我が家のカルデア事情   作:ごくでヴぁる

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<注意>

この小説には以下のネタバレ要素が含まれています

・Fate/stay night

・Fate/EXTRA、CCC

・作品登場サーヴァントの真名


こんなネタバレみたくねぇ!

という方はブラウザバックをお願いします。

大丈夫だ、問題ない という方は

どうぞ!


概念礼装の集い

 人理継続保障機関カルデアの一角。

 そこには、サーヴァントを強化する概念礼装と呼ばれるものが存在している。

 それらは、剣や布などの物体として形を持っている。

 しかし……その中には、人としての形をとっているものも存在していた。

 そして、とある一室。

 そこには、人の形をした概念礼装が集まっていた。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 「……さて、全員そろったわね」

 

 そう言葉を言ったのは、赤いドレスを着たツインテールの少女『フォーマルクラフト』と呼ばれる概念礼装。

 そして、この場には他の概念礼装も存在していた。

 

 「いったい全員集めて、何のようなんだよ。遠……フォーマル」

 

 赤い外装と刀を持った男、『リミテッド/ゼロオーバー』

 

 「はい、急に私たちを集めると言って……」

 

 黒い腕の装飾と、白い服装をした少女『イマジナリ・アラウンド』

 

 「気になるのは、私も呼ばれたことなんだけど…」

 

 「ああ、正直俺たちも呼ばれる理由がわからないんだけど……」

 

 そして、その横にいるのは双子のように似た茶髪の男女『月の勝利者』と『もう一つの結末』。

 この計6人?がこの場にいた。

 フォーマルに呼ばれて召集されたらしいが……

 

 「それはすぐにわかるわ、呼んだ理由は単純だもの」

 

 そういうとフォーマルは雰囲気作りのためか、メガネをかけてホワイトボードを取り出しペンで字を書いていく。

 そこには、今回話をするテーマが書き出された。

 

 「今回は、サーヴァントの元マスター同士。サーヴァントの思い出を話し合うわよ!」

 

 ホワイトボードには、大きく『サーヴァントとマスターの関係』と書かれていた。

 それを見ると、リミテッドは不思議そうにする。

 

 「フォーマル、確かに俺たちは元になった人物の記憶や記録データが元になって生まれた存在だから、マスターとしての記憶は持っている。だけど、なんで今になって話し合うことにしたんだ?」

 

 彼ら、人型の概念礼装には元となった人物が存在する。

 そして、今ここにいるメンバーは全員聖杯戦争のマスターをしていた。

 当然、記憶や記録としてマスターとしての知識は残っている。

 だが、所詮は概念礼装。

 マスターになることはできないし、話し合う意味はあるのかと疑問を持つ。

 

 「……リミテッド、たぶんフォーマルは今のマスターに助言するためにこれを設けたのだと思う」

 

 その疑問に答えたのは、月の勝利者。

 そして、その言葉を続けるようにもう一つの結末が言葉をつむぐ。

 

 「マスターは元々一般人、最後の枠として魔術師としても未熟な状態でサーヴァントを使役することになった。そして、今は世界を救うという大きい使命を背負わされている」

 

 カルデアの唯一のマスター、たった一人の人間に背負わせるには大きすぎる負担だ。

 それにくわえ、サーヴァントの使役も簡単なことではない。

 人型の概念礼装の中には、マスターとしての記憶でサーヴァントに殺された、あるいは食いつぶされた人物も存在している。

 だからこそ、サーヴァントとよい関係を築けた記憶を持っている彼らが集められた。

 

 「姉さんは、あの人のことを心配して私たちに話しを持ちかけたのですね」

 

 そういって、イマジナリは笑みを浮かべる。

 その笑みを見て、フォーマルは少し顔を赤らめそっぽを向く。

 

 「これは、単純に興味本位よ!サーヴァントとマスターの関係が、他はどうだったのか気になるっていうのもあるし!」

 

 照れ隠しをするように、フォーマルは言葉をつむぐ。

 ここにいるメンバーは、フォーマルの性格を知っているため全員笑みを浮かべた。

 フォーマルは、その暖かい目線に居心地の悪さを感じながら話を進める。

 

