我が家のカルデア事情   作:ごくでヴぁる

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~エミヤとリリィ~

人理継続保障機関カルデアの一室

 そこは、多くの召喚されたサーヴァントに支給された個室のひとつである。

 現状カルデアは人数不足であり、そのせいもあって部屋が多く空いている。

 そのままにするのももったいないと思い、現状唯一のマスターがサーヴァントの個室を用意しようと言ったため、空いた部屋をサーヴァントが利用している。

 サーヴァントの側としても、一人の個室があるというのはありがたいらしく結構利用しているものは多い。

 そして、この個室のひとつは赤い外装のアーチャー『エミヤ』が使用している。

 彼は今、部屋にある椅子に座り目をつぶっている。

 そして、虚空に手をかざすと

 

 「……投影開始(トレース・オン)

 

 彼自身が使用する、魔術の詠唱を行った。

 すると、手の中に一振りの剣が投影される。

 その剣の名は、『勝利すべき黄金の剣(カリバーン)

 彼にとっては、思い入れの深い剣である。

 しかし、なぜ彼が今これを投影しているのか。

 

 「ふむ、戦闘時には分割して魔力が送られているせいか。投影にいくつか制限がかかっているが、ここではあまりないようだな」

 

 一つ目の理由としては、自らの戦力の把握。

 彼はもともと、数多くの剣を投影し相性のいい武器を用いて敵を討つ戦略家だ。

 しかし、今カルデアを出て戦闘を行うときは優れた投影も一部できなくなっている。

 そのため、現状どの剣を使えるかの把握のため行っている。

 そして二つ目の理由、それは_____実物を見ることができたため園で気前を実際に見るためだ。

 

 「……勝利すべき黄金の剣(カリバーン)自体の再現はよくなっているか。実物を見られたのは幸運だな」

 

 “勝利すべき黄金の剣(カリバーン)”を見て、エミヤは一人でそうつぶやく。

 この剣は、彼にとっても思い入れの深いものでもある。

 本来ならば、投影することもないだろう一人の王を選定するための剣。

 

 「さて、確認も済んだ。これ以上の投影をする必要はないな」

 

 そういうと、エミヤはその場から立ち上がる。

 そして、手に持ったカリバーンを少し見た後投影を破棄するための詠唱を唱えようとした。

 ……そのとき、いきなり部屋の扉が開き誰かが飛び掛る勢いで入ってきた。

 それは、そのままエミヤの元まで向かい

 

 「ぐわっ!?」

 

 「わっ!」

 エミヤと激突した。

 なんとか、エミヤは来た人物を受け止めることでそのまま倒れずにすんだ。

 そして、少しして落ち着いた後ここに来た人物をエミヤは完全に認識できた。

 

 「……リリィ、そんなにあわててどうしたのだね?」

 

 「いたたっ……ありがとうございます、エミヤ先輩」

 

 エミヤの部屋に入ってきたのは、このカルデアに最初期からいる英霊。

 アーサー王に至る前のの存在である英霊、セイバーリリィと呼ばれるサーヴァントだ。

 彼女が宝具として持つのは王の選定をした剣、”勝利すべき黄金の剣(カリバーン)”。

 エミヤが実物を見ることができたのは、彼女がいたからだ。

 

 「少し剣の訓練をX師匠としていたのですが、そこにオルタが来てしまって……乱闘騒ぎになってしまいまして」

 

 落ち込んだ顔をして、エミヤに話す。

 それと同時に、廊下から剣撃と何かが吹き飛ぶ音が聞こえる。

 どうやら、部屋の近くにある模擬戦用の部屋を越えてきているようだ。

 

 「……ハァ、あの二人は相性が最悪だからな。同属嫌悪、とはまた違うだろうが。お互いを認められないのだろう」

 

 エミヤ自身、そういった経験があるためなんとなく予想はついていた。

 しかし、リリィにはそういってもわからないだろう。

 

 「お互いを認められない、ですか?なんでまた……」

 

 リリィにとって、オルタやX師匠……正体は隠されていて通称ヒロインXと呼ばれる彼女は同一人物だとしても嫌悪感はない。

 ゆえに、理解できないのだろう。

 

 「なんと言えばいいのか……君は、誰かを嫌うということはしないからな。説明しづらいな。悪いところではないのだが」

 

 それを理解しているからこそ、エミヤは言葉を濁していた。

 どう言ったにせよ、彼女は彼女なりに納得するだろうと。

 彼女は、自分の知っている『騎士王』ないからこそ。

 それゆえに、彼はどう伝えるか悩んでいた。

 そのとき、彼女は何かに気づいた様子でエミヤに話しかけた。

 

 「あの、エミヤ先輩。……それは、私の剣ですか?」

 

 彼女が見ていたのは、エミヤが投影した"勝利すべき黄金の剣(カリバーン)"。

 急に部屋に入ってきたためいまだ投影した剣として残っていた。

 

 「あっ……いや、これは……」

 

 それは想定外だったのか、エミヤ自身も彼女に言われてはじめて気づいた。

 そのため、普段とは違いひどくあせっていた。

 

