初投稿になります。お見苦しい点は多々あるかと思いますが、どうか暖かい目で見守っていただけると幸いです。
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それでは、お楽しみください。
才能。これは、人が生まれながらに持つもの。その才能を、測定し数値化する機械が発明された時代、2290年の日本。
その才能の大きさ、種類によりSS.S.A.B.C.D.EXの7つのランクに分類される。
そして各分野において才能のあるものが、専門家、プロフェッショナルになりうる、というわけだ。
芸術の天才、スポーツの天才たち。彼らは表舞台において賞賛され、あらゆる富と名誉を得ていた。
一方で、裏世界に身を殉ずる者たち。
彼らは、表世界の見えないところで暗躍し、実質的に世界を支配していた。
戦闘のプロ。天才。絶対的な強さを誇る猛者たちがしのぎを削りあっている。そんな世界。
そう。このようにして、人々は生まれながらに将来を決定づけられているのだ。
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ここは戦闘における才能を持つ者のみが集まる高等学校、天極学園。
才能ランクA以上、数値にして9500以上の生徒だけが入学を許されている。
入学しても、定期的に行われる試験で1度でも結果を残せなければ退学処分。
この制度により、退学となる生徒は実に全体の50%。競争率の激しい学校である。
雨崎 蓮(あめざき れん)は、その天極学園の新入生だ。
「ふあぁ…」
今日は身体測定、体力測定、才能測定が行われる。
一言で片付けると、面倒なことこの上ない。
なぜ1日にこの全てを詰め込むのか。もっと余裕を持ってやればいいのに。
(それにしても、やっぱりすごい学校だよね)
そう。この天極学園には一つの市を丸々学園の領地にした、学園領が存在する。
最新鋭の校舎に加えて寮という名のホテルのような建物、スーパーからショッピングモール、娯楽施設、果ては武器屋までもが建ち並ぶ。
必要なことは学園領で済ませられる。
すなわちこの学園領でのみ、3年間を過ごすというわけだ。
(早くお布団入りたいなあ。そういや、寮は2人1部屋って聞いたけどどんな奴なんだろう。部屋番号はキーには405号室って書いてあるし……階層確認してないけど多分4階だな。見晴らしけっこうよさそうだな)
「あのー…」
(ん?)
「あっ、あ……雨崎、蓮さんですか?これからよろしくお願いします…」
「あー…こちらこそ。よろしく。」
話しかけてきたのは隣の席の女の子。
赤茶色の髪の、ポニーテール。前髪にはピンがとめられている。快活そうな見た目とは裏腹に、もじもじした様子だ。
かなり勇気を出して話しかけたのか、顔は紅潮している。
名札を見ると…はちきれんばかりの胸が主張してくる。目のやり場に困る胸だ。
名前は…小咲 千羽矢(こさき ちはや)さん?
