Baby Steps ~変則バックの使い手~   作:抹茶小豆餅

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 ほんっとぉぉぉぉおおおおにすんません!!
完全にこちらの執筆への意欲が湧いてきてませんでした!! やっぱり見切り発車はダメだよね(戒め)

 正直、まだまだ大まかにしかプロット(とも言えない落書き)を組んでいません。
ですが、失踪だけはしません。責任をもって、半年に1ページになったとしても書き続けます。
 昔は勢いで書いていたのですが、今は複線や辻褄、リアリティを考えながら書いています。そう考えると、大人になったのかなぁ……。
 だから進まないんですよね。でも昔書いたやつを見るとほんっとにひどい作品でした(笑)


ソフトテニスの影響

 

 

 

 ぬぅお、なんだこれは!? さっきから打てども打てども変な回転がかかるぅ!?

 

 

「あの~すみません。もう少し普通に打ってくれますか?」

 

 

 いよいよ相手からも言われてしまった。俺だって普通に打ちたいし、昔テニスをしていた時は普通に打てていたんだ。

 理由を考えたとき、斎藤さんが話しかけに来た。

 

 

「村江君、ちょっと後ろで見てていいかな?」

 

 

「はぁ……、お願いします」

 

 

 乱打を再開する。相変わらずフォアハンドで変な回転がかかって物凄く打ちずらい。

そして顎に手をあてながらふむふむ、と斎藤さんはつぶやいた後、ポンッと手をたたいた。

 

 

「ストップ!! ……村江君、わかったよ」

 

 

「?」

 

 

 斎藤さんはひょいっと俺からラケットを奪い、俺に分かるように少し上に掲げて説明を始めた。というか数回打っただけで分かるものなのか、さすがはコーチというかなんというか……。

 

 

「村江君、ソフトテニスをしてたって言ったよね?」

 

 

「? はい」

 

 

「多分その癖なんだろうけど、握りがウエスタンだったんだ」

 

 

 テニスやソフトテニスのラケットを握るのにもいろいろと握り方がある。今斎藤さんが言ったウエスタングリップというのは地面にラケットを置いて、それをそのまま掴んだ持ち方だ。地面に対し平衡に持つ、ソフトテニスをする初心者に多い持ち方だ。

 

 

 言われて気づいた。ソフトテニスの時から、俺はイースタンやコンチネンタルに変えることなく、基本のウエスタンでやっていた。その時の癖とテニスを昔やってたことで打つ瞬間にひねっていたんだろう。まるで初心者のようなミスだな……。

 

 

「だからまずは、初心者が打ちやすいようにコンチネンタルグリップを試したら」

 

 

「いえ、大丈夫です。原因がわかったので……」

 

 

 斎藤さんの言葉を遮り、ラケットを返してもらう。

ちなみにコンチネンタルグリップを説明する前に、イースタングリップから説明しておく。

 

 

 イースタングリップはウエスタングリップとは違って、地面に直角にもつ持ち方で、硬式テニスの一般的な持ち方とされている。ソフトテニスと違って硬式テニスはバックハンドを打つとき、使用する面はフォアの時とは別、つまり両面を使用する。

 それに対し、ソフトテニスはフォアハンドもバックハンドも同じ面を使用する。この際、ウエスタンやコンチネンタルでなければ不自然に捻ったり打ちづらかったりしてしまう。

 

 

 コンチネンタルグリップはイースタンとウエスタンのちょうど間、地面に対し45度で構えをとる。ソフトテニスでも見かけるが、おもは硬式テニスの初心者に多い。

 硬式テニスはフォアハンドを打つとき、そのまま打つと面が斜め上を向いてしまう。慣れてくると力の加わりやすいイースタングリップに持ちかえるのだが、そういうことに慣れない初心者は、ボールが真っ直ぐ飛ぶように捻らなくても真っ直ぐになるコンチネンタルに構えるというわけだ。

 

 

 

 

 何はともあれ、原因がわかった。だけど――

 

 

 

「俺は、ウエスタングリップから変える気はありません。原因がわかった以上、それ用の打ち方をするだけです」

 

 

「!? なんでだい、村江君……」

 

 

「……こだわり、ですかね。俺はソフトテニスでの経験を無駄にしたくないんですよ。そりゃ、持ち方を変えたから経験がなくなるのか、と言われればそうではないでしょうけど……」

 

 

 斎藤さんに背を向け、ボールを一つ放りパァンっと打ち出した。相手はいきなり打ったことに驚きながらも、ちゃんと対処して打ち返してきた。

 

 

「何か形になることで残したい。そう考えたら、ウエスタンで行きたかった。……それだけですよ」

 

 

 その返してきたボールを、少し腰を落としてしっかりとミート。……が。

 

 

「――あっ」

 

 

 思い切り打ったボールは大きな放物線を描いて相手のはるか彼方へと飛んで行った。ナイスホームランだ。これは恥ずかしい。こういうところで硬式と軟式の違いが出た。これだからウエスタングリップが使われない理由だ。

 

 

「言わんこっちゃないね。球質が違うんだし、そのままソフトテニスのように打ってもそうなるだけさ」

 

 

 苦笑交じりに斎藤さんは向こうの壁を指さした。

 

 

「向こうに壁あてのスペースがあるから、そこで練習してきたらいい。時間になったら呼びに行くから」

 

 

「わ、わかりました」

 

 

 ま、ここでやるよりかは迷惑も掛からないし気楽でいいか。

 

 

 

 

 

 

 

 ♪~♪

 

 

 

 

 パァン――キュッ――パァン!

