fate/GO カスタマイズ   作:章介

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幕間1

幕間1

 

side 蘇芳

 

 

「・・・戻ったか。成る程、敵はこうやって時空を渡っているのか。興味深いな。機械も礼装も使わない転移。大いに研究する価値があるな」

 

今回の人理定礎復元は突発事件だった割にかなり有益だった。最初は巻き込まれる形で手札を切らされるかと戦々恐々としていたが、実に良い目くらましのお陰で『〜〜〜!?』事無きを得た。加えてカルデアの連中に売れる恩も手に入った。

 

さて、次の戦闘はどうなるだろうか?先のセイバーらしき女のやり取りを見ている限り、奴らは聖杯を使って定礎破壊の主犯を生み出しその陰で色々『〜〜〜!?』動いているようだ。そこに何処まで干渉しているかにもよるが、こちら側の反撃は折込み済みと考えるべきか。戦力分散の愚は犯さずの総力戦になるか?

そうなると此方が圧倒的に戦力不足になるか?いや、冬木の様な実際に起きた騒動に脚色した位なら兎も角、『〜〜〜!?』歴史そのものを改竄する様な干渉に抑止が動かない筈はない。敵の敵は味方などと都合良くいくかは分からんが追加の戦力候補の取り込みには力を『ン〜〜〜!!?』・・・はぁ。

 

「アサシン、其処の簀巻きにされている蒼いのは何だ?」

 

「さて、聖杯の落し物、といったところか?君の介入で空気になっていたのでな。キャスターから(無断で)借りてきた道具(ルルブレ)で拾ってきた。ただ返すには勿体無い狗、いや肉盾、いやいや戦力だろう?」

 

うん、貴方が此奴をどう見ているのかだけは良く分かった。あと宝具は元の持ち主に返してきなさい。

それはそうと、これはまた思わぬ収穫だ。アイルランドの光の神子とは、大した大英雄だ。欲を言えばランサーとしての彼が欲しかったが、まあ良い。彼とは禅城達の方がウマが合うだろうが、折角の駒をくれてやる気はない。契約は此方で向こうには援軍兼監視として送り込むか。恩を売れて手札も覗けて、漁夫の利も得やすい。一石何鳥だろうか。

 

「・・・マスター。また酷い顔になってるわよ。私がつい指先を向ける前に元に戻して頂戴」

 

おっと、キャスター。貴方も無事でなによりだ。それと例の件は?

 

「ええ、あなたから借りた道具でしっかり確保してあるわ。でも本気?これを後付けの器で現世に定着させるなんて芸当、私の居た時代でもそう出来るものじゃないわよ?」

 

問題ない。この時代にも化け物呼ばわりされる使い手はそれなりにいる。そいつらのやる事は深く星に爪痕を残してくれるお陰でしっかり『詠む』ことが出来た。使えそうな業は揃っている。死者の蘇生とかでも無し。『死んだ後残った霊魂』ではなく、『生きたまま身体が無くなってしまった魂』だからこそ出来るものだな。しかし、着任前から工房の機材を移して置いて良かった。流石に事前準備無しはキツイ。

 

さて、手早く終わらせて合流するか。そろそろ他の連中も目を覚ますだろう。それともう一つ。

 

「あぁ、そうだアサシン。前に言ってた・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

side 禅城

 

皆さんから謂れのないツッコミと言う名の暴力を喰らった後、何故か蘇芳さんのアサシンに連れられて彼の自室にお邪魔している。なにやら夕飯を作るそうだが、それが彼が絶賛する一品らしい。折角なので一緒にどうか、とのこと。会わせたい人物がいるので是非、と言われたが成る程。これは嬉しい再会だ。ただ、あの笑みを見ていると俺の何かが『殴ッ血KILLれ』と叫ぶのは何故だろう?

 

「・・・・・(ソワソワ)」

 

「それにしても、キャスターさんもこっちに来ていたんですね。良かった!たくさんお世話になったのに御礼も言えなかったので嬉しいです!」

 

「・・・・・(ソワソワソワ)」

 

「・・・・・・・おう、お前さん方に会えた『のは』俺も嬉しいぜ」

 

「・・・・・(ソワソワソワソワ)」

 

今テーブルに居るのは俺、マシュ、キャス兄貴、紫衣のキャスター、アサシンの五人。蘇芳さんはキッチンで調理中。多分晩御飯は中華かな?此処からでも凄く良い匂いがする。本格的な中華って作るの大変だよね。俺は料理からっきしだから素直に凄いと思う。

・・・そしてアサシンがさっきから物凄く目を輝かせている。死んだ目なのに輝いて見えるってどういうことだ?『気配遮断』が完全に仕事してない。あと、匂いが強くなる度兄貴の顔色が悪くなっている気がする。中華嫌いなのかな?

