今回は入学回です。
では。どうぞ!
第一話
ここは、公立IS学園の1年1組の教室。
あのウサギのせいで俺(タツミ)はここにいる。
「私はエスデス・カティアだ。見た目通り皆からしたら年上だ。趣味は読書だな。平凡な趣味だが、よろしく頼む」
「はい、ありがとうございます。次は――」
エスデスさんの自己紹介が終わる。
今はこのクラスの副担任である山田真耶先生の呼びかけで、自己紹介が始まっている。
エスデスさんもこっちに来てから趣味を新たに作っていた(さすがに拷〇とか蹂〇はまずいので)。
「……くん。織斑君!」
「は、はい!」
山田先生の呼びかけに驚いた声を上げたのは、織斑一夏だ。
ちなみに彼が織斑先生の実弟だということはウサギから聞いている。
どうやら、クラスの男女比に困惑していたようだ。
「えー…えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」
シーン
静寂が支配する教室。ま、なるよなぁ…
バシン!!
「まったく、挨拶もろくにできんのか、貴様は?」
静寂を破ったのはぶ厚い出席簿を持った『
「げえっ、千冬姉!」
「げえっ、ではない、それと織斑先生と呼べ。」
もう一度バシン! 痛そうだな、アレ。
「諸君、私が織斑千冬だ。私の役目は貴様らを使い物になるまで育てることだ。理解できないものは、できるまで付き合ってやる。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」
すごい暴力発言が飛び出た。しかし、憧れの女性の出現にクラスの女子たちは次々と黄色い声を出している。
(きっと、あのウサギのせいでイラついているところに弟(織斑君)のことがプラスされているんだろうな)
黄色い声の中タツミはそんなことを考えていた。
その後、自己紹介は進んでいきタツミの番が来た。
「熾場 辰已です。趣味は鍛錬とか音楽です。よろしくお願いします」
俺の氏名も、エスデスの氏名も偽名だ。戸籍は束さんが勝手に作っていた(犯罪だろ、どう考えても)。
とりあえず自己紹介は大丈夫だ。織斑と同じへましなくてよかった……
こうして俺とエスデスのIS世界での生活は始まった。
時は変わり、今は休み時間。
俺は今困っている。なぜなら――
「熾場君はどこから来たの?」
「エスデスお姉さまとどんな関係!?」
「フリーなの!?」 etc.
質問攻めにあっていた。てか、エスデスお姉さまって何!?
助けを求めてエスデスの方を向くと嫉妬の炎のイメージが見えた。嫉妬してないで助けてくださいよ!?
結局、休み時間終了まで質問攻めとエスデスの嫉妬は続いた。
ちなみに、織斑君の方は金髪の女子に絡まれていたため、俺のようにはなっていなかった。くそ、なんで初日からこんなことに…。
「それでは、この時間は実践で使用する各種武装の特性について説明する。だが、その前に再来週のクラス対抗戦に出場する代表者を決めたい。自薦他薦は問わない、やりたいやつ、やらせたいやつがいれば挙手しろ」
授業を始める前にクラス代表を決めるようだ、何事にもリーダーは必要だ。ナジェンダさんのおかげでまとまりができたしなぁ。
「はい!織斑君がいいと思います!」
「賛成!」
「右に同じです!」
「熾場君がいいです!」
「タツミがやってくれるだろう」
「いや、ここはエスデスお姉さまに!」
女子の黄色い声が上がる。
てか、エスデスさん!何であなたまで混ざってるの!?あと、ほんとにお姉さまって何!?
「ふむ、ではクラス代表は織斑、熾場、カティアの三名の中から選ぶがかまわないか?自薦するやつは早くしろ!」
結果的に三人から選ぶことで落ち着きそうだったが、織斑君にさっき絡んでいた金髪が声を上げる。
「待ってください!そんな選出は認められませんわ!大体カティアさんはともかく、男が代表だなんて恥さらしですわ!この、セシリア・オルコットにそのような屈辱を味わえと!?」
どうやら、自分が選ばれると思っていたようだ。
さらにセシリアはまくしたてる。
「クラス代表はこのわたくし、イギリス国家代表候補生、セシリア・オルコットをおいてほかにありませんわ!それを、物珍しいからという理由で極東の猿ごときに任せるなど!」
おい、猿って俺と織斑君のこ――ゾワッ――やばい!エスデスさんからものすごくドス黒い気配が!止めさせないと!
