前回あらすじ:記念すべき第一投にて見事に横須賀から九州は福岡小倉へと深夜バスで向かうこととなった吹雪と叢雲。14時間の乗車の末、たどり着いた九州の地で運命に見放されたサイコロは再び振られる。
「ええい!やってやるわよ!! ていっ!!! 」
ポン、カッ、コロコロ……。
「………………」
「……えぇー」
出目を確認した瞬間、その場に崩れ落ち orz の姿勢になる叢雲と、それを白い目で見る吹雪。
カメラに映された数字は、六の目。
「……やってしまったね叢雲ちゃん」
「嘘よ、こんな……いや、だって無理……」
「というわけで次の目的地は隣国の釜山でーす!! 」
「いやぁぁぁぁぁ!!!! 」
耳を塞ぎうろたえる叢雲だったが、そこでディレクター係である深雪の手が横から伸びる。
深雪:あのさ、これ(六の目、釜山)なんとなく私が入れたんだけど、ちょっと今、問題に気づいちゃったかも。
「…………? 」
「問題……? 」
深雪:いやね? 私たちって艦娘じゃない? 言ってしまえば国の機密というか、ね?
「そう、だけど……」
「…………!! 」
深雪:で、調べてみたんだけど、この予定しているヤツに乗るためにパスポートがいるの。私たち、パスポート持ってないんだよね。
「え、じゃあこれって……」
「無理よね? 無理じゃない!! やった! これ無理よ!! 無効よ!! ノーカン! ノーカン!! 」
深雪:なんでこれからちょっと提督か広報部に連絡して確認取ってみるね。もしかしたら特別許可出るかもしれないし。
「いいわよ別にそんな努力しなくても!! というかこのままだと私のこの映像における落ち度が吹雪以じょ――(ブツッ)」
画面が一瞬暗転する。次の瞬間映ったのは、先ほどと同じように orz の姿勢の叢雲と、六の目が出たサイコロ。
「やってしまったわー。まさかここからさらに佐世保に行くことになるなんてー(棒)」
カメラが引くと、これ見よがしにフリップを持っている吹雪。アップにされた六の番号の場所には、『南の鎮守府! 佐世保へ! 』と書かれている。
「………………」
「………………」
「さあ行くわよ!! 時間はないんだから!! 」
「そ、そうだね!! ところで叢雲ちゃん!! 」
「なにかしら!!? 」
「私、急にビビンバが食べt――痛っ!! ぶった!! この子姉の! 姉の頭叩い……やめっ、お腹はやめ――」
―博多駅発 特急みどり9号―
「えー、今は無事にこうして特急に乗ることができて」
「はい」
「九州は長崎の佐世保に向かっているわけだけれども」
「まあ、ちょっとこう、“手違い”がね? あったけども」
「今回は仕方ないわ。前だけを向きましょう」
深雪:でもいつか行きたいよね。海外ロケ。
「……なんでアンタそんなノリ気なのよ」
深雪:海外ロケって言ったら水着じゃない? 広報には必要だって。
「み、水着? えー、それはちょっとなぁ……」
「ま、せいぜいがんばりなさい」
深雪:叢雲も共犯じゃん。
「………………」
「………………」
―13:30 長崎県佐世保―
「――はい、というわけで長崎の佐世保まで来たわよ」
「いや、もう目の前海だよ海!! 」
「一応、この目の前にあるのが佐世保湾で、もう少し行けば佐世保の鎮守府もあるんじゃなかったかしら? 」
「ほえー、私たち横須賀から佐世保まで来ちゃったんだねー」
「目的地は舞鶴なのにね」
「……でもさ叢雲ちゃん」
「なによ」
「なんかね、こう、佐世保に来たーって実感がなにもないのはなんでだろうね? 」
「そりゃあ、まあ……「来たーい」って思って来たわけじゃないからじゃない? 」
「ああ、まあ、ね」
「旅行ってのは本来そういう、こう、目的があって来るわけよ。そのイメージをね? 膨らませて来るんだから。でも今回はイメージないじゃない」
「なるほどね。でも叢雲ちゃんはまだいいじゃない」
「……なんでよ」
「私は“騙されて”来ているんだよ!! 」
「そんなのもう私だって一緒よ!! まさか佐世保まで来るなんて思ってなかったわよ!! 」
「無計画すぎるでしょ!? 」
「うるさい! ほら、次行くわよ次!! 」
1 これで直行 大阪 伊丹空港
2 地獄のバス?でも直行。 「ユタカライナー」 京都駅
3 少し戻って一休み(でも明日の夕方に戻れるかな? ) 別府温泉
4 とんぼ返り 博多
5 ひとまず本州へ 広島
6 どこまで行くんだ!? 有川
「……とりあえず一と二ね」
「三はすっごく魅力的だけど、まずいよね」
「というか六はどこなのよ……どこまで行くかなんてこっちが聞きたいわ」
「直行か、もしくはお風呂入りたいよ、私……」
「なら気合い入れて振りなさい!! 吹雪!! 」
「はい、吹雪、いきます!! てーーーーーっ!!!!! 」
つづく