30話が真の最長予定
第29話
「う~ん。これもらっちゃったけど1人で行くのかなぁ……」
あるチケットを手の上で弄びながらそんなことを呟く。実はあの後買い物にいった桜先生が福引きであたったとかでウォーターワールド行きのチケットをくれたのだ。なんでもここは今月できたばかりで、前売りの今月分のチケットはすでに完売してるとか。
「1枚しかないんだけど誰かにあげちゃおうか……いやいや、それじゃ桜先生の好意を無駄にすることに……」
あーとかうーとか言葉にもならない声を出しながら1人思い悩む。いくら考えてみてもチケットは1枚。入場出来るのは1人。どうしようもないことなのに悩んでしまう。1人というのがネックな点だ。
「むむむ……。誰かを誘うってわけにもいかないし、1人でいくしかないね。もしかしたら他の人も来るのかもしれないし」
なんで福引きでペアのチケットとかじゃないんだろうと疑問に思いつつも悩むのをやめて、明日に備えて寝ることにした。
「いい朝だ~」
今日は目覚めも結構すっきりとしていて、気分がいい。人気の場所にいけるということもあってテンションも多少はあがろうというものです。1人なのが物悲しいけど。
「あ……。そういえばボクの水着は着ぐるみっぽいのと、指定の水着しかないね。どっちを着て行こうかなぁ……うん! やっぱこっちでしょう!」
ボクは少しの間悩んで、結局は猫の着ぐるみっぽいのを掴んで向かうことにした。
「うぁ~あ~つ~い~よぉ~」
もともと苦手な太陽の熱にさらされて、ボクはぐでーんとなりながらそう呟く。実際そんな呟きに意味はなく、逆に無駄に自身が自覚してしまうことにより疲弊するというには重々わかっているんだけど。
「それでも熱いと言ってしまうよ……暑いじゃなくてもう熱いなんだよ……」
なんだか日本語としておかしくなっているような気さえする。気温はそんなに高くないはずなのに、日光が苦手という気分が自身にそう思わせているのだろうか。
「えっと……君。だ、大丈夫?」
ボクがぐったりとしながら歩いていたら、大人っぽいお姉さんがボクに話しかけてきた。その声音は心配の色に彩られていて、やましい気持ちなど感じられなかった。……少しだけボクに向けている視線がおかしい気がしたけど。
「大丈夫です~。ご心配どうもありがとうございます」
その気持ちをありがたく受け取り、返事をする。相手はどことなく残念そうな表情を浮かべたけど……え? え?
「…………あれ?」
だらだらと道を歩きながら、ウォーターワールドのゲート前まで来たところで見知った顔が目に入った。道中色々な人に心配されては断るということを繰り返し、いつからかボクをじっと見ているような視線も感じ始めた。そんなこともあって少しだけ疲れ気味なボクは見知った顔を見つけたことで少しだけ気分が良くなる。
「鈴音さんにセシリアさん~」
声をかけようとするのだけど、なんだか様子がおかしい。鈴音さんは電話していて相手側に怒っているようで、セシリアさんはといえばきょとんとした顔でその一部始終を見ている。その視線の先にいるボクに、セシリアさんは気づいたようで。
「あら、彩花さんじゃありませんの」
「うん。えっと……鈴音さんはどうしたの?」
ささっと2人の方へと近づき、ようやく電話が終わったらしい鈴音さんへとボクは話しかける。けれどその視線はセシリアさんの方をしっかりと捉えていた。
「セシリア……良く聞きなさいよ……。一夏は来ないわ」
ぴしっとこの空間が凍ったかのような雰囲気が辺りを包む。どうやらボクはこの話の範囲外にいるようだけど、この空気がやたらと怖く感じる。
何を言われたのかわかっていないようにしているセシリアさんにわからせるかのように、再度鈴音さんはさっきの言葉を繰り返した。
「一夏はこない」
「……はい? ええと……なぜ? というか、どうして鈴さんが……?」
「今日あたしとあんたがデートすんのよ!」
……え? なんだか凄い決定的な言葉を聞いちゃった気がする。う、うわ~。ま、まさか鈴音さんとセシリアさんがそんな関係だったなんて……。ボ、ボクは気にしないよ! そういうのも人それぞれの個性だもんね!