 

「あら、こんなのに気を配るなんて優しい坊やね。同じ戦場に立つ同僚が顔や腕だけじゃなくて良かったわ。こっちのお嬢さんとお似合いのコンビね。(二人とも見た目も中身も可愛くてドストライクだわ。どうせ長い付き合いだし、2、3回着せ替え人形にしても良いわよね♪)

あぁ、安心して?そっちの蒼いのにはちゃんと他の食べ物も用意してあるから」

 

そう気さくに話しかけてくれたキャスター。その傍にはバスケット一杯のホットドッグ。あ、兄貴の顔色が更に悪くなった。何故か兄貴には凄く冷たいな。一応蘇芳さんから真名は聞いてるけど、この2人接点ない筈だよな?何かあったのかな?

 

「接点なんてもんじゃないわよ!私がDVパートナーに捕まってボロボロになりながらも何とか縁切りしたところを獣の様に襲い掛かってきたのよ(うるうる)」

 

「「・・・・・・・・・・ゑ?」」

 

「ハァッ!!!?何訳わかんねぇこと言ってやがる!!!」

 

驚愕の事実が飛び出してきた。本当に何があったの!?教えて、神父さん!

 

「やれやれ、キャスター。意図的に言葉のニュアンスを変えて事実を捻じ曲げるのはやめたまえ。君達も、彼がそんな事をする男だとでも?」

 

「アサシン・・・」

 

「そ、そうですよね。この方がそんな事をする筈無いですよね!?もう、キャスターさんも意地が悪いですよ!」

 

「こ、言峰・・・・・ッ!?(まて、まさかこいつ!?)」

 

「そう言えば少年。其処の男は君のお父上を学校で押し倒し自慢の太くて硬いブツで貫いただけでは飽き足らず、住居までストーカー行為を行いもう一度コトに及ぼうとしたのだ。さらには君のお母上とも二股を掛けていたのだから気の多い奴だ。流石はアイルランドの光の神子。英雄色を好むとはよく言ったものだ」

 

「言峰ぇぇぇぇ!?やっぱテメエそういう腹かよ!!誤解に誤解を絡めて余計にややこしくしてんじゃねぇよ!!!!」

 

「何を言うクーフーリン。ランサーとして呼ばれた君は神秘の秘匿の為に学校に居たあの男を自慢の槍で刺したは良いが何故か死んでおらず、トドメを刺そうと再び強襲した。主の要請で我が妹弟子と二重契約擬きをしていた。何か間違っているかね。嘘を吐いた覚えは無いぞ」

 

「だったら最初からそう説明しろやあぁァァァ!!!!

つか、今からでもすぐ!この誤解を解きやがれ!!!!」

 

「説明するのは構わんが、恐らく無駄骨だろう。アレを見たまえ」

 

 

 

 

「・・・母さんが・・二股・・・・?嘘だろ?・・でも・・・・(ブツブツ)」

 

「・・・・センパイのお父さんがキャスターさんと・・・・?まさか、センパイのことも・・・そんな・・・・・」

 

 

 

 

「あの様子ではもはや此方が幾百言葉を並べようと聴こえはしまいな」

 

「何他人事みてぇに言ってんだコラァ!!おい、坊主に嬢ちゃん!まさかあんな野郎の言うこと信じてねぇよな!?俺がそんなことする様な奴じゃないって、一緒に戦場を駆けたお前らなら分かってくれるよな!!?」

 

「・・・・・令呪三画を持って命じる。『これから出て来る料理全部を』『一口残さず』『美味しそうに』お食べ、クー」

 

「嘘だろぉぉぉ!!!?? 坊主、目が、目が家畜かなんかを見てるソレだぞ!?つか、何で契約繋がってないのに令呪効いてんの?どゆこと!?」

 

