それではごゆるりと
2時間目 遊園地の時間
今でも覚えている。 まだ私が幼い頃だ、あの快楽殺人鬼に両親を殺されたこと。 夥しい量の血に塗れた両親と愛犬の死体。 そして何よりもあの快楽殺人鬼の狂った様な笑い声。 それから私はよく悪夢を見る様になった、そして何よりも血とあの笑い声が嫌いになった。だけど悪夢を見た時は必ずあの声が私を救い出してくれる。
「楓、朝だ。 早く起きなければ今日は出掛けられないぞ」
「うん……おはよう、お兄ちゃん」
そう、私のお兄ちゃんだ。両親のお葬式の後に私を守り続けてくれると誓ってくれたお兄ちゃんだ。
「お前が寝坊するとはな、やはりまた悪夢を見たのか、涙が出ているこれで拭きなさい」
あぁ、涙が出ていた様だ。 私はお兄ちゃんからハンカチを受け取ると涙を拭いた。 何時もは私がお兄ちゃんより早く起きて朝食を作っているけど、悪夢を見た日は何時もの様に起きられずにお兄ちゃんが朝食を作ってくれる。
「うん……ありがとう、お兄ちゃん。 後ご飯作れないでごめんね」
「なに、気にすることは無い。 それより冷めるまえに飯を食うといい」
「わかったよ、ありがとね」
部屋を去るお兄ちゃんを追うように私も部屋を出る。 リビングのテーブルの上にはベーコンエッグとトースト、コーヒーといった至って普通の朝食が置かれている、そう見た目こそは普通なのだが食べてみるとかなり違ってくる。 まぁ、簡単に言うとお兄ちゃんは料理が超絶的に上手いのだ。 私も負けている訳では無いのだがお兄ちゃんは本当に凄いなぁ。
「よし、食べ終わったのなら片付けは俺がしてくるからお前は準備をして来なさい」
とと、夢中になって食べていたらもう食べ終わってたみたい、待たすのも悪いしさっさと準備を終わらせてこようかな。
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「お兄ちゃん、準備終わったよー!」
「そうか、では行くか」
朝食も終え、準備も終え2人は遊園地に向かった移動中のバスの中でのカエデの顔はとてもワクワクしていた。
「楓、何に乗りたい?」
「そうだね、まずはジェットコースターとかは外せないし……あ、メリーゴーランドも乗りたい!」
まだ小学生卒業したての女の子、やはりこういうところに来るとテンションが上がる物だ。
「なに、慌てることは無い。 時間はあるんだから一つ一つ乗ればいいさ」
其れから兄妹はジェットコースターやメリーゴーランドに乗ったり、お化け屋敷に入ったり、ゴーカートで対決したり、ゲームセンターのUFOキャッチャーで遊んだりと遊び尽くした。 途中売店でアイスを買った時は楓の身長がすこし高いせいかカップルに間違えられたりとトラブルがあったが楽しい時を過ごした。
そして閉園間際の時間に問題が発生した。 兄の惟臣がトイレに行っている間に楓が1人で待っていた時に大人の男2人に誘拐されてしまったのだ。
惟臣は楓が居ないことに気付き遊園地の者に園内放送してもらったのだがそれでも見当たらず、入り口付近を探していた時に人が入るサイズのカバンを背負った男2人を見つけので尾行をする。
男2人には遊園地を出ずに人影が少なく、周りから見え難い物陰へと進んで行ったので惟臣はあからさまに怪しいと思い尾行を続けている。
そっと男2人にを見やるとカバンのチャックが開けられた。 その中には楓が両手両足と口をガムテープで縛られている状態でいた。
「おい、貴様らは一体何をしている」
これはどう考えても現行犯なので制裁を喰らわそうと声を掛ける。 男2人は一体何故という顔をしながら立ち上がり襲いかかってきた。 大方尾行をされない様にしていたのだろう。 だが生憎惟臣は軍人だ。 素人にバレる様な尾行などするはずも無い。
惟臣は怯えている楓を見て優しく微笑み掛けると今度は男2人に睨みを効かせる。 襲いかかってきている男達はその睨みに恐れをなしたのか一瞬気圧される。 そのスキを見逃す程惟臣はお人好しではない。片方の男に有無を言わせぬスピードで膝蹴りを喰らわし、残りの男にも回し蹴りを喰らわす。 どちらも一発KOだ。
男達を片付けた後、すぐさま楓の拘束をとき抱きかかえ、優しい声音で話しかける。
「大丈夫か? 怖かっただろう。 今日はもう帰ろう」
「怖かったけど大丈夫だよ、お兄ちゃんが助けに来てくれるって信じてたから……約束通り守ってくれてありがとう。 それと心配掛けちゃってごめんなさい」
涙目ながらもしっかりと受け答えする楓は心が強いのだろう。 いや、どちらかといえば必ず助けに来てくれるとても強い兄という存在が楓を他所なり安定させているのかもしれない。
「なに、お前のことは一生守り続けるつもりだ。 これからもいくらでも助けるさ」
「本当にありがとうね……それと私から一つお願いがあるの」
「ん? なんだ。 言って見なさい」
楓がお願いした内容は帰るまえに観覧車に乗ろうという物だった。 黄昏時の夕日が観覧車を照らす中2人はお互いに微笑みあいながらこれからのことを話していた。 これからというのは惟臣が今日の事件を通して考えついたことだ。
「楓、もしお前が良いというのであればお前を鍛えようと思う」
「……? どうして??」
「俺は軍人である以上、お前と何時も一緒に居られるわけでは無い。 もし今日の様なことがあったらすぐに助けに行くことが出来ない。 それならお前には自分で対処出来る様な力を身につけて欲しいのだ。 勿論無理にとは言わない、お前も女の子だ。 筋肉などの見た目は気にするだろう。 だが俺はお前だけには居なくならないで欲しい、もう2度と家族は失いたくない!!」
心からの訴えだ、その言葉に嘘偽りは無い。 その言葉を楓は真摯に受け止めて返事をした。
「それなら……此方からもお願いします。 しっかりと自分の身は自分で守れる様になりたいので、宜しく!」
とびっきりの笑顔で答えた楓に驚きつつも惟臣はビシバシ鍛えるからな、と宣言するのであった。
ところでみなさんは暗殺教室の中で誰が一番好きですか?自分は速水さんですねw あのクール感が本当好きですwww
てか烏間先生の口調って難しいですね、ほんと迷っちゃいますよ。
ところでタイトルなんですがこのまま(仮)ではなく正式なタイトルを決めたいんですよね、自分の中では「烏間兄妹は相思相愛」みたいなのもいいと思うし、今のままでもいいと思うんですよ。 まぁ、後々決めます。
それでは感想、ご指摘、評価、お気に入りお待ちしています。 また次回!!