ガンダムシードデスティニー ビルギットが主人公の場合   作:タチコマb333

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文字にするってとても大変。戦闘描写なんてかけるのか・・・。


「壊れた日常」

「―であるからして、プラントと連合の前大戦は終戦を迎え、現在の平和を教授することができたのです。終戦の際に結ばれた条約は現在も一部交渉が続いており―」

 

今日もいつもどおりの歴史の授業が始まって数分後、バナージは途中までノートに書いていた手を止めていた。

 

「・・・・・。」

 

オーブで過ごしていた平和な日々はもう遠く、家族がいない寂しさから大分慣れた今日このごろ。これといって差し迫ったやることもなく、生きていくのに必要であろう自身の目標が見つからないでいた自分は、これからいったいどうなるのだろうか。

 

そんな漠然とした不安を時折急に感じることがある。周りにも当然ながら同じ境遇のなかそれぞれの目標に向かい、進路を決めているものも出てきたときく。

 

(きっと目標が決まっていれば今の勉強にも力が入るんだろうな。)

 

周りで熱心に勉強をしている友人を見て改めてそう感じる。バナージのテスト成績はクラスのなかでしたから数えたほうが早かった。

 

「バナージ!ノート!」

 

「なんだよ、ミコットか。」

 

授業が終わり、そそくさと外に向かうバナージに声をかける女性がいた。

いつものように連れ立って外のベンチへと向かう。自分とバナージの携行食を取り出しながらミコットは眉根を寄せた。

 

「また、ボーっとしてた!」

「悪かったって・・・」

 

ミコットは同じオーブ出身の避難民で、あてがわれたアパートの隣人だ。

こうしてずけずけとこう、思ったことを素直にそのままいっているのだとは思うけど、最初会った時はなんといわれたんだっけか。

「バナージ!ちゃんと聞いてる?」

「聞いてるって。」

 

(ん?)

 

遠くにザウートがあるのが先ほどから見えていた。

確か先生が明後日に式典があるからどうのこうのと・・・・。

 

式典装備のザウートや、新規量産型次世代MSザクが今少し―動いた?

 

「だから歴史の授業のテスト範囲は―」

「ミコット。」

「だからちゃんと聞いて!進級一緒に―」

「ミコット。」

 

式典用のザウートが攻撃態勢をとっている。なんでだ―?

瞬間、風がないだ。

 

「逃げるぞ!ミコット!」

「ちょっと待ってバナージ!―嘘!」

 

遠くで式典用のザウートが、ついでザクが爆散した。

爆発の音が遅れてやって来た後、周りにいる人も気づいたのか叫び声があがり、

ついで避難を呼びかける声があちらこちらから上がる。

 

(とにかく、生きないとな)

 

まだやりたい目標などはない。でもせっかく拾った命だ、大切にしたい。

バナージはミコットの手を握りしめ、避難口へと急いだ。

 

 

ミネルバ艦内

 

現在進宙式を控えたミネルバ艦内ではコンディションレッドが発令され、どたばたと慌ただしく戦闘準備がなされている。先ほど緊急できた通信では、新型のガンダム3機が何者かに奪取され、攻撃を受けているとのことだった。

既に通信は途絶えている。

 

(恐らくは連合か、ブルーコスモスの過激派かしら。なんにせよ、間が悪いわね。)

 

今日は確かオーブの姫君が視察に来ているはずだ。そのエスコートのためあの男も―

 

「タリア艦長。戦闘準備と整いました。」

「すぐ出して。MS発信準備。」

 

「MS発信準備了解。シン、気をつけて。」

 

『了解。行ってくる。』

 

「レイ、気をつけて。」

 

『了解した。』

 

「おねいちゃん、頑張って。」

 

『だいじょうぶい。行ってくる。』

 

若いものばかりなのは気になるが、クルーを再度見回して問題がないことを確認する。

アーサーをちらと見ると、意外と堂々と副艦長らしく身構えていた。

 

無事3機のマーカーがミネルバから離れていく。

 

「MS全機出撃確認。戦闘地域に3分ほどでエンゲージ。」

 

「よろしい。ミネルバ、微速前進。戦闘地域を確認しつつ迂回する。」

「了解。ミネルバ微速前進。対MS戦闘を想定。対空監視を怠るな。」

 

艦独特の振動の後、艦が浮く。―発進が思ったよりスムーズだ。

事前の報告書を見て頭を抱えていたが・・・。

他のクルーも問題児だなんて書いてあったけど、標準、いえ、標準以上ね。

 

どうやら報告書とクルーの能力はまったく別物のようだ。

だが、戦闘への不安は拭えない。艦に慣れていない。火気管制は運用はまだ。

急場で仕上げたミネルバだ。今は大丈夫だが運行が大丈夫だとは言えない状況だ。

 

