※一部神崎蘭子の中二病風の言葉は作者の勉強不足のため通常会話になっています、読者各自の想像を働かせて変換してください。
一方その頃ほかのメンバーはというと
島村卯月 『さばげぶ』の園川モモカ風の恰好に小さめな魔女帽子。→化け物やお化け等襲われそうになったが、逆に返り討ちにし、ある階層に一大拠点を築き、他の階層に広げようと画作中。
渋谷凛 オオカミの恰好(犬耳と尻尾と両手足に其々オオカミ風の手袋と靴→身も心も一匹狼になり、屋上で一人丸くなって寝ている。
本田未央 『戦国コレクション』における塚原卜伝風な格好。→持ち前の剣術で撃退後、自販機の集中している階層で飲み物等をカブ飲みしながら、のんびりと剣術の鍛錬中。
赤城みりあ 赤城型改装空母初期型(20センチ砲2連装2基装備時)の擬人化恰好。右肩に小さ目な空母風甲板があり、左手には小さ目な弓.両腰のホルスターには2連並列ソウドオフショットガン(飛距離を犠牲にし、散弾の拡散範囲を上げるためにバレルを切り詰めたもの)を装備。→現在今西部長及びプロデューサーと行動中。
アナスタシア JS-2の擬人化(砲塔と砲身を小型した物が右手に装着され、脹脛にキャタピラを模した物を装着し、頭部には斜めに被ったロシア帽(鎌と槌の刺繍))と服装は,南瓜色の服装。→後述
緒方智絵理 『白猫プロジェクト』の白魔術見習生ハルカの服装を薄いハロウィン色である茶色と黒にしたもの→襲われそうになるが、たまたま出た高威力魔術攻撃後、自身が気絶。
神崎蘭子 ゴシック風黒魔女(イメージとしてハリポタの制服かな)服装一式(とんがり帽子、服、杖等)→持ち前の中二病は鳴りを潜め、正確無比な『武装解除呪文』を唱え、施設内を沈静化中。
城ヶ崎莉嘉 『蒼き鋼のアルペジオ』のイ402の服装に同系色のとんがり帽子等の恰好。→鷺沢文香に乗り移った『蒼き鋼のアルペジオ』のヒエイの勅命を受け施設内における隠密情報収集中。
新田美波 『艦隊これくしょん』暁型2番艦響の服装と艤装をハロウィン風の色にしたもの。→後述。
双葉杏 『蒼き鋼のアルペジオ』妙高型四番艦のハグロの服装とうさぎ(本人曰く面倒だったので適当に見つけたそう)。→のんびりとだらけていた所を鷺沢文香に乗り移った『蒼き鋼のアルペジオ』のヒエイに見つかり、小一時間ほどの説教という名の言論拷問を受けた後、施設内を自身の快足を以て派手に情報収集中。
前川みく 『ストライクウィッチーズ』のニッカ・エドワーディン・カタヤイネンの服装を薄いハロウィン風に直し、ネコ耳及び尻尾の代わりに雪イタチ(フェレット)の恰好にしたもの。→乗り移った本人の様に不幸と運の無さが出ており、現在、施設内を逃避行中。
三村かな子 携帯RPG『グランブルーファンタジー』内コラボ時の服装をハロウィン風に手直しし、ジャクオーランタンを両手に持っている服装。→『シンデレラプロジェクト』内の部屋で大量の和洋中の菓子類に囲まれている模様。
諸星きらり ストレートヘヤにし、括れた魔女帽子と茶色系の薄い茶色の大きめ魔導服。→神崎蘭子等と同様に施設内を鎮静化中。
多田李衣菜 カードゲームの「ロードオブヴァーミリオンⅡ」のビューネイの衣装である和服の恰好。→施設内のある上層階を自身の武力を以て制圧後、他の階層に支配を広げるため、制圧した階の部下(元346プロ職員と元アイドル。現在何者かによって憑依された化け物や悪霊等)を効率よく鞭を以て調教中。
千川ちひろ 『とある科学の超電磁砲』の常盤台中学服装(作者曰く多分 似合うだろう)をハロウィン色に直したもの。→後述。
遂に激突した両陣営は、瞬く間に赤城とア級による複葉機による空中戦が施設内の広場の空に勃発し、両陣営とも多数撃墜されていったが、生き残った両陣営の攻撃機隊及び戦闘機隊が其々の空母に向けて翼を翻し突撃し、それを守るため、上空に待機していた直掩機に居る防空戦が開始され、それを縫うように双方の攻撃隊が自身に抱えた爆弾を投下せんと、緩降下していったが、赤城は両手に装備していた2連並列ソウドオフショットガンを了腰のホルスターに仕舞い、後腰に仕舞われていた。六連マグナムに切り替えた後、それを敵機に向かい的確に当てていたが、何機かを取り逃がし、その鉄器の爆撃を受けたが、深い傷にならずに済んだ。そして、残った双方の機体をそれぞれ帰還させた後、双方の自身の持っている火器を持ち、双方とも距離を縮めつつ射撃戦に移行した。一方KMF同士の戦いも激戦が続いた。僅か一機の『ランスロット2号機』は、その圧倒的な数の不利さを感じさせない圧倒的な機体性能と搭乗者の技量が合わさり、ほぼ互角に渡り合っていた。しかしながら、相手側のKMFもそれぞれの機体性能をほぼ100%引き出しており、それぞれが連携し、射撃、斬撃、突貫、防御と多種多様な戦法を集団で駆使し、機体性能差を埋めていった。