「おい、ちょっと――」
「猿は黙ってなさい!」
「ふふふ、私のタツミを猿だと…?」
冗談じゃなく、まずいって!完全にエスデスさんスイッチ入っちゃった!
幸い誰にも聞こえてないけど、気配だけで前の子(確か、相川さん)が気絶しかけてる…
「大体、このような文化としても後進的な国で暮らすことになったこと自体、私にとっては耐えがたい苦痛で――」
「イギリスだってそんなにお国自慢ないだろ、世界一まずい料理で何年覇者だよ」
「なっ!?」
どうやら織斑君も堪忍袋の緒が切れたようだ。
クラスメイトの女子の中にはうんうん頷いているのもいた。
「私の祖国を侮辱しましたわね!?」
「国に対する侮辱をしたのは、そちらが先だぞ。セシリア・オルコット」
セシリアの返しに返答したのは、今まで耐えていたエスデスだった。
「カ、カティアさん!?」
驚愕の声を上げるセシリアだが、クラス内の女子もエスデスの返答にうんうん頷いていた。
その事実に顔を赤らめたセシリアは――
「決闘ですわ!!」
「面白い…。静かにしろ、貴様ら!今日より一週間後、第三アリーナでクラス代表決定戦を行う。熾場、織斑、カティア、オルコット!異論はないな!では、授業を再開するぞ!」
セシリアの宣言に織斑先生は、ニヤリと口角を上げ、一週間後にクラス代表決定戦を行うことが決定した。
「しまった…」
今は放課後、俺は山田先生からの呼び出しで部屋の番号を教えられた俺は、決定戦に至るまでの会話を思い出し後悔しながら寮の廊下を歩いていた。
教えられた番号は1036号室だ。さて同居人がいるとのことだが、誰だろうか?予想はできているが…
コンコン 「失礼します」
ノックをし、扉を開けると――
「タツミ――!!!」
「うわぁ!!」
飛んできたエスデスさんに抱きつかれた。
しかもめっちゃ強い力で。―痛い、痛いです!エスデスさん放して!
結局俺がエスデスさんの抱擁から解放されたのは数分後だった。
「もしかして、エスデスさんが俺の同居人なんですか?」
「そうだ、うれしいだろう!」
「まあ、知らない女子と一緒よりはいいですけど…」
「よし!」
予想通りだった。多分千冬さんだろうな(教室で放っていた気配に反応していたようだしなぁ。もたないと思ったんだろう、きっと)。
「そういえば、なんでセシリアの時じっとしていたんですか?以前のエスデスさんなら間違いなく殺ってましたよね?」
会話が始まらないので、さっきの事で問いかける。
「そうだな、正直わたしもわからん。だが、あの場所でタツミに言われたことが影響しているのは確かだろう。だが――」
「そうですか。ん?だが、なんですか?」
自分のおかげといわれ、うれしくなるタツミ。
しかし最後に聞こえた「だが」にさっきまでのとは違う、愉悦感のようなのが混ざっていた気がした。
「あの小娘にはたっぷりとお仕置きをしてやる」
最高の笑みだった。
やっぱりスイッチ入ってるじゃねぇか!さっきまでの俺の感動を返せ!
「あのー、エスデスさん?侮辱されたのは俺と織斑であって――」
「わたしのタツミを侮辱するとは、いい度胸をしている。アレが使えないのは歯がゆいが、まあいい。あのプライドの高い性根をへし折ってやる」
聞いてなかった。
俺は心の中で、セシリアに合掌した。
「生きてくれよ」と。
「ところでタツミ」
「なんですか?エスデスさ…ん!?」
呼ばれたので振り向くとそこには――
「私というものがいながら、随分とイチャイチャしていたな?」
鬼がいた。般若がいた。修羅がいた。
つまり、休み時間に見せた嫉妬の炎を纏っていたエスデスさんがいた。
「あ、あの、エスデスさん?俺、悪くないですよ?あっちが一方的に――」
「タツミ…」
「は、はい!」
「今夜は…寝かさないぞ(ニコッ)」
その夜、タツミは一睡もできずに、翌日の授業で居眠りをしてしまい千冬に出席簿の一撃をもらったのは言うまでもない。
いかがでしたでしょうか?
エスデスさんの趣味として「読書」としましたが、主に読んでいるのは小説(恋愛ものではない)や日本・世界史関連の本を考えてます。
あと、タツミがよく聴く音楽はヒーリングミュージック。エスデスさん関連で疲れることの多いタツミなので(笑)
次回はあの人を出します!