のんびりしていただければ幸いです。
やっほ~。緋桜宮彩花だよ~。今のボクはテンションが高い! なぜかというと、今はあまり眠気がないからだよ! 結構すっきりした脳内になっていると思う。相変わらずもやのようなものがかかった感じはするけれど、眠気ってわけじゃない。
それでだけど、ボクはゲームをやってみようと思うんだ。以前弾くんのところでゲームをやらせてもらったんだけど、面白くなっちゃってね。えへへ……。
それでだけど、ボクとすぐ近くで対戦してくれる人はいないからオンラインにして知らない人と戦おう! と考えたんだよ!
あぁ……楽しそうだなぁ、面白そうだなぁ……おっとごめんね。ちょっと意識が変な方向に向かってたみたいだ。
とりあえず今回は弾くんちでやらせてもらっていたのに似た、格闘ゲームにしてみた。
「止まらないスピードで~♪思いがあふれ~てゆく~♪」
待っている間軽く歌を歌う。歌といえばボクからご報告があるんですよ!
その……ですね………
ボクの声が変わりました! でも…
なぜだかわからないけれど高い方に声がわりしたんだよ…。本当に自分のホルモンバランスは大丈夫なのか疑いたくなるよね。かといって自分解剖なんてして死にたくないし。…ボクがこんな発想してしまうこと自体もう駄目な気がする。
「あ、繋がったみたいだ」
買ったゲームが世界としっかり繋がったようなのでボクは操作を始める。
「えっと……まずは……ボクの名前、ユーザーネームの設定かぁ」
さすがに本名をそのまま打つなんて奇行はしてはいけない。それはネット界のまずい行為だ。みなさんもしないようにですよ? 友達の本名だったら大丈夫かもしれないね!
……なんか悪寒がする……。えっと! さっきの名前うんぬん、特に友達の名前がどうたらについては冗談です! 冗談だから絶対にしないでね!?
あの…これでいいですよね…? はうぅ…やっと悪寒が去ったよぉ……
さってと色々あって中々進まなかったけど、ネームの入力をしなくちゃね。
「う~ん。どうしようかなぁ……そうだ!」
Aya-flower-
これでいいかなっ! っと。言わなくてもわかると思うけど一応。Ayaはボクの彩花の彩の字の違う読み方だねっ! それで花の方を英語読みしてこんな感じになりました~。これなら大丈夫だね。もしかしたら知り合いにはわかるかもしれないけど、ボクがこのゲームをやってるって知らない限りは多分わからないだろうし。
「えっと…ユーザーネームは入力し終わったから相手探しか……」
検索中・・・・発見!
「えっとなになに? 挑戦しますか…? 相手:Sara-Kanzashi-かぁ…まあ早くやりたくてうずうずしてるボクとしては挑戦をしないなんて選択肢はないねっ! YESっと!」
~更識 簪~
私は今とある格闘ゲームのオンライン対戦をやっている。こういうゲームは私の密かな楽しみだ。
「え…っと挑戦状……Aya-flower-さん……? もちろん…受ける」
私はYESの選択肢に指を動かした。相手の戦績はまだ、0戦だし軽くやってあげよう…なんて思いながら。
「うそ……! 私が……!?」
画面上にうつるのはYOU LOSEの文字。相手の腕は正直いってふざけたレベルに位置すると思う。少なくとも私も知らなかったコンボを繰り出してくるのだ。威力も桁違いで、そのコンボで私のキャラクターの体力は6割近く削られる。私の出すコンボでさえ4割くらいだっていうのに……
「ふ…うふふ……勝ってみせる……!」
そして私は再戦を望んで、再戦の希望を送りますか? の選択肢をYESの方へ動かした。
~緋桜宮 彩花~
「ふぅっ! 勝ったぁ~!」
とりあえず初戦は勝ちで飾れたよぉ~やった! ばんざーい! ばんざーい!
あっと取り乱しちゃったね……落ちつくんだボク。まだたったの1勝なんだぞ! と自分に言い聞かせるものの、嬉しくてボクの顔はついついにやけてしまう。
「え、えへへぇ……うにゅ? 再戦希望なんてものがあるの? えっと…希望きてるね」
ボクのメールボックスのようなものにはそういった通知が届いていた。
「よ~しやっちゃうぞぉ!」
ボクはコントローラーをしっかり持ち直して意気揚々と再戦希望をうけた。
~更識 簪~
「うっ! くっ!」
画面の中でキャラクターが動き回る。相手はさっき使ったキャラから変えて、今は1発の威力は低いが、トリッキーで素早い動きが展開できるキャラを使っている。
対して私は1発1発の威力が高く、癖があまりなく万人が使いやすいキャラを使っている。私の持ちキャラの1つだ。
万人が使いやすいというのは、決して素人用というわけではない。むしろ多くの人がこのキャラを使うから、その中で自分を切磋琢磨できる。ほかにもコンボは自分のやり方で繋げられるのだし、それで差がでることが多い。今私が戦っている相手のように。
「…はぁ………はぁ」
いつの間にか私は興奮してきていたようだ。私の手はいつもよりも素早く動き、キャラクターに指示を出す。というか相手は異常だ。最初の動きはキャラの性能に慣れていないようで2ラウンド先取のなか1ラウンドは取れるのだけれど、次からは馬鹿みたいな強さを発揮してくる。
そして……
「あっ!」
私は入力を間違え、大振りな一撃を出してしまう。もちろんそれが当たるはずもなく外れ、相手は隙が出来た私にガード不能攻撃からの必殺技を織り交ぜたコンボを浴びせてくる。