其々が激戦を繰り広げていた所を縫うように目的地に常人を遥かに超える走りで今西部長が走り抜け、それに気付いた幾つかのKMF群が装備された対人用機銃を掃射したが、今西部長はそれを遥かに超える俊敏性で回避し、一機のKMFの頭上まで、高く飛び上がると、懐から人の身の丈以上の巨大で極太の槍を取り出し、それを常人を遥かに超える投擲スピードで投擲し、一機のKMFの頭部に突き刺さり貫徹し、そのKMFは完全に沈黙すると、他の機は僅かに動揺するように動きを止めたが、それが命取りになった。今西部長は、口元を僅かに動かし、「『無限の武器(アンリミテッドウエポンズ)』」というと、周囲に無数の幾学模様の魔法陣が現れ、其処から古今東西神話等ありとあらゆる種類の武器が無数に現れ、それが一斉に放たれ、KMFの一群を文字通り消し飛ばした。
「やれやれ、まさかこの力会を使うとはねえ」
というと懐から煙草を取り出し、一服すると、走り出して行った。一方、機体性能と技量で渡り合っていたランスロットも少しずつエナジーフィラーの残量が乏しくなった。
「不味い、エネルギー残量が」
とコクピットなにでスザクが叫び、数秒間動きが怠慢になった。それを逃がさない様に敵側のKMFが一斉に重火器による射撃を開始した。
「しまった。やられる!」
と画面上に無数のミサイル群がこちらに向かうのが確認できたが、次の瞬間。一線の高エネルギー波が真横を横切り、ミサイル群及び各種銃弾等を蒸発させた。
「一体何が?」
と肩部のファクトスフィアを展開させ確認すると、一人の女性が紫電を纏い佇んでいた。
「やれやれ、何でこんな所に居るのかしら、しかも早々に仮装した暴徒に襲われるわ。外を見たら空想の巨大ロボットの戦いを見るわ。此処って学園都市なのかしら」
と千川ちひろに憑依した御坂美琴が呟くと、
「まあいいわ。あの白いロボット。ピンチみたいだから援護してあげるわ。だから本気で行くわよ」
と言うと、懐からコインを取り出し、それを親指で上に弾き、そのコインが下に落ちる前に美琴の周囲に幾つもの紫電が奔り、コインがその間に落ちてくると、美琴は狙いをつけ、それを前方に向かい、もう一度弾いた。その瞬間、コインが弾道上にある物を全て薙ぎ払い、KMFに直径2mの風穴を開け衝撃波を撒き散らした。それをファクトスフィア越しに見ていたスザクは外部スピーカーから美琴に向かって、
「君はいったい何者なんだい?」
「私を知らない?常盤台中学2年。学園都市第3位の超能力者(レベル5)の私を?」
「いや、知らないな」
「そう、そういうアンタは何者よ」
「自分は、神聖ブリタニア帝国軍特別派遣嚮導技術部所属枢木スザク准尉です」
「何よ、その国。全然知らないわよ」
「そうですか。しかしながら、先程はありがとうございます」
「そ、そう。感謝しなさい。でもまだ沢山いるわよ。大丈夫なの?」
「少しこころもと在りませんが、何とかやってみます。君はすぐに此処から避難してください!」
「ハア、ふざけるんじゃないわよ!こうなったら私もやってやるわよ」
「しかし、君は民間人だ。そんな事させない!」
「仕方ないわね。じゃあ、適当に手伝ってやるわ」
とファクトスフィア越しに二人が言い争っていると、スザクの耳元に取付けられていた。スピーカーマイクから
『あ、スザクくーん。そろそろエナジーフィラーが切れそうだと思うから、予備と追加バッテリーを持ってくるから待っててねー。彼女たちが』
と言うと、そのまま切れた。少し唖然としたスザクは、外の様子を見ると美琴の姿が無く、周囲を見渡すと、美琴は敵陣の方に突っ走っていたのが判った。
「まったく、あまり感心できない名。彼女は、でも誰が来るんだろう。それに...」
と、後に続く言葉を呟こうとした瞬間、頭上から多数の銃弾が降り注ぎ、それを必要最低限の動きで回避し、出来るだけエネルギーを節約し、出来るだけ長く行動できるように努めた。しかし、それを嘲笑うかのように、敵側のKMFはまだまだ圧倒的な物量と連携と、後方補給所兼簡易修復場があった。しかしその補給基地が突如として爆発した。
「一体何が...」
とスザクが呟くと、その爆炎を背景に2つの人型の影が映し出された。
「Возможно あれが、味方の白騎士でしょう。では、行きましょうか」
「Да」
と2人が短い会話を交わした後、2人が並びながら、土煙を上げ、ランスロットの方に速度を上げて向ってきた。それを阻止しようと、上空のフロート付き及び地上に居たKMFが隊列と編隊を組み、各個に装備された重火器を2人に向かって掃射した。それを二人は絶妙な回避行動で全て回避すると同時に其々に装備された火器をこれまた絶妙なコンビネーションで反撃に打って出ていたが、速度を緩めずにランスロットの方に向かってきた。
「スザクさんかい。自分は、暁型2番艦響だよ。ロイドさんから御届け物を頼まれたので持ってきたよ」
「ありがとうございます。あとは、自分に全部任せて貰って大丈夫です」
「君は馬鹿なのかい。あんなに沢山の敵、君一人ではどうする事も出来ないよ。此処はみんなで力を合わせるべきだよ」
「しかし、君みたいな少女をこんな戦場に居てはいけない」
「舐めて貰ってはいけないよ。こんな戦場、昔の私がいた所に比べたら可愛い物だよ。それに私だけじゃないしね」
と新田美波に憑依した艦娘『響』が隣に居た少女に顔を向けると、その少女は、美しいロシア軍正式敬礼をした後名乗った。
