IS‐のんびり屋な天才‐   作:石っこ

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第17話

「んぅ……」

 

 朝の陽射しが窓から入ってボクの顔を照らす。その明るさのおかげでボクは半ば強制的に起きた。

 

「ふぁ……朝かぁ」

 

 眠い目を軽く擦りながら、ベッドに手をついて立ち上がろうと……?

 

ふにふに

 

 自分の手の先に何か柔らかいものの感触が伝わる。

 

「んぁ……。なんだろこれ……」

 

 寝ぼけた頭ではわかるものもわかりそうにない。ボクは再度数回、手を握ったり開いたりしてそれを掴む。

 

「んっ……」

 

なんか少し色っぽいような声が聞こえたのだけど……。きっと幻聴だ。いやそうに違いないそうであってほしい。と当然そんなはずもなく手の先から伝わる感触は変わらない。

 

「ベッドの中になにか……いる?」

 

 手を上下に動かしてみて確認した、結論。この布団の中にはなにかが入っている。

 ボクは布団を軽く持ち上げて中をのぞいてみる……

 

 

 

 そんなボクの視界にはいったのは長い銀髪、そして白磁の肢体、ボクより少し大きいけど小柄なその体格。

 

「…………? ……ま、まってまって。よく考えるんだボク。そんなことがあるはずが」

 

 もう一度覗く。そこにはやっぱりラウラさん。

 

「…………」

 

 見なかった事にしよう。寝る時にはボクのところにいなかったんだし、きっとボクはなにもしてない。自分に言い聞かせるようにしつつ、ラウラさんに優しく布団をかけなおしてボクはシャワーの準備をし始めた。

 

 

 

 シャワーからあがって着替えもすませたボクはさて、どうしようか。と頭を悩ます。もちろん懸念はラウラさんのことについてだ。

 

「どうやって起こそうかな……」

 

 これが実に問題だ。ラウラさんは裸だし見てしまうわけにはいかない。だから叩いて起こしたりするのは却下。ってことはやっぱり声をかけるとかかな。

 

「おーい……。ラウラさーん……朝だよー」

 

 小声で声をかける。これじゃやっぱり起きないかなぁと思っていたのだけど、さすが軍人というべきかラウラさんは起きた。

 

「ん……もう朝か……?」

 

 お、おっと……。慌ててボクは後ろを向く。さすがに裸体を直視するわけにはいかない。

 

「そ、そうだよ朝だよ~。というかラウラさんはどうしてボクのベッドに?」

 

「ん? 夫婦とはそういうものだろう? それと私のことは名前だけでと言ったはずだが」

 

 ……。夫婦? 誰が? ボクとラウラさんが? あっはっは。冗談がうまいなぁラウラさんは。日本では年齢的にこの年では結婚できないんだよ。男子は。

 

「お前は私の嫁だろう?」

 

 あぁ……。ラウラさんもちょっと寝ぼけた感じが声に出てる。なんかすごくかわいく感じる声なのだけど。ボクはもう駄目かもしれない。意味はわからないけど。

 

「というかボクはラウラさ……おっと。ラウラの嫁になったの?」

 

 言いかけてラウラさんがきつい視線を送ってきたので、慌てて言い直しそう聞くとラウラさんは少し誇らしげにしながら、

 

「うむ、そうだ」

 

 と返してきた。

 

「へぇ……。光栄だな~」

 

 ボクはにっこりと笑顔を作る。だってラウラさんが好意をもってくれてるんだよ? 気に入った奴は嫁とか言ってたしね。ボクとのISの戦闘が面白そうとかそういうのかな。

 

「どうしてそっちを向いているのだ?」

「いや、さすがに裸を見るのはまずいでしょ?」

「夫婦とはお互い包み隠さぬものだと聞いたが……ましてお前は私の嫁」

 

 あ、あれ? ここでまさかの嫁発言?これ関係してるんだ……。

 

「ほら、喋るなら私の方を向いて喋れ」

 

 ラウラさんはそういうとボクの体を掴んで、自分の方向へと向かせようとする。

 

「わわっ!」

 

 ちょっと倫理的にそれはまずいので抵抗する。それに何を思ったのかラウラさんは……。

 

 

 

ボクに寝技をかけてきた。

 

 

 

「あいたた……」

「ふむ。お前はもう少し寝技の訓練をした方がいいかもしれんな」

 

 寝技の訓練かぁ……。いや、そんなことしなくても

ボクは寝技を外しにかかる。こういった事なら得意だ。寝技は技術だからね。といっても力尽くでどうにかなることもあるかもしれない。でもボクとラウラさんは似たような体格だし力の差はあんまりない。

 

「むっ!」

 

 ラウラさんをひっくり返してボクが上に……というのは大変まずいので外しておくだけにとどめようとするのだけど、そんなボクに追撃がかかる。

 

「やるな! さすがは私の嫁!」

「え……ちょっと……」

 

 まさかの再び極められるという状態。急いでボクも外すけど、外すたびまた新たな技をかけられそれを外す。まさに泥沼。

 

ドタバタドタバタ

 

 

 

 

「さーやちゃーん? どうしたのー?」

 

 そんな騒動を起こしていたらボクの隣の部屋に位置するところに住んでいる本音さんが不審に思ってきたようだ。

 この時間に本音さんが起きてるなんて珍しい。いや、これは失礼かな?

 

「―――っ!!」

 

 本音さんがボクの方をみて固まる。

 いや、これはその……ですね。寝技の訓練ですよ。やだなぁ。

 

「無作法な奴だな。夫婦の寝室に」

「……うあ~」

 

 ら、ラウラさん? ここで夫婦とわざわざ言わなくても。

 ほら、本音さんが赤面しはじめてる……?

 

「わ~! さーやちゃん大胆だねぇ~」

 

 ……あれ? 反応が予想と随分違う。

 

「ラウラちゃんと付き合ってるの~?」

「いや、こいつは私の嫁だ」

「嫁? 嫁って……じゃあ私はさーやちゃんをお婿さんにしちゃおう~」

「男とは女をたくさん囲うものだものな……仕方ないな」

「え? あの? お2人とも?」

 

 なんだかよく分からない方向に話が進んでいるような……。

 

「よ~し。私もさーやちゃんを愛でちゃおう~ほりゃほりゃ~」

「それはいい考えだ。私もこいつの頬を触ったりするとしよう」

 

 気がつけばふたりはなぜか意気投合。そしてその勢いのままボクの方へ近付いて頬を引っ張ってきた。

 

「は、はほ……ほふへはんひはうは(ほんねさんにラウラ)? ひょっとひゃへ……」

 

 ラウラさんと本音さんに頬を引っ張られたりしながら、ボクはうまく発声できないながらも抗議の声をあげるのだが、逆に面白がるようになってしまい……

 

「さーやちゃんの髪ってさらさらだね~」

「うむうむ。私の嫁は柔らかいな」

 

 本音さ~ん。マイペースなのはわかるんですけどラウラさんに服を着ていないことの突っ込みをしてくれませんか? そしてラウラさん。喋りづらいので離すことをボクは希望します。

 

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