいじゅ?いや、まるで存在自体を書き換えるかのような力はない。一瞬だけ人知を超えるためのものにすぎん。・・・いやな予感がするな。合流を急ぐぞ、神父。最速で案内してくれ」
「それはかまわないが・・。幼子ならばともかく、大の男では絵面が悪すぎないかね?」
「そんなこと言ってる場合か。俺の足より何倍も速い。・・・まあ、他の奴に見られてないだけましと思おう」
ここまでご覧いただきありがとうございました。