「Да私は、Советская Армия所属重戦車部隊IS-2です。同志、私も微力ながらお手伝いさせていただきます」
とアナスタシアに憑依したIS-2が答えた。
「しかし...」
「もう、しっかりしなさいよ。もう皆が戦うと言ってんだからあんたがあれもこれも背負う事無いのよ」
とスザクが返答に苦慮していると、いつの間にかそばに居た美琴が、機嫌が悪く返答した。
「わかった。では、協力をお願いしよう。でも無理はしないでくれよ」
「やれやれ、やっと決まったわね」
「了解した」
「Я понимаю,」
と言うと、スザクはランスロットに響が持ってきた高性能バッテリーを交換した。
「では、行きましょう」
というと、X字型フロートユニットを使い飛翔し、敵側のフロートユニット付きKMFの撃破に向かった。地上型の残存KMFは自身の装備されている火器を上空に向け対空迎撃をしようとしたが、
「それはさせません。ここからでも私の射程距離です」
とJS-2が言うと、脹脛に沿って装備されたキャタピラを地面に設置させ、右腕の下部に沿って装備された大型砲を発射しようと、大型砲塔に装備された大型槓桿を左手で操作し、大型砲塔後方に装備された大型マガジン型弾倉から初弾が装填され、JS-2は手頃な狙いをつけると、
「запуск」
と呟き、右手に収まる様に装備された持ち手部分の引き金を押し込んだ。すると、大型徹甲弾が狙い違わず敵KMF を後方のコクピット兼脱出用装置の下部から頭部に向かって、ぶち抜き撃破した。
「脆いです。нацистのтигрの様ですね」
と素っ気無い感想を述べると、もう一度槓桿を引き次弾装填をし、次の目標を定める様にキャタピラを使い、底上げされた機動力で次の目標までの距離を縮めた。その時幾つかの敵KMFの銃撃を受けたが、左腕に装備された大型防楯を使い、被弾を最低限にまで落とし、牽制用に左腰のホルスターから2連装大型機銃を連射しながらジグザグ機動と回避を繰り返した。
一方、それと同時に響が脚部に装備された。航行用舵を使い、脚部の接地面が液状化を起こし、それをアイススケートのように滑らかに移動していた。
「わたしも、Финиксの名は伊達ではないよ。これ位簡単な任務だよ」
と高速機動運動をしながら、敵KMFの懐の死角に滑り込むと。右肩に装備された2連装速射砲が火を噴き、敵KMFを股関節部分に着弾し、体勢を崩すと、間髪入れずに次弾を装填発射し、敵KMFを地面に倒すと後腰に装備された爆雷で止めを刺された。完全破壊を確認せずとも、次の目標まで、速やかに高速機動運動し、前方に居た数機の敵KMFが此方に向って装備された槍を突き立てて、突進してくるのを確認すると、両腰及び左肩防楯裏に装備された61cm3連装魚雷発射管3基を使い迎撃投射した。投射された魚雷は、地面に接地すると地面に溶け込む様に潜り、投射間隔が次第に扇状に広がり、敵KMFの足元で起爆し、向かってきたKMFの一機を残し、残りは下半身ごと吹き飛ばし破壊した。そのうちの一機に装備された大型ランスが先の魚雷攻撃で千切れた両手と共に吹き飛ばされた衝撃で、響の近くに突き刺さると、響はそれを軽々と持ち上げ、生き残ったKMFに投擲し、胸部から突き刺さりそのままコクピットブロックを貫き、それは近くの地面に落ちた。
「Это очень слабый」
と呟くと次の目標に向かって再度高速機動を開始した。
一方、空中では、スザクが手甲及び両腰に装備された強化型スラッシュハーケンや大型MVS等巧みに使い、空中型KMFに突き刺し破壊したり、腰背部に小型化したMVSを投擲しフロート部分を破壊し墜落させたりして制空権を奪っていった。
戦場の状況は、徐々にプロデューサー率いる部隊が有利に立つようになり、安部菜々が率いるKMF部隊は押されていったが、未だに十分すぎる戦力が菜々の方にあった。すると、この状況を見ていた安部菜々に憑依していたウサミン・ド・ウラーサ皇帝が遂に動いた。
「みぃぃぃごぉぉぉとなりぃぃぃ。我に刃向う愚か者たちよぉぉぉ。しぃぃぃかぁぁぁしぃぃ。我も居るのを忘れては困るぞぉぉぉ。刃向うものには罰を与えなければならなぁぁぁい。よって、我が直々に成敗させてやるぅぅ」
と盛大な終えで叫ぶと、ウサミン・ド・ウラーサ皇帝の後方から巨大な丸みを帯びた機体が姿を現すと、其れに吸い込まれる様に乗り込むと、それは起動した。
一方その頃、今西部長は遂に目的の場所に辿り着いた。
「さて、いよいよ、ご対面と行こうか。随分とたちの悪い悪戯をしてもらったんだ。それ相応の覚悟をしてもらうよ」
と扉を開けようとしたが、なぜか扉は壁の様に固く閉ざされていた。
「やれやれ、簡単には入らせて貰えないようだね。仕方が無いが無理矢理入らせて貰うよ」
と言うと、右手に収まる様に何処からか一本の槍が姿を現すと、それを掴み左拳でドアを軽く叩くと、壁のようになったドアがひび割れた後粉々に粉砕された。
「さて、失礼するよ」
と言いながら、破砕されたドアの破片を砕きながら、ゆっくりとした足取りで進んでいった。
