IS‐のんびり屋な天才‐   作:石っこ

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第1話

 電車にガタゴト揺られながらボクはぼんやり、半ば眠ってそれをどこか他人のような思いで見る。

 緋桜宮彩花。それがボクの名前だ。ちなみに彩花は<あやか>じゃなく<さいか>と読む。

 改めて紹介。緋桜宮(ひおうぐう)彩花(さいか)です。

 名前の由来は花のような笑顔で彩りをどうとからしいけど。……()につける名前じゃないよね。ここで疑問が出来上がるので、軽くボク自身について考察しておく。

 

 ボクの容姿はどう見ても少女に見える(らしい)。年齢的には中3で、今は例外的に飛び級をしようとしている。とりあえずこれは置いといて。

 ボクの容姿を友人からの説明そのままで言うと、人形みたい。から始まりかわいい、が大多数でペットにしたい! とか俺がお前を養ってやる! とか男子がいってきたのもあった。…なんか脱線してるね。

 

 養ってくれるの? 嬉しいなぁえへへ~とか思ったけど、結局それは叶わなかった。何やら周りの人が倒れたり、この子は私たち共通の財産よ! とか言われて抱かれたりなんだりして有耶無耶になった。これもどうでもいい……蛇足だったね。というか一応ボクはボク自身のものです。クラスメートのものじゃありません。

 

 こんなところからわかるように自分でいうのもなんだけどボクはかわいいらしい。一応補足しておくけどボクはそうは思っていない。自分の容姿のよさなんて解らないし。むしろ解ったら怖いよ。ちなみに可愛いといわれた時、委員長にいいんちょも可愛いよといって笑ったら顔が真っ赤になってた。

 これも蛇足になるけど周りの人たちからは<あやちゃん>とか呼ばれてた。なんでも彩花(さいか)よりも彩花(あやか)というイメージになるんだとか。よくはわからないけれど、特に嫌なわけでもないし放っておいた。周りの人たちはボクに飴をくれたりしたし、いい人たちだった。

 

 ついでに名前についても触れておく。自分でいうのもこれまたなんだけど、こんなけったいな名前を持っているのはボクが孤児院出身だからだ。ボクに名前をくれた人には感謝してる。今は輪郭もうろ覚えでわからないけれど。

 

 そんなこんなで今ボクはIS学園に向かっている。どこがどうそんなこんなかは分からないかもしれないが、理由を説明する必要もないしいいよね? 後々簡単にわかると思う。

 

 

 電車がついたようでボクは寝ぼけ顔で電車から降りる。目指すはIS学園入試試験会場!

 さっきも軽く触れたけど例外的な飛び級のようなものだ。

 

 入試会場では、とある男子生徒がうろうろしていた。それを見るとボクの直感がこの人についていった方が面白そうとささやいた。理由も根拠も全くなかったけれど、なぜか反する気にはならずボクはそれに迷いなく従った。

 ちなみに試験会場にきたけど、ボクは試験を受けにきたわけではない。というか試験を受けても多分解けるし必要ない。ボクは技術的な面でISに関わろうとしていて、それが受理されたらしいので、一応試験会場にきてその旨を伝え、問い合わせてもらって入学しようという次第だ。

 

 っと。そんなことを説明してたら男子生徒がひとつの部屋に入って行った。ボクはその行動を見てこの部屋は確かISが…と思いつつ、ついていく。

 

 

 そして後にボクはこの時を盛大に喜んだ。転換期を迎えたことを。

 

 

 部屋に入ると男子生徒が何やら呟きつつ、ISに触っていた。ボクはそれを興味津津といった面持ちで見ていたが、驚いて――さらに言えば物理的にも――目をそらさずにはいられなかった。男子生徒が触ったISが突然発光し始めたのだ。発光が終わるとボクは柄にもなく興奮してしまい、寝ぼけた頭も完全覚醒させて男子生徒の方へ詰め寄っていった。

 

 男子生徒の方はまだ気づいていないみたいだったが、ボクにはそんなことはどうでもいい。ホロキーボード(コンソールともいうかな)を上下合わせて4つ展開させこのISの解析をすすめていく。

 理由は男子生徒に反応したのはこのISが特別なのかもしれないと思ったからだ。原則ISは女性にしか扱えないはずだから、ボクは当然の反応をしたと思える。

 ……え? 解析をするのは当然の反応じゃないって? そうかもしれないね。でも誰だって不思議は多少なりとも解き明かしたくなる欲求が生まれるよね? ボクはそれを解決する方法として解析ができたというだけだったんだ。

 

 

 解析をし終わってもISに特に他のものとの違いは見てとれなかった。なんだかわけがわからなくなって首をかしげ、ボクはそして新たな可能性に気づく。

 この男子生徒が特別かもしれないという思いと、他の男子でも起動できるのかもしれない。という思いが。ボクとしたことが女性しか起動できないという先入観に囚われるなんて! 

 という自己嫌悪に入りかけたが今は実験が先だ。

 何の実験か? 他の男子でも起動できるのかという実験です。確かに報道では女性しか起動できないというのは言われていたことだけど、自分で試してみたことがなかった。さらに言えば、今目の前で男性なのに起動できた人がいる。

 で、ここにいる他の男子はボクしかいない。まずは自分を実験に使ってみるべきという考えはかなり前から根付いたもので、今でもそれは変わらない。

 

 しかして、その結果は。ボクがISに触ると今まで感じたことのない、なんともいえないような感覚がボクの中に広がった。それとともに……これがISなのかぁというどこか感慨深い気持ちになる。白騎士を見た時以来の衝撃かもしれない。今でも白騎士の映像はボクのデジタルディスプレイに保存してある。永久に保存するつもりだ。

 

 どうやら男子生徒の方もやっとボクの方に気づいたようで…といっても誰かがいるという程度の認識みたいだけど。視線を左右にさまよわせている。ボクが小さいとでもいいたいのかな? 慣れっこなので手を伸ばしアプローチしてみる。

 

 とそんなことをやっていたら、係員のような人がきて、

 

「あなたたち! 何をしているんですか! ……え? 男がISを起動している!?」

 

 と男子生徒の方だけを見て驚愕している。一応ボクも男ですけど……というのは別にどうでもいいことだよね。厄介事は嫌いだし。

 

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