ラブライブ! 記憶を失くした少年と歌を歌う女神達   作:凛乃空

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まずは一言。
本当に申し訳ございません。
色々と理由があり、不定期更新とさせていただきます。



第7話 ファーストライブ!

今は4限目の授業中。

にもかかわらず先生の話も聞かず、黒板も見ずに下を向いて考え事をしていた。

勿論考えている事とは、今日の朝結局希から聞くことができなかった、あいつの考え込んで、悩み込んでいる内容についてだ。

 

「おーい新上!」

 

「………」

 

「蒼空君!呼ばれてるよ!」

 

「なんだよ穂乃果、まだ昼休みじゃないだろ」

 

「昼休みじゃなくて!先生に呼ばれてるんだよ!」

 

「えっ!?」

 

俺が状況を把握した時には、もう遅かった。

先生の顔は鬼の様な顔になっていた。

 

「私の授業で考え事とは、随分と余裕じゃないか新上」

 

「違うんです先生!これにはいろいろ理由があって!」

 

「問答無用!」

 

その言葉と同時に俺は教科書で容赦なく頭を叩かれた。表現的にはもう殴られたと言った方がいいぐらいに……

 

 

キーンコーンカーンコーン♪

 

 

とてつもなくいいタイミングで授業終わりのチャイムがなった。

 

「ちっ、仕方ない説教はここら辺で許してやろう。それじゃあ今日の授業は終わりだ。新上はしっかりノートをとるように」

 

「はーい」

 

授業が終わって、学校では昼休みが始まろうとしていた。

 

「どうすれば……どうすれば……どうすれば……」

 

きっと希は自分の考えてる事話してはくれないだろう。なら俺はどうすればあいつをその悩みから救い出すことができるのだろうか。

 

「蒼空くん!」

 

下を向いて考え事をしていた俺に話しかけてきたのは穂乃果だった。

 

「なんだ穂乃果か…どうしたんだ?」

 

「どうしたんだじゃないよ!蒼空くんさっきから授業も聞かないで何考えてたの?」

 

「いや、まぁいろいろな」

 

「ダメだよーちゃんと授業聞かなきゃ」

 

「あなたが言えることですか!」

 

「穂乃果ちゃんはいつも授業中寝てるよね…えへへ……」

 

「そ、そうだっけ…?」

 

横から穂乃果にツッコミを入れたのは海未とことりだ。

なんだよ穂乃果……人の事言えねーじゃん……

 

「とにかく腹減ったから弁当食べようぜ」

 

「そうですね、今日のライブの事もありますし」

 

こうして俺達は昼ご飯を食べながら、今日のライブについて、いろいろ話すことにした。

 

「ところでお前ら曲は何をするんだ?」

 

とりあえず俺はライブについて一番知りたかった事を聞いてみた。

 

「ふはーほはっふー」

 

「とりあえずお前は食ってるパンを食べてから話せ」

 

「START:DASH!っていう曲をするんだ〜」

 

穂乃果の代わりに言ってくれたのはことりだった。

 

「START:DASH!って聞いたことないけど、誰の曲なんだ?」

 

「誰の曲でもないオリジナルなんだよ!」

 

「オリジナルだって!?作詞や作曲は誰がやったんだよ」

 

「作詞は海未ちゃんがやってくれたんだよ!それから作曲は真姫ちゃんがやってくれたの!」

 

「真姫ちゃんって?」

 

「1年生でピアノを弾くのが上手で歌が上手くてとっても可愛い子!」

 

「へ〜そんな子が1年生にいるんだな」

 

「うん!その子にアイドル誘ったんだけど断られちゃった…」

 

どうせ穂乃果の事だ…無理やりな誘い方をしたんだろうな。

 

「そっか…それは残念だったな。それはそうとライブの宣伝はどうするんだ?」

 

「こういうものを作ったんですが、どうでしょう」

 

そう言って海未が出したのはライブのチラシだった。

 

「なるほど、じゃあこれを放課後に俺が配るからお前らはその間に準備をしてくれ」

 

「ですがそれは新上君が大変なのでは」

 

海未は申し訳なさそうな顔をしてそう言った。

 

「俺の心配よりも自分の心配をしろよな」

 

「わ、わかりました…」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「えー!もう昼休み終わりなのー!まだ食べ終わってないのにー」

 

「駄々こねてないでさっさと教室に戻るぞー」

 

そうして俺達は話し合いをやめて、教室に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果達のファーストライブ当日の放課後、俺はライブのチラシを配るために校内を走り回っていた。