ゆったりとした歩き方でその部屋に入った今西部長を出迎えたのは、薄暗く陰鬱な雰囲気が部屋全体を覆い、幾つもの無機質なマネキンに様々な古今東西の衣装を着せられていた。少しでも照明等で部屋を彩れば、随分と印象が明るくなるが、現在その部屋には、不気味な雰囲気と弱々しい切れかかった照明が点滅を繰り返していた。それは、一般人が入った瞬時に亡者にしてしまう様な濃厚かつ濃密な邪気を大量に含んでいた。然しながら、その充満した瘴気を気にする事無くのんびりとした歩き方の今西部長は、奥の方に進んでいった。
すると、先程通り過ぎた幾つもの甲冑を纏ったマネキンの一部が不気味に動き始め,其々が手に持つ槍や斧、剣、ナイフ、棍棒、鎖等をゆっくりと奥の方に進む今西部長に狙いを付け一斉に音も無く襲い掛かって行った。
しかしその襲撃は空を切った。マネキン達は一瞬呆然とするように動きを止めたが、その頭上を後方一回転しながらよけた今西部長は、マネキン達の後ろに着地すると同時に手に持った槍でマネキン達を横に薙ぎ払うとマネキン達は、その攻撃を受け宙を舞った次の瞬間マネキン達は鎌鼬にあったかの様にずたずたに切り裂かれ、地面にボトボトと落ちると一切動きを止めた。それに今西部長はもう一度、槍を振い槍を肩に掛け、マネキンだった物にゆっくりと近づき
「如何やら、呪術を受けて動いたみたいだねぇ」
と言うと、突然奥の方でパチパチと両手を叩きながら、薄笑いを浮かべながら此方に来る優男が歩きながら、点滅を繰り返す照明に照らされて忽然と現れた。
「素晴らしい。見事だったよ。それに今ここに居る君も随分と素晴らしい精神を持っているみたいですね。どうでしょうか。一緒にこの施設内だけではなく、飛び出して世界を支配しませんか?」
「すまんが、そんな暇がないんだよね。僕が怒る前にさっさと施設内の全員を元に戻すことをお勧めするよ。悪戯小僧さん」
「おやおや、貴方は本当につまらないですね。今日は、楽しいハロウィンですよ。だから、派手にした方が楽しいじゃないですか」
「すまんがもうお祭りは、そろそろ閉幕の時間が来たみたいだ。そろそろ皆を家に返さないといけないからね」
「そうなのですか?でも貴方以外は、誰一人も文句を言ってこないのですが?」
「いい加減にしてくれないかい」
「仕方がありませんね。なら貴方も他の皆さんと同じ様にしてあげましょう。その前に少し痛い目にあってもらいましょうか」
と言った瞬間、男の手元に何時の間にか何本もの鋭利なナイフが握られそのナイフを一斉に今西部長目掛けて投擲した。投擲された幾つ物ナイフは不規則な軌道を繰り返し、今西部長の周囲を何重に取り囲む様に配置されたナイフがその場に留まると男が口を開いた。
「サービスです。もう一度だけ言います。私と一緒にこの世を支配しませんか。ああ忘れていました。自分はイーサンと言うものです」
「何度も言うが、答えは、いいえですよ」
「そうですか。仕方ありませんね。痛い目にあって下さい」
とイーサンが右手の指を鳴らした瞬間、一斉に今西部長を囲ったナイフ群が一斉に襲い掛かった。その瞬間凄まじい粉塵が辺りを覆った。
暫くすると粉塵が少しずつ収まると、一部の上着が切り裂かれていたが、それ以外は無傷の今西部長が現れ、周囲には地面に突き刺さったナイフと持ち手部分のみが残された物が地面に落ちていた。イーサンさんは驚いたような表情をすると今西部長が口を開いた。
「そろそろ正体を見せたらどうだい。イーサンいやレヴィアタンと言った方が良いかも知れないね」
「なぜ我が真名を知っている!貴様何者だ!」
とイーサンいや、レヴィアタンが表情を劇的に変えた。すると今西部長は、上着を脱ぎネクタイ、眼鏡を外すと、
「貴様を地獄に強制的に送り返す者だよ。覚悟しろ!」
と強い口調で言うと、周りに突如旋風が起き今西部長を取り囲んだ。
暫くすると、今西部長を取り囲んだ旋風が収まり其処には、いつもの今西部長ではなく全くの別人がいた。一対の美しい羽を持つ美男子が立っていた。その手には長く美しい装飾が施された一本の槍を携えていた。
「随分と久しぶりにこの姿になったものですね。約2000年振りでしょうか」
とゆっくりと穏やかな声色で美男子が言うと、その姿を見たレヴィアタンが驚愕の表情を作り言った。
「なぜ貴様がここに居る!いや、そもそもなぜ貴様がこの地上に居るんだ!貴様は,神に逆らい地獄に落とされた筈だ。なぜこの地上に居るんだ!答えろ、ガブリエル!」
「おや、随分と久しぶりに私の名を聞きましたね。しかしながら、随分と間違っていますよ。確かに私は主に逆らい、地上に落とされましたが地獄には落とされていませんよ。主もあの大洪水もやり過ぎたというところがあり、私を地獄まで落とすことに抵抗があったのでしょう。そこで主は、私を地上に落とし一人の人間として人間社会に溶け込み、生きる事を私の罪と罰にしたらしく、私はこの地上に落とされました。勿論最初は、私が持っていた天使の力を全て奪われて、生きることのむずかしさを肌で感じいっその事、地獄に墜ちようと思う時もありました。しかしながら、幾年の月日が経った時私は、この土地に流れ着き定住しました。後に、この地には私の主以外にも多数の私たちの主と同じかそれ以上の高貴な者と出会いました。今では、私が双方を仲介したおかげか、随分と良好な関係を築き、そのおかげ、私の主がもう一度、私の元に戻らないかと誘われたのですか、未だにこの地の一人の人間として生きていくことを私は望んでいます。しかしながら、今回の件は私も堪忍袋の緒が切れかかっていますので、早急に地獄に帰って下さい」