「うぁ……負けた……」
私はそのコンボで負けてしまった。少なくともこのキャラの扱いに関しては1,2を争うレベルに私はいると思うのだけれど…
「でも……楽しかったな……また…この人とやりたい…」
そう思うと私は自分を止められなくなっていて、気がついたらフレンド申請をしていた。
~緋桜宮 彩花~
「ふぅ勝てたぁ! 今回は結構危なかったかなぁ。Saraさんはこのキャラが本気だったってことなのかな?」
とボクは呟く。どうみても最初ボクと戦った時使っていたキャラクターとは熟練度が違った。それぞれの技の特性を理解しているように、素早いボクのキャラに反撃されないように隙の少ない攻撃を中心に出していた。結局ボクも相手のHPを削りきるまで随分な時間がかかったし、体力も勝った時でも残り3割切ってたしね。
「いやぁ~それにしても楽しかったよ~。ん? フレンド申請がきてる…Saraさんからだ! 勿論YESで! わーい友達が増えたよ~」
ボクはフレンドが出来たので無邪気に喜んでしまう。仕方ないよね。知らない人と友達になれるってとても素晴らしいことだと思うんだ。
「さって次の対戦相手は……? えーっと-束縛-さん? 戦績は……えっ!? 1250戦無敗!? さっきのSaraさんもボクに負けるまでは4000勝7敗で強かったけど、この人も強そうだな~! 挑戦するしかないね!」
~篠ノ之 束~
「ん~歯応えがないね~。まあこの束さんにかかったらこんなもんかぁ」
そう私は呟く。1000戦以上してきたけど、私のキャラのHPを5割削れた人はいなかった。
「これも案外ちょろいもんだね。ん? 挑戦状がきてる? Aya-flower-ね…2勝0敗…まぁこの人を軽く倒して他のことでもやろうかなっ」
私はYESを押し、対戦を始めることにした。
~緋桜宮 彩花~
「くぅ~。この人無茶苦茶な強さだなぁ…」
――彩花が言えた義理ではないが――
ボクは今回さっき使った素早いキャラクターを使っている。相手はこのキャラと同じくらいピーキーな癖をもったキャラクターを使っていた。相手も速度重視のキャラクターで、お互いのキャラクターがステージを縦横無尽に駆け回る。
そういえば少しこのゲームについて解説。
このゲームにはコンボからの脱出用としてガードインパクトというものがある。
これはとてつもなくシビアなタイミングに合わせて適したコマンドを押すことで、相手の体勢を崩して強制的にコンボを中断させると共に、逆にこちらに反撃チャンスを作るというものだ。一応ガードのゲージを消費してできるインパクトもあるけど、それは相手をダメージ無で吹き飛ばし中断させるだけで追撃はできないというもの。
だが強いぶんデメリットも相当大きく、それをミスした場合、一連のコンボで受けるダメージが2倍になるというとてつもないものだ。
ほかにもこれにはさらに完璧なタイミングだと通常緑のインパクトのエフェクトが赤色になり、こっちのコンボで与えるダメージが1,25倍になるというものがある。これは特別な名称がついていて、アタッククラッシュという(ちなみにダメージのエフェクトは黄色)
それで、なんだけど……ボクと束縛さんはお互い1ラウンドずつとった状態になった。ゲージを使用しここぞという時に必殺技を組み込んだコンボを互いに決めあい、こんな戦いになっている。正直この戦いは凄くレベルが高いんじゃないだろうか? いや、ゲームだから誇られても…とか言われたらボクは泣くよ?
そして最後の試合なんだけど………凄く意味不明な戦いになっていた。まずボクのしかけた攻撃を束縛さんが初撃からアタッククラッシュでノーダメージで済ませる。
よろめいたボクのキャラへの攻撃をボクもアタッククラッシュで弾き、お互いに攻撃が与えられない。連打でよろめきからの復帰は早くなるので、ガード不能攻撃なんて出させる暇はお互いに与えない。だからまったく決定打が出ないままお互いミスして数発入ったりしたけど、試合は過ぎていった。
それで結局………
ボクと束縛さんが必殺技を撃ちあい、そこでさらに連打の戦いになったのだけど奇跡というしかない……お互いに連打数が全く同じのふざけた量で引き分けとなった。凄く長い戦いだったよ…
~篠ノ之 束~
「うぁ~。この束さんに追随できる奴がたとえゲームであろうといたとはね~」
私はそう呟く。そういえば最近で私の実験を私と同レベルの戦いで邪魔してきた奴がいたなぁ…………
「ここにも私と争える奴がいたんだね!」
そう知ると私は少し嬉しくなってしまう。私の領域を理解できる人はいない。ちーちゃんは私と同じ高みにいると思うけど、分野が違う。その点ゲームという共通点で私と同じ位置にいるこの人には親近感を覚える。
「はぁ、束さんの輝かしい記録に泥を塗られたのはイライラするけど、それ以上に楽しかったよ!」
そういうと私はゲームの電源を切り、疲れた手と頭を癒すため寝ることにした。
~緋桜宮 彩花~
「あふ……ねむねむなんだよ………」
ボクはごしごしと目をこする。目をこするのはあまり良い行為ではないけど、一時的な目覚ましくらいにはなる。ゲームで頭と目、あと手を疲労させすぎた。ボクはその疲れた体をいやすため、それと眠いのでそれに逆らわず寝ることにした。
「ふぁ……それじゃおやすみなさいぃ……すぅ……すぅ…」