「……鈴さん」
「なによ」
「どうやら彩花さんが盛大な勘違いをしているようで、顔を真っ赤になさっているのですが……」
「………………はぁ」
どうしようどうしよう! うわ~!
ウォーターワールド内の喫茶店にて。
「おーい。彩花ー戻ってきなさーい」
ぺしぺしと頬を叩かれるような感触がしてボクは想像……妄想の方が近いかもしれない が止まる。ウォーターワールドに入った瞬間のことを全く覚えていない。かろうじて覚えている光景が脱衣所で男の人たちが、かなり驚いて縮こまっていたことだ。あの光景は衝撃的だったので覚えていた。どうしてそんな風になったのかは甚だ疑問だったけど。……そういえばウォーターワールドに入るころに視線は消えた。どこか安心感を漂わせて消えていったのは気のせいだろうか。
「……つまり、一夏さんは自分の代わりに『ここに行かないか』と言ったわけですね」
「そーねー」
鈴音さんの返答はぶっきらぼうで、適当に返している感じが見受けられる。どうやら話を拾っていくと。
・鈴音さんがウォーターワールドに一夏くんを誘った。
・一夏くんは急用ができてしまい、代わりにセシリアさんに勧めた。(その場合自分がいくわけではないと言っていない)
・一夏くんは鈴音さんにそのことを伝えようとしたが、寝ていたらしいので諦めたらしく連絡がいかなかった。
・そしてセシリアさんと鈴音さんがデート
こんな感じのまとめ方でいいかな。
「や、やめなさいよ彩花……改めて言われると気分が重くなるわ……」
「そうですわ彩花さん……」
え? ボク今の説明もしかして口に出してた?
「思いっきりね……」
「今のも口に出してますわよ……」
そんな風に2人のつく深い溜息が喫茶店に響いた。
「で?」
「で、とは?」
「帰んの?」
……え? 帰る? ま、待って待って! そんなのもったいないじゃない! 遊んでいくべきだよ!
「鈴音さんもセシリアさんも折角チケットとったんだから、遊んでいくべきだよ!」
「はぁ……今日のこれに意味はなくなったのよ……」
「確かにそうですわね……」
「え?」
さっきと同じように深い溜息をついて2人ともが意見を一致させる。そんな2人が席から立ち上がった時、館内放送が響き渡った。
『では! 本日のメインイベント! 水上ペアタッグ障害物レースは午後1時より開始いたします! 参加希望の方は12時までにフロントへとお届けください!』
特に興味もなさげな2人だったけれど、そのあとに続いた言葉に過敏に反応していたのをボクはみた。
『優勝賞品はなんと沖縄5泊6日の旅をペアでご招待!』
その言葉を聞いた2人は帰ろうとするのをやめ、腕をがしっと交わしたかと思うと、
「セシリア!」
「鈴さん!」
「「目指せ優勝!」」
…………どうしたんだろうね。
「さあ! 第一回ウォーターワールド水上ペアタッグ障害物レース、開催です!」
司会のお姉さんが飛びあがりながら放った大きな声が会場に響き渡る。その声に呼応してか、わぁぁぁっ……!と歓声(主に男性)と拍手が入り乱れる。
レース参加者はほぼ全員女性だ。ほぼ……というのは彩花がそのメンバーの中に入っているからだ。見た目だけでいえば全員女性であるが。
「……なんでボク以外の男の人たちは受付で帰って行ったんだろうね」
素朴な疑問をボクは抱く。男性参加者が受付に近寄った時、独特な圧力がかかったような……? ちなみにボクのパートナーは「誰かボクのパートナーになってくれませんかー!」と言ったら、大勢の人が挙手してくれた。それには男性が多くて、気が楽だなぁと思ったんだけど一呼吸置いたかと思うと全員が下がって、結局女性の人と組むことになった。
「えっと……彩花ちゃんって言うんだっけ? 君は私が守るからね!」