 「まずはリミテッド!あなたから話しなさい!」

 

 そういって、座っているリミテッドを指差す。

 少し苦笑しながらも、リミテッドは口を開く。

 

 「そうだなぁ、俺が参加したのは最初の特異点だった冬木の聖杯戦争だったけど。サーヴァントは、セイバー。真名はアーサー王」

 

 過去のものとなった聖杯戦争、そこでともに戦ったサーヴァントをリミテッドは思い出していた。

 出会いの場所は蔵の中、ランサーに”二度目”の死を与えられる直前だった。

 ランサーを不可視の剣で追い払い、『衛宮士郎』のほうを見て言った。

 

 『あなたが私の、マスターか』

 

 月明かりの下、その日の出会いを『衛宮士郎』は生涯、地獄に落ちても忘れることはないだろう。

 その記憶を、鮮明に覚えていた。

 

 「……まあ、それも過去のことか」

 

 そうつぶやき、リミテッドは笑みを浮かべる。

 その笑みの理由を、他の礼装たちは理解できないだろう。

 だがそれでいい、彼女との出会いは自分の記憶を司とっている『衛宮士郎』が覚えておくべきものだ。

 

 「まあ、サーヴァントとしてともにいた彼女は本来の騎士王だったよ。ここにいるオルタとは違う」

 

 ここのカルデアでは、本来の姿の騎士王はいない。

 若き頃の姫騎士と聖杯の呪いによって汚染された、暴君。

 そして、別の世界軸のアルトリアだけだ。

 それらは、確かに彼女でもある。

 リミテッドは、否定する気はない。

 しかし、彼とともにいたセイバーでもないのは確かだ。

 

 「関係は、まあ彼女は生真面目だったからなぁ。仲良くやっていたよ。とはいえ、喧嘩自体も少ししたけどな」

 

 思い返されるのは、彼女の願いを否定したとき。

 そのとき、彼女は激高していたのを思い返す。

 無論、そのとき以外にも機嫌を悪くさせてしまうことはあった。

 ……断食のときは例外だ、そう思いたい。

 

 「サーヴァントとマスターの関係で言えることって。まあ、サーヴァントのことも考えてほしいってことぐらいかな」

 

 いくら、サーヴァントが死人で令呪に縛られた存在だからといって元は人間だ。

 生きていたものたちで、好き嫌いも存在する。

 だからこそ、サーヴァントのことを理解し行動するのが大事だとリミテッドは考えている。

 

 「ふーん、まああのセイバーならあんまり問題はなかったでしょうねぇ」

 

 リミテッドのほうを、フォーマルは嫌味でも言うかのように見る。

 彼女を形作った記憶には、彼のセイバーの記憶もある。

 故の発言でもある、彼女はサーヴァント相手に苦労していたのだから。

 

 「ね、姉さん!次は私が話しますね!」

 

 空気が少し重くなったのを感じて、イマジナリは話を移すことにした。

 勝利者と結末は、その行動に感謝していた。

 あのままだと、リミテッドには礼装となってから撃っても減らない宝石魔術が撃たれる可能性が見えていたからだ。

 

 「私が召喚したのは、ライダー。真名は、メドゥーサです。参加した聖杯戦争は、先輩と姉さんと同じ冬木の第五次聖杯戦争です」

 

 イマジナリの記憶の人物……桜は、そもそも聖杯戦争に参加したくはなかった。

 しかし、間桐臓硯は召喚を行わせた。

 その結果、彼女のサーヴァントとなったのはライダーのクラス、メドゥーサだった。

 

 「とはいえ、兄さんにマスター権を譲渡して戦うのを放棄してしまいましたが」

 

 イマジナリは、後悔があるような暗い笑みを浮かべていた。

 彼女自身、自分の兄を殺し合いの場所に招いてしまった。

 ライダーにも、迷惑をかけてしまったと後悔が残っている。

 

 「しかし、先輩と姉さん。そしてライダーは私を救ってくれました。マスターとしての責務を果たすことはできませんでしたが……」

 