「さて、恐らく令呪を『命令』としてではなくより攻撃的な『呪い』として昇華したのだろう。令呪は実はかなり応用が利く。空間転移等のサーヴァントに直接効果を与えるだけではなく、魔力源等のマスターへの補助としても使える。ならばサーヴァントへの攻撃や妨害に使えても不思議ではないな。もっとも、貴重な令呪をその様なことに使うマスターはそうはいまい」

 

「そんな冷静な返答誰も望んでねぇよ!!やべぇ、このままじゃマジで殺られる。取り敢えずあいつらが落ち着くまで逃げt「出来たぞー」イヤァァァァァァァ!!!!!」

 

 

「・・・何事だ?」

 

「気にするだけ無駄よ、マスター。私は先に工房に戻らせてもらうわ。劇物を食べる趣味はないし、貴方の作ってくれたホットドッグを美味しく頂くわ」

 

「だから別に作らせたのか。じゃあ、何で麻婆20人前も作らせたんだ?」

 

「・・・12年前の仕返しよ」

 

 

 

 

〜〜〜〜約一時間後〜〜〜〜

 

 

 

「か、辛かった・・。まだ口の中が痛い。寧ろ痛くない場所がない」

 

「センパイ凄いです、私は一口でもうダメでした。あれは食べ物じゃないです。辛さの概念武装です」

 

「・・・・・(チーン)」

 

か、身体中の血管が沸き立ってる。これ以上食べたら破裂するんじゃないかな?こんな時、両親から仕込まれた『食べ物を粗末にしてはいけない精神』が憎い。いや、二人とも料理が上手だっただけに残すという選択肢が俺になかったのが辛い。それに引き換え・・。

 

「いや、美味かった。辛味って此処まで際立つものなんだな。うん、良いレシピを紹介してくれたな」

 

「ふっ、生前得られなかったこの至高の味の理解者を今になって得られるとは思わなかったぞ。作ってもらっておいて失礼だが、オリジナルはこれを更に上回る美味だ。が、この味はそれを彷彿とさせるまでに届いている。流石は我がマスター。この味が私の忠誠を確固たるものとした。わが四肢存分に使いたまえ」

 

あっちは主従の絆を深めているようだ。いや、良いことなんだけどさ、何であんなに平気なの?何で美味いとか言えるの??

 

「まあ、慣れだな。『石詠み』の弊害の一つに、詠む記録を選別出来ない事は前に教えたな?外道魔術師は下劣な分その域に達しなければ修められない術を持っている事が多いので格好の獲物なんだが、趣味趣向まで下劣な奴も少なくない。」

 

・・・というと?

 

「様々なゲテ物料理を『食べた記憶』を強制的に持たされている、ということだ。蟲食、カニバリズム、etc。お陰で『ちゃんとした』食物であれば大概美味く感じるし、味の違いも分かるつもりだ」

 

・・・oh。便利なだけのものはないってことか。

 

 

 

 

 

 

 

side メデイア

 

チグハグな人。それが私のマスターへの印象ね。私でも目を見張る様な秘術を持っているこの時代では十分規格外の魔術師。でも、『持っている人間』特有の傲慢さは見られない。それどころか、英霊とはいえ、所詮使い魔の私達に敬意は払ってくれる。なのに同じ人間や年上相手には結構辛辣。英霊なんて規格外のものに頼らないといけない程の目的があるのに、形振り構わないという危うさはない。裏切られる心配がないのは安心だけれど。

 

中でも特に危険なのはあの『石詠み』と『黄金杯(・・・)』。あれは異端に過ぎる代物。あんな物が生み出され世界に許容されているという事実そのものが今がとても危険な状況なのでは、と思わせる。

 

幸いな事に私個人としては彼は嫌いではないし、あちらも私のことは信用してくれている。彼の事を見極めるのはこれからね。

 

『キャスター。片付けが終わったらデータの解析を手伝ってくれ。非常に興味深いし英霊召喚にも応用が効きそうだ。上手くいけば前に言ってた、何とかいうサーヴァントの召喚も現実味を帯びてくるな』

 

・・・追記。この男は結構人をその気にさせるのが上手い。

 

『ちょっとマスター!そんな大事なことはもっと早く知らせて頂戴。40秒で支度して工房に帰ってきて。片付けなんて暇な外道神父か狗にでもさせておきなさい』

 

それと、宗一郎様との夢の新婚生活の為にも、何としても彼を五体満足で生かさなければならないわね。

 




此処までご覧いただきありがとうございました。
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