fate/GO カスタマイズ   作:章介

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第16話

 

Side エミヤ

 

 

状況は悪い。相手は豊富な飛び道具に制空権の確保と、流れを維持する条件を抑えている。しかもそのどれもが高い水準の装備になっている。

 

特にあの銀の煙。あれはどうやらかつて見たアインツベルンのシュトルヒリッター(コウノトリの騎士)の改良版のようだ。あの煙の一粒一粒が魔力を生成し、レーザーを放ってくる。まるでどこぞの地球(のみ)防衛軍のきしめんレーザーだ。

 

さてここで問題だ。我々の耐久力はどれくらいだろうか?

・私(エミヤ) アミュレット程度の対魔力と低耐久ステータス

・蒼狗(笑)  魔力はともかく、レーザーそのものの物理破壊力で即ミンチ

・マスター   論外。人間が生身であれを受けたら一瞬すらもたない

・マシュ    悲しいことに最年少の彼女が最も耐久に富んでいる。しかし、あの攻撃密度では反撃するまもなく押し切られる

 

さて、この後我々がとる行動とは?

 

 

「 「 「 「ギャアアアアアアアア!!!!!??」 」 」 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え みんなで仲良く全力回避

 

 

 

 

 

 

「ちょ、この攻撃量はやばいヤバい!何とかしてエミやん!!」

 

「無茶を言うな!?こう攻め立てられては剣はともかく、盾の投影などしている暇がない。それに半端な狙いでは奴に当てられそうにない」

 

「つっても、どうにかするしかねぇだろ!!。 ――ッ!おい弓兵、あのボロ屋!!」

 

「ああ、合わせろ!マシュ、君も頼む!!」

 

「はい!行きます!」

 

目標 前方の木造家屋。基本骨子、解明。構成材質、補強。

 

 

 

同調、開始(トレース・オン)!」

 

「ステータスアップ!これで凌ぎます!」

 

アルギス(防御)!!」

 

よし、私が強化の魔術で家そのものの強度を上げ、クーフーリンが『保護』のルーンを刻み、マシュがその上から『時に煙る白亜の壁』を張った。これなら少しはもつか?

 

勢いを殺さず全員飛び込むように家屋に入る。外からは凄まじい轟音が鳴っているが、少しなら時間が稼げそうだ。

 

 

「マスター。先ほど逃げながら解析したが、どうやらあの煙のような礼装は、ミクロサイズの蟲をあしらった使い魔のようだ。空恐ろしいことだが、あれの使い手は億を超える使い魔を手動で制御し、魔力を自動精製させ攻撃と武器化を行っているようだ」

 

「はぁ!?んなもん神代どころか、影の国ですらできる奴はいねぇぞ!どうなってやがる!?」

 

「考えるのは後だ。今すべきはそんな馬鹿げた芸当を乗り越え、やつを撃破することだ。目下の悩みはあの翼竜だ。先ほどまでとは比べ物にならんほど素早い。あれに当てられる獲物の用意と正確に狙う隙を・・・ !?逃げろ!!」

 

 

―――瞬間、先ほどまでびくともしなかったはずの壁が粉々に吹き飛ばされる。良く見れば先ほどの豪雨のようなレーザーではない。丸い弾丸のようなものが無数に向かってくる。そうか、あの触手に備えた武装か!宝具化されるとここまで威力が上がるのか!?

 

間一髪裏口を蹴破って脱出する。と同時に崩れ落ちる家屋。くそ、まだ打開策はできていない。我々はともかく、マスターの体力は知れている。あれだけの弾雨を回避していてはすぐにスタミナ切れを起こす。かといって英霊といえども、あの砲火を誰かを背負って避けきるのは無理だ。

 

 

「こうなったら・・・。私が宝具で時間を稼ぎます。その隙に状況を打開してください!『仮想宝具 疑似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)』起動!!」

 

 

一刻の猶予もないと察したのだろう、彼女は我々への全幅の信頼から、躊躇なく宝具を発動させる。立ち止まった彼女は数秒後には魔弾の雨に曝されると知りながら、だ。

 

全員で踵を返し反撃へと頭を切り替える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――瞬間、居てはならないものを見た。宝具を展開し、仁王立ちで構えるマシュの、吐息すら感じられるほどの距離にあの怪物は迫っていた。一瞬すら遅いと感じる速さで結界を迂回し、彼女の心臓へと黒銀の矛を突き出すしていく。

 

 

「(回避は・・ダメ!間に合わない!!)」

 

「(投影、弓、令呪・・・。くそ、どれも間に合わん!!)」

 

「やめろおおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

マスターの叫びもむなしく、敵の一撃は吸い込まれるように彼女へと向かい、そして―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「■■■■■■■■■■―――――――!!!!!!!」

 

 

―――――突如、空間を突き破り現れた影の巨人に阻まれた。

 

 

『GALAAAAAAAA!!??』

 

矛は巨人に深々と突き刺さったが貫通することはなく、そのまま腕ごと捩じ切られた。・・・やれやれ。万事休すと思ったが、あの魔術師への借りがどんどん増えていくな。とりあえず、この好機を逃すわけには――。

 

 

Funf(五番)、,Drei(三番)、,Vier(四番)……!