ミネルバの処女航海は、不安の付きまとうものとなりそうであった。

 

 

爆炎があちらこちらから上がっている。怪我をしている人もいるが、とても手助けしている暇もなさそうだ。

 

先ほど爆風に煽られた際ミコットが足をくじいたため、移動速度が半減。

近場の避難シェルターが既に定員に達していたため、遠くの学生用避難シェルターへ避難することになった。

 

「バナージ、行って。私は大丈夫だから。」

「うるさいな、大丈夫とか関係ないから。」

 

多分、ひねっただけじゃないな。

いつもは男勝りなミコットが、脂汗をかいていたがっている。

そして戦闘地域から離れているはずなのに止まない爆風が歩みを遅くした。

 

いつもはすぐ着くはずの距離が、遠い。

 

―まずい。

 

「ミコット!伏せて!」

「わっ!」

 

3機のMSが編隊を組んでちょうど上を通り抜ける。遅れて衝撃波ともよべる爆風が二人の身体をないだ。

 

ここには人がまだいるんだぞ。・・・それを気にかける余裕もないのか?

顔をしかめながらMSを目で追うバナージ。周りを見回してみて改めて気づく。

 

そういえば、避難をサポートするはずの軍人がいない。機能していない?

 

「また戦争が始まるのか・・・」

「バナージ!先生が迎えにきてくれた!早く!」

 

ミコットの声がする方を見ると、エレカーが1台。歴史の先生が運転手を勤めていた。

 

「ここからなら学生用シェルターならすぐそこだ。いくよ。ミコットさん、バナージ君。」

 

俺の名前、知ってたんだ。

 

ぼんやりと考えながらエレカーに近づく。これで助かるという安心感からか、周りがよく見えてしまった。

 

女の子?

 

ついで、爆発。女の子がいた方向だ。―気づくとバナージは走り始めていた。

 

「バナージ!」

「先に行っててくれ!後で会おう!」

 

彼女もシェルターに連れて行かなければという思いが強かった。

辺りには死体がいたるところにある。生きていれば。ただそれだけを祈った。

 

黒炎が晴れる。先ほど見た金髪の女性が横たわっているのが見える。

しかし、目をつむったまま動かない。

 

(息は―ある。なら!)

 

彼女を抱き抱えシェルターへ向かおうとしたその時、爆発が起こる。

爆発が起きたのは、自分が避難するはずのシェルター近くだった。

 

 

 

第2種戦闘配備が発令されてからはや20分。ザンバ2号は未だ出港できないでいた。

 

理由は簡単。軍が宙港を閉鎖したからだ。どうにもテロが発生した際のルールということだが、今そのテロが内部で暴れまわっているのにもう取り押さえることをしているのはどういったものか。

『―やっぱり地球連合ですかね。』

 

シーブックから通信が入る。滅多なことはいうんじぇねえよとだけ返し、タチコマから得られるリアルタイム偵察情報を確認していく。

 

(どうやらあらかた式典部隊はやられたみたいだな。そんでもってコロニーの治安部隊はMSの起動もできずやられたか・・・。どっからかこのMS基地の情報ダダ漏れじゃねえか。)

 

情報を整理するたびにこれが仕組まれたテロだということがよくわかる。そして、相手はよくこちらの情報を的確に集めていたようだ。これほど的確な攻撃をされるとなると―内通者がこのプラント内部にいたと見るしかない。

 

3機の奪われたMSは、優先的にMS倉庫に攻撃を仕掛けていた。

 

『発進シークエンススタンバイ。発進シークエンススタンバイ。』

 

『すまんが出てくれ。金は出ないがただ巻き込まれるよりは恩を売ったほうがいい。』

 

艦長のイシューからゴーサインが出る。ただどちらに恩を売るかだが、、、。

 

「了解。方針は?」

 

『・・・任せる。』

 

なら、旨みはザフトに恩を売っておくのが後々いいか。

 

「了解。ビルギットF90出る。シーブックとハマーンのトリプルドックでいく。

ポイント指定。合流次第、コロニーを外から監視する。遅れるなよ!」

 

『シーブック了解です。』

『了解した。』

 

ハッチが開き、刺激しないようゆっくり機体を動かす。

ザフトの誘導に従い、コロニー外宙域に一旦出る。

 

「タチコマ。恐らく周辺宙域にやつらの戦艦がいるはずだ。索敵たのむ。」

『わかったー。ちょっとまっててね。』

 

もし、シーブックがいったように、テロリストが地球連合だったなら。

2年間の平和が終わり、また―

 

「戦争が始まるのか。」

 

2機が遅れてやって来る。ビルギットはもう一度気を引き締め直した。

 




以上でした。読んでくれてありがとうございます。
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