 彼女にある、記憶であり同時に記録によって知った事実。

 暗い闇に身を落とし、すべてを滅ぼす化身となってしまった桜。

 それを救ってくれたのは、凛と士郎、そしてライダーだった。

 それに対する感謝の気持ちは、たとえ概念礼装となった身でも消えてはいない。

 

 「なので、私からマスターの心構えとして言えることはないです。……しいて言うなら」

 

 「サーヴァントのことを、拒絶しないこと。一緒にいることが大事だと思っています」

 

 かつての自分ができなかったこと。

 ともにいること、どんなときでも。

 そんな後悔があるから、自分のように間違えてほしくないとイマジナリは考えている。

 

 「……そうよね、リミテッドの言うとおりサーヴァントは死人でも元は生きていたものなのだから。イマジナリがいったとおり、拒絶しないで受け入れ一緒にいる。それは……」

 

 それは……人としても、すべきことなのだろう。

 すでに、この身は人ではないけれど。

 記憶が、記録がそう告げた。

 

 「さて、それじゃあ最後は勝利者と結末ね。二人の聖杯戦争はどうだったのかしら?かなり特殊だった見たいだけど」

 

 フォーマルは、そういうと勝利者と結末を見た。

 二人は、お互いに顔を見合わせた後少し考えた様子を見せた。

 その後、勝利者が口を開いた。

 

 「俺たちは、記録というか。記憶として、4人のサーヴァントの記憶を持っている」

 

 勝利者は、懐かしむように笑みを浮かべる。

 

 「セイバーで、ネロ・クラウディウス。アーチャーで無銘……エミヤと元が同じ正義の体現者。キャスターで玉藻の前」

 

 この三人は、勝利者と結末がそれぞれマスターとなった記憶を所有し一回戦からともに戦ってきたサーヴァント。

 最後までともに戦い、消えた存在。

 

 「そして、えっと聖杯戦争に異常事態が起きて。そのときに、偶然契約したのが。ギルガメッシュなんだ」

 

 結末がその名を言うと、勝利者以外のほかの概念礼装は驚いた表情をしていた。

 ギルガメッシュ、この三人はその英霊と敵対したメンバーだ。

 記憶の中でも、いい思い出はほとんどない。

 

 「全員、俺たちの死にたくないっていう願いを聞いて来てくれたんだよな」

 

 場面は違う、でもネロ、無銘、玉藻、ギルガメッシュ。

 その全員は、『岸波白野』の願い、”死にたくない”

 その願いを聞き届け、契約に応じた。

 

 “この手はまだ一度も、”

 “自分の意思で戦ってすらいないのだから――!”

 

 記憶のない、最弱のマスター。

 それが月の聖杯戦争での、『岸波白野』の立ち位置だった。

 契約したサーヴァントは元の力を失った。

 本人でも、マスターとしての能力はどうしようもないと思っている。

 でも……

 

 「……彼らは、彼女らは俺たちを支えてくれた」

 

 勝利者と結末は、少し笑みを浮かべて話す。

 

 「”導く者”として」

 

 誰よりも笑い、泣き、感情を表に出し『岸波白野』を導いてくれた薔薇の皇帝。

 

 「”守りし者”として」

 

 皮肉を言いながらも、未熟なマスターである『岸波白野』を守ってくれた正義の味方。

 

 「”寄り添う者”として」

 

 楽しいときも苦しいときも悲しいときも、『岸波白野』に寄り添ってくれた太陽の化身。

 

 「”愉しむ者”として」

 

 足掻きや葛藤を、そばで見て時折『岸波白野』に手を貸し、愉悦を教えてくれた黄金の王。

 

 「「全員、私/俺 にとって共にいてくれた大事な人たちであり、剣であり盾だった」」

 

 『岸波白野』は決して折れない。

 決して立ち止まらない。

 だが、折れなかったのは……立ち止まらなかったのは、彼らがいたからだ。

 共にいてくれたから、聖杯戦争の勝者となった。

 

 「……で、マスターの心構えだったか。うーん、助けられてばっかりだったからなぁ」

 

