色々残念な高校一年生が幻想郷入りしているが大丈夫なのか? 作:優楽
優楽です。
投稿が遅くなってしまい申し訳ございません。
理由等は言い訳がましくなるので省きます。
まぁとりあえずお楽しみください(*`・ω・)ゞ
皆の別れて来た道をまっすぐ引き返す・・・ただそれだけなのにとてつもなく長く感じる、やはり初陣というのが影響しているのだろう。
いままで戦闘なんてアニメや漫画の中だけの物だと思っていた。精神的な戦闘なら何度も切り抜けて来た。暴言、軽蔑の眼差し、悪意による孤立、時には暴力だってあった。だがこれから先に待ち受けているのは物理的な、命をかけた、戦闘・・・
正直怖ぇ、ものすごく怖ぇ、もしかしたら死ぬかもしれない、そんな事が過ぎって今にも逃げ出したくなる。
それでも俺は足を止める事はしない、止めてしまったら・・・もうその先には踏み出せないから。
「やってやるさ・・・存分に・・・」
ふとペルシャ新話の深紅の弓を持つあの人が頭に浮かんだ。だからあの人の言葉を呟き更に走る速度を上げる。
そして速度を維持したまま東門を抜ける。
まだ妖怪達は東門までは、たどり着いてはいないようだ。
そのまま真っ直ぐ林に入り150m程林の中を走ると開けた平地に出た
「ガルルルル!」「アオォォォォォオォォォォォン!」「殺セェ!殺セェ!」
「1匹残らず喰い殺せ!下等な人間風情が!調子に乗るなぁ!」
どこからともなく狼の遠吠えや、人の言葉が聞こえて来た。平地の先は森になっているのだが、その森の奥から聞こえて来ている。
「・・・1対多人数かよ!超不利じゃん・・・」
冷や汗が背中を伝っていく。本当なら今すぐ逃げ出したい・・・が、
「・・・そんなに世の中イージーモードじゃねぇよな・・・」
そのつぶやきと共に茂みから4体の生き物が姿を現す。
ワーウルフ
簡単に言えば狼男だが、どちらかというと、まだ狼よりと言った所で、分厚い毛皮に、鋭い牙と爪を持ち、文明的な物は、全員が巻いている皮の腰巻?の様な物と、1匹が持っている槍くらいだろう。だが大きさはどいつも2mは余裕で超えて、3mくらいあるのではなかろうか。
「ガルルルル」
4匹の内の1匹は、狼らしく四足の体制で、唸りながらコチラを見ている。多分ではあるが、二足歩行は出来ないのだろう。今後はワーウルフAと呼称しよう。
「ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!」
もう1匹は二足歩行ではあるが中身はまだ獣の様で、どうやら興奮しているようだ。コイツはワーウルフBな。つか興奮するな気持ち悪ぃ・・・発情期か貴様!
「人間殺ス皆殺ス殺シテ喰ウ」
もう1匹は、二足歩行で人語を話してはいるが、カタコトである。それでも何を言いたいのは伝わってきた。そんでワーウルフC・・・お前頑張って人語覚えたんだな・・・おめでとさんあとちょっとで人語マスターだね。なんつってな。
「下等な人間風情が、我等に歯向かうとは生意気な・・・」
最後の1匹がどうやらリーダーの様で二足歩行で、人語をペラペラと話す。それどころか、原始的なものではあるが槍を持っている。そしてコイツは人間を見下している。ワーウルフリーダーでも名付けよう、てか武器まで使えるとかお前すげぇな独学か?使いこなせるのか?、てかコイツ見てると【ひとつなぎの大⚫宝】に出てきた、ノコギリザメ思い出すわ・・・まぁワーウルフ達から見れば下等な種族だろうからな仕方ないよね。
「ワーウルフを4体相手にするチュートリアルとか鬼畜かよ・・・」
正直身体能力的な部分では、どうやっても勝ち目はない。そして技術的面でも望み薄だ。
向こうの方が本能的な部分と、場数を踏んだ経験があるだろう。
コチラは戦闘経験はナシ、飛び抜けた能力がある訳でもない。それどころか、引きこもり体質の俺にはレベルが高過ぎる相手だ。
ハッキリ言って俺に勝ち目は0だ。微々たる勝ち目はなくもないが、それは俺の力ではなく、助けが来るのを信じて時間稼ぎをする。それだけである。
「ヴォフッ!」
まるで気合いの一撃と言わんばかりに吠えながらワーウルフBが爪による刺突をしてきた
ただコイツは頭があまり良い方ではないようで、カウンターでがら空きの腹に蹴りを入れる。
正直今のに反応して対応出来た、自分を褒めてあげたい。正直目で捉えるより先に、本能的に蹴りを放ったに過ぎないのだが・・・
「下等な人間風情が我等にたてつくか!」
リーダーが罵声を浴びせてくる。それを聞き流し、出来る限り声を低く、相手を威圧した。とりあえず頭の中でウルクの金ピカ英雄王を頭に浮かべ、それをマネる様にした。人を見下すなら、金ピカ英雄王の喋り方って便利だよね。
「雑種如きが!・・・この
やべぇ楽しい・・・普段使わない口調だから、若干話しづらいが、それでもこの圧倒的強者になった様な優越感は最高だ。だが実力差では完全に負けている・・・出来ればこのまま引いてほしい所だが・・・
「キャウン!?」
ワーウルフA逃げ出した!某RPG風な言い方だが、それ以外言いようがないだろ?
