「直哉君こんな所で何してるの?」
「みんな心配してるからキャンプ場に帰ろうよ」
「嫌だ!!僕はおねえちゃんのところに行くんだーーー離してーーー」
「直哉君落ち着いて」
「お姉ちゃんのところに行くんだーーー」
その時直哉の体内の霊力が暴走を始めてしまった。
!!
「いけない」
その時さくらの頭に天海の言葉が、よぎった。
「それで娘よ、暫く我ら黒乃巣会は活動を控える事に決定した」
「ええーどうしてですか?」
さくらは、天海に理由を聞く。
「わしは小僧の為に1ヶ月活動を控える事にした、娘よその小僧の霊力は非常に、扱いが難しいぞ、せいぜい気をつける事だな」
「うわああああああ」
「お願い、私に力があるなら、私に、直哉君の霊力の暴走を止める力を貸して」
そう願いながらさくらは、直哉を抱きしめた瞬間爆発が起きた。
「うう、ここは?」
さくらが、気が付くと、そこには、幼いころの自分が居た。
「ここは、佐谷直哉君の心の中よ」
「直哉君の心の中?どうしてそんな事になったの?」
「直哉君が、お姉さんの死を受け入れれない状態で、なおかつ感情的になって、直哉君は眠っていた霊力を、暴走しかけた時、貴女の眠っていた破邪の血の力で抑える事が出来たのだけど、そこでありえない問題が起きたの」
「ありえない問題?」
「ええ、今貴方達二人はトランス状態に陥ってるの」
「トランス状態?」
「ええ、この状態が続けば、二人は確実に死ぬわ」
「えええーーー」
「トランス状態から抜け出すには、如何したらいいの?教えて」
「それは、さくら貴女が、佐谷直哉君に、生きる希望を与えればいいんだけど、見てよ、直哉君の絶望した心を」
「なっこれは」
「貴女がこの中から直哉君を見つけ出し、生きる希望を与えなければ、貴女も直哉君も、この漆黒の闇に吸収されるわ」
「そんなーー」
「それでもやるの?さくら」
「それに今なら、私の力で、さくらだけなら、トランス状態を解除するのは、簡単に出来るけど?」
「・・・」
「私思うのよ、直哉君はあれだけ死にたがってるんだから、このままでもいいんじゃないの?」
「確かに・・・そうかも知れない」
「なら・・・」
「でも私は直哉君を助けるのを選ぶわ」
!!
「正気?さくら」
「ええ、私は本気よ、それに大神さんも言ってた、直哉君を救えるのは、私だけだって」
「花組の中で、肉親を亡くしてるの私だけだから」
「そう決意は変わらないのね?」
「うん」
さくらがそう言うと、幼いさくらは消えた。
果たして直哉とさくらは無事目覚める事が出来るのか?