そういえばSaraさんとフレンドになったのだけれど、中々この機能はすごい。ちなみにソフトという規模の登録じゃなくて、ハードという規模で登録してあるから以前と別のものをやっていても、なにをしているかとかがわかる。
「むっ! くっ!」
今現在。そのSaraさんに再戦を申し込まれた。あの後結構ボクたちは仲良く(といってもゲームの中だけだけれど)している。他のゲームの協力プレイをしたり、そのゲームでもちょっと競ったりしてかなり楽しい。
そして対戦の方だけれど、ボクが劣勢気味だった。確かに束縛さんと以前やった時ほど、無茶苦茶なプレイはしていないといえど、普通にやってるはず。なのに劣勢気味ということはSaraさんがもっと強くなったんだろうね~。
「うっ? あ~」
少し油断した隙に連続攻撃を叩き込まれて、体力が0になる。これで1ラウンドを先に落としてしまった。
「く……ボクはこうみえて負けず嫌いなんだよ!」
ここからっ! ここからが本番!
「………………」
駄目でした。ボクは真っ白な灰になってしまいました。
結局あのあと1ラウンド取り返したのだけど、その試合もぎりぎりだったしこれは負けるなという予感がしていた。認めたくなかったけれど。
戦いも終わったので、
「「お疲れ様」」
とお互いにチャットする。
Sara「やっぱりあなたと対戦するのは楽しい」
とSaraさんからそんな表示が出てきた。なんだかそう言ってもらえるとボクも嬉しくなる。
Aya「Saraさん強い! 以前も強かったけど今回はもっと凄かった!」
Sara「そ、そう……? ありがとう……」
そんな風に会話をする。Saraさんはなんだか照れている風だったけど、実際そんな謙遜しなくても強くなっていると思う。
Aya「次戦う時があったらボクも負けないように腕を磨いておきます!」
Sara「……うん。次もきっと勝ってみせる」
お互いにすっきりとした気分で終わることができたと思う。負けたけれど、やっぱり楽しかったから充分だね。
その後、ボクたちは
「う? うにゅ」
一人称視点でキャラクターを動かす。協力プレイを行っていて、Saraさんのプレイは迷いがない。対してボクのプレイはそこらをいったりきたりと挙動不審な動きになっていた。
Sara「……大丈夫?」
Aya「だ、大丈夫」
軽くそう返答をする。敵が出てくるポイントを熟知しているであろうSaraさんと、初心者であるボクには大分開きがある。正面に敵が出てくれば負ける気はそんなないのだけれど、どこにくるかがさっぱりだ。じっくりと画面を眺めてパターンを探る。その間は適当に回りをみながら……ってそんなわけにもいかない~!
Saraさんがとんとん拍子で敵を倒して進んでしまうため、ボクも慌ててついていく。というかボクが射撃する出番が全然やってこない。まだ数回しか撃ってないよ。
Sara「ここが……ボス」
えっと? ここがボス部屋? というかボスなんているんだ。いないものだとボクは思ってたよ。
Sara「行こう!」
Aya「了解~!」
ボクはいつも通りの軽いテンポで、返事をしてボスの部屋へと向かった。
~更識 簪~
「……ふふ」
なんだか楽しい。このゲームでは私に一日の長があってAyaさんに教える側になっている。とはいっても、Ayaさんも敵を確認してからの射撃は精密の一言で、弱点を的確に撃って即座に敵を倒している。いくら事前に情報を教えたとはいえ、驚異的な順応能力だなぁ……
そして順当に進んで辿り着いたのがボスの部屋だ。自分1人で挑むことが結構多いけれど、相手の
軽く自分にえいっと気合を入れる。勿論楽しむのが一番だけれど、勝ちたい。少人数では無理と騒がれている相手で、今までの攻略者で最低人数が6人だけれど、私とAyaさんでその記録を塗り替えてみせる。
そして戦闘が始まった。
~緋桜宮 彩花~
そのボスは異形の姿をしていた。まあここまで出てきた相手も大体そうなんだけどね。
「大きいなぁ……」
サイズは今までとは桁違いで自分の視点から見ると、高さは……およそ5倍?
少しの間は予備動作読みに時間をかけるかな。
唸りを立てて振られる巨大な腕を回避。その間Saraさんはこのボスの弱点らしい瞳を撃ち続けている。
「よし……っと!もう大体読めるかな~」
ボクの方はボクの方で観察が終わった。結構急ぎ目にやることにしたので、あまり時間はたっていない。というのもこのボスには回復能力が備わっているらしくて、ダメージを与えたそばからゲージが回復していっているからだ。だからSaraさん1人だと削りきるのはかなり難しい……はずなんだけど、3割くらい削ってる。ちょ、ちょっとうますぎじゃない?
「ボクも負けてられないな~」
銃を構えて瞳を射撃。反動をコントローラーの操作で抑え込み、精密な射撃を進める。ある意味ISの操作と似ているところがあるかも。
刹那、怪物がこちらを振り向き両腕で掴もうとしてくる。……けど
「そっちの動きはもう読んだんだよね」
急いで前進してダメージのない狭い空間へと退避。ちょうどキャラクター一体と少しぐらいで、中々入るのは難しい。見た目的に当たってないところがあったから前進してみたら、実際当たらなかったという偶然の発見だった。
この攻撃は結構隙が大きいから、頭が近付いてさっきよりも撃ちやすくなったところに目掛けて瞳に弾を撃ち込む。Saraさんは後方から威力の高いスナイパーライフルで瞳を撃ち抜いている。見事なタッグだと思う。ボクたちは本当に仲良しだなぁ~
~更識 簪~
「やっぱりこの人は……凄い」
誰もが考えてもやろうとはしなかった前進で、大きな隙を作りつつ完全に回避した。というのもこの回避は避けれるようには見えないぐらいの狭さなのでやろうとする人がいなかった。理由としては攻撃力が高いから一発あたるのが怖いというのが多い。
それに補助がとてもうまい。ボスの動きを探っているらしくあまり攻撃はしかけていない時があったものの、いいタイミングで煙幕を張ったり、グレネードを投げたりしてボスを私から離してくれていた。おかげで私も狙う余裕が持てたし、いつもより弱点をしっかり狙えたと思う。
ガシャン! と弾薬をスナイパーライフルから抜き出し、補充。Ayaさんが
このスナイパーライフルも1人だと使う気になれなかっただろう。速射を行うと命中率が著しく落ちて、弱点の瞳をつけなくなるから逆に総ダメージ量が減ってしまう。でも今回は弱点を狙う余裕を作ってもらえてるし、高い攻撃力を活かしてぐいっと体力を削れる。
「あとちょっと……!」
その呟きの余韻が消えるころには、私は最後の1弾を放っていた。
~緋桜宮 彩花~
「「お疲れ様~!」」
お互いにテンションが上がってしまう。でも仕方ないよね。Saraさんから聞いたんだけど、この人数で攻略したのは初めてらしいし。
いつもはあまり伸ばしを使ったりしないSaraさんも今回は使っていた。
Sara「やった……」
Aya「あ~。楽しかったなぁ~。また今度誘ってくれると嬉しいな」
Sara「……うん。次も一緒にやろう」
ボクたちは互いに褒めつつやりきったという充足感を得て、ゲームを切った。
「あふぁ……さすがに疲れた」
楽しかったけれど随分集中して敵の攻撃を避けていたので、大分神経が疲れた。
そういえばもうすぐ夏季休暇だ。夏休みだ。やったね!
「と、とりあえず今は寝よう……」
夏休みが楽しみなのは山々だけど、今はとにかく眠い。おやすみぃ~