例の洞窟のクエストからしばらく経ってのことギルド内で。
エリス「コウさん!どこですか?」
ゼン「ああ?コウならさっき出て行ったぜ。あいつも勝手だよな。」
エリス「あなたが言いますか?ならあなたが行ってきてください。」
ゼン「マジかよ!?アネットはどうした?」
エリス「彼女は正式に休みが欲しいと言ってきました。さぁ?たまには働いてください。」
ゼン「ぐぅ!」
そのころコウは街の中をうろついていた。
ザルバ「コウ、一体どこに行くつもりだ?」
コウ「別に、気分転換で歩いてるだけだ。」
ザルバ「たまにはよしだな。戦うだけがゲームではないからな。」
コウ「戦う以外か・・・」
「なぁいいだろう?」
コウ「ん?」
コウが見る先には人だかりができていた。気になりみてみると、その中心には見知った人がいた。
コウ「あれは、アネット?」
「いいだろう?俺たちと組もうぜ?」
「何言ってるの?今日は私達と行くのよ!」
アネット「いや、今日は私は戦闘目的ではなくて・・・一人で行くから。」
どうみても困ってる様子だったのでコウは高く飛び騒動の中心に飛び込んだ。
「何だ!?」
軽い煙が起こり、それが晴れるとそこにはコウがアネットをかばうような形で立っていた。
「なんだこいつ!?」
アネット「コウ。」
コウ「今日は一人で行くって言ってるじゃん?話聞かないとダメでしょう?」
そう言いコウはアネットを抱っこ(お姫様だっこ)し再び高くジャンプしその場を走り去って行った。
そしてひと気のない場所まで逃げてきた。
コウ「なんだったんだありゃ?」
アネット「いつもそう。私がソロで時間があると思われてるから人数合わせで誘ってくるの。」
ザルバ「だがあれはどうみてもお嬢さんを争奪してるように見えたぞ。」
アネット「私が言えばなんとか収まるんだけど、いつも争いが起きてて。」
コウ「(やっぱり人気があるってことじゃないか?)」
アネット「それよりもコウ?」
コウ「何だ?」
アネット「もう下ろしてくれる?」
コウ「ああ。」
コウはアネットを下ろした。
アネット「でもありがとう。助かったわ。」
コウ「まぁいいって。それよりなんでここに?依頼か何かか?」
アネット「いえ、何処か綺麗な景色を探してるの。」
コウ「綺麗な景色?」
アネット「好きなのよ、そういう景色を見るのを。」
コウ「ふ〜ん。お前四十八層行ったことあるか?」
アネット「四十八層?行ったことあるわ。水路が流れて水車が多い場所よね。確かに水は綺麗だけど。」
コウ「なら行くぞ。」
アネット「ちょっと!?」
コウはアネットの手を掴んで歩き出した。アネットは戸惑いながらも着いて行くことに。
着いた場所は四十八層のリンダースにやってきた。
アネット「フィールドに出るの?」
コウ「いや、こっちだ。」
コウが連れてきたのは街が一望できそうな塔だ。そこの頂上までやってきた。
アネット「ここなの?確かに街は良く見えるけど?」
コウ「まだだよ。しばらくゆっくりしようぜ。」
コウはその場に寝っ転がった。アネットは不思議に思うも、信じて隣に座ることに。
アネット「・・・・」
コウ「・・・・・」
アネット「・・・・・ねぇコウ?」
コウ「・・・・」
アネット「コウ?」
ザルバ「こいつなら寝ちまったぞ。」
アネット「ザルバ!?あなたコウが起きてなくても話せるの?」
ザルバ「俺様は俺様だ。こいつのお守りをしてるだけだ。」
アネット「ふふ、お守りって、コウが聞いたら怒るわよ。」
ザルバ「お前さんも少しは休んだらどうだ?何かあったら俺が教えてやる。」
アネット「いいの?」
ザルバ「ああ、それと俺からアドバイスしてやる。こいつは鈍感なところがある。正直に気持ちを言わないと伝わらないぞ。」
アネット「ザルバ?それ以上は言わなくていいから。大丈夫、私なりにやってみるわ。」
ザルバ「まぁ、気長に見させてもらうさ。」
アネット「それじゃあお言葉に甘えて少し休むわ。」
アネットはコウの隣に横になった。
それから時間が経った。
コウ「おい、起きろアネット。」
アネット「ん・・・」
コウに起こされて目を覚ますアネット。辺りを見渡すと夜になっていた。
アネット「コウ・・・?」
コウ「そろそろ見れるぞ。」
アネット「もう夜なのね。夜に見える景色なの?」
コウ「いや、どっちかというと今日がその日なんだ。」
アネット「今日が?」
コウ「アルゴから聞いたが今日は流星群が見えるらしい。それと見るなら町の方じゃなくて、反対の方な。」
アネット「反対?」
反対側は湖のようになっていた。不意に星が一つ流れて他のをきっかけに、大量の星が流れてきた。しかも空だけではなく、鏡のように湖にも移されていた。
アネット「これは・・・」
コウ「昔リアルで母さんに似たようなところに連れて行ってもらったんだ。今日が流星群があるって言うから、こういう景色を見つけたんだ。」
アネット「そう、綺麗・・・・」
コウ「普通に見るよりも面白いだろう。」
アネット「ええ、ありがとう、コウ。また負けれない理由ができたわね。」
コウ「負けれない理由?」
アネット「いつか・・・リアルでみてみたいって思えてきたわ。」
コウ「そうか・・・」
二人は座りながらしばらくその景色をみていた。不意にアネットがコウの肩に頭を乗せてきた。アネットは少しは頬を赤くしながら景色をみていた。しかしとうのコウは
コウ「(何だ?首が疲れたのか?)」
鈍感なコウだった。