 勝利者は困った様子で考えていた。

 隣で結末も考え込んでいた、そして思いついたのか。

 二人同時に言った。

 

 「「きちんと自分の言いたい事をいうこと!」」

 

 『岸波白野』にとって、サーヴァントは確かに多くのことを教えともにいてくれた存在だ。

 だが、同時に悩まされることが多かった。

 わがままを言うわ、(性的に)襲ってこようとするわ、女性へのデリカシーはないわ、全裸になるわ。

 文句は山のようにある。

 それを溜め込んでいては、いずれ倒れてしまうだろう。

 だからこそ、時にはサーヴァントに自分の考えを伝えることが大事になる。

 ……ときに言葉じゃなく素手や椅子が出ることはあるが、そこはご愛嬌である。

 

 「なんというか……あなたたちも苦労していたのね、どのサーヴァントも我が強いもの」

 

 フォーマルはあきれた表情で二人を見る。

 だが、彼らはサーヴァントと信頼を描き、聖杯を手に入れたマスターだ。

 そこから学ぶことは多い、そう感じていた。

 

 「……さて!これでだいぶ話もまとまったわね、それじゃあ今日はここまで!現マスターには今回の内容は伝えておくわねー」

 

 いつのまにか、内容をノートにまとめていたフォーマルは全員に向けてそういった。

 しかし、その直後にリミテッドから質問が入る。

 

 「フォーマルはマスターについて話さないのか?」

 

 全員話した以上、それは至極当然な疑問だった。

 しかし、フォーマルは笑顔で

 

 「話さないわよ、私が言ったらあいつへの小言ばかりになるもの」

 

 ……その笑顔の裏には、黒いなにかが垣間見えた気がした。

 聞かないほうがいい、それが全員の総意となった。

 

 「さ、それじゃあ解散!みんなお疲れ様」

 

 そうして、マスター同士の話が終わった。

 すでに概念礼装の身で、マスターはもう終わった話だ。

 だが、少しでも今を生きるカルデアのマスターの助けになるように。

 マスターのあり方を、伝える。

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 

 「……まったく、言えるわけないでしょ」

 

 フォーマルは一人、まとめたノートを見てつぶやいた。

 自分だけ、マスターとしての話しをしなかった。

 アーチャー、エミヤに対して愚痴をたくさん言うことになるのは確かだ。

 だが、彼女が話さなかったのはそれだけの理由ではない。

 

 「……あいつとの約束まで、しゃべっちゃうじゃない」

 

 『遠坂凛』として、最も印象に残っている記憶。

 エミヤが過去の自分と戦い、答えを得た世界。

 最後の別れのとき、エミヤに頼まれたこと。

 

 “私を頼む。知っての通り頼りないヤツだからな。―――君が、支えてやってくれ。”

 

 その約束は、凛の中だけにあればいい。

 

 「……フン、まあ今は答えを得て元気にやってるみたいだからいいけど」

 

 本音を言えば、カルデアにいるエミヤを見てフォーマルはほっとしていた。

 救われていたんだと、あの宣言どおりがんばっていたのだと。

 

 「さて、と。それじゃあ、マスターに会いに行くとしますか」

 

 そういうと、ノートを持ってフォーマルは部屋から出て行った。

 過去を、今に生かすために。

 




 今回は手を抜いて書いてしまったため、内容がグチャグチャです(いつものことですが)
 なので、少々解説を入れます。

 まず、ここのカルデアでの概念礼装の設定ですが
 ・人の姿を持つ概念礼装は人の姿を取れる(普段はカード状態)
 ・その概念礼装は、元となった人物の記憶と記録を所持している(記憶でも、中には複数の記憶を所持している人物もいる 例:月の勝利者 全員のルートの記憶もち))

 となっています。
 なお、本編では設定として出ていませんでしたが
 ・サーヴァントの前では、会話することはできない(人の姿は取れる)

 という設定があります。
 後、小説で出た概念礼装は全員所持しています。
 でも、カレスコさんが便利すぎて(ぁ
 次はサーヴァント同士の話を書きたいです。
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