 

「今日この後にμ'sのファーストライブがありまーす!見にきませんかー!」

 

俺は同じ言葉を何度も叫びながらμ'sの宣伝をしていた。

 

「ちょっとあんた」

 

「ん?」

 

声をかけてきたのはちっこいピンク色のカーディガンをきた少女だった。

 

「君もしかしてライブにきょうみがあるの!?」

 

「……ちょっとみせなさい」

 

その人の態度は何かおかしくて、少し上から目線な感じだった。

 

「ちっ………」

 

その人はライブのチラシをしばらく見た後に軽く舌打ちをした。

 

「なにか気に障るようなこと書いてたかな?」

 

「ふん!せいぜい頑張る事ね。まあどうせ失敗するだろうけど」

 

「おい!その言い方はひどいんじゃないか?」

 

「あんたこそ、まずは先輩に対する態度を変えなさい」

 

「は?先輩?誰がだよ」

 

「私がよ!」

 

その少女はその言葉と同時にポケットの中から緑色のリボンを取り出して見せつけてきた。

 

「す、すみません!でもどうして失敗するだなんて言うんですか?」

 

「……アイドルはそんなに簡単じゃないってことよ」

 

そう言うと先輩は歩いて去っていった。

 

「そんなに簡単じゃない……か………確かにそうなのかもしれないな…」

 

俺は残りのチラシを配るのと同時に穂乃果たちのこれからが心配になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チラシを配り終わった後、俺は穂乃果達が準備をしている講堂へと向かった。

すると穂乃果達はもう既に準備を終わらせており、後はライブまでの時間を待つだけだった。

 

「はぁー緊張するー」

 

「意外だな穂乃果でもこういう時は緊張するもんなんだな」

 

「当たり前だよ!でも精一杯頑張ってお客さんを楽しませたい!そのためにも海未ちゃん!ことりちゃん!がんばろうね」

 

「そうだね、穂乃果ちゃん!」

 

「む、無理です……」

 

「え?」

 

穂乃果とことりが張り切っている中、海未だけは2人と反応が違った。

 

「も〜いつまで言ってるつもりなの海未ちゃん!」

 

「だ、だって………」

 

「だってじゃないよ!アイドルなんだからそれが普通だよ!」

 

「海未は何がそんなに嫌なんだ?」

 

「す、スカート丈が短すぎる…」

 

「なんだよそんなことか」

 

「そんなこととはなんですか!こんなの破廉恥です!だいたいことりが悪いのです!私は膝下までなければ履かないと言ったはずです!」

 

「ええ〜、だって〜それは穂乃果ちゃんが…」

 

「ほーのーかー!!!」

 

どうやら海未は衣装を作る際にことりに膝下まである衣装じゃなければ履かないと言ったはずだが、ことりと穂乃果が結託して短い衣装を作ったから怒ってるみたいだ。

 

「だって……」

 

「だってじゃありません!」

 

「絶対成功させたいんだもん…」

 

「穂乃果……」

 

「それにこの衣装、海未ちゃんが一番似合ってると思うよ!」

 

「そうだな!海未が一番似合ってる」

 

「穂乃果……新上君……」

 

「それじゃあそろそろ始まるな!3人とも頑張れよ!」

 

3人はステージに向かい俺は手を振って見送った。

 

「さてと、あいつらを一番に見れる場所を探さねえとな」

 

「ちょっとあんた」

 

俺が観客席に向かおうとした瞬間に誰から呼ばれた。

 

「ん?」

 

後ろを振り向くとチラシ配りの時のちっこい先輩が仁王立ちしていた。

 

「あんた今すぐあの子達を止めなさい」

 

「え?なにを言ってるんですか?今更あいつらのライブを止めろって言うんですか?」

 

「そうよ、あんたが止めないなら私が無理矢理止めるわ」

 

「先輩はあいつらのライブを邪魔したいんですか」

 

「そう、私はあの子達のライブを邪魔したいの。その理由は観客席を見ればあんたもわかると思うわ」

 

そう言った先輩の表情は今までに見たどの顔よりも悲しい顔をしていた。

 

「観客席……」

 

俺は先輩の言う通りに少し歩いて観客席を見ると、そこには誰1人としてあいつらのライブを見に来ている人はいなかった。

 

「うそ……だろ……?」

 

「これが現実よ。あんたはこの光景をあの子達に見せることができるの?」

 