「早速なんですけど、雨崎さんの才能ランクって……」
「え?ああ、それは…」
「はーいみんな席につけー!」
言い終わらないうちにバァンとドアを開け、入ってきたのは担任の女教師。
「出席確認!って全員いるか。そんじゃ、今から測定に向かってもらうぞー。体育館、武道館、修練館で行っているからな。親睦を深めるためにも、隣の席の者と回ってくれ。回る順番は問わない。終了次第近くの教師に報告し、その場で解散してよろしい。以上だ!」
一気にまくしたて、スタスタとまた外へ出ていく。
「な、なんだかすごい先生でしたね…」
「そ、そうだな…」
迫力に押し切られ、皆あぜんとしている。
「ま、とにかく早いとこ帰りたいし、さっそく回ろうか。」
「ええ、そうしましょう。」
「ところで、さっきの話の続きなんですが…」
「ああ、才能ランクの話?それじゃ一番最初に測りに行こうか。話すより見た方が早そうだし。」
「それもそうですね。」
才能測定を行う修練館。そこには15人ほどの教師が座っており、みなスピードガンのような機械を携えている。
すでにかなりの人がいたが、運良く初めの方に並ぶことができた。
自分達の番だ。ペア同士で測定し、その結果を教師が記録する形式のようである。
「それじゃ、まずは…えっと。」
「あ、千羽矢と呼んでください」
「わかった。俺のことは蓮と呼んでくれ。それじゃ、千羽矢さん、測るよ」
測定器を小咲に向ける。
モニターに表示されたのは…
【『癒』の才。才能ランクS。数値21000。】Sランクの中でもかなり高い数値である。
見る限りは回復系の能力のようだ。
「なるほど…才能ランク以上に重宝しそうな能力だね。サポート系か。……」
ブツブツと教師が呟きながら、キーボードを叩いている。
周りには既に取り巻きが出来ており、その数値の高さに驚嘆の声があがっている。
「なんだか、恥ずかしいですね…」
顔を赤らめながら俯いている。どうやら人に注目されるのが苦手なようだ。
「それじゃあ、測りますね」
「ああ、よろしく。」
今度は小咲が測定器を向ける。
「えっと、【『王』の才。才能ランクEX、数値は157000】…って、えええ!?!?じゅ、157000!?」
そうなのだ。蓮は、生まれながらにして王の才を持ち、ずば抜けた才能ランク、数値を示していた。
「これは…とてつもない才能だね。王、というのもまた興味深い…」
また教師がブツブツと何かを呟きながらキーボードを叩いている。
その数値を聞いた瞬間、21000という数値に驚いていた取り巻きは、157000という桁違いの数値を耳にしてみな言葉を失っていた。
(そ、そんな…こんな数値、見たことないよ!?)
小咲もまた、その数値に恐怖すら覚えていた。
「いやいや、大したことないって。王の力なんて今まで実感したこともないし、人の役に立ったこともない。ただ数値が高いだけさ。それより千羽矢さんの方がよっぽど人の役に立つ能力じゃないか。」
「あ、ありがとうございます…でも、蓮さんの才能を使いこなすことができれば歴代のどのプロよりも活躍することができると思います。すごいなぁ…」
褒められたからか、またも顔を赤らめている。
「ま、まあ素直に褒め言葉として受け取るよ。ありがとう。それじゃあ次の測定に向かおうか。」
「はいっ」
その後の体力測定でも圧倒的な身体能力を見せつけた彼は、新入生の間で噂になっているようだ。
(ねえねえ、あの噂の人、かっこよくない?しかも王の力って…メアド聞きにいこうかなぁ)
(やめときなって。絶対狙ってる人多いから)
などといったひそひそ声が、測定終了頃には既にところどころで聞こえていた。
(疲れた…)
当の本人は、ため息をつきながらも測定を終了させ、校舎の外へと出ていく。
「測定終わったし、先生にも報告したし…じゃ、寮に戻ろうかな。千羽矢さんは何棟?」
「あ、B棟です…」
「あれ、俺もB棟だよ。寮でもよろしくね」
「はいっ。私、田舎から出てきたばかりで…蓮さんと出会えてよかったです。」
そう彼女は嬉しそうに笑う。
見ているこちらも笑顔になる。本当にいい子だ。
「俺も友達いないしさ…俺の方こそ、千羽矢さんと知り合えてよかった。」
「そ、そうですか…?」
顔を真っ赤に染めて俯く。
そうこうしているうちに、寮のエレベーターまでたどり着く。
「そういえば、千羽矢さんは何階なの?」
「あ、えっと、4階です…」
正直これには驚いた。校舎や寮がいくつにも分かれているとはいえ、数万の生徒がいる中で階層まで同じとは。
「えっ、階層まで同じなのか。何号室?」
「405号室ですけど…」
「俺は405号室だけど…」
2人は同時に発声した後、顔を見合わせた。
「「ええ〜!?!?」」
……これからの学園生活も、荒れそうだ。
いかがでしたでしょうか。
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