 

 

「ん? ありゃ?」

 

 

 斎藤さんに案内された壁打ちスペースに行ってみると、そこからボールを打つ音が聞こえてきた。どうやら先客がいたらしい。

 

 

「……ま、いっか」

 

 

 できれば一人のほうが気が楽だったんだけど……。

 

 

 

「お邪魔しま~ぁす……」

 

 

 打っている人の邪魔にならないようにそーっと入る。そこで打っていたのは、一人の小柄な女の子だった。そばに妙齢の女性が腕を組んで立っている。

 

 

 その女性は俺が入るや否や、ずかずかと向かってきた。そして少ししわが目立つようになったお顔をズズィッと近づける。

 

 

「あ、あの……?」

 

 

「あなた、見かけない顔ね? ここはこの時間、この子が使うことになってるのだけど」

 

 

「えっと、俺は今日体験に来た村江というもので、ここには斎藤さんがこっちで練習してこいと言われたので来ました、けど……」

 

 

 というかさっきから近い近い!! なんなんだこの人は!?

 

 

「そう、斎藤君が……。でもこの時間に予約を入れていたのはこの子だから、悪いのだけど……」

 

 

 その時、御断りを入れようとするおばさんの横から、すっと壁打ちをしていた女の子が出てきた。

 

 

「お母さん、別にいいよ。今日のメニューは全面を使うものじゃなかったでしょ?」

 

 

「亜希、そうだけどそれは理由にはならないわ。この子のボールが亜希の方に飛んだり、邪魔になる要因はいっぱいあるの」

 

 

 いうに事欠いて邪魔とは……むかつくおばさんだな。だが、確かに予約を入れていたというならば俺が使うのもお門違いか。斎藤さんには、使えなかったとありのままに言っておこう。

 

 

「まあだけど、亜希がそれくらいで集中力を切らすはずがないわね」

 

 

 諦めて戻ろうとして振り返ったとき、後ろからおばさんのため息とともにそんな言葉が聞こえてきた。

 

 

「村江君、だったかしら? 確か体験が終わるのは1時間後くらいよね? それまでの間、ここを使っていいわ」

 

 

「え!? マジっすか!?」

 

 

「……あなた、年上にはもう少し礼儀を払ってしゃべりなさい。社会に出たら苦労するわよ?」

 

 

「うっせーよおばさん。まあでも、壁打ち使わせてくれてありがとう!」

 

 

 お礼だけ言って、ささーっと女の子が使っていなかった方のコートに入る。なんか「お、おば……っ!?」という声が聞こえたが、気にしない気にしない。

 

 

 女の子も自分の練習に入ろうと、ボールをポーンポーンと2回弾ませた。そして――

 

 

 

 

 

 ――パァンッ!!

 

 

 

「……すっげ」

 

 

 その小さな体からは想像もできない打球が壁に向かっていった。そして帰ってきたボールをバックハンドに構え、シャープに同じところめがけて打ち返す。

 

 

 ……きれいなテニスだった。

 

 

 動きの流れに無駄がなく、サーブを打ってからストローク、バックにフォアにとまるで精密機械のように壁に打ち返していた。半面ということもあるんだろうけど、その女の子はその場からほとんど動いていないというのも驚異的だった。

 

 

「どう? 驚いたかしら?」

 

 

「……すごいっすね。どれだけ練習したら、こんな風に打てるようになるんだろう」

 

 

「この子は3歳から練習しているの。このぐらい当然だわ」

 

 

 ……すると、この子はプロを目指しているわけか。今のこの姿を見る限り、その才能も努力もずっと続けてきたものだと思う。

 

 

「この子はいずれ、女子プロテニス界の頂点に立つわ。でも、まだ幼い。だからそれまでは、私が何としてもこの子を一人前に育てる。コーチだもの」

 

 

 おばさんはその目に自信を滾らせ、自信満々にそう言い放った。微塵にもこの女の子の成功と自分の指導の腕に疑問を持っていない、そんな目だ。

 

 

 いいねえ、指導者ってのはそうでなくちゃな。教える方のコーチが疑問だらけで何もわかっていない。そんなことじゃあ教えられている方のためにならない。

 

 

 

「ふぅん。まあ何でもいいけどね。でも嫌いじゃないよ、そういうの」

 

 

 にやりと笑い、壁に向かってボールを打ち出した。

 

 

 

 




 うがあああああああああああああああああああああああ!!!!


 何とか書き上げた……。ライトノベルの作者は本当にすごいですねえ。
39巻見ました! ネタばれ防止で内容は言いませんが、まあ正直そうなるだろうといった感じに収まりました。


 40巻が楽しみです! それまでにもう1話かけるといいなぁ(白目)
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