五反田弾の幼馴染み〜壊れた絆と道化の仮面〜 作:白銀色の黄泉怪火
というか、一年以上読み専に転向してました……(汗)
――夏の雨は嫌いだ。
特に夕立は大嫌いだ。
『弾の馬鹿……っ! そんな弾、大っ嫌い!!』
――彼女を思い出すから……。
夏休みに起きた、偶然の中の偶然。
「織斑君、弾の事知ってるの……?」
とあるクラスメイトとの、共通の知り合い。
「アンタが、弾の幼馴染み……!?」
同級生であった彼女は驚愕し。
「なら、一緒に弾に会おうぜ! 弾も喜ぶからさ!!」
彼の親友の少年はそう喜ぶ。
だがそれは
彼にとっては『逆鱗』に触れる事だった。
「……なんで、こんな事するんだよ、弾?」
「触らぬ神に祟りなし、人には触れちゃならないものがあるって事だよ、一夏」
彼の冷たい眼に少年は困惑する。
「一体、あの子と何があったのよ、弾」
「何でもかんでもお前らに話さなきゃいけないのか? ふざけんなよ、鈴?」
少女は彼の豹変にただ怯える。
「弾……私達、もう元には戻れないの?」
かつての幼馴染みの懇願に。
「お前が……っ、お前が勝手に終わらせたんだろうが!!」
彼は唯々怒り、そして言い放つ。
「それでも、戻りたいと思うなら、俺から言ってやるよ……さよならだ」
無情な、決別の言葉を。
残された彼等は困惑し、怯え、泣き崩れるだけだった。
そして彼の妹から語られる、彼の過去。
「お兄は、お兄ちゃんは、私の為に道化になったんです」
それは、彼の変わらない妹への想いだった。
「一夏さん、お兄ちゃんの道化の仮面を……剥がして下さい」
その願いに少年は。
「ああ、任せろ!」
力強く頷く。
「一夏、私も協力しよう。……大事な親友なのだろう?」
そんな少年に仲間達は。
「一夏さん、このセシリア・オルコットにお任せ下さい」
少年の為に。
「一夏、僕達の事もっと頼っていいんだよ?」
「ふっ、嫁の悩みを解決するのも夫の務めだろう?」
その手を差し出す。
「一夏、弾の仮面をぶち壊すわよ」
「……ああ!」
「篠ノ之箒だ。お前が五反田弾だな?」
「篠ノ之……一夏の幼馴染みか」
「セシリア・オルコットですわ。五反田さん、話があって来ました」
「またかよ……。俺にはない、帰ってくれ」
「シャルロット・デュノアだよ」
「ラウラ・ボーディヴィッヒだ」
「いい加減にしろ! とっとと帰れ!!」
少年の仲間達の来訪に、彼は仮面が剥がれるのを押さえつける。
「弾、今ならまだ、やり直せるのでは無いのか?」
「千冬さん、俺はあの時決めたんですよ。蘭の為にこの生き方をするって。だから放っておいて下さい」
「なら、何故そんな辛そうな顔をする?」
「それはっ、」
「お前の嘘は……悲しすぎるぞ」
「……なんで千冬さんが泣くんですか」
少女達の言葉に。
「弾、もうさ、自分らしく生きていいんじゃないのか?」
「昔の事は知らないけど、今の蘭は弾が思っているより頼りなくはないわよ」
「だけど、俺は……」
彼の仮面が、ゆっくりと消えていく。
そして――――。
「来てくれてありがとう……弾」
再び、彼女と向き合う。
「俺の答えを、言いに来た」
舞台に立つ道化では無く、忘れかけてた素顔で。
「おかえり、弾。バイバイ……、嘘つきピエロ」
最近弾×原作ヒロインがちょくちょく出てきてますが、弾に幼馴染みがいる設定って見たことないな、と思っていた時にボーカロイドの『ピエロ』を聴いて思いついたネタです。
弾のあの軽い性格は実は自らの意思で付けた仮面だったら……?って感じで。
ちなみに、弾の幼馴染みは一組のクラスメイトの誰か。
嘘予告ですのできっと続かない。