Baby Steps ~変則バックの使い手~   作:抹茶小豆餅

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 お待たせしました! 抹茶小豆餅です!
ベイビーステップを読みながら必死に過去を思い返していて、改めてこれを執筆するのむずっ! って思いました……。

 なんとか続けたいと思いますので、よろしくおなしゃす!



けじめの戦い 後編

 

 

 

 ――強い。

 

 

「っし! ゲーム俺、3ー3(スリーオール)

 

 

 ボレーの精度、ストロークの球種の多さ、テンポの変えるタイミング……これほどやりにくいのは始めてかもしれない。

 

 

 カットにドライブにドロップショット、いつどれが飛んでくるかわからない。それはストレートか、クロスか……これが寒河江修のテニス!

 

 

 でもそんな修のテニスに対抗できているのは、修にはない武器を持っているからだ。

 

 

「っは!」

 

 

 ゴムボールはセンター側の深いところに突き刺さった。修はなんとか拾うが、ボールは浅いところに返った。

 

 

「んあっ!!」

 

 

 それをトップ打ちでストレートへ! 修は追い付けずポイントは俺に入った。

 

 

 これこそが修にはない俺の武器、パワーショットだ。トップ打ちとは、バウンドしてから落ちてくる前の打点が高い状態でショットを打つことを言う。

 

 

 ライジングショットとは違い、打点が必然的に高くなるから、一撃必殺のショットになり得る上に相手も戻れない場合が多い。

 

 

 修はテクニックはあるが、こういったパワー系のショットを打つことが出来ない。体格が小さく、筋肉がつきにくいらしい。

 

 

 だからこそ、俺はサーブゲームをキープできている。だけど――

 

 

 

「しゃあぁあ!! 4ー3(フォースリー)だ! ぜってぇブレイクしてやる!」

 

 

「ふん! いまだ俺のサーブに対応できてないお前にブレイクなんて不可能だ」

 

 

 ブレイクしない限り、ゲームに終わりが来ない。プロを目指すなら、こんなところで負けるわけにはいかないんだ。……ここまで世話になった修への恩返しができてねぇしな。

 

 

 

 ♪~♪

 

 

 

 

 ――強い。味方だと心強いこのパワーが、敵にまわるとこんなにもやりにくいものか。

 

 

 正直な話、村江がプロを目指すのに反対なわけでも、ソフトテニスから硬式に転向するのに反対しているわけでもない。

 

 

 だけど、俺は自分が考えている以上に我が儘らしい。昔なら他人などどうでもいい。俺一人上に行ければ、その為ならば周りは踏み台とさえ考えていた。

 

 

 父がソフトテニスの実業団に所属していた影響で、三歳からソフトテニスを始めた。競技人口がまだまだ少ないソフトテニスだけど、いずれアジア大会に出てプロと呼ばれる組織を作りたい……。

 

 

 そうして幼い頃から続けてきたソフトテニス。誰にも負けるつもりはなかったし、負けなかった。

 

 

 村江とのファーストコンタクトも、最初はちょっとテニスのできるやつ、その程度の印象だった。ダブルスしかない中学大会で、俺の足を引っ張らない程度の実力はあるだろうと、村江からのペア申請を受けた。

 

 

 だが……村江は、凄まじいペースで成長してきた。天と地ほどの差があった実力が、俺と肩を並べるほどの力を付け、今――そのソフトテニスで追い詰められている。

 

 

「ふっ!」

 

 

 だけど、俺にだってここまでソフトテニスを続けてきたプライドがある! 俺には確かにパワーはないが、そのかわり積み重ねたテクニックがある!

 

 

「んぐっ!」

 

 

 幸い、まだカットサーブはキレている。村江のドライブ掛かったストレートに、バックハンドで鋭角(アングル)クロスに打ち込んだ。

 

 

「1ー0だ」

 

 

 村江、お前がプロを目指すなら、その前に俺を倒してみろ! そして――俺のこのお前への執着を振り払ってくれ!

 

 

 

 

 

 ♪~♪

 

 

 

 

 くそっ、何て角度にクロスを打ってきやがる。ほんとお前はすげぇな……。

 

 

 修は次のサーブを打つべく、アドサイド側に移動し、ボールをポーンポーンと地面に弾ませている。

 

 

「なぁ、修!」

 

 

 だからこそ、今……俺は言っておかなきゃならない。

 修はボールを掴み、顔をあげた。

 

 

「三年間、サンキューな! 色々迷惑もかけたし、喧嘩もした。でも俺は、一度もお前と組んでて後悔したことはなかった!」

 

 

「……」

 

 

 修は黙っている。その表情は、いつもと変わらない。

 

 

「お前は最初から最強だった! そんなお前に、憧れたと共に俺にも才能があればって嫉妬もした。お前は俺の目標だったんだ!」

 

 

「……それは俺も同じだ。お前は才能がないというが、お前ほど吸収が早く、パワーテニスを身に付けたやつを俺は他に知らない。俺が最強だというなら、お前も最強だよ」

 

 

「……へへ、初めて褒めてくれたな」

 

 

 今まで毒を吐くことはあったが、素直に褒めてきたのはたぶんこれが初めて。

 

 

「これはお前への恩返しだ! お前がいたから――お前という壁がいたから! 俺はここまで成長できた。だから――」

 

 

 ラケットを回し、コンチネンタルグリップから、ソフトテニスを覚えた頃のウエスタングリップへと持ち変えた。そして腰を落とし、修を見据えた。

 

 

「――全力でブレイクする! ファイナルにはいかせねぇ……このゲームでけりを付ける!」

 

 

 修もまた、試合中動かなかった表情を薄く動かした。

 

 

「終わらせねぇよ。まだまだお前の壁であり続けてやる!」

 

 

 

 

 

 ♪~♪

 

 

 

 

 

 




 心情書きながら試合とかなにこれ難しすぐる……ッ!!

 うまく表現できたかはわかりませんが、精一杯かけたかなとは思います。

 さてさて、次にてstage0は終了です。近いうちに投稿できればと思うので、よろしくおなしゃす!
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