そのお相手さんはぐっと親指を立てて、にこやかな笑みを浮かべてくる。その笑みはとても気持ちが良くて、
「ありがとうございます~」
とにへら~と笑いつつボクは返答していた。
「あぁぁ~!! やっぱりかわいいなぁ!!」
「むぎゅっ!」
ぐっと引き寄せられる。なんだかいつもこんなことが起きているような……ボクの対応が悪いのだろうか。そんなことを思っていたら鈴音さんとセシリアさんが近付いてきていた。
「彩花……もしかしてあんたもでるの?」
「う、うん」
「……今回は絶対に負けませんわよ」
2人からにじみ出る気迫がいつもとは違う。鬼気迫るような様相だ。
「……知り合い?」
「そうです~」
「かわいい子だねー、ちょっと嫉妬しちゃうかな」
そんな風にボクのパートナーの人は呟いていた。
「さあ、みなさん! 参加者の女性陣に今一度大きな拍手を!」
「……ん? あれ?」
ボクと鈴音さん、セシリアさんとが視線を交差させる。
(あんたって……男よね?)
(そのはずなんだけど……)
(……まさか彩花さんはやっぱり女の子と間違えられているんですの?)
(そうかも……)
ボクの服装は着ぐるみっぽい奴だから、性別の見分けがつかない。それでおそらくはボクの容姿と声から判断された……ってことだろうか。
「優勝賞品は南国の楽園・沖縄5泊6日の旅! みなさん、がんばってください!」
「よぉ~し、がんばっちゃうぞ~」
賞品に興味があるわけではないんだけれど、やっぱりこういう競い合いは楽しいし、勝ちたい。
――だが、その言葉を聞いたセシリアと鈴の心情は気が気でなく
(さ、彩花が真面目に取り組むの!?これは要注意ね……)
(彩花さんががんばるですって!?これは注意しておきませんと……)
などと思っていたりしていた。
「では! 再度ルールの説明です! この五〇×五〇の巨大プール! その中央の島へと渡り、フラッグをとったペアが優勝です! なお、コースはご覧の通り円を描くようにして中央の島へと続いています。その途中途中に設置された障害は、基本的にペアでなければ抜けられないようになっています! ペアの協力が必須な以上、ふたりの相性と友情が試されるというわけですね!」
ボクはそんな言葉を聞きながらコースを見る。……多分一般人なら難しいかもしれないけど、ボクたちみたいな訓練を積んだ人なら1人でもいけるかな? ボクも専用機を持つにあたって訓練を積まされたから、欠点の筋力も多少は補われている。鈴音さんたちもどうやら同じことを思っているようで、どこか得意げな顔をしていた。
「じゃあボクたちもがんばりましょうね~」
「そうね」
ボクは大丈夫でもこれはペアのレースなので、一緒に行動したいと思う。意志疎通が完璧にできるわけもないけれど、ある程度行動を読むことはできると思うし。
「さあ! いよいよレース開始です! 位置について、よ~い……」
その言葉の直後にボクは周りをさっと見る。その中でボクたち……というかボクのペアの人に仕掛けてきそうな人が1組。……ボクは対象に入ってないみたいなんだけど。見た目的にはボクの方が落としやすそうなものだけど。――彩花に攻撃することをみなが躊躇していることは言うまでもない――
パァンッ! と乾いたピストルの音が響き、24名12組の水着の女性たちが一斉に駆け出す。(1名男性見た目は女の子)
開始直後、掴みかかろうとしてきたペアとパートナーの間に即座に入ったボクは、伸ばしてきたその腕を掴み、
「ごめんね~」
と言いながら1人を遠くに放り投げる。なにが起きたのかわかっていないようで、よくわからないといった顔をしながらその人は飛んでいった。続いて2人目の腕を掴み、足を崩してそのまま横向きにこれまた遠めに放り投げる。そして ザパーン! と水飛沫を上げて2人とも落水していく。
