fate/GO カスタマイズ   作:章介

3 / 17
第3話

 

「しかし、この地獄絵図をもう一度拝むことになるとはな。私の求めた答え以外でこの光景を生み出されるのは業腹だな。そんなことより、ここまで壊れてしまっては泰山の麻婆には有り付けん。この私の至福の一時を台無しにしてくれた連中には一足一倒などでは足りんな」

 

「・・・予想は着いたけどこの男はこの惨状を見てもっと他に言うことはないのかしら。ここに居たのはほんの僅かな時間だったけれど、色褪せない思い出が多過ぎるわ。それはそうとマスター!次召喚するサーヴァントにはティーチャーなんてどうかしら!?侮っていたとはいえ騎士王にすら膝をつけさせるその御技、誠実なお人柄、あの方が英霊の肉体を得たのならこの戦い勝利したも同然ですわ!!」

 

うん、懐かしのホームに戻ってきたせいか色々と弾けているな、この2人。

 

「・・何から突っ込めば良いのやら・・・。取り敢えずアサシン、人理定礎が済めば元通りの冬木に来れるからそれまで我慢しろ。あと、キャスター。英霊召喚は狙ってどうこうできないし、ティーチャーなんてクラスはない。ただそこの神父みたいな例外はあるし、召喚していけばその内会えるかもな。あのチート具合なら英霊はともかく、サーヴァントとしては十二分だからな。確証はないが」

 

「先を急ぐぞ、蘇芳漸次。今の私はバーサーカー相手に100km走を勝ち抜けるばかりに気力が充足しているぞ」

 

「・・・ふふふふ。マスター。奪い取った聖杯は私たちのものよね。そうよね。だってあと7つは最低あるんですもの。相応の戦力増強は当然よね。そして当然といえば聖杯を扱うのはこの私でしょ?だって私以上に聖杯を操れる魔術師はこの場にいませんものね」

 

しまった。エンジンにガソリンじゃなくてニトロを投入してしまった。果たしておれはこの2騎の修羅に着いていけるのだろうか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡る。具体的にはレイシフト直後。

『・・・それじゃ頼んだよ、蘇芳君。君達には速やかにマシュ君達と合流し、特異点の修正に当たって欲しい。彼女達は現在、現地のサーヴァントと協力体制を作ることが出来たみたいで、今はマシュ君の宝具開帳を手伝ってくれている』

 

「了解した。座標との距離からすると、何もなければ30分程で合流出来るな。道中なんらかの情報を得られれば言うことなしだがな」

 

「現地のサーヴァント・・か。私の記憶通りなら、見ず知らずの、それも未熟なサーヴァントに気に入ったからだなどという理由で助成する者はそうはいない。これは愉しみになってきたな。」

 

『え、もしかして君冬木の聖杯戦争の関係者?呼び出されたサーヴァント?』

 

「いや、そのように大それた者ではない。この時間軸の10年前に同規模の大火災を引き起こしただけだ」

 

「いや、十分大それた人物だろ、それ。それよりロマン博士。すまないが緊急時かこちらの要請以外は通信を切ってもかまわないだろうか。一言一句筒抜けでは無用なストレスを抱えてしまいそうだ」

 

『おっと、それはすまない。少し配慮が足りなかったね。分かった、こちらはそれでも構わないよ』

 

そこで通信を切って歩みをを進める。お互いに無言で歩き、道中の骨や魔物もどきはサクッと片付ける。この神父マジで強い。防御されようが何されようが諸共打ち砕いてる。一撃で木っ端微塵にされ、弓兵は矢に番える暇すらなく黒鍵で穴開きにされる。しかも何だかんだ俺に向かってくる攻撃もきっちり捌いてくれている。性格には難があるが、仕事はきっちり仕上げてくれる良サーヴァントだな。性格はともかく。

そんなこんなで雑魚を蹴散らしながら進むこと15分。開けた場所で休憩を装って座り込む。

『キャスター』

 

「問題無いわ。あの後も続けて使役されていた干渉の魔術は無効化しておいたわ。」

 

キャスターが現界する。こちらも流石だ。念話などせずとも此方の意図を汲んでくれる。やはり良妻系サーヴァントは違うな。

 

「ご苦労だった。やはり音声収集は続けていたか。どうせついうっかりしてた、とかいって言い逃れる心算だったんだろうがな。」

 

やはり信用はしないほうが良いな。これが信用から不審に変わるかは奴等の動き次第だが、時間の問題だな。

さて、キャスター達に向き直る。色々棚上げしていたことを今の内に解消しておこう。

 

「さあ、ようやく面倒な監視もない場所に来れたことだし、色々後回しにしていたことを済ませよう。改めて聞くけど疑問に思ったことか聞きたいことあるか?」

 

ふむ。メディアは最初から決めてあるのか、不動のままか。綺礼は・・・此方も変わらず胡散臭い笑みを浮かべている。

 

「私の方は2つね。まず、何故マスターがあのカルデアとかいう連中をそんなに警戒しているか、もう一つは貴方の言う『石詠み』ね。現代ならではの奇跡はやはり興味深いわ。」