先輩が言ってた事はこういうことだったのか……

見ればわかる、それは言葉の通りだった。これを穂乃果達が見れば、スクールアイドルとして人気をとるということがどれだけ難しいことなのか、それを知ってあいつらは絶望し挫折するかもしれない。

それでも……

 

「………」

 

「これで分かったでしょ。あんたがあの子達を止めるのよ。いいや、あんたしかあの子達を止めれないでしょ」

 

「いや……俺は止めない」

 

「は!?あんた何言ってんの!?じゃああんたは、あの子達がどうなってもいいって言うの?」

 

「そうじゃない……俺はあいつらは絶対に大丈夫だと信じてる」

 

「どうなっても知らないわよ」

 

そう言うと先輩は俺を睨んで行ってしまった。

 

「そろそろ始まるな……大丈夫…だよな」

 

俺の声は震えていた。

先輩にあんな偉そうなことを言っておきながら自分の中ではまだ不安が残っていた。

 

「まもなくスクールアイドルグループ、μ'sのファーストライブが始まります」

 

アナウンスが入るとステージの幕が上がった。

だが、ステージの向かいには誰ひとりとしていなかった。

 

「え……」

 

それを見た穂乃果は今にも泣きそうな顔になり下を向いた。

 

「そ、そりゃそうだ!世の中そんなに甘くない!」

 

「穂乃果…」

 

「穂乃果ちゃん…」

 

そんな穂乃果を見て海未とことりも泣きそうになっていた。

やっぱりダメなのか……

 

「あ、あれ?ライブは…?」

 

そこに現れたのは眼鏡をかけた1年生の証拠である青いリボンを付けた女の子だった。

 

「やろう…全力で!そのために頑張ってきたんだから」

 

穂乃果の顔はもう泣きそうな顔なんかではなかった。しっかりと前を向き、その娘ために全力でライブをしようとしていた。

 

「うん!」

 

「はい!」

 

穂乃果に続き海未やことりも前を向いた。

 

「さあ!やろう!」

 

「「「それではきいてくださいSTART:DASH!!」」」

 

曲が始まった。

すると眼鏡の娘は瞳を光らせて、穂乃果達のライブを心から楽しんでいるように見えた。

曲がAメロに入ると、髪が短くてオレンジ色の髪をした女の子が入ってきて、眼鏡の娘の顔を見て穂乃果達のライブに釘付けになっていた。

それからよく周りを見渡してみると、先輩が椅子の後ろから顔だけをだして、ライブを見ていた。

曲が終盤になるにつれて、1人また1人と人が増えていき、最終的に6人の人が穂乃果達のライブを最後までみていた。

曲が終わると穂乃果達もお客さんも会場の殆どの人は嬉しそうな顔で笑っていた。ただひとりを除いて…

 

「生徒会長…」

 

ライブを見ていたうちの1人である生徒会長が穂乃果達に向けている顔は笑顔ではなかった。

 

「どうするつもり?」

 

「続けます」

 

「なぜ?意味があるとは思えないけど」

 

穂乃果と生徒会長は向き合って、それぞれの思いをぶつけ合う。

 

「やりたいからです…」

 

「私、もっと踊りたい歌いたいっておもってます…こんな気持ち、初めてなんです!やって良かったって、本気で思えたんです」

 

その言葉を聞いても生徒会長の表情は全くかわらなかった。

 

「人気がでる確証なんてないのよ」

 

「確かにそうかもしれません…このまま誰も見向きもしてくれないかもしれない…応援なんて全然もらえないかもしれない…」

 

「……なら」

 

「それでも!」

 

生徒会長の言葉は穂乃果の声でかき消された。

 

「私達がとにかく頑張って届けたい、今私達がここにいる、この想いを!」

 

「そう…」

 

生徒会長はその言葉を言い残し出口に歩いて言った。

だが…

 

「生徒会長!」

 

穂乃果から呼ばれ、少し驚きながら生徒会長は振り向いた。

 

「なんなの?」

 

「いつか私達、ここを満員にして見せます!」

 

「……」

 

生徒会長はその言葉を聞くと、何も言わずに講堂を出ていった。

ライブ開始直前までお客さんが0人だったこの最悪とも言える状況から始まったライブ。

でも…

 

「ここだ…ここからだ…」

 

そうだ、このファーストライブは穂乃果が言ったこの言葉を実現させる俺達の第1歩になるんだ。




ファーストライブライブがついに終わりました!
前書きでも書いてある通り、不定期更新にしますので続きはいつかはわかりませんが、あがった時に読んでくれると嬉しいです!
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