「……えーっと。ありがとう?」
「どういたしまして~」
会場が一瞬しーんとして、パートナーの人がボクへとどこか疑問形な感じのするお礼を言ってきた。やっぱりどこかわかっていないような顔をしながら。数瞬の後にどよめきが会場内に広がる。
「お、おーっとぉ!? 小柄な体に似合わずやることが豪快だぁー!」
司会の人も驚きを隠しきれないような声を出して、ボクに注目する。会場の人たちが初め向けていた暖かな視線も、少しだけ質が変わったような感じもする。といっても相も変わらず見守るような感じなんだけど。
観客視線
「なんだあの着ぐるみの子! ……あぁ~なんだか癒されるなぁ~」
「確かに……あの猫の着ぐるみをした子はなんだか……守ってあげたくなるよな」
「そうそう! 保護欲を掻き立てられるというか……」
彩花が男だとわかっていないが故に交わされる会話は、事実をしれば悲しくなるような内容である。
彩花が2人を投げた後
「おぉ~! なんだか凄いなあの子! 俺、やましい視線でこれ見てたけど、純粋にあの子を応援したくなってきちまったよ!」
「奇遇だな。俺もだ」
「お前もか!? 実は俺もなんだ」
「気まぐれそうな仔猫っぽい感じがたまらないよなっ!」
最後を言った1人はじと~っとした視線を向けられていた。全員そうは思っているのだが、少しだけ色が違いそうな感じをその観客は漂わせていたので、向けられる視線は厳しめのものだった。
しばらくボクたちが、先行している鈴音さんたちを追いかける。鈴音さんの方は問題が発生しているようで、注目を集めてしまい妨害が集中しているようだった。ボクの方にも注目は集まっているのだが、ほとんどの人はちらりと視線を向けるだけで手だししてくることはなかった。
そんな中、前の集団の方で騒ぎが起きた。……どうやら鈴音さん達が妨害組に怒ったようで水着を脱がしたようだった……って、え゛?
「「きゃあああああっ!?」」
水着をとられた2人は叫んで混乱しているようだった。鈴音さんとセシリアさんはそれを一瞥すると、水着を客席へと放り投げた。
「……さすがにこれはまずいよね」
ボクはばれないようにISの武装を展開。そして一瞬の間に水着を弾いてプール内へと戻した。観客席にいた男性陣はおおいに沸いたと思った瞬間、目の前で起きた不可解な出来事に絶句しているようだった。
「な、なんだか観客の人たちごめんなさい……」
どうしてだろう。ボクは正しいことをしたような気がするのに、なぜか不思議な罪悪感。
「じゃあ、行きましょう」
「ですね~」
1番目の島はロープで繋がれた小島を1人が固定して渡り、それから向こう岸で支えてもう1人も渡るというものだったが――
目の前の鈴音さんたちは驚くべき動きをみせ、2人ほぼ同時に渡るという荒技をこなした。対するボクの方はといえば。
「ボクが支えてるんで先いってください~。出来るだけ速くお願いしますね」
「もちろん!」
そういうやいなや、その人は結構速いスピードで小島を渡っていく。そしてそれを確認したボクは最後にさしかかったところになってから、手を離し後を追う。あっちが補助をするのを待っている余裕はない。
ぴょんぴょんとまるで気まぐれな猫が跳ねるように、軽やかな移動を彩花は見せた。あまりに普通に意識に入りすぎて、一瞬静まる。そしてすぐ、わぁぁっ! と歓声が沸いた。
「あ、どうもどうも~」
走りながら軽く礼。
「君……どうやって渡ったの?」
「……普通に?」
「君ってもしかして案外凄い?」
「どうなんでしょう」
鈴音さんとセシリアさんの活躍に会場が沸いているが、それに続くかのように彩花に対する歓声が上がる。その声には応援も含まれていた。
「こ、これはすごい! ふたりは高校生ということですが、何か特別な練習でもしているのでしょうか!?」