「それを断った場合は?」
「私が直々に事前に私の主及びこの地の神々に許可を貰い、あらゆる手段を使う事に許可を貰った為。私の持っている全武器を使い貴方を強制的に地獄に追い落としてあげます」
「ほう、やれるものなら、やって貰いましょう。それにもし私が勝ったなら、地獄内の私の株も鰻登りですし、新たな神話にも加わることも夢ではないでしょう。そうですね。例えば、『悪魔が初めて倒し降した神の手先』とかはどうでしょう」
「やれるものならやって見なさい。私は絶対にここを引きませんし。倒れません。此処の者たちを必ず救います。それが神の一人の使徒として、そして此処の部長として!」
遂に神の使徒の一柱と悪魔の9階級第三位との決戦が行われた。
最初にイーサンが今までの仮初めの姿を脱ぎ去り、巨大な蛇の身体と幾つもの目と突起を持つ爬虫類の頭部と上下3段階の巨大な口を持ち、その口には何重にも無数の大小牙が並んでいた。またその身体には何対もの大小さまざまな大きさの翼の様な物と鋭く毒々しい爪の生えた腕を持っていた。その翼を羽ばたかせるとその巨大な体が浮き上がり、爪や皮膚から垂れ流れる毒々しい液体が地面に落ちると、そこがまるで硫酸に掛けられたようにドロドロに溶けていった。それを見たガブリエルは目を細め軽蔑するような目線をレヴィアタンに投げ掛けると右手に持った槍は別に左手に一本の日本刀を虚空から出現させると背中の羽を羽ばたかせ、レヴィアタンに向かって行った。それを迎え撃とうと、レヴィアタンも正面に眼前を向け三段ある口を全て開き、ガブリエルに食らいつこうと速度を上げた。
その一連の攻防戦は、激しい戦いはまるで古今東西の様々な時代の絵師等が絵画や壁画等で描かれた神話時代の戦いを現在の美城プロの施設内で再現されるかの様に激しくも、どこか美しさのある戦いだった。それこそ善と悪の代表としてそれぞれのプライドと地位を掛けたものであった。そして、その終わりは唐突に訪れた。
「随分と手酷くやられてしまったねぇ。まあ、あれ相手だと仕方が無いか、私の主にも後で詳しい報告しないと」
とガブリエルがぼそりと呟くとそれの身体は、至る所から血を流し、美しかった翼はボロボロに千切れており、片方は完全に変な方向に折れ曲がっていたまた美しい顔もひどく深い切り傷と右眉から右頬に掛けてレヴィアタンの三本爪で深く切り裂かれており、そこからボタボタと血が流れており右目は失っていた。その足元には無数の槍や剣が半ば折れたり砕けたりして散らばっていた。しかしながらその前方には、体中をズタズタにされ、体中に和洋中の大小様々な刀剣、槍、矢、斧等がハリネズミの針の様に無数に突き刺さり、切り裂かれた巨大な巨体を横たえた瀕死状態のレヴィアタンが横たわり微かに一段目の口部が上下し、息をしていたが、頭部にあった多数の眼は全て潰されるか槍や刀剣等が突き刺さっていた。そしてその施設内の惨状は悲惨なものであり、完全に天井が崩壊され、破壊された天井の空には無数の星々が美しい夜空を醸し出していた。それを見上げたガブリエルは、
「やっと終わりましたね。随分と手酷くやられてしまいましたが、如何にかあの悪魔を倒しましたが、まだ隙を見せないようにしないと。さて、最後のひと仕事を始めましょう」
ガブリエルは、そう呟くとボロボロになった殆ど使い物に成らない羽を使い何とか飛び立つと、レヴィアタンを見下ろす位置まで上がると、人間の言語とは異なる言語で歌を紡ぎ、それは次第にレヴィアタンを囲む様に幾重もの魔法陣が形成され、それが突如魔法陣内の地面が消失すると、レヴィアタンは自身の重さに耐えきれずに地獄の溶岩の中に落ちていき、地獄の亡者に引きずり込まれる様に溶岩の中にゆっくりと沈みこむと、消失した地面がゆっくりと元の形に形成し始め、それが完全に閉じられると、それを見届けたガブリエルは力尽きるように地面に向かい落ちていった。あわや地面に当たると思われた時、幾つもの手と腕がガブリエルの身体を上から抱きかかえるように身体を支え、ゆっくりとその身体を地面に横たえると、ガブリエルを囲む様に幾つもの人影が現れると、
「よく一人で此処まで最低限の被害にしましたね」
「それにこの者は、私たちの主と此処の主との仲を良好な関係に導いてくれた最大の功労者でもありますよ」
「ええ、それに此処の者たちに随分と慕われていますしね」
「さて、後は私達の仕事です。ラファエル、ガブリエルの癒しを頼みましたよ」
「分かりましたミカエル様」
