辻堂さんの純愛ロード~川神の狂王   作:黒曜

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第一話 6月4日(月) 前

 6月4日(月)

 

 その日の湘南に一人の少年が来た。背は、140cmほどで髪は白髪で瞳はパッチリとした二重で色が赤だ。

 

「・・・暑い」

 

 ただそう呟くこんなことならこっちに来なければ良かったと思っていた。思い返せばなぜ自分がここにいるのかを思い出した。

 

 

 あれは、確か自分の祖父である川神鉄心に言われたことがきっかけだった。

 

___________________________________

 

 

『命よ。体の調子もようなってきたことだし学校に通いだしてみんかの?』

 

 命。川神 命と呼ばれる少年は、歳の割には幼く見えてしまう17歳の少年。彼は、他2人の姉と比べるととても病弱で1日の基本はこの川神院の自室で過ごしている。そのため彼が外に出歩くことがあるとすればたまに夜ふらっと散歩に出る時か姉達に連れ出される時以外なかった。

 

 そんな事ばかりでは、この子の友と呼べる者がいないとまでは言わないが本当に少数だけしかいないと思った鉄心は、最近の命の体調が良くなってきていることもあり学校に行くことを勧めてみた。

今までの彼の学問は、この川神院にいるルーに任せていた。学園から課題をだしそれをこなし学園と同じテストをすれば進級扱いしてきた。

 

『・・・お祖父ちゃんがそう言うなら僕は行ってみたいかな』

 

『おぉ、そうかならば『でも、川神学院以外の所に通いたいんだ』・・・ふむ』

 

『やはり、お前はまだ百や一子の事を気にしてるのか』

 

『・・・否定はしないよ』

 

「「・・・・・」」

 

『・・・わかった』

 

『ありがとう。おじいちゃん』

 

『ただし、編入先はわしが決めるからの』

 

『うん。わかったよ』

 

___________________________________

 

 そんな感じのやり取りが行われたのだがまさか湘南の稲村学園になるとは思いもしなかった。実際の所予想していたのがお祖父ちゃんの高弟の一人がやっていたはずの天神館それか竜鳴館と言ったところを想像していた。

 

 まさか、川神からそんなに距離が離れてない所だとは。鉄心が孫を心配してできる限り自身の手が届く場所にと思った孫馬鹿的なものからきたものだということは理解していた。

 

「・・・でも、普通の学校に通えることのほうが僕にとっては嬉しいかったからお爺ちゃんには感謝しないとですね」

 

 自分の祖父に感謝しつつ編入する稲村学園に向けて歩いて行きその間今度からご近所さんなる人達に朝の挨拶をしんがら歩いて行く。新しい土地でのご近所付きあいは大切にするべきだとモモ姉さんの舎弟?恋人?の軍師さんから言われの円滑なご近所付きあいをする為のアドバイスをしてもらった。

 

「おはようございます」

 

「おはよう命ちゃん」

 

「おーう。今日も元気だなミコ坊」

 

「おはよう。いってらっしゃい」

 

「行ってきます」

 

 ご近所さんとはしっかりと挨拶を毎日しておけば覚えてもらえるしもしもの時は手伝ってもらう事が出来た際は顔をしって置いてもらったほうが後々楽だとも言われていた。

 

「川神さんの所の命ちゃんは、いつもいいこねぇ。まだこっちに1人で引っ越してきたばかりなのにねぇ」

 

「若い子には珍しいわ。ちゃんと挨拶もできて」

 

「気持ちのいい子だぁな」

 

 ご近所さんからの評価はそこそこ高い命だった。そしてごみごみした住宅街をぬけ海岸沿いにでると涼しい海風が届いた。このあたりはやはり川神にいた時よりも心地よく思えた。と・・・噂をすれば

 

「おはようございます」

 

「・・・・・」

 

 返事は無しっと。この街に来てからいつもこの堤防に寝転がってぼんやりしてる人。近くの確か七里学園の制服をきている人だ。単純に見た感じだとこの人は、そこそこ強い人だと思った。あくまで自分の姉基準で見てだが武人じゃなさそうだけどその二つ以外はわからない。いまだにこの挨拶が成立したことはないけど日課で挨拶と

 

「このゴミ片付けておきますね」

 

 いつも何かしらの食べ物のゴミが落ちているので片付けている。いつものようにささっと片付けてゴミをまとめていこうとすると

 

「サンキュ」

 

「いえいえ」

 

 初めて、返事を返してもらった。朝からちょっといい気分になった。

 

「おはよう命」

 

「あぁ。おはようひろ」

 

 近所に住んでいる長谷 大ご近所に挨拶周りをしている際に知り合った湘南で最初の友達だ。

 

「今日から学校なんだ?」

 

「ああ、そうだよ今日からひろと同じ稲村学園の生徒だ。こらから迷惑かけるかもしれないがよろしく頼むよ」

 

「こっちこそよろしく。何か困ったことがあったらなんでも聞いてよ」

 