……ISの代表候補生だもの。あのふたり。
続く第2の島。1人が放水を止めてその間に通り抜けるという障害だったが、鈴音さんたちは走って突っ切り、ボクたちは放水を予測して右へ左へと手を引きながら障害を無視して進む。
「す、すごい! すごいです! あのふたりも凄いですが、それを追うこのふたりも凄い! 一体どうして水に当たらないのでしょうか!?」
そんなこんなで第3、第4の島は鈴音さんたちは力尽くで踏破し、ボクたちはボクが補助しつつなんとか踏破した。
「くっ! 彩花たちもしぶといわね!」
「ここで決着をつけるわよ!」
走ったのでは負けると踏んだのか、トップのペアが反転して鈴音さんたちと向かい合った。……ボクたちはまだ少し遠いので、これはチャンスかも。
「あっはっは。一般人があたしたち候補生に勝てるとでも――」
「おおっと、トップの木崎・岸本ペア! ここで得意の格闘戦にもちこむようです!」
……得意の? ……あ。そういえばあの人たちどこかで見たことあると思ったら……
「ご存じふたりは先のオリンピックでレスリング金メダル、柔道銀メダルの武闘派ペアです! 仲がよいというのは聞いていましたが、競技が違えど行きはぴったりですね!」
おぉ~。あとでサインでももらおうかな。もらえたらなんだけど。……書いてもらえるものがないや。……うぅ~。
そんなことを考えている内に追いつくまでもう少しと迫ってきた。すると何を思ったのかセシリアさんが1人で突撃しはじめ……くるりと反転。
「……あ」
セシリアさんのその顔を鈴音さんが げしっ と、それはもう強く踏み込み最後のフラッグへと跳んだ。
「勝ったぁ!」
鈴音さんが勝ち名乗りをあげ、セシリアさんはメダリスト2人のタックルを受け どっぽーん とプールに落ちる。あぁ……あれはいたそうだ……。
「……負けちゃったね。君1人だったら簡単に行けたのかもしれないのに、足ひっぱちゃってごめんね」
「ボクも楽しかったですし、いいんですよそんなの~」
というかこれからの展開がちょっと予想できる。怒ったセシリアさんが……
ザパーン!
セシリアさんがブルー・ティアーズを展開して水面から上昇してきた。
「今日という今日は許しませんわ! わ、わたくしの顔を! 足で! ――鈴さん!」
「あぁ……あの、本当にありがとうございました。多分プールから出た方がいいです」
「そ、そうなの?」
「多分……」
パートナーをやってくれた人にお礼をいい、危険なので忠告する。というか良く考えたら言ってることがボクの今の見た目的に格好がつかない! だって猫だもの。
「はぁ……」
白熱してきた戦いで飛んでくる鈴音さんの衝撃砲と、セシリアさんのビットからの射撃とを、シールドを展開させ溜息をつきつつその流れ弾を弾く。というか弾くだけじゃ足りないので消滅させる必要性がある。セシリアさんのにはエネルギーシールドで消滅させ、鈴音さんのは対実弾シールドで受けきる。結構集中力を要する行為だけど、シールドの枚数的に余裕もあってさほど苦痛じゃない。
といってもボクの努力はむなしく
2人は至近距離に接近したかと思うと、互いの武装をフル展開。そしてどちらも退くことなく――
「あ」
「い?」
「う……?」
「……はぁ…………」
ちゅど―――ん!
ボクは深い溜め息をついたのだった。
結局あの後は、ボクは運営の人に少しのお礼を言われ、鈴音さんたちは激しく叱られ一夏くんが迎えにきて、やっと帰れたようだった。
ちなみに大会は鈴音さんたちがメチャクチャにしたから中止。優勝者はなしで賞品ももちろんなし。
「少しだけ気疲れしたけど……最終的には結構楽しめたなぁ」
またいつか機会があれば、今度は本音さんとかラウラさんとかを誘って行ってみようかなぁなんて思いつつ。