突然僕が帝国華撃団の隊長代理になりました   作:真宮寺さくら

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トランス1

「直哉君こんな所で何してるの?」

 

「みんな心配してるからキャンプ場に帰ろうよ」

 

「嫌だ!!僕はおねえちゃんのところに行くんだーーー離してーーー」

 

「直哉君落ち着いて」

 

「お姉ちゃんのところに行くんだーーー」

 

 

その時直哉の体内の霊力が暴走を始めてしまった。

 

!!

 

「いけない」

 

その時さくらの頭に天海の言葉が、よぎった。

 

 

「それで娘よ、暫く我ら黒乃巣会は活動を控える事に決定した」

 

「ええーどうしてですか?」

 

さくらは、天海に理由を聞く。

 

「わしは小僧の為に1ヶ月活動を控える事にした、娘よその小僧の霊力は非常に、扱いが難しいぞ、せいぜい気をつける事だな」

 

「うわああああああ」

 

「お願い、私に力があるなら、私に、直哉君の霊力の暴走を止める力を貸して」

 

そう願いながらさくらは、直哉を抱きしめた瞬間爆発が起きた。

 

「うう、ここは?」

 

 

さくらが、気が付くと、そこには、幼いころの自分が居た。

 

「ここは、佐谷直哉君の心の中よ」

 

「直哉君の心の中?どうしてそんな事になったの?」

 

「直哉君が、お姉さんの死を受け入れれない状態で、なおかつ感情的になって、直哉君は眠っていた霊力を、暴走しかけた時、貴女の眠っていた破邪の血の力で抑える事が出来たのだけど、そこでありえない問題が起きたの」

 

「ありえない問題?」

 

「ええ、今貴方達二人はトランス状態に陥ってるの」

 

「トランス状態?」

 

「ええ、この状態が続けば、二人は確実に死ぬわ」

 

「えええーーー」

 

「トランス状態から抜け出すには、如何したらいいの?教えて」

 

「それは、さくら貴女が、佐谷直哉君に、生きる希望を与えればいいんだけど、見てよ、直哉君の絶望した心を」

 

「なっこれは」

 

「貴女がこの中から直哉君を見つけ出し、生きる希望を与えなければ、貴女も直哉君も、この漆黒の闇に吸収されるわ」

 

「そんなーー」

 

「それでもやるの?さくら」

 

「それに今なら、私の力で、さくらだけなら、トランス状態を解除するのは、簡単に出来るけど?」

 

「・・・」

 

「私思うのよ、直哉君はあれだけ死にたがってるんだから、このままでもいいんじゃないの?」

 

「確かに・・・そうかも知れない」

 

「なら・・・」

 

「でも私は直哉君を助けるのを選ぶわ」

 

!!

 

「正気?さくら」

 

「ええ、私は本気よ、それに大神さんも言ってた、直哉君を救えるのは、私だけだって」

 

「花組の中で、肉親を亡くしてるの私だけだから」

 

「そう決意は変わらないのね?」

 

「うん」

 

さくらがそう言うと、幼いさくらは消えた。

 

果たして直哉とさくらは無事目覚める事が出来るのか?


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