「さて、エンジェルズたちは、壊された施設内の修復を。ドミニオンズ達は、残った悪魔や悪霊等の残党の発見と駆逐を。ヴァーチュース達は、施設内にいる人々の一部記憶の改竄を。エクスシアイ達は、それぞれの者達の支援を。皆さん急いで下さいね。ただし確実かつ迅速な行動が求められますよ」
「はい。判りました」
と言うと無数の影達が四方八方散り、そして消えた。
そして残ったラファエルが上着から小さなガラス瓶を取り出すと、それを傷つき横たわっているガブリエルに中に入っていた透き通った透明な液体を少しずつ傷口に垂らしながら、美しい旋律の言葉を唱えた瞬間。ガブリエルのあらゆる傷口が瞬く間に治癒し、失った右目も急速に修復していった。その全ての傷等が完全に治ると、ラファエルはガブリエルを一通り見通すと、ラファエル自身の美しい羽を一回羽ばたかせると、美しい数枚の羽根が抜け落ち、ゆっくりとそれが地面に着くときにはそこには気持よく芝生の上で眠っている今西部長とその周りに幾つかの羽が落ちており、その上には美しい夜空と美しい星々が輝いていた。
ハロウィンの日に起きた一連の騒動は一部の者を除き、あらゆる記憶と記録から綺麗に消されていたが、その後遺症は一部の者に僅かだが影響を及ぼしていた。例えば、別の部署に所属している鷺沢文香は、読書の本を何時ものように文学書等を読む傍ら、分厚い法律法令関係書をそばに置くようになり、時々お堅い風紀委員長風の言葉使いになり、周りを統制したり、安部菜々自称『ウサミン星人』は、時々本気で美城プロを制圧しようと新人アイドルの池袋晶葉と時々会っていたりしているそうと大なり小なり美城プロのほぼ全員が何らかの影響を及ばしていた。では、『シンデレラプロジェクト』の面々の場合はどうだろうか。
「やれやれ、前はとても大変だったねぇ。これからは、もう少し此処の防護の為に向こうの主に要望しようかな。それにしても、この施設内にいるほぼ全員が大なり小なり、ハロウィンの影響があるんだね。確か、ミカエルが部下の天使達に記憶改竄等を完璧にするように指示したって言ったけどね。まあ、余り悪い影響は出ていないはずだからいいか」
とゆったりとした足取りで廊下を進み、地下に続く階段に足を付けようとした瞬間何を思ったのか、階段の手前で足を止めると、
「早めに対策を取るために今行動しようかな。それに何か、うちの部署の部屋から楽しげな声が聞こえているし…」
「あの、部長。此処で何を立ち止まっているのですか」
「ん。おや珍しい、プロデューサーと千川君じゃないか。今から朝礼かい。悪いが私は、急な用事を思い出したから朝礼には出られないよ。すまんね」
「いえ、大丈夫です。部長も気を付けて行って来て下さい。失礼します」
と言った後、地下に続く階段を歩き始めると、暗がりに二人が地下の方に消えるのを確認した今西部長は、まるで神隠しにあったかのように廊下から忽然と消え失せた。
そんな事が起きたことなど露にも思わなかった2人がプロジェクトルームに入ろうとしたところ中から何時ものように少し騒がしかった。一体何があったんだろうと二人は顔を目合うと、扉を開けた。
「うーん。やっぱり難しいなー」
「大丈夫だよ。みりあちゃん。私達と一緒に頑張ろう」
「Да。美波と私も一緒にがんばりましょう」
「そうね。アーニャちゃん。さ、も王ちょっとだから頑張ろう」
「うん。私頑張る!」
と何やら珍しく赤城さんとアナスタシアさんと新田さんがテーブルを占領して何やら作っていた。
「あのう、如何されましたか?」
「「「わっ。びっくりしました。おはようございます。プロデューサー」」」
ととても驚いた表情を作った三人は手元の作業を一度手を止めると、元気よく挨拶をした。
「何を作っているのですか?」
「あ、はい。前の休日の時に、私達が偶々町の方に外出した時に会って、三人でのんびりと散策した時に入った店舗で模型店があったので、立ち寄ってみたら何か呼ばれてる気がしたので買ってみたんですよ。あ、私は『特型駆逐艦Ⅲ型暁型2番艦 響 』を買ったんですよ。みりあちゃんは、『赤城型航空母艦 赤城 』で、アーニャちゃんは、『 IS-2 』をそれぞれ買いました。それで今三人で組み立てているんですよ」
「わかりました。けれど、出来ればプロジェクトの方を優先させてくださいね。あと何か必要の物があったら言って下さい」
「何かすみません。でも仕事に支障をきたさないようにしますね。アーニャちゃん、みりあちゃんもね」
「Да(うん)」
と元気よく返事をすると、再び視線を手元にも戻し、再び作業に没頭した。それをプロデューサーの横で見ていたちひろが、
「ふふ、プロデューサーも変わりましたね」
「何が変わったのでしょうか?」
と首に手を当てたプロデューサーが困惑した表情でちひろに尋ねると、ちひろは少し笑みも漏らしながら、
「いえ、前まで随分と仕事熱心で、余り私物とかの持ち込みを一人一つと決めたプロデューサーが少し態度を緩やかになったなぁて気がしたので」
「そうでしょうか。そういえば、千川さんも今日は、何時もの服装とは違いますね」
「あら、気が付きました。そうそう、この服は何時の間にかロッカーに入ってたので、今日はこれにしました。似合います?」