「・・・・・・」ピクピク
ワーウルフBは気絶しているようだ・・・って、えっ?気絶?さっきの一撃で?以外と勝てちゃうんじゃね?っと慢心はダメだよな・・・まだ金ピカ英雄王のアレが抜けてないのかな?
「エット・・・エット・・・ドウスレバ?」
ワーウルフCは驚き戸惑っている。まぁ普通のリアクションだよな、それとも俺の言葉を理解出来てないだけか?まぁどっちでもいいや。
「シャア!!」
ワーウルフリーダーはいきなり襲いかかってきた。・・・はぁ?話し合う気が全くナシかよ!つか狼なのに、シャア!!はないだろ・・・シャア!!は・・・どこの赤い彗星だよ・・・
とか考えながら、彩楓から渡された短剣を引き抜く。
「つまり貴様の首を落とせば、我等妖怪が格上の種と認められる訳だな!」
そう叫びながらリーダーは槍を、まるで刀を振り下ろすかのように、俺に叩きつけてきた。
安定と安心で戦闘経験のない俺には、躱すことはできそうにない 。というか敵に背を見せるのがくっそ怖い。
なので短剣を右手で持ち、左手で支える様にして、槍を真正面から受け止めた。
多分だがこの短剣は、かなり良い物なのだろう、相手の槍は折れ、俺の短剣はかけることもなかった。
だから俺は慢心してしまったのだ。『これなら勝てる』と先程慢心はしないようにと心がけたばかりなのに・・・
「ふはははは!自慢の槍もそれでは、使い物にもならんな!雑種!」
あのリーダーはそれなりにプライドのある者のようで、槍を折られたあげく煽られたせいで激怒した。
「下等な人間風情が・・・我が槍を折り侮辱するとは・・・許さぬぞ人間!」
そう叫ぶとリーダーは爪を俺に向けて、むちゃくちゃに振り回した。がかなりな大振りの為躱すのは容易だった。
「貴様は頭のきれる狼かと思っていたが、単なる狂犬であったか・・・惨めよなぁ」
大振りな攻撃というのはその分のスタミナを使うもので・・・
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
何度も大振りな攻撃ばかりしたせいで、相手は疲労困憊である。
これが更に、慢心する理由には持ってこいな訳で。
「そろそろ貴様との戯れは、終わりにするとしよう。下等と見下していた人間風情に、殺される気分はどうだ?さぞ屈辱であろう?ふはははは!」
この発言のせいで、俺の慢心と、リーダーの怒りは最高潮に高まった。
「畜生!ちくしょう!チクショウ!チク・・・ショウ!」
リーダーは怒り狂ってなのか、言葉が段々カタコトになっていく。
俺は先程のリーダーの攻撃を、躱しきった事で慢心しきっていた。
「ガァァァァァァァァアアアアアアアア!!」
大きく吠えたリーダーは、全身全霊とも言える手刀による刺突を放った。
先程の槍での攻撃や大振りなひっかく攻撃とは違い、ワーウルフBとは比べ物にならない速さで繰り出して来た。
「なにぃ!」
結果、慢心しきっていた俺は見事刺突をくらった。腹部にリーダーの腕が突き刺さっており、指先はどうやら貫通して背中から出ているようだ。多分だか急所は外れている。というか外れてると願いたい・・・
「ふん・・・先程の刺突は、中々に良き一撃であった・・・しかし!一撃で仕留めきれなかった、うぬが不覚よ!」
苦し紛れの強がりを言い放ち、手に持っていた短剣をリーダーの心臓に突き刺そうとした。
なんとかあの刺突の衝撃の中、短剣を手放さず持っていた様だ。
「ガァア!」
しかし、リーダーは突き刺さった腕を引き抜き、回し蹴りで蹴り飛ばした。
バキバキバキッ
身体の内側から、硬い物がへし折れる音がした。どっかの骨が折れた。その認識をするので、俺は精一杯だった。
立ち上がるだけの力も、気力もない。色付いた世界がぼやけていき、白黒に見え、最後は何もない暗闇に変わる。
「お前!もう少し粘るんだぜ!」
もう意識を手放す直前、人の声が聞こえた。
もう目を開ける気力もなく、誰が来たかなんて見てもいない。
・・・あぁ俺が慢心なんかせず、しっかりしていれば・・・誰かを巻き込む事もなかったのに・・・声質からして女だな・・・あの暴走したアレを止められるはずもない・・・
俺のせいで、人を巻き込んでしまった・・・その罪悪感を持ったまま、俺は暗闇の中、欠片程度で残っていた意識を手放した。
・・・内容のないと言われてしまえばそれでおしまいですな(^ω^;)
とりあえず次回も気長に「あのクソ主生きてるのかな?」くらいな感じでお待ち下さい。
次の投稿?とりあえず出します・・・ただしいつとはお約束はできませんなすいません(´・ω・`)