「あぁ。よろしく頼むよ」

 

 その後は、ひろのクラスメイトである坂東 太郎、北条 歩さんの4人で学園まで一緒する。

 

 国道134号線をまっすぐ行って、江ノ電ラインをまたぎ、坂を登れば到着地である稲村学園。海を望む丘に居をかまえ、潮風でところどころ古くなっている学び舎。やはり川神とは違って学園に向かう際に変態があらわれなかった。あそこが特殊なだけだが。

 

 

「――――今日もか」

 

 校門を抜けると太郎が一言つぶやきやれやれといった感じで肩をすくめ北条さんとひろは口数が減っている。

 

 彼が何に対してかと思い前を向くと

 

「テメェら、愛さんに怒られっから、通行の邪魔すんなよ」

 

「「「うっす」」」

 

 校門前には、ある意味川神ではあまり見ることのできなかった特殊に人達が集まっていた。それこそリーゼント・そりこみ・ボンタン。いわゆる『不良』な人たちがいた。川神学園ではいないわけではないがここまで自分たちを不良ですよと言っているかの人はいなかった。

 

「迷惑なやつらだ」

 

「まぁまぁ」

 

「いるだけで朝の空気が悪くなってしまう」

 

「ヴァンは相変わらず不良っぽい人が嫌いだね」

 

「不良ーーだぞ、好きな人間などいるものか」

 

「まぁね」

 

 ひろと太郎の会話を聞き自分は、どちらでもいいと考えた。それにここは湘南、良からぬ若者の生地ーー。さらにこの稲村学園は特に引力が強く、『湘南最凶校』なんて異名があるそうだ―――軍師さんと知り合いの子情報によるとだけど。

 

「さっきから何を話しこんでるの」

 

 っと、今学園で唯一知っている先生だ。

 

「「「おはようございます」」」」

 

「はいおはよう。早く教室に行きなさい。命くんは、一度職員室にくるのよ」

 

 いかにも生徒受けしそうな理想的な素敵な笑顔な先生だけどなんでかこの人は初見で川神にしるはずの一番姉を思いだした。なぜかはわからなかったけど直感的にこの人家じゃ別人だと思った。

 

「全員整列!」

 

 その声がしてふと気づくと他3人はすでに校舎にはいったのかいなくなっていた。そして、本来規則を守れないからなるはずの不良たちが、不思議なくらい規律正しく整列し全員が一人の女生徒を迎えようと、ビシッと背筋を伸ばして

 

「おはようございます!!愛さん!!」

 

「「「おはようございます!」」

 

 一斉に頭を下げる。それに対してその女生徒は

 

「はよ・・・・」

 

 ただ短く返事を返した

 

「おザッす!今日も辻堂軍団、全員揃ってます!」

 

「・・・その辻堂てのやめろ。恥ずかしい」

 

「昨日はお疲れ様でした」

 

「眠い。あんな雑魚相手に私を呼ぶなよ」

 

 どうやら彼女がこの学園の番長なのだろう。それに周りの取り巻きの人たちははっきり言って川神にゴロツキたちのほうが圧倒的とまでは言わないが強いであろうとだけどこの女生徒・・・辻堂さんはさっき堤防で見た人と似た感じで強いだろう。

 

「あぁん!何見てやがんだテメェ!!」

 

 命が彼女たちを見ているいることに気づいた一人の取り巻きが命に絡んできた。

 

「あぁ。すまない」

 

「すまないで済ませれるかよ!」

 

 取り巻きは、拳を振り上げ、殴りかかろうとしてくる。

 

「(まったく血の気が多いな・・・)」

 

 その一撃は、命の頬に当たり少し後ろに仰け反った。

 

「(・・・なんて軽い拳なんでしょうね)」

 

 命は、ただそう思った。その拳には何も感じなかった。プライドも信念も殴った男は、ざまぁみろとでも言いたそうなニヤけた顔をしていたが。

 

「・・・おい。テメェ一般人に何してんだ」

 

 辻堂が今命を殴った男に殺気を混ぜた睨みを聞かせながら聞く

 

「で、ですが愛さんこいつが」

 

「・・・ただ見てただけだよなぁ」

 

「アタシが言ったことすら守れねぇのか!」

 

「グハッ!!」

 

 そう言うとその取り巻きを殴り飛ばした。

 

「すまなかった!ウチのもんが迷惑をかけて」

 

 そう言うと命にたいして頭を下げてきた

 

「・・・・別にいいですよ」

 

 命は、ただそう返事を返し職員室を目指して歩き出した。

 

 「・・・・(この学園じゃ、初めて見る顔だったな)」

 

 転校生なら朝のこのことも知らずに見ててもおかしくない。それに転校初日に嫌な目にあわせちまったなと辻堂は、思っていた。

 

 

「おい、クミ。この馬鹿片付けとけ」

 

 

「はい!」

 

 

 これが川神 命が稲川学園に編入した最初の朝のできごとだった。

 

 

 

 

 

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