と言うとくるりとその場で回って見せたちひろがプロデューサーに尋ねると、プロデューサーは真剣な表情で
「ええ、とても似合っていますよ。それに何か若返ったような気がしますよ」
「あら、うれしい」
と喜ぶと、その時は入ってきた前川みくが、
「おはようにゃー。あれ、ちひろさんなんか服が変わっているにゃ」
「あら、おはよう前川さん。如何似合う?」
「おはようございます。前川さん」
「あ、Pちゃん。おはようにゃ。ちひろさんは何かの罰ゲームか何かかにゃ?」
と言うと一気にちひろの周囲が急速に冷え込む様な感じがすると、ちひろは、随分と良い笑顔になり、何処からかバチバチと帯電現象がちひろの周りに巻き起こり、
「すみません。プロデューサーさん。少し生意気な子猫ちゃんとお話ししてきますね」
と言うと、みくの襟を鷲づかみに引きずりながら、部屋から出ていき暫くした後に盛大に巨大な帯電現象が起きた。その時みくが引き摺られながら
「しまった。また今日も不幸だにゃー!!」
と喚きながら部屋の外の方に消えていった。暫くすると、途轍もない落雷が落ちる様な轟音が廊下から響いた。暫くすると服の所々が焦げ、顔の一部が黒ずんだみくが現れ、その後ろに随分と色つやが出ているちひろが現れると、プロデューサーに今日の日程を伝えると部屋の外に出ていった。
そしてボロボロになり、近くのソファーで突っ伏しているみくをしり目にプロデューサーが全員を集め今日の予定を伝えた。
「では、皆さん。今日の其々の予定について伝えます。まず、ニュージェネレーションの皆様は今日は、外部スタジオで収録がありますので駐車場に来て下さい。その時、キャンディーアイランドの皆様と別部署の鷺沢文香さんは、外での収録のためそのまま現地に行きますので、それぞれ速やかに準備と待機をお願いします。またデコレーションの皆様はここで新曲の練習の為、此れが終わったら練習部屋に行って下さい。あとは、ラブライカのお二人に雑誌の取材がありますので広場の方に向かって下さい。以上が今日の予定です。神崎さんとアスタリスクの皆様は、それぞれ自主練習をお願いします」
≪「「「「「「「「「「「「「はい。判りました。(少し、めんどくさいな~)(わかりました。プロデューサーさん)(がんばろうよ)」」」」」」」」」」」」」」
と今日の予定を完了させるために其々が動き出した。
時間が過ぎ、今日の予定を全て終わらせた。面々が、『シンデレラプロジェクト』の部屋に帰ってきた時間帯。
一番初めに帰ってきたのは自主練習を終わらせた3人が、部屋に帰ってきた。
「疲れたねー。でもこの程良い疲れってなんだか気持ち良いね。これこそロックだよね」
「李衣菜ちゃん。それって意味が違う気がするにゃ」
「うるさいなー。バケツの水をひっくり返して、びしょ濡れになったみくに言われたくないよ」
「うぐっ。それは、まさか、練習場の掃除の後にバケツを置き忘れた人が悪いにゃ」
「それにしても頃みくって、運が無いね」
「そうだにゃ。確かハロウィンの後から、急に運が悪くなった気がするにゃ」
「そういえば、私ハロウィンの日の記憶が曖昧なんだよね。何時の間にか自分の家に戻った時には、その日の記憶が無かったんだよね」
「あ、それ、みくもにゃ」
「そうなの」
「そういえば、他の部署の人もその日の記憶が曖昧だって言ったっけ」
「まさかそれと関係あるかにゃ」
「さあ、そういえば蘭子ちゃんは、その日の記憶ってどう?」
といち早くソファに座り寛いで居た神崎蘭子に話を振った李衣菜が聞いた。
「私もその日は少し記憶が曖昧です」
とその時、部屋を照らしていた蛍光灯が突然消灯し、部屋が真っ暗になり、みくと李衣奈の二人は突然のことで狼狽えると、蘭子が懐に仕舞っていた杖を取り出すと、
「ルーモス(光よ)」
と唱えると、杖の先端が淡く光り出し、それを頼りに蘭子は、一度室内灯の操作盤をOFFにした後、近くにあったヒューズ盤を操作し直した後、もう一度操作盤をONにした後、
「ノックス」
と呟き、杖を仕舞った。それをあんぐりと呆然とした二人が見ていた。そして、
「「蘭子ちゃん、今の一体何なの!!?」」
と同時に言うと、蘭子は、杖の事だと感じ街して、もう一度杖を取り出し、説明した。
「此れですか。ユニコーンの毛と水晶と桜の木 21センチ 堅いのが特徴の杖ですが...」
「「そうじゃないにゃ(そうじゃないよ)。さっきの呪文みたいなの何なの(にゃ)?」」
「え、さっきの呪文ってみんな普通に出来るじゃないの?」
「「出来ないよ(にゃ)」」
「実は、ハロウィンの日から出来る様になったけど」
「「マジで(ニャ)。凄いよ蘭子ちゃん!」」
と驚いた二人に暫くの間、質問攻めと実演を見せた蘭子は、その後、息が切れた様にぐったりとした時に再び部屋のドアが開き、キャンディーアイランドの面々が現れたが、その中の一人双葉杏はぐったりとして二人に抱えながら入ってきて、いつものウサギ型ソファに横になった。
「ううー。もう働きたくない―」
とぐったりと横になりながら杏が言うとその様子を見ていた李衣菜が、かな子に尋ねるとかな子は少し困惑しながら説明した。
