caliber of king   作:消失ちゃん

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消失ちゃんと申します。
今回は少し短めです。申し訳ありません。
それでは、第4話。お楽しみください


ついに演習。

(千羽矢さんが戦闘向きでない以上、下位クラスへの配属は避けられない―――くそっ。いっそ、俺も手を抜くか…)

 

そこまで思ったところで、蓮はぶんぶんと首を振る。

 

(おいおい、どうしたんだよ俺は。たかが同部屋になっただけの関係じゃないか。どうしてここまでやろうとするんだ)

 

自らの思考に疑問を投げかける。

確かにその通りだ。いくらはじめて出来た仲間だからといって、そこまでする義理はない。

 

(なんなんだよ…俺らしくもない。そもそも、手を抜くことをチェックする側が許さないかもしれない。仮に許されたとしても、新入生の実力を測れないような者がそんな役目を負うはずがない。結局、バレる―――)

 

「あ、あのぅ…」

「えっ!?あ、ああ、どうしたの、千羽矢さん。」

「さっきから蓮さん、凄く怖い顔をしていたので…大丈夫かと…」

「そ、そうだった?ごめんごめん。それより、千羽矢さんこそ大丈夫なのか?…見たところ、体術は習得してないよね。」

「はい……そうなんです。私、昔から戦うことが苦手で…ならせめて戦う人をサポートできればって思って、この学校に入ったんですが…蓮さんとは別クラスになっちゃいますね。ごめんなさい……」

 

そう言って、彼女は寂しそうに笑った。

 

「いや、まだ分からない。」

「え?」

「手を抜くのがダメでも…」

 

―――――――――――――――

「よーし、集まったな。それでは、これより演習を開始する。演習の内容は……実力が見やすいように、一対一の対決を行って貰う。」

 

一瞬にしてメンバー全員に緊張感が走る。

 

「安心しろ。続行不可能となればこちらが止めるし、棄権、降参も認めている。棄権の場合は無条件でGクラス行きだがな。」

 

(…!棄権も認められるのか。)

 

Gクラスとは、A~Gとあるクラスの最底辺である。

 

「よし、それでは開始する!まずは…鈴本、村上!」

「………」

「はい」

 

―――――――――――――――

「5組終了だ。次、6組目は…小咲、倉本!」

「…っ!!」

「千羽矢さんっ!」

「……なんだぁ?女が相手かよ。やりづれぇな。」

 

倉本と呼ばれのは、かなりの大男だ。とても太刀打ちできそうな相手ではない。

しかし、その時。

 

「……私は…棄権、します。」

「なっ!?千羽矢さん!?」

「小咲さん!」

 

紗矢香と太助も心配そうな顔をしている。

 

「いいんです…結果は見えてますから」

「そんな…」

 

「よし、了解した。小咲は自動的にGクラス行きだ。次!雨崎、長谷川!」

「くっ…」

「クソッ、ついてねえ。いきなり王の力が相手かよ。」

 

(俺はどうすべきなんだ?仲間か、クラスか…いや、もしかしたら俺は…)

 

「……俺も、棄権する。」

「何っ!?」

「えええっ!?」

「雨崎くん!なんてことを!」

 

千羽矢や紗矢香、太助だけでなくメンバー全員がその事態を理解出来なかった。

EXランク。その力を見てみたいと期待する者も多々存在するだけに、落胆の声があがる。

 

「了解した。雨崎も自動的にGクラス行きだ。次!小室、山崎!」

 

(こ、この人…何考えてるの?待遇に差があると明言されている以上、より高いクラスを目指すのが普通でしょ?ましてや、圧倒的な力を持っているはずの彼が…)

 

わけがわからない、という風に紗矢香は目を白黒させている。

 

「ねえ、紗矢香!僕達も棄権しようよ!」

「え、あ?ああ、そうね、棄権….って、あんた何言ってんの!?」

 

太助の提案に、こちらもわけがわからない、という様子だ。

 

「だってさ、面白そうじゃん!Gクラス!」

「…………はぁ。分かったわ。私も行くよ!Gクラス!」

「やったね!これで4人一緒だよ!」

「……いいのか?どんなひどい環境か分からないぞ。」

「いいよ。私もあなた達に興味あったし。それに、Gクラスだろうが何だろうが定期試験で結果を出せばいいだけよ!」

「…それもそうだな。これからも、よろしく頼むよ。」

「へへっ!こちらこそ!」

 

その光景を見ていた例の女教師、樋口 柊子(ひぐち とうこ)は、彼ら4人の行く末を案じていた。

(あの4人は、このメンバーの中でもかなり優秀だったはず。特に、雨崎…まぁ、なるようになるんだろうな。潰れてしまうようなら、それまでだ。)

 

 

――――――――――――――――

演習を終え、寮へ戻った蓮と千羽矢。

 

「あの…どうして、あんなことを…」

 

千羽矢が先に切り出した。

やはり、蓮の棄権は解せなかったようだ。

 

「棄権したこと?なんでだろうね、俺もよく分からない。」

「そんな…!蓮さんならAクラスに行けたはずなのに…!私のせいで…!」

「そんなこと分からないよ。それに、千羽矢さんが自分を責めることはない。俺はただ、仲間と一緒にいたかっただけだよ。紗矢香も言っていたけど、Gクラスだろうと結果を出せば問題ないはずだし。」

「それは、そうかもしれませんが…」

「そんなに大したことじゃないさ。それより、これからも同じクラスだ。よろしくね、千羽矢さん。」

「….!はいっ」

 

かくして、Gクラスへの配属が決定した蓮たち。

しかし彼らは、Gクラスがどんなクラスなのか、まだ知る由もなかったのだ……

 




いかがでしたでしょうか。
毎日投稿してきましたが、少し厳しいかも…ということで、少し遅らせるかもしれません。
ご意見、感想等お待ちしております。
手に取っていただき、ありがとうございました。
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