俺の名前は三崎亮。
突然だが俺は転生者だ。
なんかロリータな神様にドジって殺しちゃった(笑)と言われ、お詫びに好きな世界に転生&特典をくれるとのことだった。
急に殺されて激怒していた俺だったが転生と特典の話を聞いてすぐに許してやって、ロリ神様にお願いを言った。
転生世界は『魔法少女リリカルなのは』。
特典は好きなゲーム『.hack//G.U.』の全てのアーツと憑神を使えると全アイテムを所持。
魔力ランクSSSにして容姿も主人公のハセヲに。
そしてニコポ・ナデポだ。
これさえあれば俺はなのは達とのハーレムが実現可能になる!
ロリ神様も笑顔で了承してくれて俺は念願の転生を果たすことが出来た。
その後はもちろん原作に介入した。
無印では死んでいたアリシアをアイテムで蘇生し、プレシアの病気も回復アイテムによって完治させる。
A’Sは消滅する筈のリインフォースをこれまた蘇生アイテムによって死なずハッピーエンド。
この俺の大活躍でなのは達は俺に惚れているのはまず間違いない!
俺はこのままこの世界でハーレムの王様『ハーレム王』になる!!
そう思っていたのも束の間、なのは達の周りを彷徨くハエが出てきた。
そいつの名前は・・・・・・覚えていない。
だが、原作にはそんな奴はもちろんいる筈がない。
イレギュラーが発生したのだろう。
まあ、そんな奴がいようと俺のハーレムは崩れない、そう思っていた・・・。
奴が現れて、俺となのは達のふれ合いがめっきりなくなってしまったのだ。
学校でもそうだし、最近モブ野郎が管理局に入って、そこでもなのは達の周りに付きまとっている。
俺が何度言ってもモブ野郎は離れないし、さらにはなのは達がそれを庇いやがる。
恐らくなのは達はあいつに何か弱みを握られているんだ。
そうでなければモブ野郎と一緒に居るわけがない。
そして、極めつけにモブ野郎は俺を怒らせやがった。
俺は見てしまった。
モブ野郎がなのはを押し倒しているところをな。
問い詰めたら、なのはが転びそうなところを受け止めたらそんな形になってしまったらしい。
どうして受け止めたらそんな形になるんだよ!
どうせ、こいつがなのはの魅力に耐えきれず襲おうとしたに違いない。
我慢の限界に達した俺はこのモブ野郎に決闘を申し出た。
これ以上、なのは達に付きまとうとどうなるか思い知らせてやる!
モブ野郎はなのはに無様な姿を見せたくないようで渋々ではあったが決闘の申し出を了承した。
くくくっ・・・。
数十分後には両膝を地面につけて、己の愚かさを理解することになるだろうよ!
「ぐっ・・・がはっ・・・!?」
「ふぅ。これで満足か?」
・・・俺は夢でも見ているのだろうか?
「ば、バカな・・・!?この俺が、最強オリ主であるこの俺が・・・!?」
決闘を始めて数分。
両膝を地面につけていたのは俺の方だった。
俺は最初から全開でモブ野郎を瞬殺するつもりだった。
だが、全ての攻撃を避けられ、顔面と鳩尾に一発ずつカウンターをもらってしまっていた。
「もう止めておけ。今のカウンターに喰らってから気づいたんじゃ俺に勝つのはまず無理だ」
「う、うるせぇ!!」
確かに気づけなかった。
俺はそのときに頭の中を過ぎったのはモブ野郎に敗北する俺の姿。
でも俺は認めたくなかった。
認めたら今までしてきたこと・・・いや、今日まで生きてきた意味が消え去ってしまう。
だから認める訳にはいかなかった。
「楚良!双銃だ!」
『OK~だぴょーん』
「はぁ・・・」
「喰らいやがれ!!」
俺は全力全開の収束砲をモブ野郎に放った。
これを喰らえばあのモブ野郎は木っ端微塵だ!
「斬月」
「っ!?あれは!!」
「月牙天衝!」
白い砲弾と黒い斬撃がぶつかり合う。しかし、黒い斬撃は俺の収束砲をものともせず呑み込み俺に直撃した
「そん、な・・・ぐふっ!?」
体に力が入らない。
俺はそれでも頭だけ動かし、モブ野郎を睨みつける。
「へぇ、まだ意識があるのか。意外とタフだな。五割くらいとはいえ月牙天衝をまともに喰らっているのに」
「なん、だと・・・?」
俺の収束砲は確かに全力全開だった。
それをたった五割程度の力に呑み込まれたのか!?
「お前の今の収束砲。所々収束しきれていないせいで、せっかくの魔力も全く意味がない。なのはのディバインバスターの方がまだ威力がある」
偉そうに説教してくるモブ野郎。
いや、そんなことはどうでもいい。
問題はモブ野郎が手にしているデバイスと俺の収束砲を呑み込んだ斬撃だ。
「てめぇも・・・転生者、だったのか?!」
「・・・・・・」
黙り込むモブ野郎。
しらばくっても無駄だ。
『ああ、そうだ』
モブ野郎は何も喋らず、念話で俺の質問に答えた。
ここは訓練所だから誰かに聞かれる可能性が高い。
それを理解した俺も念話に切り替えた
『ふざけんな!俺はオリ主なんだぞ!!オリ主がモブのお前なんかに負けるわけがねえんだ!』
『くだらないな』
「なんだと!?」
モブ野郎の言葉に俺は念話ではなく、口からその言葉を発してしまう。
そして、モブ野郎は溜息を吐きながら話し出した。
『お前は勘違いしている』
『勘違い、だと・・・?』
『お前は神様から力をもらってこの世界で何でもできる二次小説の主人公のように思っているみたいだが、それは違う』
『何が違う?神に選ばれた俺はまさに主人公の名に相応しいじゃねえか!』
だから、チートな力やアイテムを手に入れる事が出来た。
だから、なのは達ヒロインと一緒にいられるんじゃねえか!!
『お前はどうだが知らんが俺は神様に選ばれたんじゃなく、間違えて殺され、そのお詫びに転生をしてくれたんだ』
『・・・・・・』
『その反応じゃお前も同じみたいだな?俺達は選ばれたんじゃなく、間違えて殺された悲運な存在なんだよ』
俺が悲運な存在、だと?
『そんな俺達がいるこの世界は二次元でその世界を生きる主人公なんかではない。リアルでこの世界を生きる1人のただの人間なんだよ』
「勇人君!!」
模擬戦が終了したことを確認したなのはが駆け寄ってくる。
ボロボロになった俺ではなく、勇人という俺を倒した転生者にだ。
「大丈夫?怪我はない?」
「ああ、大丈夫だ」
ボロボロな俺になんかまるで存在していないかのように2人はどこかに行ってしまう。
その時俺はようやく理解した。
(俺はオリ主じゃなく、屑野郎だったんだ・・・)
理解した瞬間、俺の目の前は真っ暗になった。