「ええっと、今日の取材で違う部署の鷺沢文香さんと一緒に取材をしたんだけど、途中で杏ちゃんが飽きちゃって、いつものペースになったんだけどその様子を見てた文香ちゃんが眼鏡を付けたら、急に態度を変えて委員長風な喋り方になっちゃて、杏ちゃんに説教始めちゃって、それが取材を少し遅らせちゃって大変だったんだよ」
と簡単に説明したら、「ああー、なるほど」という風に李衣菜が頷くと、少しだけ気力を回復した杏が、
「誰か、飴持ってない?」
と聞くと、何処からともなくかな子が無数の飴を懐からあふれ出した後、
「みんなも一緒に食べませんか?」
と言った後、飴を取り出したところと同じところから、ホールごとの巨大なケーキを3つほど取り出した。それを見た一同は
「「「どこから取り出したんだろう」」」
と疑問に思ったが、次の瞬間それを忘れさせることが李衣菜から起きた。
そして小分けしたケーキをそれぞれの小皿に渡すと、李衣菜の後ろから多数の蛇の様な竜の様な物が次々と現れ、其の口々に李衣奈がケーキを少しずつ食べさせていった。それを見た一同は、
「「「李衣菜ちゃん、それ何?」」」
「え、いつの間にか出て来るようになったけど、なかなか便利だよ」
という風な会話をしたが、他の面々は少し呆然としたが、暫くすると皆はすぐに馴れていった。
そして、続々と他の面々も戻って来て和気藹々とした雰囲気がでてきた。
「皆、まだまだケーキはあるよー」
「いや、かな子ちゃん此れ何個目?」
「え、まだ4つ目だよ」
「いや、多すぎでしょ」
「みりあちゃん、接着剤は換気扇の近くでやろうね」
「はーい」
「美波、ピンセットを取って下さい」
「分かったわ。アーニャちゃん」
「杏ちゃん。何処に居るかなー」
「きらりちゃん、杏ちゃんなら『なんか嫌な予感するから逃げるねー』と言って逃げちゃったよ。結構足早かったよ」
「莉嘉っちは、何やっているのー」
「今私は少しカブトムシに興味があるのでそれについての現在情報収集中です」
「あれ、莉嘉っちってこんなキャラだっけ?」
「未央ちゃん、今日かっこ良かったよ」
「うん。何か急に竹刀を持ったら、力が湧いてきちゃったからね」
「そうだね。今日のあの不審者を撃退した時の鮮やかさにはびっくりしたよ」
「へへーん。これぞ未央ちゃんの本領だあ」
「余り、おだてて盛大に失敗しそうだけどね」
「うぐっ、卯りん。それは言わないでよ」
という風に盛り上がっているところ部屋のドアが開き、プロデューサーに抱えられた杏が入ってきた。
「皆さん、今日はお疲れ様です。今日の予定は全て終わりました。後はそれぞれの自由です。まだここは開けときますので、時間を見て其々気を付けて帰宅してください。明日は、殆どの方がオフの為体調を整えてください。では解散してください」
というと、杏をソファに降ろした後、プロデューサー用の机に座り今日の反省と連絡等についての報告文をパソコンに書き始めた。
一方その頃、隣のプロダクションルームでは
「やっと、出来た―!」
「ふう、完成ね」
「Мы закончили делать едва」
と、其々が言うと代表して美波が、
「じゃあ、飾ろうか」
「はーい(Да)」
というと、近くにあった使っていないキャピネットの上に其々綺麗に置くと、
「じゃあ、帰ろうか。莉嘉ちゃんも一緒に帰ろうか。じゃあみんな、先に私達は帰るね」
「「はーい」」
と3人が廊下に出ようとした時に中にいた何人かが「お疲れ―」と軽く返事をしたのち、廊下に出た後、アナスタシアが、
「Да。久しぶりにビーフストロガノフ食べたいです」
「そうだね。久しぶりにみんなで外食しよっか」
「「わーい。やったー」」
と和気藹々とした中で外の喧騒の中に消えていった。そして、残った面々もゆっくりと帰って行き、プロデューサーが一人パソコンに向かっていたが、それも終わり、帰ろうと、上着を羽織った。それは、どこかの騎士服かと見間違う程よく出来た上着であった。それを羽織り一度、プロダクションルームの部屋に入ると其処は前回まで上の階にあったプロダクションルームと比べて少し違っていた。まだ一部、中に物が入った段ボールが隅に何個か置かれていたりしたが、新しく増えたキャピネットの上には出来たばかりのプラモデルが綺麗に塗装されて置かれていた。少し歪な2連装砲が2基並んだ三段空母赤城初期型と小奇麗にキチンと完成された特型駆逐艦Ⅲ型暁型2番艦 響 そして、中々の出来栄えになったIS-2。それぞれが個人の色が出ているモノ達であった。また、その隣には、前川さん用のネコ耳置き場の中に幾つかのイタチ耳が入っていた。また、その隣に幾つかのモデルガンが掛けられていた。そしてその前にはデフォルメされた卯月人形があった。その他にも新しく増えた私物があったが、それもこの部屋に少し新しさを増した。
「此れもある意味では良いかも知れませんね」
とプロデューサーは柔和な笑みを浮かべて、部屋の電気を消しドアをそっと閉じて施錠した。
そして、今日が終わり新たな希望という名の明日を迎える。
具体的なアドバイスや感想等をおまちしています。