 「確か、エミヤ先輩は投影が得意と聞いています。これもそのひとつなのですね。私の”勝利すべき黄金の剣(カリバーン)”と見分けがつきません」

 

 自らの”勝利すべき黄金の剣(カリバーン)”を取り出しエミヤが投影した”勝利すべき黄金の剣(カリバーン)”と見比べていた。

 傍目から見ても、どちらが本物かわからないだろうによくできていた。

 使い手でもある、リリィからしても見間違えるほどだ。

 

 「……もういいだろう、それとすまないな。君の剣の贋作を作ってしまって」

 

 そういうとエミヤは自ら投影した剣を魔力に戻した。

 それにより、贋作として存在していた”勝利すべき黄金の剣(カリバーン)”はこの場所から消えた。

 

 「なぜ謝るのですか?贋作といっても、ここまで再現できているなら誰も不快には思いませんよ。それに」

 

 リリィは笑みを浮かべてエミヤのほうを見た。

 その笑みは、まさに白百合ともいえる純真な美しさが見える。

 

 「エミヤ先輩が作り出す剣は、一つ一つ先輩が努力して作れるようになったものなのでしょう?ならば、それを馬鹿にすることなど許されません」

 

 その言葉に、エミヤは少しだけ驚いていた。

 一瞬、リリィは彼の知る騎士王と重なって見えた。

 同一人物だから当然といえばそうだろうが、それでも今の一瞬だけは……

 

 「……トリア」

 

 彼が愛した、一人の少女の面影が見えた。

 

 「……どうかしましたか?エミヤ先輩」

 

 「…………いや、なんでもない」

 

 リリィに声をかけられ、すぐにエミヤは元の様子へと戻った。

 

 「(……まったく、感傷に浸りすぎるのはよくないな。ここは、居心地もいいが同時に少々過去を思い出してしまう)」

 

 目の前にいるリリィや、オルタたちを見ると生前一緒に戦った”自分のセイバー”を思い出してしまう。

 だが、今となっては関係ないこと。

 英霊となり、サーヴァントとして現界した身。

 自分の過去のことは、自分の中だけに収めるのが一番だろう。

 

 「ところでリリィ、このままオルタとXの喧嘩を続けさせてはカルデアが崩壊してしまうからな。早く止めに行くとしよう」

 

 外の乱闘の音は、次第に増していっていた。

 このままだと、カルデアが半壊状態になるのは目に見えている。

 

 「は、はい!そうですね……あの、エミヤ先輩。手伝ってもらって、いいでしょうか?」

 

 不安そうな目をして、リリィはエミヤのほうを見る。

 その様子を見たエミヤは、フッと笑うとリリィの頭をなでる。

 

 「いいに決まっているだろう。それに、これ以上被害が増えるのは困るからな」

 

 そういうと、なでていた手をリリィから離し扉まで歩いて向かう。

 そして、リリィのほうへと振り向く。

 

 「行こうか、リリィ」

 

 「はい!」

 

 リリィはエミヤの背中を追って走り出す。

 それは、先導するものと追うもの。

 エミヤは過去行われたことを、リリィへと行う。

 ______今度は、自分が導く番だと。

 過去を少し振り返り決意した。

 




エミヤは、イベントにもよく出てきますが見ていて思うのは。
アルトリアに対する態度が、格段に甘いところですね。
 彼にとってアルトリアとは、全員同じで複雑な心境を持っているのだと思われます。
 今回の小説では、エミヤがリリィに対しての心境を書きました。
 過去の自分と重なるところもあり、複雑に思う面もあるとは思いますが立ち位置としては、『先導者』っていうのが大きいと思います。
 原作では、シロウの『先導者の一人』という役割もアルトリアは握っていたと思います。
 そして、エミヤは『先導者』という立場が多いように思われます。
 そう考えると、いろいろ妄そ……想像が膨らみますね!
 ちなみに、作者は弓剣が好きだったりします。
 書ける自信はないですが、弓剣が増えることに期待しています。
 後、追加で我が家のサーヴァントを一体紹介します。



・謎のヒロインX
 最終再臨済み LV90 フォウ全部食わせ済み

 今回のイベントで大活躍しているアルト……謎の少女!
 個人的に、彼女の服装大好きです。
 30連+単発をしている中出てきてくれました。
 性能?そんなの関係ない、使うね!
 ジャックいるけど、使うね!イベント後も使うね!

 カルデア内では、自由奔放な立ち位置です。
 ギルガメッシュには警戒の態勢を示し、リリィには強くなるために特訓をし。
 オルタとは、仲がかなり悪いです。
 お互いにいがみ合っている感じですね。

 「黒い派生系のセイバーは消滅すべし!」

 というのは彼女の言葉です。
 一方オルタのほうは、

 「あんな私を見ているのは、つらすぎる。今ここで消し去りたいほどにな」

 と、心情複雑なようです。
 サンタオルタもいますが、オルタ自身は複雑なようです。
 サンタの自分、なぜサンタ!?
 とか思って混乱していそうです。
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