 

「ふむ。2つ目から先に応えよう。

 

『石詠み』とは、過去への憧憬、夢想、知新、そして憎悪をある種の信仰、奇蹟にまで昇華したものだ。そして物質に染み付いた想念、残滓を触媒として星の記録を拝読する術だ。長所は過去限定で言えば理論上あらゆる術を識ることができる。特に魔術や奇蹟は過去へと遡る程にその神秘は強大なものになり、武術とは異なり知っているだけでもアドバンテージは相当なものだ。

さらには『石詠み』の素質が高い者は武具や装飾品など身に付ける物から持ち主の記憶や人生を追体験することすら出来る。武芸に秀でた者なら技術の疑似的な投影、優れた錬金術士なら喪われた技術を再現し放題、なんてことも夢ではない。

欠点としては、詠む記録の選別が出来ない所だな。例えば高名な英霊の記憶を疑似体験すれば、その人間の葛藤や苦痛、絶望まで体験してしまう。そんなことを何度も繰り返せば感情が鈍化したり、精神が老成し過ぎて腐ってしまうことすらある。

 

と、こんな所だがここまでで何か質問は?」

 

「・・・・」

 

「おーい。キャスター?期待していた程でもなかったか?」

 

「あ・・・、ごめんなさい。現代魔術とは思えない出来だったものだから。質問は特にないわ」

 

「? そうか。ならもう一つの方だな。これは連中とは雇い雇われだからそもそも信頼関係がないというのがあるが、それ以上にスパイ対策としての面が大きいな。」

 

「ほう?既に人類の未来の破却は大方終わらせ、尚且つ此方側の動きを制限しておいてまだ間諜を忍ばせておく理由があるのかね?」

 

「無論だ。そもそも今回の人理定礎には国連がバックに着いている。近代魔術界では例のない表の世界からの干渉だ。どんな思惑が絡んでいてどう作用しても不思議ではない。他には、カルデアが今の体制に入る前から特異点を作れるほど干渉出来る連中が今になって、まるでこの瞬間を待ちわびたかのように大掛かりな騒動を起こしたという点だ。此方の動きにこそ事件進行の主導権があるのなら、逸脱しないよう監視する役目は不可欠だろう。根拠としてはこんなところだが、この位貴方ならとっくに考え付いてるだろ」

 

「さて、それは買い被りというものだ。この身は遍く神の僕に過ぎない。この様な非常事態では、ただ状況に流されるより他に術など持たんよ」

 

「「嘘だ(ね)」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わって現在

 

「さて、良い感じで士気を上げてくれている所に水を差して悪いが、この面子で本丸に向かうには、決定的に欠けているものがある。それをどうにかしたい」

 

2人が一通り欲望に駆られて爆走した後で一声掛ける。うん、次からは彼等の琴線を無闇に刺激するのはやめよう。アレがなかったら逸れているか、引きずられてもみじおろしになってたな。

 

「肉壁、ではなく身代わり、でもなかった。盾役の不在か」

 

「おい、似非神父。前の2つが不穏過ぎるぞ。まあ、その通り壁役がいないんだ。俺は論外。2秒で融ける自信しかない。キャスターを殴り合いに出すとか正気じゃないし、アサシンは気配遮断とニノ打ち要らずの強襲が最大の売りだ。それに雑魚ならともかく、セイバー等の脳筋相手は耐久の方が不安だ。どっかに良い感じのサーヴァントが落ちてないかな?」

 

「・・はぁ。気持ちは分かるけど現実逃避はお止めなさい、マスター。だいたい、万一居たとしてもどう手懐けるのです?そういう手合いの為の対策が本末転倒に「⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!!!!!」・・・ゑ?」

 

「ほう?妙な影が邪魔で見え辛いが何処ぞで会った暴れ牛か。」

 

「〜〜〜〜〜〜っ!!!???(声にならない叫び)」

 

「・・・・」

 

眼前に降ってきたのは聳え立つ山脈を思わせる風格と筋肉。全身が黒い霧もしくは影の様な物に包まれながら、それでも尚その覇気には一片の翳りも見えない。大分歪んでしまっているが、狂鬼というよりは野生の化身だな、これは。

 

「しかし、今し方願ったものが現れるとは、君も戦場で常に幸運を味方につける質かね。喜べ、少年。君の願いはもうすぐ叶う」

 

「馬鹿言ってる場合じゃないでしょアサシン!?

マスター!!ここは私達が受け持ちます。早く離脱を!!!」

 

「・・・・・しい」

 

「ま、マスター?」

 

「欲しい!!この戦力は是が非でも加えたい!アサシン、キャスター。何としてもこいつをゲットするぞ!!!」

 

「な、なななんですって〜〜〜〜!!!!??」

 




「ところでアサシン。特異点が冬木だと知った途端飛び出していったが、何してたんだ?」
「なに、苦にならぬ徒労とでも言ったところだ。往返徒労になるやもしれんが、アレのことだ。きっと私を悦ばせようと生き残っているはずだ。実に愉しみだ
「???」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。