 Der Riese(終局) und brennt(炎の剣) das ein Ende(相乗)――――!」

 

 

―――訂正、既に仕掛けておられる。我等がマスターは相当お冠のようだ。主に出遅れるわけにはいかんな。(出遅れたら令呪で何されるか・・・)

 

 

「喰らいつけ、赤原猟犬(フルンディング)!!」

 

 

私の保有する剣の中で、最も追撃に適した武具を放つ。無数の宝石弾丸と一陣の矢がひるんだ隙を穿ちに殺到、致命傷とはいかずとも手傷は残してみせる―――――!?

 

 

『ヴオオオォォォン――ザアアアアァァァ―――――――!!!!!!!!』

 

 

くっまたあの銀煙か!弾丸はすべて叩き落された、赤原猟犬(フルンディング)は・・・ダメか。チッ、レーザーと弾幕は耐えても、減衰されては再生したばかりの矛でも防がれるか。くそ、こちらは仲間を窮地に追いやったというのに、全くの仕切り直しか!

 

 

「いや、Fin (終曲)だよ 『死神のための葬送曲(レクイエム・フォー・デス)』!!!」

 

 

矢も弾丸も撃ち落し、高高度まで飛び上がった直後、奴の周囲に死の旋律が群れとなり襲い掛かった。ダメージはほぼゼロ、しかし、音が奴の耳を通り、内部で混ざり呪詛へと変わる。

 

 

『GU!?GRUAAAAEEEEE!!!!』

 

 

硬直は一瞬か、どれだけの抗魔力を付与しているんだ、奴の使い手は!?

 

 

「何してやがる!早く逃げろってんだ!!!」

 

 

クーフーリンの叫びをかき消すかのように弾幕が稀代の作曲家へと降り注ぐ。いや、彼だけではない。あそこにいるのはもう一人―――。

 

 

「あら?気持ちはわかるけど、演奏中のブーイングはマナー違反よ!『Belle princesse(麗しの姫君)』!!」

 

「マリー、ブーイングはどんな時でもマナー違反だよ!?」

 

 

すごいな。あれほどの攻撃が、彼女の輝きにかき消されるように消失していく。彼女の天性のカリスマは、魔術すらひれ伏すのか。

 

 

「というより貴様ら、今の今まで何をしていた!!?」

 

「いやー、さっきまでいた吸血鬼とは、二人そろって相性悪かったし、会いたくないやつもいたしで隠れていたのさ。まあそこの鎧クンには気づかれていたはずだけど、何故か見向きもしなかったからね、最高のタイミングで横槍入れさせてもらったよ。さあ、毒は専門外だけど、不浄っていうか呪いならこんなものさ。後は頼んだよ緑茶クン」

 

「その呼び方はよしてくれませんかねぇ。ま、美味しいとこ頂いたんで、文句も言えねぇけど・・・。そんじゃ一丁、いきますか! 

 

弔いの木よ、圧制者への毒となれ!!『祈りの弓(イー・ボウ)!』  」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・決着、か。急転直下の内容だが、最上に近い勝利だったな。今回の戦いは脱落者が出ても何ら不思議ではなかった。

 

さて、マスターは・・・・む?

 

 

「どうしたマスター?眉間にしわを寄せて。大口叩いていた割に空気だったクーフーリンへの不満についてなら同意するが 『オイッ!!』 」

 

「いやいや!不満とかないから!!みんな本当に頑張ってくれたから、むしろ感謝でいっぱいだから!!!

・・・たださ、ロビン。さっきの宝具ってさ、他に同じようなの持ってる英霊っている?」

 

「はい?確かに俺はいろーんな伝承のごった煮英霊『ロビンフット』ですからね、もしかしたら同じ境遇の別人のロビンもいるかもしれませんね。けど、歩いてきた軌跡は千差万別だし、同じ宝具を持ってる奴なんてのは考えにくいですねえ。武器というより伝承宝具の類だし?」

 

「そっか・・・じゃあ、あの時の爆発は一体・・・・?」

 

 

・・・?どうやら私が呼ばれる前に何かあったらしいな。心当たりは、今しがた借りが増えた魔術師殿くらいか?確かに現代の魔術師にしては破格の実力者だg(ry『GAAAAaaaaaa!!!!』!?な、あれだけ食らってもまだ動くのか!!?

 

 

「みんな落ち着いて!相手はもう機動力も火力もない。一気呵成に「アンコールは無しだ、さっさと失せろ」・・へ?」

 

 

! な、何だこの魔力量は!? 宝具?いや、伝承保菌者であっても、それを十全に起動させる為の魔力は術者持ちだ。これは・・・一体。

 

 

「ぼさっとすんな弓兵!伏せろ、来るぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

――――瞬間、全ての色、全ての音、全ての光が塗りつぶされた。この時、ほんの一瞬だが、世界は確かに焼切られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side ???

 

「も~~~!遊びに誘ったらそっぽ向くくせに、他の人と遊んでたら邪魔してくるってどういう神経してるんだよー!!!」

 

「・・・」

 

「まあ良いや。相手の戦力もスタイルもまあまあ把握できたし。僕のバーサーカーの敵じゃないって再確認できたし!」

 

「今回と次まではフラウロスの仕切りだし、今回はこんなところかな。あーあ、人の仕事盗っちゃダメっておじいちゃんが言うから見逃したのに、あいつらさっさと潰して置いたらもっと愉しめたのになー。あ、ビーストも、次は食べて良いからね」

 

 

「無論だ。私も生きの良い餌を前にして飢えを抑えられるほど若くはないのでな。次は・・イタリアか。昔から食に気を遣う国だ。さぞ喉越しが良いだろうな」

 




これにてランスロット戦終了です。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
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